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2012年4月30日 (月)

打線が打てず点が取れず引分けで連敗ストップならず!

 十一 HE
阪  神00000000000 030
読  売00000000000 050

連敗ストップはならず、巨人と引分けでした。打てませんでしたから点が取れず勝てませんでした。投手はそこそこ投げているんですが、サッパリ打てません。最後の代打が桧山選手でなく城島選手でしたから、采配もイマイチ冴えないものでした。

明日からの中日戦は、
がんばれタイガース!

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今さらゴールデンウィークの読書計画

『資本の<謎>』と『資本主義が嫌いな人のための経済学』

すでに、今日まででゴールデンウィークの前半は終わるんですが、このお休みの間に仕事に関係した経済系の読書の計画も当然あり、ちょうど近くの公立図書館に予約しておいた本が届いて、読み始めています。届いた2冊は読んでいる順に以下の通りです。

ゴールデンウィーク前半の3日のうち昨日までの2日が過ぎた段階で、前者の『資本の<謎>』約390ページのうち、第6章までの230ページを読んでいて、今日中に読み終える予定です。後者の『資本主義が嫌いな人のための経済学』は5月3日からの後半に回します。パッと見で直感的に理解する人もいるんでしょうが、どちらの本もいわゆる主流派のエコノミストが書いたものではありません。ハーヴェイ教授はニューヨーク市立大学で経済地理学を専門としており、ハッキリ言って、著者も訳者もマルクス経済学者であると考えられます。私は経済官庁に就職してエコノミストらしき仕事を始めて、ここまで『資本論』の引用が多い本を読んだのは初めてのような気がします。もっとも、私も大学のころにスミスの『国富論』やケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』などとともに、マルクス『資本論』全3巻を読了しており、役所の採用面接で堂々と『資本論』を読んだことを明らかにして、とてもめずらしがられた記憶があります。ヒース教授はトロント大学で哲学やガバナンスの専門です。2009年にノーベル経済学賞を受賞したオストロム教授と似通った専門分野だという気がしないでもありませんが、まだ読み始めていないのでよく分かりません。

どうでもいいことですが、私は平気で2-3冊の本を並行して読み進みますので、経済系の本のほかにも、ミステリやホラーなども読んでいます。ホラーは決して嫌いではないものの、決して好きでもないんですが、下の子がホラー小説のファンですので、親として中高生の読書対象として好ましいかどうかフォローしておきたいと考えてムリにでも読んでいます。港区立図書館と比べて今度の引越した先の公立図書館はよく本がそろっている割に、民度がそこそこなのか話題の新刊本が借りやすい気がします。

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2012年4月29日 (日)

打線が打てず、岩田投手が踏ん張れずで巨人に連敗!

  HE
阪  神000000000 080
読  売01000001x 271

サッパリ見るべきポイントはありませんでした。岩田投手が早々に序盤2回に先制点を許し、打線は相変わらず岩田投手の投球リズムでは点が取れません。特に、2併殺の城島選手は目を覆うような不調です。もっとも、金本選手が打っているのも不思議です。榎田投手をムダに使った気もします。昨日の試合はどうしようもなかった気がしますが、これくらいの僅差の試合は采配も気を利かせてほしいと思います。

明日は3タテを免れるべく、
がんばれタイガース!

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渋谷・原宿の新しくオープンした話題のショッピング・ビルに出かける

今日もいいお天気で気温が上がりました。東京では今年初めて最高気温が25度を超えたらしいです。ということで、スジ悪の仕事を無理やりに一段落させて、ゴールデンウィークは骨休めをすると言いつつ、今日も出かけたりしています。「スジ悪」以外では、私はマクロ経済のエコノミストですし、消費をフォローする仕事をしていますので、お正月なんぞも初売りを見に行ったりしていますが、今日は渋谷・原宿方面で新たにオープンした話題のショッピング・ビルを見に行きました。渋谷ヒカリエ東急プラザ表参道原宿店です。どちらも私の目から見れば女性向けのファッション・アイテムが取りそろえられているように見えるんですが、前者のヒカリエでは3階のスミスの文具店が目につきました。見ている人が多い一方で、買う人が少なそうな気がしないでもありませんでしたが、私の興味分野であることは確かです。後者の東急プラザでは話題のアメリカン・イーグルに入ろうとしたんですが、下の写真に見るように、開店から30分以上たっても入場制限中でしたので諦めました。今週から始まるクールビズ向けのシャツを見たかったんですが、帰り道のユニクロで買い求めました。それから、気温が上がって、昼食で入ったミスター・ドーナツで軽く冷房が入っていました。季節は着実に進んでいることを実感しました。
下の写真は、上から順に、渋谷ヒカリエの明治通りに面した正面入り口、東急プラザ表参道原宿店の正面、東急プラザ表参道原宿店のアメリカン・イーグル入り口です。

渋谷ヒカリエ明治通り正面

東急表参道原宿店正面

東急表参道原宿店アメリカン・イーグル

明日からは本格的に骨休めに入ろうと考えています。

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2012年4月28日 (土)

エース能見投手が序盤に大量失点でボロく負ける!

  HE
阪  神100000010 291
読  売30220000x 7100

エース能見投手を押し立てて伝統の一戦に臨んだものの、序盤に能見投手自身のエラーもあって、当然のようにジャイアンツの杉内投手は打てず、ボロく負けてカード初戦を落としました。相変わらず、ヒットはそこそこ打って、今日も9安打と巨人と大きな差はないんですが、さっぱりタイムリーが出ません。日テレG+の解説の川藤さんの説では、金本外野手の4番復帰があり得るとか。ホントですかね?

明日は岩田投手を盛り立てて、
がんばれタイガース!

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下の子の中学校の文化祭に出かける

昨日の雨がウソのように今日はよく晴れて気温も上がり、いかにもゴールデンウィーク初日にふさわしいゴージャスな1日でした。私は仕事の方で4月13日の金曜日にいかにも「13日の金曜日」にふさわしいスジの悪い仕事が舞い込んで、先週から今週にかけててんてこ舞いの大忙しでしたので、しっかり休みたいと思っています。でも、今日のところは、下の子が通う中学校の文化祭に行きました。昨日から始まっていて明日までです。今年は65回目らしいです。テーマはパンフレットによれば、"Let's go crazy!" のようです。
週末でお天気がいいもので、ものすごい人出でした。半分くらいは進学を目指す小学生とその保護者ではないかと想像しています。実は、我が家もその昔に行った記憶があります。もちろん、下の子が通う学校は男子校ですから、女子中学生・高校生らしき姿も見かけました。私は電車にも乗らずに自転車で往復して、お安く済ませたゴールデンウィーク初日でした。
下の写真は私の目についた順に、パソコン研究会、ガンダム展、幻想空間TRPG、書道展と中庭ステージ横の入場者カウンタです。

パソコン研究会

ガンダム展

幻想空間TRPG

書道展

入場者カウンタ

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2012年4月27日 (金)

政府統計の集中発表日に日本経済を占う!

今日は、ゴールデンウィーク前の月末最終営業日かつ閣議日でしたので、政府統計がいっぱい発表されました。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数商業販売統計、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計、総務省統計局の消費者物価指数などです。基本的に、緩やかながら我が国経済が回復局面にあることが示されたと受け止めています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の鉱工業生産、前月比1.0%上昇 予想を下回る
経済産業省が27日発表した3月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)速報値は95.3と、前月比1.0%上昇した。プラスは2カ月ぶり。エコカー補助金を支えに販売が伸びた自動車が堅調だった。同省は生産は「持ち直しの動き」との基調判断を維持したが、5月が減産の見通しとなるなど先行き不透明感も出ている。
3月は市場予想の中央値(2.4%)を下回った。経産省は「年度末で企業が強気の生産見込みを立てたが、納期が新年度にずれ込むといった影響が出た」とみている。3月の生産水準は、東日本大震災直前の11年2月の水準をなお3%下回っている。
3月は全16業種のうち11業種がプラスだった。主力の輸送機械工業は2.7%上昇。普通乗用車はエコカー補助金による国内販売の増加に加え、旺盛な海外需要も支えになった。情報通信機械工業は官公庁向けの防災無線やノート型パソコンの生産が増えた。
一方、電子部品・デバイス工業は2.4%低下した。中国向けの高機能携帯電話(スマートフォン)やゲームの輸出不振が響いた。国内で販売低迷が続くテレビ用の半導体は在庫調整で生産が落ち込んだ。
鉱工業生産指数は前年同月と比べると13.9%の急上昇となった。昨年の東日本大震災による急減産の反動で、伸び率は10年8月(15.5%)以来の大きさとなった。11年度の指数は93.2と前年度比1.0%低下。2年ぶりのマイナスとなった。
同日発表した4月の製造工業生産予測調査によると、4月は1.0%上昇、5月は4.1%低下を見込む。野村証券の尾畑秀一エコノミストは「輸出の停滞懸念が依然として払拭できず、先行きに慎重な見方が出ている」と指摘する。
3月小売業販売額、4カ月連続増 震災の反動で15年ぶり伸び
経済産業省が27日発表した3月の商業販売統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比10.3%増の12兆4320億円と4カ月連続で増加した。昨年3月に発生した東日本大震災で消費が大きく落ち込んだ反動が出たほか、エコカー補助金復活の効果で好調な自動車販売がけん引し、1997年3月以来15年ぶりの高い伸びとなった。
大震災からの反動増に加え、政策効果によって自動車小売業が同50.4%増と、伸び幅としては比較可能な1980年以来1月以来で最大となった。一方で、薄型テレビなどの販売不振が続き、機械器具小売業は同12.0%減に落ち込んだ。
百貨店やスーパーを含む大型小売店は同6.0%増の1兆6028億円で2カ月連続で増加。既存店ベースでも5.0%増となった。衣料品が好調だったほか、生鮮食品価格の上昇が響き、百貨店は既存店ベースで同14.2%増、スーパーは同0.5%増となった。
弁当や総菜などの売れ行きが良好で、コンビニエンスストアは同4.4%増の7715億円、既存店ベースでは同0.3%増となった。
同時に発表した2011年度の小売業販売額は前年度比0.8%増の135兆7620億円と、2年連続の増加だった。
完全失業率、3月は横ばい 4.5%
総務省が27日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は4.5%と前月と同水準だった。厚生労働省が同日発表した3月の有効求人倍率(同)は0.76倍で、前月を0.01ポイント上回った。雇用は医療・福祉分野など一部で持ち直しがみられるものの、全体的な改善の動きは足踏み状態にある。
完全失業率は15歳以上の働く意欲のある人のうち、職に就いていない人の割合。完全失業者は前月から1万人減の297万人だった。3月は春物商戦で苦戦した卸売業・小売業の雇用者数が37万人減少したことで、就業者数全体では17万人減の6271万人だった。「小売業などに従事していた若年層が職探しを見合わせている可能性」(総務省)もあり、若年層が職探しを再開すれば失業率が増える可能性がある。
2011年度平均(岩手、宮城、福島県を除く)の完全失業率は4.5%で、前年度に比べて0.5ポイント低下、完全失業者数は29万人減少した。東日本大震災後の落ち込みからは持ち直しているが、「依然として雇用情勢は厳しく、円高の影響にも注意が必要」(小宮山洋子厚労相)だ。
消費者物価、3月は0.2%上昇 ガソリン・電気代がけん引
総務省が27日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きが激しい生鮮食品を除くベースで100.0となり、前年同月比0.2%上昇した。プラスは2カ月連続で、上昇幅は前月を0.1ポイント上回った。ガソリン価格や電気代などが上昇しており、生活必需品が物価上昇をけん引する構図が続いている。
ガソリンは前年同月比4.9%上昇した。灯油なども含めた石油製品は4.2%上昇しており、国際的な市況高騰の影響が広がっている。電気代は値上げにより6.9%上昇、都市ガス代も7.6%上昇した。パソコンや電気冷蔵庫などの耐久財は引き続き下落した。
食料とエネルギーを除いたベースでは0.5%下落し、前月から0.1ポイント下げ幅を縮めた。先行指標とされる東京都区部の4月のCPI(中間速報値)は東日本大震災後の昨年4月に物価が上昇した反動で、生鮮食品を除くベースで0.5%下落した。前月比でみると0.1%のプラスで、総務省は「横ばいの動き」とみている。
総務省が同日発表した11年度の全国CPIは生鮮食品を除くベースで99.8となり、前年度比で横ばいだった。10年度はマイナス0.8%で、3年ぶりに物価の下落が止まった。テレビなど耐久財は大幅に下落したが、ガソリンの上昇に加えて電気代やたばこの値上げが影響した。

まず、鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。上のパネルは2005年=100となる付加価値ベースの鉱工業生産指数そのもの、下のパネルは耐久消費財と輸送機械を除く資本財を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

鉱工業生産の推移

直感的には物足りない伸び率なんですが、エコノミストの間では昨年3月の震災の影響により、季節調整指数が歪んでいる可能性を指摘する意見も聞かれます。他方で、3月統計では生産が伸びたものの出荷は停滞しており、例えば、生産予測指数の5月の減少を重視する見方も成り立ちます。私はどちらかと言えば統計を素直に見る視点ですが、後に取り上げるように、日銀の金融政策次第で為替が動き、為替の動向により輸出が左右され、最終的な生産への影響が読み切れない状況ですので、イマイチ、強気にはなり切れずにいます。

商業販売統計の推移

消費の代理変数である商業販売統計も少し複雑な動きを示しています。季節調整していない原系列の前年同月比では昨年3月の震災の反動で大幅増を示しましたが、季節調整済みの前月比ではマイナスでした。総務省統計局の家計調査でも同様の傾向が観察されます。消費のけん引役は政策効果で水増しされた自動車であり、その上に、震災からの反動もありますから、昨年の震災に起因して生産とともに消費も統計に撹乱が生じている可能性を否定できません。生産と消費については、4-6月期くらいまで基調的な判断に留保が必要であると受け止めています。

雇用統計の推移

ここしばらく、雇用は極めて緩やかな回復という状態が続いています。方向性という観点からはプラスと評価すべきなんですし、中国と違って日本では人口減少局面に入りつつありますから、雇用を維持するために生産や経済活動の大幅な引上げは必要ないんですが、現時点で、若年層などにdecentな雇用が行き渡っているとはとても言い難く、特に25歳未満層では、量的にも職が不足して失業率が高止まりしており、質的にも非正規の雇用が多くて不安定だったりしますので、特に若年層の雇用の確保のためにはさらに生産・経済活動が引き上げられることが必要だと私は受け止めています。そのためには金融政策の発動の余地がまだまだ残されていると考えるべきです。

消費者物価上昇率の推移

消費者物価は大きな動きはありませんが、このところ、先行指標と見なされている東京都区部の物価と全国ベースの物価にやや乖離が見られているのが気がかりです。東京都区部の物価は上昇率がプラスに転じそうな気配が希薄である一方で、全国のコアCPIは2か月連続でプラスを記録し、日銀の白川総裁は早ければ2014年度にも物価上昇率が日銀の「物価安定の目安」の中央値である1%に達する可能性を示唆したりしています。私は極めて疑わしいと受け止めていますが、従来からの私の主張である「デフレ脱却の必要条件は物価の上昇である一方で、十分条件は賃金の上昇」という論点をもう一度明確にしておきたいと思います。

2011-2013年度の日銀政策委員の大勢見通し

以上の政府統計から離れて、日銀の「展望リポート」が発表されています。注目される経済見通しはリポート p.16 の表を引用して上の通りです。来年度2013年度でもコアCPI上昇率が1%を下回るものの、白川総裁は記者会見で先行き強気の見通しを披露しているようです。今回の金融政策決定会合で決定された資産買入等基金の5兆円増額などの追加緩和策も、私の見立てではほぼミニマムに近い内容ですし、1年を切った総裁の任期中に「物価安定の目安」の中央値にすら届かない力量不足を反省する言葉は聞かれたんでしょうか?

