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2011年12月 6日 (火)

金曜日に発表される7-9月期GDP速報改定値はやや下方修正されるか?

昨日、私の帰宅が遅くなった機会をとらえて、OECD が Divided We Stand: Why Inequality Keeps Rising と題する格差に関するリポートを発表しています。国際機関のリポートに注目するのはこのブログの特徴のひとつですから、取り上げたいところなんですが、大部の英文リポートですので少しお時間をちょうだいして、今夜のところは今週の金曜日12月9日に発表される7-9月期GDP速報改定値、エコノミストの業界で2次QEと呼ばれる統計について、各シンクタンクや金融機関などから出されている2次QE予想に着目したいと思います。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で、足元の7-9月期以降の先行き見通しを拾いましたが、何せ2次QEですので法人企業統計とともにザッと見ただけのコメントが多かった記憶が強く残っています。先行き見通しについては特に長々とフォローしていますが、そうでなければアッサリとピックアップしてあります。もちろん、いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府+1.5%
(+6.0%)
n.a.
日本総研+1.2%
(+5.0%)
設備投資投資と公共投資がいずれも下方修正
みずほ総研+1.1%
(+4.5%)
10-12月期については、東日本大震災による落ち込みからの急回復局面が終了しつつある中、欧米経済の低調やタイ洪水の影響による輸出の伸び悩みが予想され、成長率が低下することは避けられない。それでも、復興需要による押し上げが見込まれることなどから、年率+1-+2%程度のプラス成長を確保すると予想している。
ニッセイ基礎研+1.3%
(+5.3%)
7-9月期・GDP2次速報は下方修正を予想
第一生命経済研+1.2%
(+4.9%)
下方修正されると予想する。法人企業統計の結果を受けて設備投資が下方修正されることが主因である。
三菱総研+1.3%
(+5.2%)
下方修正を予想
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+1.4%
(+5.6%)
小幅に下方修正されると予想する。
伊藤忠経済研+1.2%
(+4.7%)
輸出の減速は、大震災からのリバウンド一巡に加え、世界経済減速や円高、タイ大洪水などが影響したものだが、モメンタム鈍化は輸出に限った動きではない。復興消費や自動車の一巡や、地デジ移行や節電特需の一服により、個人消費も月次ベースでは既に増勢が大きく鈍化してきている。高成長は7-9月期の1四半期で終わり、輸出と個人消費の急減速により、10-12月期の日本経済は再びゼロ%程度まで成長率が低下する可能性が高いと考えられる。

ということで、2次QEは1次から下方修正されることはほぼコンセンサスがあり、その主因は設備投資であると考えられています。ただし、大きく留意すべき点があり、それは基準改定です。SNAの基準年が2000年から2005年に変更され、国勢調査結果や産業連関表の更新が反映されるとともに、93SNAに準拠したいくつかの大きな改定が織り込まれます。すなわち、金融仲介サービスにFISIMを導入したり、自社開発ソフトウェアを固定資本に繰り入れたり、ストック推計を整備するとともに固定資本減耗を時価評価したり、育成資産の仕掛品在庫の推計方法見直しを行ったり、より精緻な財政統計を導入したりと、過去にさかのぼって大幅な改定が実施され、そもそも、今年4-6月期までのGDP統計が大きく変更される可能性があります。ですから、単純な1次QEから2次QEへの改定ではなく、かなりの幅を持って受け止める必要があります。加えて、これは直観的な私の感触も含めて、先週発表された法人企業統計の設備投資には違和感があります。すなわち、生産側や供給側の資本財出荷などと照らし合わせても、設備投資がどうも小さいという疑いを払拭することが私には出来ません。金曜日のGDP統計発表の時点では、法人企業統計に従った2次QE推計にならざるを得ないんでしょうが、将来的に他の統計リソースが利用可能になれば改定される可能性もあり得ると覚悟しておくべきです。

2010年ヒット商品番付

2次QEを離れて、上の表はSMBCコンサルティングが昨日発表した2011年ヒット商品番付です。もちろん、上の画像はSMBCコンサルティングのサイトから引用しています。11月26日付けで取り上げた電通総研の「話題注目商品2011」よりも、商品に限定していないからなのか、私の実感にフィットします。自転車も入っていたりします。

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