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2012年5月16日 (水)

機械受注統計から今後の設備投資を見通す!

本日、内閣府から3月の機械受注統計が発表されました。この統計のヘッドラインであると同時に、GDPベースの設備投資の先行指標である船舶と電力を除く民需は季節調整済みの系列で7463億円、前月比▲2.8%減となりました。前月比マイナスは3か月振りです。もっとも、市場の事前コンセンサスは▲3%を超えるマイナスでしたので、数字の印象よりも強めに受け取る向きも少なくないと聞き及んでいます。まず、いつもの日経新聞のサイトかから記事を引用すると以下の通りです。

3月の機械受注、前月比2.8%減 4-6月の見通しは2.5%増に
内閣府が16日発表した3月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月比2.8%減の7463億円だった。マイナスは3カ月ぶり。製造業、非製造業からの受注がともに減少した。
業種別では製造業が8.4%減。前の月に大型案件が出た化学工業や造船業の反動減が響いた。船舶・電力を除く非製造業は、スマートフォン(高機能携帯電話)が好調な通信業からの受注が伸び悩み、3.9%減だった。
内閣府は今回、季節調整値の改定を実施。1月の受注額(船舶・電力除く民需)は前月比0.7%増(改定前は3.4%増)、2月は2.8%増(同4.8%増)へと下方修正されたため、1-3月期の受注額は2兆2620億円となり、前期から0.9%増と昨年12月時点の見通し(2.3%増)を下回った。一方、4-6月期は2.5%増加が見込まれるため、内閣府は機械受注の基調判断を「緩やかな増加傾向がみられる」に据え置いた。
船舶・電力や官公需などを含む3月の受注総額は前月比4.1%増と2カ月ぶりのプラスに転じた。防衛省からの航空機受注が官公需を大きく押し上げたほか、電力業からは設備点検や検査に用いる原子力関連の受注が入った。
しかし、国内とは別に海外からの受注をまとめた外需は14.4%減と2カ月連続で減少した。1月に大型案件が計上された反動に加え、海外の景気回復ペースの鈍さを反映しているとみられる。
同時に発表した2011年度の受注額(船舶・電力を除く民需)は前年度比6.2%増の8兆9742億円と2年連続で増えた。内訳をみると製造業は5.9%増、非製造業は6.6%増だった。自動車の工作機械や産業用ロボットが好調だったことに加え、その他非製造業から電子計算機、建設業からは建設機械の受注が増えたことが要因。

次に、いつもの機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需のコア機械受注の実額とその後方6か月移動平均を、下のパネルは外需、製造業、船舶と電力を除く非製造業の需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。なお、毎年3月で季節調整の再推計が行われており、本日発表分でも過去にさかのぼって季節調整済みの統計が改定されています。

機械受注の推移

上のグラフを見れば理解できますが、3月単月では減少に転じたものの、もともとが振れの激しい統計ですので、6か月後方移動平均で見ると緩やかな増加基調を維持しており、統計作成官庁である内閣府でも、基調判断を「緩やかな増加傾向」に据え置いています。私も基本は楽観的な見方をしていますが、ただ、機械受注の先行指標と見なされている外需が、このところ、やや落ちて来ているのが気がかりです。欧州のソブリン・リスクなど外需には不透明要因が大きく、今後も足を引っ張られる可能性は否定できません。

機械受注達成率の推移

1-3月期が終了したことにより、四半期計数が公表されていますが、まず、単純な伸び率では1-3月期は前期比+0.9%増だった一方で、4-6月期は+2.5%と見込まれています。このあたりは引用した記事にもある通りです。また、私の楽観論のもうひとつの根拠は、達成率です。この機械受注の達成率が90%を上回るか下回るかで経験的な景気の転換点を見出せる場合があり、この1-3月期はやや低下したものの90%をラクに上回っています。最近では、昨年2011年の4-6月期に震災に起因する供給制約のために90.1%まで落ち込んだことがありますが、その後は安定的に90%を大きく上回って推移しています。達成率から見ても、機械受注が緩やかながら増加基調を維持して、設備投資の増勢につながると期待しています。

景気回復が続いて、雇用や設備に波及することにより、さらに景気拡大が続くことが期待されています。私自身は設備投資マインドは回復しつつあると考えていますが、現在の足元のリスクはギリシアなどの欧州のソブリン・リスクと早過ぎる日銀の引締めだと私は考えています。かなりムリのある消費者物価見通しをかかげて日銀が引締めを指向していることは、第一生命経済研のリポート「消費者物価の先行きを展望する」などでも明らかにされており、私はリフレ派のエコノミストとして大いに懸念しています。

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