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2012年4月26日 (木)

今年のゴールデンウィークやいかに?

思い起こせば、昨年のゴールデンウィークは震災後の自粛ムードの中で、今ひとつ盛り上がりに欠けていたような気がします。今年も今週末からゴールデンウィークに入り、5月1-2日の平日をはさんで前半と後半に分かれるものの、それなりにカレンダーの並びはよくなっています。ということで、今夜のエントリーではエコノミストの目から今年のゴールデンウィーク事情を概観したいと思います。

ゴールデンウィーク期間の国内旅行者数の推移

まず、上のグラフはJTBによる「2012年ゴールデンウィーク (4/25-5/5) の旅行動向」 p.8 表13 「ゴールデンウィークの旅行動向」推計数値からデータを取って、ゴールデンウィーク期間における国内旅行者数の推移をプロットしています。昨年の震災後の自粛からリバウンドが見られますが、まだ2-3年前の水準には達していません。他方、グラフは省略しますが、円高により海外旅行は2009年から4年連続で前年比プラスを記録し、2000年に次いでほぼ最高に近い水準に達しており、着々と増加していると受け止めています。

GWに必要なこづかい

エコノミストの視点というわけではないんですが、ゴールデンウィークに限らず先立つものは必要です。ということで、ネオマーケティングから発表された「GWに関する実態調査」でも裏付けられており、ゴールデンウィークに出かける男女を対象にしたアンケート調査では、ゴールデンウィークにもっとも必要なものは「お金」が50.2%を占めてダントツになっています。さらに、上のグラフはゴールデンウィークを満喫する上で必要な1日1人当たりの額に関する回答結果がプロットされています。5千円から1万円、あるいは、1万円から2万円の階級が多く、例えば、ゴールデンウィーク後半の4連休を満喫して楽しむとすれば、最低でも2万円、出来れば10万円近い額が必要、ということになります。この額をどう解釈するかは微妙なところかもしれません。

今日明日はさえないお天気が続くものの、少なくとも、ゴールデンウィーク前半の東京ではまずまずお天気に恵まれるようです。私は先週から今週にかけて突発事態が生じて大忙しでしたので骨休めしようと予定しています。

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2012年4月25日 (水)

第70期将棋名人戦七番勝負第2局は羽生二冠が制して1勝1敗のタイに!

昨日から始まった第70期将棋名人戦七番勝負第2局は、今夜9時前に挑戦者の羽生二冠が森内名人を133手で下し、1勝1敗のタイとなりました。第3局は5月8-9日に開催される予定です。下の終了図は朝日新聞のサイトから引用しています。

名人戦第2局終了図

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今年の新入社員はどのようなキャリアプランを持っているか?

やや旧聞に属する話題ですが、一昨日4月23日、日本生産性本部から「2012年度 新入社員 春の意識調査」が発表されています。今どきのことですから、pdfの全文リポートもアップされています。私の課でも先週金曜日までの初任者研修を終えた新人が今週から本格的に勤務に入っていたりしますし、なかなか興味深い内容がありますので、簡単に取り上げておきたいと思います。

一生勤めると転職の割合の推移

上のグラフは「一生勤める」と「機会があれば転職」の割合の推移をプロットしています。色分けは凡例の通りです。見れば分かるんですが、このグラフに収録されている限りの1997年以降の期間では、「一生勤める」の割合がもっとも高く、逆に、「機会があれば転職」の割合がもっとも低くなっています。必然的に、その差はもっとも大きくなっています。労働市場では、その昔のいわゆる「終身雇用」はかなり崩壊していると考えられていますが、新入社員の間では長期に勤務する希望が根強いことがうかがえます。グラフは引用しませんが、当然ながら、「社内で出世よりも起業して独立」の割合も低下を続け、ホンの10年前の半分まで低下しており、わずかに12.5%を占めるに過ぎません。安定志向は特にリーマン・ショックの後で顕在化していますし、厳しい就活を勝ち抜いて就職した会社に長く勤めたいという気持ちは理解できるところかもしれません。

SNS利用の割合

今年から新たに設問されたSNS利用の割合のグラフは上の通りです。見れば分かる通り、男性よりも女性の新入社員で利用が多く、単純に大卒と高卒と見なせるわけではありませんが、成人と未成年では前者の方が割合が高くなっています。SNSの利用内容としては、「友人とのコミュニケーションツール」、「学生時代の友人との交流」、「故郷の同級生との交流のため」などが上げられています。

私が役所に就職したのはすでに30年近くも前でバブルよりも前のころでした。そのころでも、それ以降でも、「今年の新人は理解しがたい」と毎年のように言われ続けて来たような気がします。現在の職場では、課長の私とヒラの新人との間に課長補佐や係長などが挟まって、直接に新人に仕事上の指示を与えたり、報告を受けたりする機会はそれほど多くないんですが、こういった情報を基に、円滑なコミュニケーションを図るよう努力したいと思います。

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2012年4月24日 (火)

企業向けサービス価格指数 (CSPI) から何を読み取るか?

本日、日銀から3月の企業向けサービス価格指数 (CSPI) が発表されました。前年同月比で▲0.3%のマイナスとデフレが続いています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じた記事を引用すると以下の通りです。

企業向けサービス価格、3月は0.3%下落 11年度は過去最低に
日銀が24日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2005年=100)は96.4となり、前年同月比で0.3%下落した。前年同月比でのマイナスは3年6カ月連続。オフィス賃貸料を含む不動産や情報通信、リース・レンタルなどで価格下落が続いたことが響いた。
企業向けサービス価格指数は輸送や広告など企業間で取引するサービス価格の動向を示す。
マイナス幅は前月に比べ縮小した。昨年3月に発生した東日本大震災の直後で落ち込んでいた雑誌などの広告はプラスに転じたほか、運輸もプラスに寄与した。外航貨物や国際航空貨物など外貨建ての価格が円相場の下落で押し上げられたうえ、燃油サーチャージ(特別付加運賃)が上乗せされた。
同時に発表した2011年度の指数は96.1と、前年度比0.5%下落し、統計の公表を開始した1985年以降では最低を更新した。マイナス幅は縮小したものの、下落は4年連続。不動産や広告、情報通信などでマイナスが続いた。一方、仮設資材レンタルや建設機械レンタル、プラントエンジニアリングでは値上がりの動きがあり、震災からの復興需要がプラス寄与した。
例年、新年度が始まる4月はサービス価格の改定時期。昨年末までは円高や海外景気の減速によって下押し圧力が強かった半面、年明け以降は円高修正が進み、欧州景気の悪化の動きにも歯止めがかかってきた。日銀は「4月以降はどちらの動きがサービス価格に強く出てくるのかを見ていきたい」(調査統計局)としている。

次に、企業向けサービス価格指数の前年同月比上昇率の推移のグラフは以下の通りです。リーマン・ショック後の大きなマイナスから徐々にゼロ近傍に近づきつつありながら、まだマイナスが続いているのが見て取れます。

企業向けサービス価格上昇率の推移

日銀レビュー「企業向けサービス価格指数からみた日本経済」では、企業向けサービス価格指数は企業物価 (CGPI) や財のみを取り出した消費者物価 (CPI) などよりも需給ギャップとの相関関係が高いと分析されており、相関係数はほぼ0.9と推計されています。他方、3月の下落率は前年同月比で▲0.3%となり、2月の▲0.6%から下落幅が縮小したように見えますが、昨年12月には▲0.1%までゼロに肉薄した月もあり、当然のことながら、一直線にゼロあるいはプラスに向かっているわけではありません。国際商品市況にある程度の影響を受けるCGPIやCPIよりCSPIが需給ギャップに敏感なのは当たり前ですが、昨年の震災から徐々に我が国経済が回復過程に向かい、それに伴って需給ギャップが縮小し、コアCPIがプラスに向かっているというのが、日銀の見方ですし、私を含めて多くのエコノミストの間でもコンセンサスが形成されている一方で、40か月を超える長期に渡ってCSPIがマイナスを続け、いまだにプラスに転じないという事実は、このコンセンサスほどにデフレからの脱却が進んでいないリスクが存在する可能性を示唆しているかもしれません。

デフレが終結しない中で、賃金は上がりません。デフレ脱却の必要条件は物価を観察すればいいんでしょうが、従来からこのブログで主張している通り、デフレ脱却の十分条件は賃金上昇であると私は考えています。

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2012年4月23日 (月)

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店) を読む

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店) を読みました。東京郊外2時間くらいかかる土地の雑貨店における悩み事相談と児童養護施設丸光園にまつわる奇蹟、あるいは奇跡をテーマにしています。時代は1970年から2011年までをスリップします。といっても、これだけでは何のことやら分からないでしょうから、出版社の特設サイトから内容紹介と章別構成を引用すると以下の通りです。

内容紹介
悩み相談お任せください――。
時空を超えて交わされる、温かな手紙交換。
過去と現在が鮮やかに繋がったとき、
すべての真実が明らかになる。
すべての人に贈る、感動と驚愕の物語。

■第一章 回答は牛乳箱に
■第二章 夜更けにハーモニカを
■第三章 シビックで朝まで
■第四章 黙祷はビートルズで
■第五章 空の上から祈りを

また、出版社の特設サイトにはスペシャルエッセイも掲載されており、「タイムスリップを使った物語が好きです。」から書き出されており、極めて示唆に富む内容になっています。ハインラインの『夏の扉』や映画の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にも言及しつつ、作者自身の『時生』にも触れています。私の感想としては東野作品ではタイムスリップの『時生』とともに、ラストは『流星の絆』にもテイストが近いように受け止めています。何よりもナミヤ雑貨店だけでなく、児童養護施設丸光園が密接に関係して、ですから、ナミヤ雑貨店の店主と丸光園の創設者の恋物語まで奇蹟はさかのぼるのかもしれません。
悩みの内容は、オリンピック代表を目指して練習を続けるか、余命わずかな恋人との残りわずかな時間を過ごすか、はたまた、飛び出した実家で病に倒れた父が営む魚屋を継ぐか、東京でミュージシャンの夢を追うのか、あるいは、ある程度安定したお茶くみOLを続けるのか、華やかだが不安定な水商売に飛び込むのか、さらに、妻子ある人の子どもを産むかどうか、といったものです。雑貨店と児童福祉施設の関係が複雑に絡み合いながらも、実は、人的にも空間的にもかなり限られた関係者の間だけに共有される奇蹟です。すなわち、タイムスリップするのはナミヤ雑貨店だけで、そのナミヤ雑貨店に悩みを投函するのは何らかの意味で児童養護施設丸光園の関係者です。もっとも関係が薄そうなのは、悩みの2番目のお魚ミュージシャンなんですが、このニュージシャンは丸光園で亡くなったりします。
タイムスリップを使って、未来から悩みの相談を受けているというのがミソであり、その後の歴史的な展開を知り抜いているわけですから、大いに有益なアドバイスが出来るのも当然です。もっとも、未来から見た知識なしでは、かなり紋切型のありふれた常識的な回答を、しかも、やや失礼な言葉遣いと乱れた文字で返答しているような気がしないでもありませんが、カギカッコ付きの「常識的なアドバイス」というものがとっても重要だという気もします。家業を継げとか、水商売を忌避するアドバイスです。

ただひとつ、私が疑問に感じたのは、地方大学の経済学部で日本経済論を教えていた経験から、最近の若者、具体的には1990年以降くらいに生まれた若者はバブル経済について、ここまで豊富な情報を持ち合わせていないような気がします。でも、そんな些細な部分を除けば、読後感はとってもいいですし、文句なく5ツ星です。笑いたい人は笑うことが出来て、泣きたい人は泣くことが出来る、かなり稀有な小説です。

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2012年4月22日 (日)

打線を組み換えて12安打11得点の大爆発でDeNAに圧勝!

  HE
阪  神400030400 11120
DeNA001200000 370

ブラゼル選手を外野に回し、ファーストに城島選手を起用し、得点力アップに重点を置いた打線の組換えが功を奏して12安打11得点で横浜DeNAに圧勝です。昨日と一昨日の沈滞したムードを一気に吹き飛ばしました。金本外野手に代えて入れた城島選手が2安打したのもさることながら、その後の大和選手がスリーベース2本で走者を返して6打点ですから、ヒーロー・インタビューも当然です。でも、ブラゼル選手の守るところがなくなるのは悩ましいところです。

次の広島戦も、
がんばれタイガース!

