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2011年12月14日 (水)

明日発表の日銀短観は製造業を中心に弱含むか?

明日15日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから12月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIを取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。今回は、来年以降の先行きに関する見通しを可能な範囲で取りました。いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、富士通総研以外は pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。なお、富士通総研は html 形式のリポートとなっています。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
9月調査先行き+4
+1
<+3.0>
n.a.
日本総研▲2
+1
<+2.5>
先行き見通しDI(大企業)は、復興に向けた動きにより、景気の押し上げが見込まれるものの、海外経済の減速や円高が引き続き企業活動の重石となり、製造業で▲3%ポイント、非製造業で0%ポイントと、わずかに低下すると予想。
みずほ総研0
+2
<+3.5>
今回の短観は、製造業の業況悪化など日銀の景気認識よりもやや厳しい結果が予想される。ただし、非製造業は改善が見込まれるほか、製造業の業況悪化幅も小幅にとどまるとみられることから、一段の金融緩和を促すには至らないだろう。
ニッセイ基礎研0
0
<+2.1>
大企業製造業の足元の業況判断D.I.が再び下落に転じ、欧州財政危機の緊迫化や円高の影響などで企業の景況感改善が途切れた姿が明らかになるだろう。先行きについても不安要素が多く、さらなる悪化が予想される。
第一生命経済研▲5
+1
<+2.1>
欧州不安や円高という現在も継続するリスク要因がある。今後、ギリシャから欧州本体に波及した危機が予想以上に大きくなれば、景気後退に向かう可能性は否定できない。
三菱総研▲2
+1
<n.a.>
先行きについては、内需面では3次補正予算成立による復興需要の本格化が予想されうこともあり底堅い推移が見込まれるが、外需面では、債務問題解決の糸口がみえない欧州で景気後退確率が高まっているほか、中国やブラジルなど新興億でも景気減速リスクが強まっている。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲1
+1
<+1.9>
世界経済の減速や円相場の高止まりが輸出の伸びを抑制し、企業収益を圧迫していることが背景にある。化学や鉄鋼、電気機械や生産用機械など、自動車を除く主要業種で景況感が悪化するだろう。先行きについてはさらに悪化が見込まれ、今後の景気に対しても企業が慎重な見方をしていることが示されるだろう。欧州の財政金融危機が世界経済の急減速を招くリスクが高まっていることや円相場の高止まりなどが、企業マインドを悪化させる要因になるとみられる。
みずほ証券リサーチ&コンサルティング▲1
0
<+2.0>
震災後のサプライチェーンの復旧に伴う回復の動きが概ね一巡するなか、海外経済の減速や円高の進行などもあり、生産の回復ペースが鈍化してきていること、欧州債務問題の深刻化が先行きの不透明感を高めていることなどから、製造業を中心に業況判断DIは前回調査から悪化し、企業マインドが慎重化していることを示す結果になると想定した。
伊藤忠商事0
+1
<+2.2>
世界経済の減速や円高に加え、先行きの不透明感の高まりにより、業況判断は、製造業で悪化が見込まれる。一方、復興需要などの恩恵により、非製造業は悪化を何とか回避するだろう。また、不透明感の高まりによる投資見送りで、設備投資計画は下方修正を予想。
富士通総研▲2
0
<+2.4>
輸出環境の悪化により、製造業の景況感はやや悪化すると見込まれる。非製造業については、サービス消費が持ち直しているなどの好材料もあるが、先行き不透明感からやはり小幅悪化すると考えられる。

見れば分かると思いますが、大企業の製造業・非製造業の業況判断DI、さらに、大企業全産業の2011年度設備投資計画の前年度比です。設備投資計画は土地を含みソフトウェアを除くベースです。日銀短観では大企業製造業の業況判断DIがヘッドラインとなっていることはよく知られた通りです。
ということで、12月調査の日銀短観では企業マインドの悪化が示されるという予想が大勢を占めています。さらに、先行きについても悪化か、せいぜい横ばいが続くと見込まれています。上の表の調査機関のうち、先行きが上昇に転ずると見込んでいるのは第一生命経済研だけだったりします。設備投資計画についても下方修正されるものの、プラスを維持するとの見方が大勢を占めます。
この企業マインド悪化の要因は、すでに何度も繰り返しましたが、第1に、世界経済の失速と円高による輸出の停滞に起因する需要面の影響です。ですから、非製造業よりも製造業の方がマインド悪化が強く出る形になっています。第2に、かなり収束しつつあるとはいえ、タイ洪水に伴う供給制約です。これも製造業の方により大きな影響を及ぼすと考えられます。他方、まだ舞台に上っていないのが復興需要です。かねてより、マイナスの海外要因とプラスの国内復興要因の綱引きが景気動向を決める、と私は考えていましたが、現時点で、前者の方が圧倒的で、後者の復興需要は姿が見えません。内閣が交代すれば復興が進むと私は見込んでいたんですが、TPPや消費税増税などの議論は進んでいるものの、震災復興のプライオリティが高まらないのは不思議です。

いずれにせよ、明日の日銀短観では企業マインドの悪化が明確にされ、日銀が想定する景気パスとのギャップが明らかになると私は考えています。それでも、世界的に見てめずらしいくらいの無策の中央銀行の姿勢が続くんでしょうか?

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