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2012年3月 5日 (月)

木曜日に発表されるGDP統計2次QEは大幅な上方修正か?

今週3月8日に2011年10-12月期GDP速報改定値が内閣府より発表されます。必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2011年10-12月期の2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。もっとも、2次QE予想ですから、1次QEからの修正点をアッサリと取りまとめたリポートも少なくありません。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.4%
(▲1.6%)
今般の法人企業統計等を織り込んで改定される2011年10-12月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資投資と公共投資がいずれも上方修正
みずほ総研▲0.3%
(▲1.1%)
昨年10-12月期のマイナス成長はあくまでも供給制約による一時的なものに過ぎず、今年1-3月期は前期の落ち込みの反動もあって、年率+2%を超えるプラス成長になると予想している。
ニッセイ基礎研▲0.2%
(▲0.8%)
設備投資は1次速報では前期比1.9%と5四半期ぶりの増加となっていたが、2次速報では前期比5.1%と大幅に上方修正されるだろう。
第一生命経済研▲0.1%
(▲0.4%)
今回の法人企業統計の増加幅は、他の設備投資関連指標と比べても強さが際立っており、違和感が拭えない。実態としての設備投資はそこまで増加していなかった可能性が高い。
三菱総研▲0.1%
(▲0.6%)
上方修正の主因は民間企業設備投資の増加である。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.1%
(+0.3%)
GDPがプラス成長へと修正されるのは、需要サイドの統計である法人企業統計の結果を受けて、GDP統計ベースの設備投資が1次速報値の前期比+1.9%から同+6.4%へと、大幅に上方修正されると見込まれるためである。
伊藤忠経済研+0.1%
(+0.4%)
法人企業統計の設備投資については、他統計との不整合があまりにも大きいため、内閣府が推計方法の変更や修正で対処する可能性あり。

要するに、先週発表された法人企業統計に従って、民間設備投資が大きく上方修正されることから、GDP成長率も上方修正される可能性が高いと、私を含めて多くのエコノミストは受け止めています。ただし、上の表のヘッドラインにもいくつか収録しましたが、法人企業統計の設備投資には違和感を覚えるエコノミストも少なくありません。すなわち、鉱工業生産指数の資本財出荷などと照らし合わせて、昨年7-9月期までは実感よりも低く、10-12月期は逆に実感より極めて高い、と見なす意見が多くあります。私も同じ意見を持っています。年平均などでならして見れば、ひょっとしたら、違和感は大きくない可能性もありますが、四半期データで見る限り、サンプル替えに伴う断層に起因する以上に大きなデコボコを感じます。いくつかのシンクタンクでは、第一生命経済研のように、明示的に疑問を呈しつつも、この点は不問にして機械的に予測を出しているようですが、伊藤忠商事経済研のように、GDPを推計する内閣府において何らかの推計方法の変更で対応する可能性を指摘するケースもあります。また、逆に、ニッセイ基礎研のように恣意的な推計方法の変更に否定的な意見を表明する場合もあります。私が記憶している限り、最近では2008年4-6月期の2次QE推計の直前に、リース取引に関する会計基準の改正の影響を除去した系列を利用する旨の公表があり、私のこのブログでも2008年9月12日付けのエントリーで簡単に触れていますが、本日までにこのようなアナウンスはありません。今回は特に、リース会計のように明確な制度的変更ではなく、法人企業統計の信頼性に関する問題ですので、恣意的な推計方法の変更は可能性が低いと私は受け止めています。ただし、法人企業統計とは別のデータソースが利用可能となった段階で、民間設備投資が大きく修正される可能性は否定できません。

結果として、私自身はニッセイ基礎研ないし第一生命経済研くらい、すなわち、年率で▲1%を下回るくらいのわずかなマイナス成長を見込んでいますが、ホントに機械的に法人企業統計の設備投資を当てはめると、伊藤忠商事経済研のようにプラス成長に転換する可能性も否定できません。やや波乱含みの2次QEです。

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