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2012年4月21日 (土)

Final Communiqué, Meeting of Finance Ministers and Central Bank Governors

G20 Mexico logo

Final Communiqué

Meeting of Finance Ministers and Central Bank Governors

Washington DC, 19-20 April 2012


Traducción no disponible

1. We, the G20 Finance Ministers and Central Bank Governors, met to assess progress on the fulfillment of the mandates given to us by our Leaders and to address ongoing economic and financial challenges and promote robust growth and job creation.
2. Recent economic developments point to the continuation of a modest global recovery, supported by some significant policy actions that have taken place since our last meeting. The tail risks facing the global economy only months ago have started to recede. However, growth expectations for 2012 remain moderate, deleveraging is constraining consumption and investment growth, volatility remains high partly reflecting financial market pressures in Europe and downside risks still persist. We remain committed to further reduce these risks. High levels of public and private indebtedness, the need for structural reforms, insufficient global rebalancing, and persistent unemployment and development gaps continue to weigh on medium-term global growth prospects. In the context of high unemployment and indebtedness in many countries, supporting growth and job creation, structural reforms, restoring medium-term fiscal sustainability and promoting global rebalancing remain at the core of our commitments. In addition, protecting investment is crucial for the global recovery and, in accordance to the mandate by our Leaders in Cannes, we reaffirm our commitment to avoid protectionism. Vigilant of high oil prices, G20 members stand ready to carry out additional actions as needed and welcome the commitments by producing countries to ensure adequate supply.
3. We have made progress in implementing the commitments established in the Cannes Action Plan for growth and jobs, as well as taken additional actions consistent with our shared objectives for strong, sustainable and balanced growth. These commitments remain fully relevant. Complete and timely implementation is critical, though more needs to be done. We agreed today on the main elements of the accountability assessment that will be carried out in order to enhance monitoring of the implementation of our commitments, as mandated by our Leaders in Cannes. We have also agreed on the main priority areas for further policy actions that should be reflected in the Los Cabos Action Plan that will be announced by our Leaders in June, including on fiscal, financial, structural, monetary and exchange rate, trade and development policies. We took note of a preliminary report by the international organizations on how the G20 framework can contribute to job creation, with the final report being presented at the Los Cabos Summit. These are important initiatives as increasing growth, infrastructure financing, employment and social inclusion are at the heart of all our actions.
4. We remain committed to take the necessary actions to secure global financial stability. We welcome the euro area members' decisions in March to strengthen European firewalls as part of broader reform efforts and the availability of central bank swap lines. Together with the IMFC we have reached agreement to enhance IMF resources for crisis prevention and resolution. This is the result of a broad international cooperative effort that includes a significant number of countries. There are firm commitments to increase resources made available to the IMF by over $430 billion in addition to the quota increase under the 2010 Reform. These resources will be available for the whole membership of the IMF, and not earmarked for any particular region. The resources would be channeled through temporary bilateral loans and note purchase agreements to the IMF's General Resources Account. Should it become necessary to use these resources, adequate risk mitigation features, conditionality and burden sharing among official creditors would apply, as approved by the IMF Board. This effort, together with the national and regional structural, fiscal, and monetary actions that have been put in place in the past months, shows the commitment of the international community to safeguard global financial stability and put the global economic recovery on a sounder footing.
5. We reaffirmed our commitment to fully implement the 2010 Governance and Quota Reform by the 2012 IMF/World Bank Annual Meeting. We will continue to contribute towards a comprehensive review of the IMF quota formula by January 2013 and the completion of the next general review of quotas by January 2014, fulfilling the commitments made in Seoul and Cannes. We reaffirm that the distribution of quotas should better reflect the relative weights of IMF members in the world economy which have changed substantially in view of strong growth in dynamic emerging markets and developing countries.
6. We welcome recent initiatives on IMF surveillance, and agree that the current surveillance framework should be significantly enhanced. This process should help achieve a better integration of bilateral and multilateral surveillance, with a focus on global, domestic and financial stability, including spillovers from countries policies. This could be achieved through a careful use of Article IV consultations. We welcome the progress by the IMF in advancing consideration of an integrated surveillance decision and commit to support the decision process. We underscore the importance of rigorous surveillance on exchange rate policies and support a more ample coverage of surveillance activities, where relevant, including global liquidity, capital flows, capital account measures, reserve and fiscal, monetary and financial sector policies that could have an impact on external stability. We welcome the ongoing work to produce an external sector report, which would strengthen multilateral analysis and enhance the transparency of surveillance. We also recognize that political ownership and traction is critical to effective surveillance, and that the IMFC has a role in facilitating the active involvement of all IMF members. We call on the IMF to address issues that constrain effective surveillance as identified by the IEO.
7. We assessed progress on the implementation of our financial regulatory reform agenda as outlined in our February 2012 Communiqué in order to deliver on our commitments looking ahead to the Los Cabos Leaders' Summit, and reaffirmed our commitment to common global standards by pursuing the financial regulatory reform agenda according to our agreed timetable in an internationally consistent and non-discriminatory manner. We take note of the work to date by the FSB and BCBS on the modalities for extending the SIFI framework to domestic systemically important banks (D-SIBs), and look forward to the completion of this work by November 2012 and welcome the FSB progress report on strengthening the oversight and regulation of the shadow banking system to mitigate potential systemic risk and look forward to its final recommendations by end-2012. We support the work of the Working Group on FSB Capacity, Resources and Governance to put the FSB on an enduring organizational footing while preserving the strong links with the BIS and look forward to Leaders receiving the Group's recommendations in June 2012; the work coordinated by the FSB to provide safeguards supportive of a global framework for central counterparties (CCPs) as an important element in achieving the agreed OTC derivatives reforms, so that authorities can make informed decisions on the standards and requirements of CCPs to meet by end-2012 their commitment that all standardized OTC derivatives be centrally cleared in CCPs with the appropriate safeguards; and the efforts of the IASB and FASB to achieve convergence to a globally accepted set of high quality accounting standards and urge them to meet their target of issuing standards on key convergence projects by mid-2013, at the latest, in order to achieve a single set of high quality international accounting standards. We look forward for the completion of the study, coordinated by the FSB with the IMF and the World Bank, to identify the extent to which the agreed regulatory reforms may have unintended consequences for Emerging Markets and Developing Economies. We support the work of the FSB on the global governance framework for the legal entity identifier and look forward to its recommendations in June on establishing a global LEI system. We support work on developing for consultation, internationally consistent standards on margining for non-centrally cleared OTC derivatives by June 2012.
8. We reiterate our call upon all countries to join the Global Forum on transparency and to sign on the Multilateral Convention on Mutual Assistance. We look forward to an interim report by the OECD for the Los Cabos Summit on progress made and on a new set of reviews and on necessary steps to improve comprehensive information exchange. We welcome the ongoing work by the FSB on adherence to supervisory and regulatory information exchange and cooperation standards. We support the renewal of the FATF mandate, sustaining global efforts to combat money laundering and the financing of terrorism and proliferation of weapons of mass destruction.
9. As an important complement of the G20 financial regulation agenda, we agreed to follow through on the five recommendations of the 2011 Global Partnership for Financial Inclusion report, endorsed in Cannes, and take the financial inclusion agenda forward towards concrete results and we agreed to present to our Leaders at the Los Cabos Summit the G20 Basic Set of Financial Inclusion Indicators, which will assist countries, policymakers and stakeholders in focusing global efforts on measuring and sustainably tracking progress on access to financial services globally. We acknowledge the efforts of those G20 and non-G20 countries willing to commit to national coordination platforms and strategies for financial inclusion under the "G20 Financial Inclusion Peer Learning Program" at the Los Cabos Summit as well as the ongoing efforts and the importance of coordinated support, policy advice and technical assistance by GPFI implementing partners, other stakeholders, including the UN, and bilateral donors and request their continued support to national strategic planning, implementation and data initiatives in support of financial inclusion. On financial education we recognize the importance and relevance of the work that the OECD, its International Network on Financial Education (INFE), and the World Bank have been doing in this topic and look forward for the OECD/INFE High Level Principles on National Strategies for Financial Education to be presented to our Leaders for their consideration at the Los Cabos Summit. For advancing our financial consumer protection agenda we recognize the importance of the International Financial Consumer Protection Network (FinCoNet) as a global network of market conduct financial authorities. We also ask the G20/OECD Task Force on financial consumer protection to develop with the FSB effective approaches to support the implementation of the High Level Principles endorsed in Cannes, and recognize the importance of an active participation in this process. We recognize the need for women to gain access to financial services and financial education, and call for the GPFI and OECD/INFE to identify additional barriers women may face.
10. We welcome the participation of the International Organizations on the assessment of the macroeconomic impacts of excessive commodity price volatility on growth and their identification of policy options that countries could consider as per their national circumstances to mitigate any such effects. We will report to Leaders in Los Cabos on these policy options and their implications for our national agendas.
11. We reaffirm our commitments to enhance the transparency and functioning of energy markets. We will work to improve the JODI-Oil database and work on applying the same principles to JODI-Gas, and to rationalize and phase out inefficient fossil fuel subsidies over the medium term, while providing targeted support for the poorest, and report on progress made to our Leaders in Los Cabos. We look forward to the IOSCO progress report on the implementation of its Principles for the Regulation and Supervision of Commodities Derivatives Markets at our next meeting in November. We welcome the consultation by IOSCO on the functioning and oversight of price reporting agencies and look forward to an update on their emerging recommendations for leaders in Los Cabos.
12. We received the preliminary report prepared by the OECD, the World Bank and UN on inserting green growth and sustainable development policies into structural reform agendas and look forward for the final version to be delivered to our Leaders. We welcome G20 countries voluntary self-reporting on current actions to integrate green growth and sustainable development into structural reform agendas.
13. We will continue to work on climate finance with the establishment of a G20 study group to consider ways to effectively mobilize resources and support the operationalization process of the Green Climate Fund taking into account the objectives, provisions and principles of the UNFCCC.
14. We appreciate G20 countries contributions and involvement in promoting Disaster Risk Management (DRM), and welcome the efforts made so far by the World Bank and OECD, with support from the UN to prepare a compilation of country experiences to be presented to our Leaders in Los Cabos, and towards having, by November, a voluntary framework aimed to facilitate the assessment of risk and financial strategies towards implementing DRM.

source: G20

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2012年4月20日 (金)

チャンスの貧打とヘタな走塁でDeNAに本拠地初勝利をプレゼント!

  HE
阪  神000000100 190
DeNA00020001x 381

塁上を賑わせながら、なかなか点が入りません。手薄な捕手の打順に3度も満塁が回ったり、その前に走塁のボーンヘッドがあったり、チャンスにもう一本が出ないいつものパターンで、DeNAを上回る9本のヒットを放ちながら1点どまりでした。結果的に、能見投手が一発に沈むことになりました。DeNAに横浜スタジアム初勝利を差し上げてしまいました。

明日こそ、
がんばれタイガース!

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今年の夏季ボーナスはやや減少するか?

4月に入って、シンクタンクなどから夏のボーナス予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因ですので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、日本総研と三菱UFJリサーチ&コンサルティングについては国家公務員を取っています。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研35.4万円
(▲2.7%)
49.9万円
(▲11.6%)
東日本大震災に伴う大幅な落ち込みからの回復が続くなか、増収に転じたものの、需要水準は依然として低く、円高・原油高の進行が、製造業を中心に収益下押しに作用。
みずほ総研36.1万円
(▲0.8%)
65.1万円
(▲1.4%)
円高の進行や海外経済の減速などを背景に2011年度下期の企業収益が悪化したことが主因。
第一生命経済研35.8万円
(▲1.7%)
n.a.
(▲10.0%)
大震災による売り上げ減、円高の進行、資源価格の上昇、タイの大洪水等により2011年度の企業業績は大幅に落ち込んでおり、これが反映される2012年の賞与は引き下げられるだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング36.1万円
(▲0.9%)
50.8万円
(▲10.1%)
ボーナス算定のベースとなる所定内給与は、足元ではようやく下げ止まってきたものの、水準は依然として低い。さらにボーナスに反映されるであろう2011年度下期の企業収益は、震災後の落ち込みからは持ち直したものの、円高の進行やタイ洪水の影響で、製造業を中心に厳しい状況が続いている。景気の先行きに対する警戒感は根強く、企業は人件費抑制姿勢を崩さないとみられる。

上の4機関の夏季ボーナス予想のうち、最後の三菱UFJリサーチ&コンサルティングのリポートから夏季ボーナスの推移をプロットしたグラフを引用すると以下の通りです。リポートの p.6/9 図表5. 夏のボーナス予測: 平均支給額(前年比)と支給月数を引用しています。もちろん、グラフ右端の「予測」は三菱UFJリサーチ&コンサルティングによるものです。

夏のボーナス予想 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

いかなる角度から見ても、今夏のボーナスは渋いようです。民間企業で35-36万円、公務員で約50万円と見込まれており、国家公務員の給与削減により▲10%ほど前年比で減少するにもかかわらず、相変わらず、公務員の方が民間企業より高額になっています。なお、みずほ総研の公務員ボーナスが高いのは管理職を含めており、組合員ベースの他2機関とベースが異なるからであると私は理解しています。
昨年2011年事業年度においては、震災による売上げの停滞ないし減少、歴史的な水準に達した円高の進行に伴う採算の悪化、国際商品市況の高騰によるコスト増、震災やタイ洪水に伴う供給制約の顕在化など、業績の悪化に連動する形でボーナスの減額が予想されています。特に、大企業では震災前に昨年度の年間賞与を妥結しており、年末ボーナスも増加しましたが、その反動もあって、夏季ボーナスの減少はほぼ確実です。
夏場くらいまでの個人消費を見通すと、ボーナス減額に加えて社会保険料率の引上げにより所得が停滞ないし減少することに加え、ガソリン価格上昇に伴う負担増、さらに、自動車のエコカー補助金も年度半ばには財源が尽きる可能性があり、年間を通じた消費増の持続可能性には疑問が残ります。昨年3月の震災や続く4-5月の供給制約の反動から、夏前くらいまでは、少なくとも前年同月比で見た消費は堅調に推移すると見込まれていますが、夏場を迎えるあたりから徐々に失速する可能性もなしとしません。

消費はGDPの過半を占める最大のコンポーネントであり、景気に左右されるとともに景気を左右する coincident な要因です。今後、所得とマインドに注目して夏場以降の消費の動向を見極めたいと考えています。

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2012年4月19日 (木)

我が国の貿易収支はこのまま赤字を続けるのか?

