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2012年1月 7日 (土)

米国雇用統計のグラフィックス

昨日、米国労働省から米国雇用統計が発表されました。12月の統計です。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は20万人の増加、失業率も8.5%まで低下しました。まず、New York Times のサイトから記事の最初の4パラを引用すると以下の通りです。

U.S. Economy Gains Steam as 200,000 Jobs Are Added
Maybe it is time to start calling the glass half full.
Employers in the United States added 200,000 jobs last month, the Labor Department said Friday, a report that came on the heels of a flurry of heartening economic news and signaled gathering momentum in the recovery. Consumer confidence lifted, factories stepped up production and small businesses showed signs of life. The nation's unemployment rate fell to 8.5 percent, its lowest level in nearly three years.
It was the sixth consecutive month that the economy showed a net gain of more than 100,000 jobs - not enough to restore employment to prerecession levels but enough, perhaps, to cheer President Obama as he enters the election year.
No sitting president has won re-election with an employment rate at 8.5 percent, but Mr. Obama is calculating that he can make a credible argument that he took over a country in an economic disaster and slowly walked it back.

次に、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減とそのうちの民間部門雇用者です。下のパネルは失業率の推移です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。

米国雇用統計の推移

クリスマス商戦の好調な売行きなどから、米国経済は欧州と違って底堅いと評価されていましたが、12月の雇用統計で裏付けられた形となりました。また、米国労働省が発表する政府統計だけでなく、給与計算などの人事関連業務の代行会社大手のADPのリポートにも雇用の強さは現れています。すなわち、労働省の20万人に対して、ADPのリポートでは12月は30万人の雇用者増を記録しています。労働省とADPのそれぞれの雇用者数の前月差を比較したのが下のグラフです。

米国雇用統計の比較

加えて、雇用の量的な側面だけでなく、デフレとの関係で私が重視している賃金についても一時の弱含み傾向を脱しつつある動きが見て取れます。まだ、トレンドとして自信を持って断言できる段階にはありませんが、時間当たり賃金の前年同月比をプロットした下のグラフの通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。

時間当たり賃金上昇率の推移

しかし、従来の景気拡大期に比較して、まだまだ雇用の回復は遅れています。下のグラフは、1960年代から前回までの米国における景気後退期における雇用の変化をプロットしたもので、上のパネルは景気後退に入る直前の山を基準に、その後の雇用者数の増減をパーセントでプロットしており、下のパネルは景気後退の谷を基準に100として指数化し、その後の雇用者数の指数値をプロットしています。景気後退局面での雇用の減少が極めて大きい反面、その後の回復期の雇用増加が緩慢であることが読み取れます。

Jobless Recovery

米国の雇用の現段階は、最初に引用した New York Times の記事の書き出しにある通り、"the glass half full" なのかもしれません。

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