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2012年2月 4日 (土)

米国雇用統計のグラフィックス

昨日、米国の労働省から1月の米国雇用統計が発表されました。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は前月より24.3万人増加し、失業率も0.2%ポイント改善して8.3%になりました。いずれも季節調整済の系列の数字です。フェイスブックの株式公開なのか、この雇用統計なのか、私にはよく分かりませんが、NY証券取引所のダウ平均株価は3年振りの高値で今週を終わりました。米国雇用統計は何と言っても注目の指標ですし、私のブログでもグラフを中心に簡単に取り上げておきたいと思います。まず、New York Times のサイトから記事の最初から5パラを引用すると以下の通りです。

U.S. Jobless Rate Falls to 8.3 Percent, a 3-Year Low
The United States economy gained momentum in January, as employers added 243,000 jobs, the second straight month of better-than-expected gains.
And in a separate measure, the unemployment rate fell to 8.3 percent, giving a cause for optimism as the economy shapes up as the central issue in the presidential election.
Measured by both the unemployment rate and the number of jobless - which fell to 12.8 million - it was the strongest signal yet that an economic recovery was spreading to the jobs market. The last time the figures were as good was February 2009, President Obama's first full month in office.
The report sent stocks up by over 1 percent in trading on Wall Street.
The White House used the new numbers as a platform to appeal for an extension of the payroll tax cut and unemployment benefits. President Obama, speaking at a Washington-area firehouse to promote a jobs initiatives for veterans, and warned that more help was needed and called on Congress to aid with the economic recovery.

次に、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減とそのうちの民間部門の増減をプロットしています。下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。なお、失業率は別にして、今回の雇用統計の発表ではかなり以前にさかのぼって計数が改定されています。私が見た範囲でも、ラクに20年以上に渡って改定されているようです。

米国雇用統計の推移

さらに、戦後の景気後退期における雇用の喪失とその後の回復をプロットしたグラフは以下の通りです。2001年のいわゆるITバブル後の景気回復局面は Jobless Recovery と呼ばれましたが、2009年から始まる今回の回復局面はさらに雇用の改善が遅れていることが読み取れます。

Jobless Recovery

雇用統計の改訂に従って、賃金統計も改定されています。先月時点では、緩やかながらも雇用の改善に伴って、賃金も上昇傾向を取り戻しつつあり、デフレの危険は少し遠のいたと考えていましたが、1月統計ではまたしても賃金上昇率は鈍化しています。金融政策当局の舵取りが難しいところです。

時間あたり賃金上昇率の推移

最後に、New York Times のブログのひとつである Economix のサイトにある最新の経済指標を集めたフラッシュに直リンしておきます。ヨソさまのフラッシュに直リンするのは私のブログのひとつの特徴かもしれません。

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