本日、財務省から3月の貿易統計が発表されました。季節調整していない原系列の統計で、輸出が6兆2042億円、輸入が6兆2868億円、差引き貿易収支が826億円の赤字となりました。メディアでは2011年度通年の貿易収支が4兆4101億円の赤字となった点が大きく取り上げられているようですが、私は3月の輸出が回復したことにも注目しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

11年度、3年ぶり貿易赤字 過去最大の4.4兆円に
3月は826億円の赤字

財務省が19日発表した3月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は826億円の赤字だった。赤字は2カ月ぶり。原油価格の高止まりや火力発電用燃料の需要増で輸入が伸びたことが背景にある。
輸入額は前年同月比で10.5%増の6兆2868億円となり、27カ月連続のプラスだった。東日本大震災の原発停止に伴い、火力発電向け需要が高まっている液化天然ガス(LNG)などの大幅な伸びが続いた。
輸出額は5.9%増の6兆2042億円。6カ月ぶりにプラスに転じた。米国への自動車の輸出増が続いたほか、洪水からの復旧需要があるタイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)向けも好調だった。財務省は「東日本大震災で昨年3月に落ち込んだ反動もあった」(関税局)と説明する。欧州連合(EU)や中国向けの輸出は減少した。
同時に発表した2011年度の貿易収支は4兆4101億円の赤字だった。年度ベースの赤字は3年ぶりで、赤字額は比較可能な1979年度以降で過去最大。輸出額は前年度比3.7%減の65兆2819億円、輸入額は11.6%増の69兆6920億円だった。
輸出は震災後の部品不足や世界景気減速などの影響で落ち込む一方、輸入は原油高などを受けて増加した。LNGの輸入は数量、金額ともに過去最高を記録した。財務省は貿易収支の先行きについて「米国など海外経済の動向や為替相場に留意する必要がある」としている。

次に、いつもの貿易統計のヘッドラインをプロットしたグラフは以下の通りです。青い折れ線が輸出額、赤が輸入額、緑色の棒グラフが貿易収支を示しています。左軸の単位は兆円です。上のパネルは季節調整していない原系列を、下は季節調整済むの系列を、それぞれプロットしています。

貿易統計の推移

季節調整していない原系列の統計でも季節調整値でも3月の貿易収支は赤字を記録し、特に、2011年度通年が統計開始以来最大の貿易赤字だったものですから、ややバイアスのかかった報道が目立ちますが、私は輸出が回復していることから、決して悪くない内容だと受け止めています。ということで、輸出のグラフは以下の通りです。

輸出数量の推移

上のパネルは前年同月比の輸出額の伸び率を地域別の寄与度に分解した結果をプロットし、下は輸出数量指数とOECD先行指数のそれぞれの前年同月比を示しています。ただし、OECD先行指数は1か月だけリードを取っています。地域別のグラフを見ると、欧州向けは引き続き前年同月比でマイナスを続けているものの、アジアは下げ止まりつつあり、北米向けの輸出は増加を示しています。また、OECD先行指数の4月リポートでは、"OECD composite leading indicators point to potential turning point in economic activity in the Euro area and regained momentum in other major economies" と分析されており、グラフでも底入れの兆しを見せていますので、今後は需要面から我が国輸出の増加要因となる可能性があります。
輸出が回復しつつある一方で、当然ながら、もう一方のコンポーネントである輸入が増加しているため貿易収支が赤字を記録しているという面があります。最初にお示ししたグラフからも輸入の増加は読み取ることが出来ます。特に季節調整済み系列のグラフには3月輸入の増加が顕著に表れています。原発停止と連動している可能性は否定できませんが、我が国のエネルギー政策や環境政策における優先順位のあり方ですから、単純に貿易政策やマクロ経済への影響だけで論じることは避けるべきだと受け止めています。

貿易赤字の議論は経常収支を通じて、資金調達面から金利の水準にまで幅広く視野に入れるべきと私は考えています。昨年の震災やタイ洪水の影響も含めて、我が国貿易収支の基調は赤字になっていますが、他方で、金利水準はいまだに上昇する兆しを見せていませんから、市場でも現時点における我が国の貿易赤字や経常赤字は長続きしないと受け止めている可能性があります。

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2012年4月18日 (水)

風呂から上がるとタイガースは負けていた!

  HE
ヤクルト000102000 360
阪  神101000000 270

長風呂の私も悪いんですが、風呂に入っている間に阪神は負けていました。ほとんど試合は観戦していません。誠に残念。

明日こそ、
がんばれタイガース!

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IMF 「世界経済見通し」 World Economic Outlook 見通し編を読む

昨日、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlookの第1章と第2章の見通し編が発表されました。いつもの通り、pdfの全文リポートもアップされています。副題の "Growth Resuming, Dangers Remain" らしく、世界経済の成長率見通しは1月時点での見通しをわずかに上回ると見込まれており、すなわち、今年2012年は0.2%ポイント、来年は0.1%ポイント、それぞれ1月時点における見通しから上方改定されているものの、下振れリスクがいっぱい指摘されています。第2章は地域別見通しですので、今夜のエントリーでは第1章を中心に簡単に取り上げたいと思います。
まず、見通しのヘッドラインとなる成長率見通しをIMFのサイトから引用すると以下の通りです。なお、画像をクリックすると、別タブでリポート p.2 Table 1.1 Overview of the WOrld Economic Outlook Projections と題された経済見通しの総括表1ページだけを抽出したpdfファイルが開くようになっています。

Latest IMF projections

見れば明らかなんですが、ほぼすべての国や地域で今年1月の見通しから成長率は上方改定されており、例外は今年のスペインやインド、来年のロシアを除くCIS諸国など限られています。日本についても、特に今年は復興需要の本格化などにより従来見通しから上振れると見込まれています。ユーロ圏諸国は今年がマイナス成長で来年にはプラス成長に転じる予想されていますが、ここまで極端でもなく、来年は今年よりも成長が加速するシナリオとなっています。先進国で例外なのは今年のうちに復興需要が顕在化する日本くらいのものです。

Figure 1.1 Global Indicators

総括表について、別の角度から見たグラフをリポート p.3 Figure 1.1 Global Indicators から引用すると上の通りです。特に4番目の一番下のパネルの 4. Contributions to Revisions in Global GDP Growth に着目すると、少し前までは黄色の日本が成長率の下方改定要因として目立っていたんですが、最近では赤のユーロ圏諸国が経済見通しの下振れに対して大きな比率を占めていることが読み取れます。

Figure 1.12 Risks to the Global Outlook

さらに、先行きのリスクについて、リポート p.15 Figure 1.12 Risks to the Global Outlook を引用すると上の通りです。一番上のパネルはいわゆるファン・チャートですが、2番目の 2. Balance of Risks Associated with Selected Risk Factors を見ると、一番右の原油市場リスクがもっとも大きな下振れ要因であると見込まれています。

Figure 1.13 Recession and Deflation Risks

続いて、先行きの下振れリスクを総括して、景気後退とデフレのリスクについてリポート p.16 Figure 1.13 Recession and Deflation Risks を引用すると以下の取りです。一番上のパネルの景気後退確率はユーロ圏諸国が飛び抜けて高く、デフレ確率では日本がもっとも高くなっています。このグラフ以降に具体的な個別の下振れシナリオを同じように視覚的に理解できるようプロットしています。グラフは省略しますが、個別のリスクはグラフのタイトルとともに以下の通りです。

  • p.17 Figure 1.14. WEO Downside Scenario for Increased Bank and Sovereign Stress in the Euro Area
  • p.18 Figure 1.15. WEO Downside Scenario for a Disruption in the Global Oil Supply
  • p.19 Figure 1.16. WEO Downside Scenario for a Reevaluation of Potential Output Growth in Emerging Market Economies
Figure 1.17. WEO Upside Scenario

もちろん、下振れリスク要因の方が多いというだけのことであり、上振れリスクもないわけではありません。下振れリスクと逆に、"a larger-than-expected easing in ba nking and sovereign stress in the euro area, an improvement in private market credit conditions in other regions, and lower global oil prices" を前提にしたシミュレーション結果をリポート p.20 Figure 1.17. WEO Upside Scenario から引用すると上の通りです。ユーロ圏諸国のソブリン・金融危機の緩和や石油価格の低下などが各国経済にどれくらい寄与するかをプロットしています。成長率で見ると米国に、投資で見るとユーロ圏諸国に、それぞれもっとも大きく寄与し、日本経済の上振れ度合いは欧米諸国より小さいことが読み取れます。

政策対応については多岐にわたっているんですが、特に、リポート p.22 に "Given very low domestic inflation pressure in Japan, further monetary easing may in any case be needed to ensure achievement of the inflation objective over the medium term." と指摘されていることを付け加えたいと思います。

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2012年4月17日 (火)

メッセンジャー投手が来日初完封で東京ヤクルトに快勝!

  HE
ヤクルト000000000 042
阪  神00020020x 480

今日は快調な試合運びでした。仕事から帰宅して夕食を食べながら、ラッキー・セブンの7回ウラの追加点を拝見し、すぐに試合が終わってしまいました。8時半過ぎで危なげない試合で勝ちを収めました。
助っ人外国人選手の活躍で我が阪神が東京ヤクルトに快勝でした。メッセンジャー投手は来日初完封、ブラゼル一塁手は先制ツーラン、マートン外野手はダメ押しの2点タイムリーは今シーズン初打点らしいです。

明日も、
がんばれタイガース!

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消費者態度指数に現れた消費者マインドはさらに改善するか?

本日、内閣府から3月の消費動向調査結果が発表されました。個人消費の先行きを占うマインド指標である消費者態度指数の調査や、3月調査では年1回の耐久消費財普及調査などが実施されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の消費者態度指数、2カ月ぶり上昇 雇用改善と株高が支え
内閣府が17日発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.4ポイント上昇の40.3だった。前回を上回るのは2カ月ぶり。雇用、所得環境の改善や3月の株高を背景に、消費者心理は明るさを取り戻した格好だ。
指数を構成する「暮らし向き」、「収入の増え方」など全4項目で前月から上昇した。失業率や有効求人倍率、現金給与総額の改善を反映したほか、調査時点では日経平均株価が1万円の大台を突破していたことも消費者心理を支えた。
内閣府は、消費者心理の基調判断を据え置いたうえで、表現を「このところ持ち直しの動きがみられる」から継続性を強調した「持ち直しの動きが続いている」に変更した。
ただし、先行きには不透明感がくすぶっている。日経平均株価は再び1万円を割り、欧州では債務問題が再燃している。内閣府も「(4月調査が)必ずしも今月と同じ結果とは言えない」と警戒感を緩めていない。
また1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた割合は65.9%と前月(63.4%)から増え、「低下する」、「変わらない」と答えた割合はともに減少。生鮮食品やガソリン価格の高止まりが、消費者の間に懸念として広がってきている。
調査は全国6720世帯が対象。調査基準日は3月15日で、有効回答数は5030世帯(回答率74.9%)だった。

続いて、消費者態度指数の推移のグラフは以下の通りです。季節調整済みの系列をプロットしており、影を付けた部分は景気後退期です。

消費者態度指数の推移

年度が明けて季節調整指数が改定され、2月の減少が改定されて1月から保合いに変更されました。3月指数は0.4ポイント上昇し、いんう要した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府は基調判断を2月の「このところ持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しの動きが続いている」にわずかに上方改定しています。先週4月9日のエントリーで供給側のマインドの代表的な指標である景気ウォッチャーが現状判断DIで見て順調に上昇していることを確認しましたが、需要側のマインド指標である消費者態度指数も順調に改善していると受け止めています。需要サイドのマインドですから先行きリスクは株価とともに給与が上げられます。特に、4月分から国家公務員給与が引き下げられており、どのくらいマインドに影響があるかは今後の調査を注目したいと思います。

耐久消費財の普及状況

3月調査では耐久消費財の普及に関する年1回の調査も実施されています。普及率と世帯当たり普及台数です。上のグラフのうち、上のパネルはカラーテレビの普及率を取っています。ただし、いわゆるブラウン管テレビと液晶やプラズマの薄型テレビに分けています。各年3月時点の調査なんですが、昨年に逆転し、今では完全に薄型テレビが主流になっているのが読み取れます。また、下のパネルは100世帯当たりの保有台数ですが、特に普及が著しくて100世帯当たり100台を超えている耐久消費財をいくつかピックアップしています。エアコン、カラーテレビ、携帯電話については100世帯当たり200台、すなわち、1世帯当たり2台を超え、パソコンは2006年から、デジカメも2010年から1世帯1台を超えるようになりました。乗用車は1989年から1世帯1台に達した後、2007年をピークに昨年2011年まえジワジワと保有台数を減少させましたが、2012年にはエコカー補助金などに政策効果により保有台数が増加にていんjています。

息の長い景気の回復・拡大のためには内需の中でも個人消費が大きな役割を果たすことはいうまでもありません。消費の先行きはマインドを所得で決まります。マインドは改善しつつあると受け止めていますが、消費の先行きに公務員給与の削減がどのような影を落とすかを見極めたいと思います。

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2012年4月16日 (月)

池井戸潤『ルーズヴェルト・ゲーム』(講談社) を読む

池井戸潤『ルーズヴェルト・ゲーム』(講談社)

池井戸潤『ルーズヴェルト・ゲーム』(講談社) を読みました。『下町ロケット』で直木賞を授賞された作者の受賞後第1作かつ最新刊です。まず、出版社のサイトから作品のあらすじを引用すると以下の通りです。

「一番おもしろい試合は、8対7だ」
野球を愛したルーズヴェルト大統領は、そう語った。

監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門、青島製作所野球部。
創部以来の危機に、野球部長の三上が招いたのは、挫折を経験したひとりの男だった。 一方、社長に抜擢されて間もない細川は、折しもの不況に立ち向かうため、聖域なきリストラを命じる。野球部の存続をめぐって、社長の細川や幹部たちが苦悩するなか、青島製作所の開発力と技術力に目をつけたライバル企業・ミツワ電器が「合併」を提案してくる。青島製作所は、そして野球部は、この難局をどう乗り切るのか?
人生を賭した男達の戦いがここに始まる。

私はこの作者の作品は、この『ルーズヴェルト・ゲーム』と直木賞受賞の『下町ロケット』のほか、『空飛ぶタイヤ』と『鉄の骨』くらいしか読んだことがなく、基本的には同工異曲と言えば聞こえは悪いかもしれませんが、決して悪い意味ではなく、言わば「がんばる中堅・中小企業を舞台にしたハッピーエンドの爽やか物語」と言えます。残念ながら、デビュー作の『果つる底なき』や『シャイロックの子供たち』などの金融・銀行ミステリはまだ読んだことがありません。
本作『ルーズヴェルト・ゲーム』は電機部品を製造する未上場中堅企業の野球部を舞台に、世の不況に飲み込まれそうになり、リストラのため廃部寸前にある青島製作所野球部とそれを救おうと奮闘する総務部長たちを描いた企業小説です。本業でも野球部でもあらゆる意味でライバルのミツワ電器が、言わば「敵役」として配されます。底の見えない不況の中で、青島製作所の技術開発力を得るために合併を提案するミツワ電器を敵に回して、名門高校出身の投手が製造部の派遣社員をしていると知って復活する野球部、持ち前の技術開発力を背景に経営は立ち直る一方で、結局、年間3億のコストを要する野球部は廃部されるものの、予測不能な思考パターンの女傑経営者が白馬の騎士として現れて青島製作所野球部の受け皿となります。
とてもいい物語です。社業と野球部と、いずれも大きなピンチに立ち向かい、社員や部員が一丸となって解決に邁進します。敵役のミツワ電器の経営者や野球部員も個性的に配置されています。この作者のプロットに意外感はなく、次々と難題が持ち上がっても、90パーセントくらいは先が読めてしまうストーリー展開なんですが、それでも、ついつい、大いなる感情移入を持って物語に没入してしまいます。これは小説であって、もっと現実は厳しいと批判するのは自由ですが、少なくとも、フィクションでこういう小説があっていいと私は思います。私自身が野球ファンなので想像するしかないんですが、たぶん、野球に詳しくなくても楽しめそうな小説です。『マネー・ボール』的な野球とデータの関係でストーリーが進むわけではありません。
幸田真音や江上剛のような銀行や金融を中心に据えた企業小説と違って、池井戸潤の企業小説は私が読んだ範囲では比較的規模が小さく技術力の高いメーカーを舞台にしていて、技術力が企業の強みになっている展開です。私も地方大学の経済学部教授をした経験から、メーカーの強みは営業力ではなく技術力だと知りました。長らく公務員をしていて、中堅・中小メーカーの現場はまったく土地勘のない私ですが、いくつかの点では実感と合致する部分もありました。

文句なしの5ツ星で、400ページを超える作品ですが、ストーリーの展開が小気味よくて、一気に読み切る人も少なくない気がします。待ち行列は長そうですが、ほとんどの公立図書館に所蔵されていると思いますので、多くの方が手に取って読むことを願っています。

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2012年4月15日 (日)

岩田投手が踏ん張れず、山本昌投手にひねられる!

