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2011年10月 6日 (木)

世界のCO2排出やいかに?

一昨日、国際エネルギー機関 (IEA) から、Key World Energy Statistics 2011 が公表されています。統計の主たる項目はまだ2009年で、リーマン・ショック直後の世界経済の Great Recession を反映して、エネルギー消費は減少に転じた旨が報告されています。エネルギー消費とともにCO2排出も減少しています。今夜はエネルギーではなく、このCO2排出に着目して、リポートの pp.48-57 Selected Indicators for 2009 のデータを基に、いくつかグラフを示しつつ簡単に統計を見ておきたいと思います。

CO2 Emissions by country (mil. tons)

まず、国別のCO2排出量ですが、上のグラフに見る通り、米国を軽く上回って中国が3年連続で最大のCO2排出国となりました。上のグラフの単位は2009年における百万トンで、世界全体の2009年におけるCO2排出は28,999百万トンに上っています。リーマン・ショック後の景気の落ち込みが小さかったという見方も出来ますが、実は、中国をはじめとする新興国・途上国はエネルギー原単位がかなり悪いという事実もあります。以下のグラフの通りです。

CO2 Emissions per GDP (kg/2000US$)

上のグラフは最初の円グラフの諸国に、先進国の代表としてのOECD平均と新興国・途上国の代表としてアジア諸国平均を加えて、2000年価格の米ドル1000ドルのGDPを産出する際に発生するCO2排出をキログラム単位で棒グラフにプロットしています。水平な赤い横線は世界平均であり0.73です。製造業の比率などの産業構造に依存する部分が大きいんですが、中国のCO2排出のGDP原単位がかなり大きいことが見て取れます。産業構造の違いを無視すれば、GDP当たりのCO2排出は中国は日本の10倍近いことになります。逆から見れば、日本にはCO2排出を抑制する工学的及び経済学的な技術があり、何らかの比較優位構造に育て上げる可能性が示唆されていると考えられます。

典型的な逆U字型の環境クズネッツ曲線の議論ですが、産業構造の違いは考慮する必要はあるものの、日本のCO2排出のGDP原単位は米国やドイツと比較しても大幅に低く、大きな比較優位を持っている可能性を見逃すべきではありません。

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