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2011年7月12日 (火)

基準改定される消費者物価の動向を探る!

あまりメディアには注目されませんでしたが、総務省統計局から消費者物価の2010年基準改定のウェイトが金曜日に発表されています。これに呼応して、いくつかのシンクタンクや金融機関から基準改定に伴う消費者物価上昇率の下方改定幅の推計もなされています。ネット上でオープンに公開されている試算結果は第一生命経済研究所と大和総研から発表されています。以下のリファレンスの通りです。

それぞれのリファレンスを見れば明らかですが、第一生命経済研究所は▲0.9%ポイント、大和総研は▲0.7%ポイントの下方改定を見込んでいます。私の直感では大和総研にやや近くて、▲0.7-0.8%ポイントくらいではなかろうかと考えています。リセット効果やウェイト効果については、2月22日付けの「今夏の基準改定による消費者物価上昇率の下方改定幅はどれくらいか?」で詳しく取り上げたので繰返しませんが、そのころより下方改定幅が大きくなるんではないかとの予想が主流になっています。統計局の新基準ウェイトの発表後に、さらにその感触が強まりました。いずれにせよ、5月のコア消費者物価上昇率が前年同月比で+0.6%でしたから、基準改定によりほぼ確実にマイナスに舞い戻ります。10月には昨年のたばこ値上げの物価押上げ効果が一巡しますから、まだまだデフレ脱却には時間がかかると覚悟すべきです。
5年前の「CPIショック」の原因は明らかに日銀が悪いんであって、日銀から年明け早々の段階で基準改定による下方修正幅は▲0.1%ポイントとか、▲0.2%ポイントとか、意図的なポジション・トークが流され、その後の、3月の量的緩和解除や7月のゼロ金利解除に向けたプロパガンダに統計が犠牲にされたと私は受け止めています。もっとも、統計局を監督する当時の総務大臣が竹中平蔵さんであったことも事態を増幅した可能性ありますが、所管する金融政策の得手勝手な遂行のために客観的たるべき統計の先行きを捻じ曲げた予測を下した、という側面は否めず、さらに、短資会社などの日銀の支配下にあるエコノミストがお先棒を担いだ、と多くのエコノミストは冷静に見ていたと記憶しています。今回が落ち着いた対応となっているのは、総務省統計局が事前にウェイトを公表したとか、来月半ばに6月分まで基準改定を先取りして修正統計を発表するとか、いろいろと混乱のないように努力しているといった側面もあるものの、今日の日銀の金融政策決定会合に見られるように、景気判断は引き上げたものの、下振れを強調して結局ニュートラル、といった印象であり、金融政策が無風状態のため日銀発の混乱要因が存在しない、という客観情勢が5年前のような「CPIショック」を避けられる理由として大きいと私は考えています。ただし、一言だけ誤解のないように付言すると、私自身は5年前の2006年7月のゼロ金利解除は決して反対ではなく、当時の経済情勢から考えて合理性があり、むしろ利上げに賛成でした。私が批判しているのは、量的緩和解除やゼロ金利解除の政策への「地ならし」的に客観的たるべき統計の先行きに対して恣意的かつ誤った解釈を下した日銀の姿勢にあります。やや複雑な関係ですが、この点は付け加えておきます。

企業物価の推移

最後に、本日発表された6月の企業物価の推移は上のグラフの通りです。国内企業物価は前年同月比で+2.5%の上昇だったんですが、足元では商品価格、特に石油価格が下落に転じており、今後の動向が注目されます。

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