  HE
中  日000020010 370
阪  神000000000 021

中日の山本昌投手にタイガース打線が沈黙しました。8回をわずか2安打ゼロ行進で、得点が入りそうな気がしませんでした。他方、岩田投手は踏ん張り切れず3敗目です。私の勝手な見方かもしれませんが、小気味良くストライクが入る山本昌投手に比べて、ボールの先行する岩田投手の投球リズムがとても悪く、守ってはエラーが出て、打つ方も勢いに乗れないような気がします。少なくとも、岩田投手を日曜日に投げさせるのはヤメにして欲しいと願っています。加えて、そのうちに岩田投手も勝つんでしょうが、初勝利のインタビューで泣くのもヤメにして欲しいと思います。

東京ヤクルト戦は、
がんばれタイガース!

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2012年4月14日 (土)

スタンリッジ乱調でタイガース沈む!

  HE
中  日600000100 792
阪  神210000100 491

スタンリッジ投手が立上り乱調で、1回表にいきなり6点を取られて、現在の打線では万事休すでした。ジワジワと追い上げたんですが、さすがに追いつくところには至りませんでした。スタンリッジ投手をつないだ鶴投手はそこそこ投げてくれましたし、打線も見どころはありましたし、9安打の4点はまずまず評価できるような気がします。ということで、スタンリッジ投手の乱調がすべてでした。

明日は、
がんばれタイガース!

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三浦しをん『舟を編む』(光文社) を読む

三浦しをん『舟を編む』(光文社)

三浦しをん『舟を編む』(光文社) を読みました。言うまでもなく、今年の「本屋大賞」第1位に輝いたベストセラーです。私はいくつかの区立図書館で予約し、長い長い待ち行列に並んでいたんですが、とうとう買い求めました。実は、この作者の作品は直木賞を授賞された『まほろ駅前多田便利軒』と『木暮荘物語』しか私は読んでおらず、我が家のおにいちゃんが課題図書で買った『仏果を得ず』が積んであるだけです。ベストセラー作家の作品にもかかわらず、東野圭吾や伊坂幸太郎と違って、やや手が伸びない印象があります。決して女性作家だからというのではないと思います。宮部みゆきや湊かなえは読んでいる方だと自覚しています。ということで、まず、出版社のサイトからあらすじを引用すると以下の通りです。

舟を編む
言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをん最新長編小説。

【辞書】言葉という大海原を航海するための船。
【辞書編集部】言葉の海を照らす灯台の明かり。
【辞書編集者】普通の人間。食べて、泣いて、笑って、恋をして。
ただ少し人より言葉の海で遊ぶのがすきなだけ。

玄武書房に勤める馬締光也。
営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。

定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。

個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。

しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。

引用したあらすじにある通り、辞書を編纂する出版社の編集者が主人公に据えられた物語です。最初に、荒木という辞書編集のために生まれて来たような人物が登場するんですが、アッという間に定年退職し、あらゆる意味で一風変わった馬締という編集者が引き継ぎます。板前の香具矢との結婚生活もそこそこに、馬締は脇目もふらずに辞書の編集に邁進します。物語は馬締の20代後半から40歳くらいまで一気に13年飛んで、さらに2年を要して計15年で『大渡海』が出版に漕ぎ着けます。単に辞書の内容だけでなく、印刷用紙の発注までいろいろと辞書の出版に関するウンチクも得ることが出来ます。
辞書を編集する荒木や馬締はもちろん、監修の松本、早い段階で辞書編集部から宣伝広告分に異動したチャラ男の西岡、最後の段階で辞書編集部に加わった岸辺、等々、この『舟を編む』ではキャラが立っている登場人物ばかりで、とてもよく書き分けられているんですが、先月3月11日のエントリーで取り上げた久坂部羊『第五番』と逆で、極めて爽やかで好感の持てる人物がいっぱい登場します。最後の最後に、『大渡海』出版の1か月ほど前に監修の松本先生が亡くなりますが、それ以外は、極めてハッピーエンドです。そして、この小説は『大渡海』の出版記念パーティーで終わります。読後感も爽やかで、とってもオススメの5ツ星です。

どうでもいいことかもしれませんが、「本屋大賞」の第2位には高野和明『ジェノサイド』(角川書店) が入っています。本屋さんとは思考パターンが異なるんでしょうし、まったく違う趣向の本ながら、私の趣味では『ジェノサイド』の方が面白かった気がします。

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2012年4月13日 (金)

効率の悪い攻めながら能見投手が中日打線を抑えて2勝目を上げる!

  HE
中  日100000000 161
阪  神10010100x 3121

昨夜の最終回と同じで、クローザーの藤川投手がピリッとしませんが、能見投手がスミ1に抑えて2勝目です。攻撃陣は2ケタ安打を放ちながらも効率悪く、なかなか点が取れませんでした。投手陣が踏ん張っている間に、打者の調子が上がって来るように願うばかりです。でも、ダイナマイト打線は望めないのかもしれません。

明日も、
がんばれタイガース!

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国際通貨基金 (IMF) の「世界経済見通し」 World Economic Outlook 分析編を読む

取り上げるタイミングが少し遅くなりましたが、来週の4月20日から米国の首都ワシントンにて始まるIMF世銀総会を前に、国際通貨基金 (IMF) が「世界経済見通し」 World Economic Outlook の分析編を公表しています。もちろん、pdf のリポートも、日本語サマリーも、IMFのサイトにアップされており利用可能です。リポートの副題は "Growth Resuming, Dangers Remain" となっています。分析編の第3章と第4章で何を取り上げているのかは、以下のタイトルを見れば明らかですが、ちょっと変わっていて、第3章では注目の政府債務ではなく家計の債務を、また、第4章では非産油国や商品輸入国ではなく商品輸出国における商品価格の変動の影響を、それぞれ分析しています。

  • Chapter 3: Dealing with Household Debt
  • Chapter 4: Commodity Price Swings and Commodity Exporters

日本に大きな直接の影響がなく、その意味で、消費を中心に日本のマクロ経済を見ている私自身はさほどの興味を持てないテーマなんですが、今夜はリポートからいくつかグラフを引用して、簡単に「世界経済見通し」の分析編を紹介したいと思います。

Figure 3.2. The Great Recession: Consumption Loss versus Precrisis Rise in Household Debt

まず、第3章の家計の負債に関する論点について、上のグラフはリポートの Chapter 3 p.4 Figure 3.2. The Great Recession: Consumption Loss versus Precrisis Rise in Household Debt を引用しています。縦軸に消費の低下を、横軸に家計の負債・所得比率を取っています。明らかに負の相関があり、因果関係は明らかではないものの、負債比率が高いと消費の落ち込みも大きくなる可能性が示唆されています。回帰線の右下の方はダメージが大きい国々で、逆に、左上は小さい国です。日本はほぼライン上ですが、後者に属しているように見えます。いずれにせよ、消費拡大のためには家計の負債を減らす必要があることは常識的にも明らかです。

Figure 3.3. Economic Activity during Housing Busts

続いて、上のグラフはリポートの Chapter 3 p.6 Figure 3.3. Economic Activity during Housing Busts を引用しています。赤の折れ線グラフが家計における負債が高水準である場合、水色が低水準の場合ですが、住宅価格が急落した場合、消費、GDP、失業率などに及ぼす影響を試算しています。点線は1標準偏差の信頼区間を示しています。こんな試算をするまでも明らかなんですが、家計の負債が高水準に積み上がった方が住宅価格の急落に伴ってダメージが大きくなるのは当然です。金融緩和によって金利を引き下げて家計のローン支払い負担を軽減してもゼロ金利制約がありますし、また、セーフティネットによる政府からの移転所得を増加させて負債・所得比率を引き下げる方法も、リポートで論じられている家計負担の緩和策のいずれも限界があるように私は感じます。

Figure 4.3. Macroeconomic Performance of Commodity Exporters during Commodity Price Swings

第4章に入って、商品価格の影響について、上のグラフはリポートの Chapter 4 p.9 Figure 4.3. Macroeconomic Performance of Commodity Exporters during Commodity Price Swings を引用しています。商品価格が変動した際の商品輸出国のGDP成長率や経常収支などのマクロ経済指標を商品価格の上昇と下降に分けて、さらに、エネルギー・金属・食料・原材料の商品別に示しています。当然ながら、商品輸出国の経済は商品価格から大きな影響を受けます。脆弱だとも言えます。中でも、原油輸出国における影響が最も大きく、原油の実質価格を約+12%押し上げるショックが1年続けば、短期的に石油輸出国の実質GDPを+0.4%、中期的に3年間に渡って約+2%押し上げるとの試算がリポートで明らかにされています。下のグラフの通りです。モノカルチャーの度合いが強いからだという気もします。また、商品価格の変動と同じ意味を持つ為替の変動についても分析しています。

Figure 4.7. Real Output Effects of Commodity Market Shocks

繰返しになりますが、上のグラフはリポートの Capter 4 p.15 Figure 4.7. Real Output Effects of Commodity Market Shocks から引用しています。金属代表の銅、食料代表のコーヒー、原材料代表の綿よりもエネルギー代表の石油の影響がもっとも大きいことが読み取れます。同時に、赤い折れ線の供給サイドのショックよりも、水色の需要サイドのショックの方がインパクトが大きくなっています。商品輸出国から見て国内要因よりも海外要因の方が影響が大きいと受け止めています。点線はやはり1標準偏差の信頼区間を示しています。リポートでは商品のうち石油を例に上げて、財政政策で対応した場合の効果について、均衡財政ルール、countercyclicalな景気調整ルール、構造黒字ルールの3ルールの別から、さらに、商品価格変動が一時的か持続的かにより分析を行っています。基本的には、価格上昇期には商品輸出に伴う収入の増加分を蓄えてバッファーとし、価格下落時にボラティリティーを抑制すべくバッファーを活用する景気調整ルールがベストながら、世界経済の生産性ショックへの影響を緩和するためには、少しcountercyclicalな要素を減じた景気調整ルールに従う財政政策がベストと結論しています。

発表から少し遅れてのエントリーですが、国際機関のリポートを取り上げるのは私のこのブログのひとつの特徴です。もうひとつの特徴はヨソさまのフラッシュに直リンすることなんですが、最近はご無沙汰しているような気がします。

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2012年4月12日 (木)

最後はヒヤヒヤも、安藤投手がノーヒッター前田健投手と互角の投合いで広島と引分け!

  HE
阪  神0000001000 171
広  島0100000000 171

最後の10回ウラは満塁まで広島に攻め立てられて、ヒヤヒヤものでしたが、何とか藤川投手が抑えて引分けでした。東京ヤクルト戦で復活なった安藤投手が、ノーヒット・ノーランの前田健投手と互角に投げ合って、リリーフ陣も何とか抑えました。問題は打つ方なんですが、前田健投手相手ですから、冴えない当たりの桧山選手の同点打で追いついたのでよしとしましょう。

中日戦も、
がんばれタイガース!

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アジア開発銀行の「アジア開発見通し」 Asian Development Outlook

機械受注統計の後回しになってしまいましたが、昨日、アジア開発銀行 (ADB) から「アジア開発見通し」 Asian Development Outlook 2012 が発表されています。副題は Confronting Rising Inequality in Asia と正面から不平等の問題を取り上げています。もちろん、いつもながら、pdf の全文リポートもアップされています。リポートの章別構成を見ると以下の通りとなっています。

  • Part 1: Maintaining growth in an uncertain world
  • Part 2: Confronting rising inequality in Asia
  • Part 3: Economic trends and prospects in developing Asia

Part 3 は国別の見通しですので、今夜のエントリーでは、Part 1 と 2 を簡単に見て行きたいと思います。

Table 1 Growth rate of GDP (% per year)

まず、見通しのヘッドラインとなるアジア新興国・途上国の成長率は上のテーブルの通りです。リポートの Highlights p.xxii Table 1 Growth rate of GDP (% per year) を引用しています。画像をクリックすると、リポートから成長率とインフレ率の2ページを抜き出したpdfファイルが別タブで開くようになっています。今年2012年のアジア新興国・途上国の成長率見通しは+6.9%と昨年9月時点の見通しである+7.5%から▲0.9%ポイント下方修正され、昨年2011年よりも▲0.3%ポイント下回り、成長率はやや減速するとの予想です。中国が2011年の+9.2%成長から2012年は+8.5%成長に減速するのが大きな要因です。でも、先の全人代で中国は今年+7.5%成長を掲げていますので、これは上回る見込みです。

1.2.8 Export exposure to the eurozone (% of GDP)

アジア新興国・途上国の成長が2011年から2012年にかけて減速する最大の要因は輸出先である日米欧の先進国経済の停滞です。表の引用はしませんが、リポートの p.4 1.1.1 Baseline assumptions for the international economy を見ると、日米は2011年から2012年にかけて成長が加速する一方で、特に、ユーロ圏諸国は2011年の+1.4%成長から2012年には▲0.5%のマイナス成長に陥るとの前提が置かれています。アジア新興国・途上国以外の先進国については予測ではなく、あくまで見通しの作業前提としてのベースラインという位置づけですが、大きく外れているわけではないと思います。ということで、上のグラフはリポートの p.19 1.2.8 Export exposure to the eurozone (% of GDP) を引用していますが、2005年と2010年におけるアジア各地域のユーロ圏諸国への輸出比率を直接と間接に分けてプロットしています。リーマン・ショックをはさんでいますので、2005年から2010年にかけてユーロ圏諸国への輸出比率は着実に低下しているんですが、それでも、直接・間接合わせてアジア新興国・途上国平均でGDP比5%くらいの比率に上っていることが読み取れます。無視できない比率であると考えられます。

2.1.1 GDP growth (1990-2010) and poverty reduction (1990s-2000s)

Part 2 に入って、不平等の問題を取り上げています。先進国を含めて世界的に注目されているテーマを取り上げたと言えます。まず、上のグラフはリポートの p.38 2.1.1 GDP growth (1990-2010) and poverty reduction (1990s-2000s) を引用していますが、アジア新興国・途上国の地域別に見た成長率と貧困削減率をプロットしています。中央アジアを除いて、大雑把に、成長率が高ければ、2005年価格の購買力平価で見た1日当たり1.25ドル以下で暮らす貧困層の減少が進んでいることが読み取れます。すなわち、成長は貧困削減には有効な政策であると言えます。

2.2.1 GDP growth and change in the Gini coefficient

しかし、上のグラフはリポートの p.46 2.2.1 GDP growth and change in the Gini coefficient を引用していますが、成長が不平等をもたらした可能性が示唆されています。すなわち、1990年代から2010年代にかけて、縦軸にジニ係数の変化、横軸に成長率を取っていますが、わずかながら正の相関が観察されます。すなわち、成長率が高ければジニ係数も大きくなる関係です。あくまで相関関係であって、因果関係ではありませんから、どちらがどちらの原因になっているかは不明ですが、正の相関があることは確かで、成長促進はは不平等解消に有効ではありません。貧困削減と不平等解消がどちらも成長により解決できるわけではありませんから悩ましいところです。このため、アジア開発銀行では教育や医療、あるいは、空間的な、すなわち、都市と地方の不平等の解消などに取り組む必要性を強調しています。

震災からの復興需要が顕在化する日本などの例外は別にして、今年の世界経済は先進国も新興国・途上国もやや減速するとの見込みが主流となっています。経済がやや減速する中で、特にアジアでは貧困削減や不平等是正が重要な政策課題になるとのアジア開発銀行の考えと受け止めています。

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2012年4月11日 (水)

第70期将棋名人戦七番勝負第1局は森内名人の先勝で始まる!

