キース・ジャレットのソロCDを買いに行ってデフレと内外価格差を実感する
あまり宣伝をするつもりはないんですが、私は役所の1階にある書店で Jazz Japan という雑誌を定期購読していて、最新号にキース・ジャレットのソロ・ピアノで Rio というアルバムが11月2日、すなわち、昨日に発売されるとあり、私はあまねくキース・ジャレットのソロ・ピアノを聞いていますので、文化の日の今日になって買いに出かけました。
2枚組で3,600円はキース・ジャレットのソロ・ピアノのファンには適当な価格で、今まで、ライブでは日本やドイツなどがあったものの、今回は南米はリオ・デ・ジャネイロでのライブということで、それなりに楽しみにはしていました。現在、トップ・クラスのジャズ・ピアニストを3人上げるとすれば、この順でチック・コリア、キース・ジャレット、ハービー・ハンコックと私は考えています。もちろん、3人ともジャズ発祥の地の米国人ですが、ラテン系のチック・コリア、アフリカ系のハービー・ハンコック、欧州系のキース・ジャレット、という勝手な想像をしていましたから、キース・ジャレットのソロ・ピアノがリオでのライブで聞けるというのは少し意外感がありました。
いつもCDを買うお店に行くと、当然ながら、定価の3,600円で何枚か上のデザインのアルバムが並んでいるんですが、その隣のコルトレーンの日本ライブ完全収録5枚組7,500円は別としても、11月5日(土)入荷予定の輸入盤が定価2,930円、期間限定割引で2,590円と宣伝してあります。50歳を過ぎて老い先短く、時間が貴重に感じられる私なんですが、さすがに、明後日には輸入盤ながら1,000円以上も値引きされるとあっては、国内盤3,600円はパスしました。少し待てば安くなるというのは典型的なデフレ期待であって、わずか2日とはいえ私のように買い控えるというのも典型的なデフレ下の消費行動といえます。また、ライナー・ノーツが日本語で書かれているか、英語かの違いだけで、ディスクはほとんど同じクォリティなのに、なぜか輸入盤の方が段違いに安いのは品質で調整し切れない内外価格差が大きいといえます。
エコノミストにして、ジャズ・ファンの私は、デフレと内外価格差にはなすすべもなく、何も買わずにお店を出てしまいました。キース・ジャレットの Rio の1枚目は半分くらい試聴したんですが、余り長々と試聴していると、伊坂幸太郎さんの『死神の精度』を読んでいる店員さんがいれば、死神に間違われかねないと考えて、名残り惜しくも切り上げました。
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