森内名人に羽生二冠が挑戦する第70期将棋名人戦七番勝負の第1局は、昨日から東京の椿山荘で指し継がれていたんですが、本日午後9時26分に139手で先手の森内名人が羽生二冠を下しました。森内名人は誠におめでとうございます。第2局は羽生二冠もがんばっていただきたいと思います。
下の終了図は朝日新聞のサイトから引用しています。

将棋名人戦第1局終了図

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機械受注はどこまで増加基調を続けるか?

本日、内閣府から2月の機械受注統計が発表されました。船舶と電力を除く民需の、いわゆるコア機械受注は季節調整済み系列の前月比+4.8%増の7940億円と、2か月連続の前月比増となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の機械受注4.8%増 2カ月連続プラスに
内閣府が11日発表した2月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需(季節調整値)」は前月比4.8%増の7940億円となり、2カ月連続で増加した。製造業からの受注が3カ月ぶりに増えたほか、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)関連投資向けが伸びた。
内閣府は機械受注の基調判断を従来の「一進一退で推移している」から「緩やかな増加傾向がみられる」に上方修正した。基調判断の上方修正は2011年6月以来8カ月ぶり。
機械受注統計は機械メーカーから、工場の生産設備などの受注額を聞き取り算出。船舶・電力を除くベースの民間需要は、3カ月から半年ほど先の民間設備投資の先行指標とされる。
業種別に見ると、製造業が16.0%増。エンジンなど造船業からの受注が2.6倍になったほか、大型案件があった化学工業も5割増だった。ただ自動車は5.7%減と5カ月ぶりに減った。非製造業は2.3%増と2カ月連続のプラス。特にスマホ関連の基地局増設で通信業が19.2%増と高い伸びを示した。
国内の民需とは別に海外からの受注をまとめた外需は18.3%減。1月に化学機械で大型受注が相次いだ反動が大きい。官公需も7.3%減ったが、地方自治体の焼却炉や水処理設備など、東日本大震災からの復旧関連の受注は堅調だった。
船舶・電力や官公需などを含む機械受注の総額は14.5%減の2兆1817億円だったが、内閣府は「外需、官公需ともに受注の水準は低くない」とみている。
内閣府が2月に発表した1-3月期の見通し調査では、船舶・電力を除く民需は前期比2.3%増と予測されていた。1-2月平均の実績は前期比5.4%増となり、予測を達成し、2四半期ぶりにプラスに転じる公算が大きくなった。

次に、いつもの機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需のコア機械受注の実額とその後方6か月移動平均を、下のパネルは外需、製造業、船舶と電力を除く非製造業の需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

機械受注の推移

引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「一進一退」から「緩やかな増加傾向」に上方修正しています。市場の事前コンセンサスは▲1%に満たないものの、前月比マイナスでしたから、ポジティブなサプライズと受け止められています。ペースは緩やかなものにとどまっていますが、雇用とともに設備についても要素需要は堅調に推移していると私は受け止めています。ただし、復興需要に基づくと見られる部分も少なくなく、また、発電設備などの原発停止に伴う引合いもありますし、先行指標である外需が落ちましたので、先行きが手放しで増加するとも考えられません。すなわち、復興需要などが一段落すればペースが落ちる可能性も否定できませんが、現状で復興需要がまだフルに出ているとも思えませんので、目先きの年内くらいは増加が続き、その先はやや不透明だという気がします。少なくとも、昨年12月調査で内閣府が集計した1-3月期の船舶と電力を除く民需の受注額見通しは前期比+2.3%増でしたので、これを超過達成することはほぼ確実です。

今日はアジア開発銀行から「アジア開発経済見通し」 Asian Development Outlook も公表されていますし、国際通貨基金 (IMF) では4月20日からIMF世銀総会に向けて「世界経済見通し」 World Economic Outlook の分析編第3章と第4章もアップされているんですが、今夜は事情により遅くなりましたので、いずれも順を追って日を改めて取り上げたいと思います。

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2012年4月10日 (火)

お目覚めの阪神打線が15安打10得点で広島を圧倒!

  HE
阪  神204002020 10151
広  島000200000 270

甲子園の巨人戦ではタイガース打線がサッパリ打てない上に、3戦目で岩田投手がジャイアンツ打線を目覚めさせてしまい、ジャイアンツは今夜も5点取っていたりするんですが、阪神打線もようやくお目覚めの15安打10得点でした。雨の試合でしたが、打線が活発に打って広島に圧勝しました。投手陣についても、先発メッセンジャー投手の6回2失点も合格ですし、リリーフ陣も無失点でした。ただ、顔面に死球を受けた藤井捕手が心配です。私はNHK-BS1で観戦していたんですが、続報がありませんでした。城島選手が捕手として守れないだけに、ますますキャッチャーが手薄になりかねません。ここは守備に弱点を抱えるんですから、私の趣味としては打ち勝つ野球を見たいところです。

明日も、
がんばれタイガース!

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福田和代『スクウェア』I、II (東京創元社) を読む

福田和代『スクウェア』I、II (東京創元社)

福田和代『スクウェア』I、II (東京創元社) を読みました。大阪の府警薬物対策課の刑事とお初天神のデッドエンドストリートにあるショットバーのバーテンダーなどを登場人物にした作者の最新作です。テーマは覚せい剤やコカインなどの薬物撲滅です。ごく短いものですが、まず、出版社のサイトから内容紹介を引用すると以下の通りです。

内容紹介
薬物対策課の刑事・三田が〈スクウェア〉で出会った、清潔そうなバーテンダーの青年。この男と長いつき合いになるとは、三田は想像していなかった──。福田和代の新境地。

東京創元社の「ミステリーズ」に掲載された短中編に書下ろしを加えて単行本にした作品です。最初に書いた通り、大阪府警の薬物対策課の刑事である三田を中心に据えつつ、三田の行きつけのシュットバーのバーテンダーであるリュウ、リュウの同級生で元世界ランカーのプロボクサーにして今はスポーツ店経営の宇多島の3人を中心に、短中編くらいの読切りのミステリの謎を解きつつ、もちろん、シリーズとして長編の各章にもなっていて、実は、リュウと宇多島の2人が警察から独立して薬物撲滅に取り組む、別の意味で、組織暴力団に立ち向かう姿を描いています。本のタイトルの「スクウェア」はリュウがバーテンダーを務めるショットバーの名前であり、三田や宇多島は客だったりもします。
私はこの作者の単行本化されている作品はすべて読んだつもりなんですが、作者の今までの作品と比べて、いくつか趣向が凝らされています。第1に、警察ミステリは初めてではないかという気がします。あえて言えば、『怪物』の主人公は定年間近の刑事なんですが、警察ミステリというよりも刑事が個人で動いている印象が強かった作品です。本作では、主人公の三田をはじめ、桜井、大迫、中本などキャラが明確な大阪府警薬物対策課の刑事が組織的に事件を解決に導きます。第2に、読切りの短中編を各章に見立てた長編というのは初めてだと思います。東野圭吾の『新参者』や宮部みゆきの「ぼんくら同心・井筒平四郎」シリーズと同じ趣向と言えます。第3に、基本的に三人称で書かれているんですが、間接話法の主語が短編ごとに微妙に違う場合があります。例えば、ホントはカギカッコなしで「俺は何を考えているんだ」といった趣旨の表現があるんですが、この場合の「俺」は三田だったり、宇多島だったり、ひょっとしたら、リュウではないかと思われる部分もあったりします。実は、私も十分に読みこなしている自信はありません。単に作者が混乱しているだけならば未熟としか言いようがないんですが、意図的に何らかの効果を狙っているとすれば、現時点で成功しているとは言い難いですが、将来的に興味深い趣向と言えます。
薬物撲滅という極めて社会派のテーマを扱っていて、その点では大いに評価できるんですが、残念ながら、この作品をミステリとして評価すると、それほどの高得点は望めません。個々の短中編をキャラのたった登場人物による人間ドラマとして読むと、それなりの質の高さは認めますが、同じような話が並んでいて単調ですし、何よりも、この作者の過去の作品と同じように謎解きとしてはムリがあると言わざるを得ません。加えて、ハードボイルドっぽく構成しているにしては、大阪という土地柄で仕方ない部分もあるものの、妙にユーモラスな場面があったりして一貫性に欠けます。読みやすいのはいいんですが、2冊ともすぐに読み切ってしまうのでヒマ潰しにはなりません。

最後に、繰返しになりますが、動機も含めて謎解きの部分が弱いのが、いつもながら、この作者の作品の最大の弱点です。特に舞台を大きくしてしまっているので、その欠点がクローズアップされて、ラストに「なるほど」と大向こうをうならせるよりも、「何だそりゃ」の尻すぼみで終わっている印象です。ミステリの弱さを考え併せると、せいぜい好意的に見て4ツ星くらいの評価ではないかと思います。

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2012年4月 9日 (月)

経常収支と景気ウォッチャーの結果をどう見るか?

今日は欧米キリスト教諸国ではイースター・マンデーなんですが、日本では何の関係もなく、財務省から経常収支などの国際収支が、内閣府から景気ウォッチャー調査の結果が、それぞれ発表されました。国際収支は2月、景気ウォッチャーは3月の統計です。経常収支は季節調整していない原系列で見て、1月の赤字から2月は1兆1778億円の黒字に転換しました。1兆円を超える黒字は5か月振りです。また、景気ウォッチャーは現状判断DIが8か月振りに50を超える水準に達しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

経常黒字、1兆1778億円 2月、2カ月ぶりの黒字
財務省は9日、2月の国際収支速報を発表した。モノやサービス、配当、利子など海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆1778億円の黒字となった。経常黒字は2カ月ぶり。米国向けの自動車輸出などが伸び、貿易収支が5カ月ぶりに黒字に転換したほか、企業が海外投資から受け取る利子や配当などを示す所得収支の黒字も増えた。
経常黒字が1兆円台に達したのは昨年9月以来、5カ月ぶり。ただ2月の黒字額は前年同月比では30.7%減っており、財務省は「先行きの下振れリスクを注視する必要がある」(国際局)としている。
2月の貿易収支は1021億円の黒字だったが、前年同月比では6182億円減少。輸出額は同2.0%減の5兆2477億円。欧州債務危機の影響で欧州向けとアジア向けが減少したが、米国向けの自動車輸出が伸び、減少幅を縮めた。
輸入額は同11.1%増の5兆1456億円。原子力発電所の停止の影響で液化天然ガス(LNG)など燃料輸入の増加が続いている。
旅行や輸送などの動向を示すサービス収支は、海外旅行に出かける人が増えたため1304億円の赤字。所得収支の黒字は同3.9%増の1兆2430億円だった。
3月の街角景気、8カ月ぶり50超に改善 内閣府、判断上方修正
内閣府が9日発表した3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は51.8と前月から5.9ポイント上昇した。改善は2カ月連続で、好不況の分かれ目である「50」を8カ月ぶりに上回った。内閣府は景気の現状に対する基調判断を「持ち直している」へと8カ月ぶりに引き上げた。
現状判断は指数を構成する家計、企業、雇用の全分野で改善。「円安による価格競争力の回復、及び復興需要の顕在化により好調」(四国の一般機械器具製造業)や「輸出企業に製品を収めている中小の下請け企業では稼働率が上がっている」(北陸の税理士)といったコメントが並び、円高一服の好影響が「浸透してきている」(内閣府)ようだ。
また復興需要も引き続き、景気をけん引している。雇用部門では「建設業者から現場作業員を主とした求人申し込みが順調」(北関東の職業安定所)という。さらに株価上昇も消費者心理の改善につながるとの声があった。
本格的な復興や円安進行が、先行きに対する街角の期待を下支えする一方で、原油高などが重荷となってきている。先行き判断指数は同0.4ポイント低下の49.7と3カ月ぶりに悪化。「原油高による材料の値上げや電気料金引き上げによるコスト増が心配」(南関東のプラスチック製造業)とエネルギー価格の上昇を懸念するコメントが並んだ。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象。3カ月前と比べた現状や、2-3カ月先の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。今回の調査は3月25日から月末まで。

次に、経常収支のいつものグラフは下の通りです。青い折れ線グラフが経常収支を示しており、貿易収支や投資収益収支などの内訳を積上げ棒グラフでプロットしています。右軸の単位は兆円です。

経常収支の推移

まず、いつものお断りですが、上のグラフは季節調整値を取っている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいた記述となっていますので、やや印象が異なる可能性があります。例えば、記事では貿易収支が黒字とされていますが、グラフではまだ赤字のままだったりします。すなわち、季節変動を除いた基調としては貿易収支はまだ赤字のままです。もちろん、その赤字幅はゼロ近傍まで大幅に縮小したことはグラフから読み取れる通りです。貿易収支の先行きを見通す上で、ここ数年の我が国の貿易収支が赤字化した要因を考えると、以下の5点が上げられます。すなわち、第1に円高、第2にリーマン・ショックに伴う世界需要の大幅な落ち込み、第3に震災やタイ洪水による供給制約、第4に原発の稼働率低下に伴う火力発電向け燃料輸入の増加、第5に原油をはじめとする商品価格の高騰、です。現時点では5番目の原油などの商品市況の動向がもっとも大きなリスク要因と受け止めていますが、日銀の金融政策動向によって左右される為替動向も引き続き潜在的なリスク要因と考えるべきです。

景気ウォッチャーの推移

景気ウォッチャー調査結果は上のグラフの通りです。上のパネルは全国の現状判断DIと先行き判断DIの推移を、下は昨年と今年のいずれも3月時点の地域別の現状判断DIを、それぞれプロットしています。引用した記事にもある通り、現状判断DIは8か月振りに50を超えた一方で、先行き判断DIは2月から低下しました。現状判断DIでは家計や企業動向もさることながら、ここ数か月に渡って雇用関連DIが高い水準を続けています。地域別では、グラフに見られる通り、沖縄を例外として東北地方がもっとも高い現状判断DIを示しています。もちろん、震災当月である昨年3月からの変化幅も最大ということになります。記事にもある通り、復興需要にも支えられ、基調判断は、「円高の影響が残るものの、緩やかに持ち直している」から「持ち直している」に上方修正されています。経常収支や貿易収支と同じように、ここでも、先行きリスクは原油などの商品市況と考えられます。

先週金曜日の景気動向指数を見ても、我が国景気は回復局面にあると私は考えていますが、外需に支えられ、国内のマインドも決して悪くありません。消費税増税が目先の期待にどのような影響を及ぼすかは不明ですが、息の長い景気拡大につながるかどうかに注目しています。

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2012年4月 8日 (日)

岩田投手が眠っていた巨人打線を目覚めさせて完敗!

  HE
読  売120110000 5130
阪  神000000100 160

昨日と一昨日はその前の安藤効果で投手陣がよかったんですが、賞味期限は2日だけだったようで、今日の先発岩田投手の背信で巨人打線を目覚めさせてしまったかもしれません。もっとも、巨人が目立っていただけで、阪神も打てないことにかわりなく、ジャイアンツが13安打の5点ですから、相手投手が誰であれ連日の1点打線のタイガースでは勝てません。それにしても、序盤にこれだけ点を入れられると、細かい野球で1点を取りに行く和田野球では限界なのかもしれません。単純に打つだけではゲッツーの山だった気がします。

広島では、
がんばれタイガース!

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2012年4月 7日 (土)

巨人に競り勝って甲子園で連勝!

  HE
読  売000000000 041
阪  神10000000x 130

投手戦を制して、甲子園で巨人に連勝です。スタンリッジ投手は並の調子のように見受けられましたし、1回ウラの攻撃でもジャイアンツが前進守備を取らなかったのは、スタンリッジ投手から点を取るのは難しくないとの判断でしょう。しかし、巨人打線が打てず、連続31イニングと長らくゼロ行進が続いています。もちろん、阪神打線が活発だというつもりもありませんし、杉内投手を打ち崩したわけではありませんが、全体としての流れが巨人が負ける方向に流れているように見えます。タイガースから見ればチャンスです。チャンスなんですが、伝統の一戦が盛り上がりません。悩ましいところかもしれません。

明日も3タテ目指して、
がんばれタイガース!

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一家そろって近くの公園に花見に行く

公園の桜並木

今日は花冷えの1日だったんですが、東京ではサクラが満開ということで、一家そろって近くの公園まで花見に行きました。というか、ホントは花見が目的ではなかったんですが、近場を歩いて見て回りました。あまり発見はありませんでした。ものすごい人出でした。

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米国雇用統計のグラフィックス

昨日、いわゆるイースターのグッド・フライデーにもかかわらず、米国労働省から3月の米国雇用統計が発表されています。誠にお仕事熱心なことです。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は季節調整済みの前月差で見て、市場の事前コンセンサスを大きく下回る+12万人にとどまった一方で、失業率は0.1%ポイント低下しました。評価の難しいところかもしれません。まず、長くなりますが、Wall Street Journal のサイトから記事の最初の8パラを引用すると以下の通りです。

U.S. Labor Market Slows Its Stride
U.S. employers throttled back hiring last month, undermining views that the recovery was gaining momentum but stirring investors' hopes of further steps by the Federal Reserve to spur the economy.
The government's main snapshot of the labor market showed employers added 120,000 jobs in March, half the upwardly revised number of the month before. That snapped a three-month streak of 200,000-plus jobs growth, the economy's best showing since 2006. There were bright spots: Wages inched up and governments cut just 1,000 jobs, suggesting the drag from big public-sector cutbacks is easing.
But mostly, the picture was disappointing at a time when all eyes are on the U.S. to help keep global growth humming. The jobless rate, which is obtained from a separate survey of households, edged down to 8.2% from 8.3%, its lowest point in three years. However, that decline was due less to new hiring than people abandoning their job searches.
Friday's report stirred fears of a repeat of what happened in the early part of the past two years, when signs of strength petered out as months ticked by. Consumers increased their borrowing in February, Federal Reserve data showed Friday, but use of credit cards dropped for the second month, suggesting a pullback on some expenses. But most economists cautioned it was too soon to conclude that a slowing trend is under way. Private economists and the Federal Reserve have predicted that job creation would moderate this year, given that overall demand growth remains subdued and the economy faces challenges such as higher oil prices.
Stock markets in the U.S. and Europe were closed for Good Friday but prices of futures tied to the Dow Jones Industrial Average sank on the employment news, sending investors scrambling into bonds as the value of the dollar fell.
The weak report is likely to revive hope among investors that the Federal Reserve will do more to stimulate the economy later this year. However, the report by itself likely didn't send a strong-enough signal about the economy to spur a change in the Fed's stance. The central bank has indicated plans to keep short-term interest rates near zero into 2014 but reluctance to add to its unconventional bond-buying programs unless the outlook clearly deteriorates or inflation slows. The bond-buying programs are meant to drive down long-term interest rates and encourage spending and investment.
Friday's reading suggests the job market hasn't been quite as robust as earlier reports indicated, but doesn't point to a stall. Moreover, wage growth seemed to be firm. It was up 2.1% in March from a year earlier, right around the Fed's inflation objective of 2%. Taken together, the data suggest that while more action by the Fed to boost growth is still possible, the central bank likely hasn't moved strongly in that direction.
The report also added fuel to the presidential race. President Barack Obama, speaking Fridayat a White House event on women and the economy, zeroed in on private-sector growth to try to capture a more positive snapshot of the jobs outlook than the one reflected in the overall March report. He noted that 4 million private-sector jobs have been created in the past two years and more than 600,000 in the past three months.

週末ですので、グラフを中心にして簡単に振り返っておきたいと思います。まず、下のグラフは上のパネルが非農業部門雇用者数とそのうちの民間部門雇用者数のそれぞれの前月と比較した増減数で、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。

米国雇用統計の推移

雇用増+12万人の失業率8.2%という数字にはいろいろな解釈がなされています。失業率を引き下げるのに必要な雇用者の増加がほぼ12万人と言われていますから、何とか最低基準をクリアできており雇用は底堅いとの見方もあり得ますが、基本的には物足りないと受け止められているようです。特に、製造業はまずまず伸びたのに対して、サービス業の伸びが少し落ちて来ています。厳冬だった日本と気候が違い、暖冬だった2月に比べて3月は雇用増の勢いが鈍ったとする見方もあります。評価の難しいところだと考えています。

時間当たり賃金上昇率の推移

デフレとの関係で、私が特に気にしている時間当たり賃金上昇率の推移は上のグラフの通りです。前年同月比で2%台を回復し、まだまだ手放しの楽観はできませんが、底入れしたと私は受け止めています。

Jobless Recovery

最後に、景気循環のピークをベースにした雇用の増減は上のグラフの通りです。2011年のいわゆるITバブル崩壊後の景気後退期も Jobless Recovery と呼ばれましたが、約4年で雇用は回復しました。しかし、今回は50か月を過ぎても一向に景気後退前の水準に達する見通しが立ちません。

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2012年4月 6日 (金)

能見投手の完璧なピッチングで巨人に先勝!

  HE
読  売000000000 022
阪  神00001011x 390

今季、甲子園初戦で巨人を叩いて先勝です。能見投手の圧巻のピッチングで完封でした。しかし、打つ方はイマイチで、能見投手というか、小宮山捕手も含めたバッテリーに借りひとつと言えます。
2点目のセフティ・スクイズがいわゆる「和田野球」なのかどうか、私には分かりませんが、打撃陣の奮起を期待します。

杉内投手を打ち崩して、明日も、
がんばれタイガース!

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我が国景気は順調に拡大!

本日、内閣府から2月の景気動向指数が発表されました。CI一致指数は93.7と前月比1.0ポイント上昇したことから、3か月後方移動平均が3か月連続の上昇、7か月後方移動平均が5か月連続の上昇となり、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「上方への局面変化」から「改善」へと上方改定しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の景気一致指数、2カ月ぶり上昇
基調判断「改善」に

内閣府が6日発表した2月の景気動向指数(CI、2005年=100)速報値によると、景気の現状を示す一致指数は93.7と前月比1.0ポイント上昇した。自動車販売の好調に加え、うるう年で例年よりも平日が多かったため、商業販売額も増加した。
3カ月後方移動平均が3カ月連続で上昇したことなどから、内閣府は景気の基調判断を「上方への局面変化」から「改善」へと2カ月ぶりに上方修正した。
2月は一致指数を構成する11指標のうち8つが改善。被災地での建設業を中心に有効求人数が増えているほか、販売が好調な自動車の出荷も伸びた。生産の回復に伴って、所定外の労働時間も増えるなど景気回復に向けた動きが加速している。商業販売額はうるう年の影響に加え、ガソリンや野菜の高騰もプラスに寄与した。
昨年12月から続いたタイの洪水被害からの挽回生産が一服し、生産は反動で減少した。中小企業の出荷指数も低下したが、内閣府は「悪い材料は出ていない」といい、一時的な動きとみている。
数カ月後の先行きを示す先行指数は前月比2.1ポイント上昇の96.6と4カ月連続で上昇し、2008年1月以来4年1カ月ぶりの高水準となった。昨年2月の95.2を上回り、東日本大震災前の水準を回復した。
出荷の伸びに伴って、自動車や化学工業、半導体など電子部品・デバイスの在庫が減少する好循環となり、「ポジティブに評価できる」(内閣府)という。2月は日銀の追加の金融緩和策によって株価が大幅に上昇したことも景気回復を後押しした。
景気に数カ月遅れる遅行指数は2.2ポイント上昇の85.6と2カ月ぶりにプラスに転じた。好調な自動車販売とうるう年で押し上げられた家計の消費支出がけん引した。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前に比べ改善した指標が占める割合を表すDIは一致指数が90.0%、先行指数が88.9%だった。

次に、いつもの景気動向指数のグラフは以下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下はDI一致指数です。影をつけた部分は景気後退期です。

景気動向指数の推移

引用した記事にもありますが、有効求人倍率の上昇、耐久消費財や資本財の出荷の伸び、小売販売の増加などが一致指数の上昇に寄与しています。他方、製造業中小企業の出荷が減少した他、鉱工業生産指数の低下がマイナスの寄与を示しています。付加価値ベースの鉱工業生産指数と違って、CI一致指数は経済活動の水準を示すわけではありませんが、これも引用した記事にある通り、今年2月の一致指数の水準は昨年2月の震災前の水準を回復しました。先行指数も大きく上昇し、先行きも明るそうです。基調判断が「改善」に上方改定されたのももっともです。

4月に入って、今日も株価は下げていますが、実体経済は決して悪くないと私は受け止めています。米国経済については、これから発表される雇用統計を確認したいと思います。

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2012年4月 5日 (木)

みずほ総研リポート「国民負担の世代間格差と税・社会保障改革」に見る世代間不平等

やや旧聞に属する話題ですが、先週の3月30日にみずほ総研から「国民負担の世代間格差と税・社会保障改革 - 世代会計による財政再建策の影響シミュレーション」と題するリポートが公表されています。タイトル通りのリポートなんですが、私がこのブログで従来から主張している世代間不平等について世代重複モデルを用いたシミュレーションにより試算しています。まず、リポートの p.1 のサマリーを5点引用すると以下の通りです。

◆ 国民負担の先送りによる世代間格差の拡大が懸念されている。問題となる世代間格差には、将来世代と現存世代間、現在の高齢世代と現役世代間 (現存世代間) という2つの格差がある。
◆ 将来世代と現存世代の生涯受益と生涯負担を「世代会計」の手法により試算すると、生涯所得に対する純負担の割合は、将来世代と現役世代とで34%Ptもの差が生じることになる。
◆ 財政再建を実現すれば、将来世代と現存世代間の格差は大幅に改善する。一方で、財政再建の取り組みが遅れれば遅れるほど、将来世代への先送りが増大し、格差是正は困難となる。
◆ 現存世代間の格差は、消費税増税に依存して財政再建を進めると、むしろ拡大する。現存世代間の格差是正のためには、高齢世代向けの社会保障費の抑制も財政再建の手段に組み込む必要がある。
◆ 今回の社会保障・税一体改革案を実行したとしても、抜本的な格差是正には至らない。現存世代間の格差解消まで視野に入れるならば、大幅な給付削減など相当な改革を実行に移す覚悟が必要だ。

もうほとんど、私から付け加えることはないんですが、簡単に現状と今後のあり得るシナリオについての世代間格差のグラフだけ引用しておきます。まず、リポートの pp.2-3 に示された世代会計に基づく計測方法に従って試算された世代間格差の現状を示したのが下のグラフであり、p.3 の図表1 世代別の受益と負担(現状維持シナリオ)を引用しています。将来世代の生涯純負担は現在割引価値で約9600万円、所得に占める割合、すなわち、純負担率は38.8%に達すると試算されています。現存世代の純負担率は、このグラフに現れるもっとも若い20代でも約1300万円、4.9%との試算ですから、現行の社会保障システムは将来世代に膨大な負担を強いることを前提にして成り立つ制度であることが理解できると思います。まだ生まれておらず、当然に選挙権や被選挙権すらない将来世代に対して、これだけの負担を強いることが正当化されるかどうか、はなはだ疑問と言わざるを得ません。

世代別の受益と負担 (現状維持シナリオ)

現状維持シナリオでは将来世代に極めて大きな負担を強いることから、いくつかの財政健全化シナリオが代替シナリオとして提示されており、リポートの pp.4-6 までの財政健全化シナリオに沿った試算結果について、p.6 図表4 健全化シナリオ別にみた世代別障害純受益率/純負担率を引用しています。さすがに現状維持シナリオよりは改善されるものの、財政健全化に向かうとしても、将来世代への過重な負担は残ると試算されています。

健全化シナリオ別に見た世代別生涯純受益率/順負担率

何度か、このブログで指摘したことですが、現在の社会保障制度は将来世代への過重な負担を強いることを前提として成り立っています。その意味でまったくサステイナブルではありません。閣議決定された社会保障と税制の一体改革は増税に傾斜した取りまとめとなっており、現存世代のうちの高齢の引退世代への社会保障給付を思い切って削減する必要を強く訴えたいと思います。

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2012年4月 4日 (水)

先発メッセンジャー投手がKOされるも中継ぎ陣が踏ん張って5点差追いつきドローに!

  HE
阪  神000110030 5120
ヤクルト104000000 570

いやあ、長い試合でした。ラクに10時を回ってしまいました。
今日の先発メッセンジャー投手は東京ヤクルトに対して昨シーズンめっぽう強かったんですが、今夜は早々にノックアウトされてしまいました。私は7回表に鳥谷遊撃手が今夜4つ目の三振に倒れて、お風呂に入ってしまいました。しかし、しかしですよ、お風呂から上がると、中継ぎ陣が踏ん張る中、4番新井三塁手、5番ブラゼル一塁手のホームランと、併せて、俊介外野手のスクイズで8回に追いついていました。少しびっくりしました。残念ながら勝越しには至りませんでしたが、5点差を追いついてドローなんですから、今日のところはよしとしましょう。

明日こそ、
がんばれタイガース!

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朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」に期待する!

「梅ちゃん先生」ポスター

先週で「カーネーション」が終わり、今週から堀北真希主演の「梅ちゃん先生」がNHKの朝ドラで始まっています。最初にタイトルを聞いた時は、昨年の「おひさま」と同じでヒロインが学校の教師になるのかとカン違いしたんですが、今年の「先生」は医者を意味します。実は、私の亡くなった父親は「先生には3段階ある」という主張を持っていて、松の先生が代議士や国会議員まで行かなくても地方も含めて議員さん、竹の先生は医者や弁護士や会計士などの自由業、梅の先生は教師、と聞かされたことがあります。私は梅の先生の教師しかやったことがありませんが、タイトルは梅ながら、私の亡くなった父の言う竹の先生である医師を職業とする梅子という名の女性がヒロインです。

放送年度番組名初回視聴率平均視聴率
2011年カーネーション16.1%19.1%
おひさま18.4%18.8%
2010年てっぱん18.2%17.2%
ゲゲゲの女房14.8%18.6%
2009年ウェルかめ16.0%13.5%
つばさ17.7%13.8%
2008年だんだん16.8%16.2%
16.5%15.2%
2007年ちりとてちん17.1%15.9%
どんど晴れ14.9%19.4%
2006年芋たこなんきん20.3%16.8%
純情きらり17.7%19.4%
2005年風のハルカ18.3%17.5%
ファイト16.9%16.7%
2004年わかば18.9%17.0%
天花18.6%16.2%
2003年てるてる家族20.9%18.9%
こころ22.5%21.3%

上のテーブルは最近のNHK朝ドラの視聴率をビデオリサーチのサイトから引用しています。一昨年の「ゲゲゲの女房」に感激してエントリーをアップした後、「てっぱん」には愛想がつき、その後の「おひさま」と先の「カーネーション」もしっかり見ていながらも、ブログでは取り上げませんでしたが、今回の「梅ちゃん先生」には少し期待しています。物語は、終戦直前から戦後の時代背景の下、戦争により焼け野原となった東京の蒲田を舞台に、兄姉に比べて目立たない「梅」の女性をヒロインに、大学の医学部教授の父が戦災孤児を救う姿を目の当たりにして、医師という職業に強いあこがれを抱き、実際に医師となって活躍するという物語だそうです。昨年の震災からの復興支援プロジェクトの一環として位置づけられています。

この春休みに引っ越して、都心の青山から少し郊外に来たため、出勤前には8時15分までは見られないんですが、いろいろと工夫してフォローしたいと思います。

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2012年4月 3日 (火)

柳広司『パラダイス・ロスト』(角川書店) を読む

柳広司『パラダイス・ロスト』(角川書店)

柳広司『パラダイス・ロスト』(角川書店) を読みました。「魔王」と呼ばれる結城中佐が設立した帝国陸軍D機関を中心に据えた1940年くらいを舞台にしたスパイ小説です。2008年の『ジョーカー・ゲーム』、2009年の『ダブル・ジョーカー』に続くシリーズ第3弾です。上の装丁も前の2作を引き継いだ雰囲気です。まず、出版社のサイトから本の紹介を引用すると以下の通りです。

本の紹介
大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立された、スパイ養成学校 "D機関"。
「死ぬな。殺すな。とらわれるな」――軍隊組織を真っ向から否定する戒律を持つこの期間をたった一人で作り上げた結城中佐の正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。だが、"魔王"結城は、まるで幽霊のように、一切足跡を残さず動き回っている。ある日、ふとした発見から過去を辿ったプライスは結城の意外な生い立ちを知ることとなる――(「追跡」)。
ハワイ沖の豪華客船を舞台にしたシリーズ初の中編「暗号名ケルベロス(前篇・後篇)」を含む、全5編を収録。

引用にもありますが、短編の構成は以下の通りです。

  1. 誤算
  2. 失楽園
  3. 追跡
  4. 暗号名ケルベロス (前篇)
  5. 暗号名ケルベロス (後篇)

時代背景がやや特異です。1940年前後という設定ですが、欧州では独仏が戦端を切った後、すでにドイツがパリを占領下に置いており、英独がバトル・オブ・ブリテンの真っ最中である一方で、日米はいまだ参戦しておらず、世界大戦が欧州で始まったものの、太平洋戦争は宣戦されていない、という状況です。その太平洋戦争直前の情報戦でD機関のスパイが活動しています。前作の『ダブル・ジョーカー』の最後の短編で太平洋戦争が始まりましたので、今回の作品はその前の時代に焦点が当てられています。
個別の短編を概観すると以下の通りです。すなわち、「誤算」はパリを舞台に占領したドイツ軍とレジスタンスのつば競合いにD機関のスパイが暗躍します。フランスドイツ軍の戦略性のなさが指摘され、将来のドイツ敗戦が示唆されます。「失楽園」はシンガポールを舞台に、日本軍の戦略を正確に言い当てた英国陸軍武官を排除するのに、米国海軍武官がカクテルの評価から暗示を受けて、D機関のスパイにいいように利用されます。「追跡」は上の引用にもありますが、英国人ジャーナリストが結城中佐の過去を取材したところ、まったくの別人の偽装された生立ちを聞かされた上に、スパイ容疑で逮捕されます。「暗号名ケルベロス」は英国の諜報機関員がドイツのエニグマを解読し、まだ宣戦前の米国から日本に送り込まれるこの暗号解読専門家をD機関のスパイがハワイ沖で阻止したところ、この英国諜報機関員が殺さる謎を解き明かします。
相変わらず、とても面白く読みました。カッコいいです。特に、今回の作品では結城中佐の過去を取材するジャーナリストを登場させ、20年も前に結城中佐自身が意図的に偽装した生立ちが明らかにされます。この短編「追跡」が『パラダイス・ロスト』の白眉だろうと受け止めていますが、このあたりは、その昔の「ゴルゴ13」シリーズにおけるゴルゴ13の過去を追ったり、ドキュメンタリーを執筆しようとした作家の物語があったりしましたが、過去の生立ちやパーソナル・ヒストリーを隠すという点で、結城中佐とゴルゴ13の共通点が見出されたような気もします。謎は謎のままであると、かえって興味をかき立てられます。

『パラダイス・ロスト』作者メッセージ

上の画像はセブンネットショッピングのサイトにアップされている作者の手書きのメッセージです。確かに、「読後感爽快」で巧妙なトリックに感心させられるミステリです。特に、私や我が家のおにいちゃんのようにシリーズ前2作を読んだ方は必読のような気がします。

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2012年4月 2日 (月)

物足りない結果に終わった3月調査の日銀短観から何を読み取るか?

本日、3月調査の日銀短観が発表されました。ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは12月調査時と変わらず▲4で、先行きは▲3と少し改善するとの結果でした。ゼロ近くまでマイナス幅を縮小して企業マインドは改善するとの事前の市場コンセンサスでしたから、やや物足りない印象を持つ向きもあったかもしれません。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

製造業の景況感横ばい、大企業2期連続マイナス 日銀3月短観
日銀が2日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業で2期連続でマイナス4となった。前回昨年12月調査から横ばいだった。欧州不安の一服、円高修正や復興需要などプラス材料もあるが、原油高で化学、鉄鋼など素材産業を中心に景況感が悪化した。先行きは改善を見込むなど緩やかな景気回復基調を裏付けつつも、企業は原油高の業績への影響を注視し始めている。
業況判断DIは景況感を「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を差し引いた値。大企業製造業の景況感は事前の市場予想(マイナス1)からは下回った。
業種別にみると自動車はプラス28で、前回調査から8ポイント改善した。震災で減少した在庫を補うための生産体制の拡大が続いている。昨年12月にエコカー補助金が復活したことも追い風になった。電気機械はマイナス17と4ポイント改善。部品調達網が一時寸断したタイの洪水被害が一服したことに加え、IT(情報技術)関連での世界的な在庫調整が一巡しつつあることなどを反映した。
一方、原材料価格の高騰を背景に、素材業種が落ち込んでいる。鉄鋼はマイナス17と7ポイント悪化。化学もマイナス14と8ポイント悪化した。
金融資本市場では欧州危機がいったん収束。円高修正や株高が進んでいることなどを背景に、先行きの見通しは改善を見込んでいる。3カ月先の先行きDIは大企業製造業でマイナス3と、3期ぶりの改善を見込む。
一方、震災からの復興需要を受け、非製造業の回復が続いている。大企業非製造業の景況感はプラス5で、08年6月以来のプラス幅で、リーマン・ショックによる落ち込みを取り戻した格好になった。業種別では建設はマイナス7で、前回から1ポイントの改善だった。
これまで非製造業の回復は大企業が中心だったが、中小企業にも波及し始めている。中小の小売はマイナス4と前回より14ポイント改善。物品賃貸もプラス5と6ポイント改善した。
足元で円高修正の流れになっているが、企業は事業計画では慎重姿勢を崩さない。大企業製造業の2012年度の想定為替レートは1ドル=78円14銭と年度ベースでは過去最高値になった。
設備投資計画は大企業製造業で前年度より3.6%増え、11年度計画(2.7%)を上回るペースを見込む。

日銀短観に関して、いくつかグラフを示したいと思いますが、まず、下のグラフは業種別規模別の業況判断DIです。上のパネルは製造業の大企業・中堅企業・中小企業で、下のパネルは非製造業です。色分けは凡例の通りで、影を付けた部分は景気後退期です。

日銀短観業況判断DIの推移

多くのエコノミストにとって、大企業製造業の業況判断DIの足踏みはやや意外感を持って受け止められていますが、その要因については諸説さまざまです。石油・石炭の大幅改善と鉄鋼や化学などの素材産業の悪化に注目して、原油高を上げるエコノミストが多そうな気がします。他方、電気機械や自動車が改善を示していますから、円高修正は一定の効果があったと受け止めています。非製造業に目を転じると、大雑把に多くの業種で改善を示していますが、改善幅は小さく、建設が悪化しているなど、復興需要によるものとは考えられません。引用した記事にもある通り、想定為替レートが1ドル78円そこそこに高まりましたので、現在の為替水準、もしくはこれをもたらした金融政策スタンスに対して製造業が懐疑的に受け止めている可能性があり、非製造業にも復興需要が見られないとなれば、原油高も相まって企業マインドが改善しないのは当然かもしれません。

日銀短観設備・雇用判断DIの推移

続いて、上のグラフは日銀短観設備・雇用判断DIの推移を規模別に示しています。業況に対する企業マインドが足踏みですから雇用や設備などの要素需要も盛上りに欠ける結果が示されています。設備判断DIはほぼ足踏み状態に入ったように見受けられますが、それでも中堅企業と中小企業の人員判断DIはゼロ近傍に達しました。3月21日付けのエントリーで取り上げた雇用戦略対話の資料のように、大卒と中小企業との求職・求人に関する規模のミスマッチが本格的に生じ始める可能性があります。

日銀短観設備投資計画の推移

最後のグラフは盛上りに欠ける設備投資計画です。大企業の設備投資計画の前年度比を調査時期別にプロットしています。今年度の最初の調査では前年度比ゼロで始まりました。リーマン・ショック後の2009年度のような例外を除いて、日銀短観の統計としてのクセにより、今回の3月調査が控え目で次回の6月調査では上方修正される可能性が高く、昨年3月調査の▲0.4%減を上回っていることを評価しつつ、設備投資計画は今後に期待としておきたいと思います。

最初に書いた通り、今回の3月短観は少し物足りない結果でしたが、逆に、収益計画などは増収増益の結果となっており、基本的に、緩やかな景気回復という現状認識を変更するには至らないと私は受け止めています。すなわち、金融政策運営にはニュートラルと考えるべきです。

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2012年4月 1日 (日)

十三参りに浅草寺に行く

今日は、昨日と違って穏やかなお天気になりましたので外出しました。下の子の十三参りのお参りで浅草の浅草寺に行きました。割合と関東の方では広まっていないようですが、関西では七五三よりも盛んなくらいです。弘法大師空海に由来する由緒あるお参りで、本来であれば、虚空蔵菩薩に参詣します。東京ではどこが適当なのかよくわからないので、2年前のおにいちゃの時と同じ浅草寺に行きました。私は京都の出身ですから、父親に法輪寺に連れて行ってもらった記憶があります。十三参りの本場と言えます。我が家では父親が連れて行ってくれましたので、男親の担当するイベントだと認識しています。また、私は中学と高校は奈良の学校に通っていましたが、奈良では弘仁寺が有名だったと記憶しています。いずれにせよ、13歳というのが昔の元服に当たる年齢ですから、一種の通過儀礼なのであろうと思います。
写真は上から順に浅草寺の雷門、浅草寺の本殿、雷門前から望む東京スカイツリーです。

十三参りで浅草寺に参詣 (雷門)

十三参りで浅草寺に参詣 (本殿)

十三参りで浅草寺に参詣 (東京スカイツリー)

2年前のおにいちゃんの十三参りの時も書きましたが、私は法輪寺の参詣の後、渡月橋を渡り終えるまでに軽く振り返ってしまいましたので、授かった知恵をかなりお返ししてしまい、それほどアタマがよくならず今まで来てしまって大いに後悔しています。下の子には仲見世を抜けて雷門を越えるまでは振り返らないように言い渡しておきました。

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