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2012年7月17日 (火)

アジア開発銀行 (ADB) と国際通貨基金 (IMF) の改定経済見通し

やや旧聞に属する話題も含め、海の日を含む3連休前の7月12日にアジア開発銀行(ADB)から「経済見通し補完」 Asian Development Outlook 2012 Supplement が公表され、また、国際通貨基金(IMF)からも昨日7月16日に「経済見通し改訂」 World Economic Outlook Update が公表されています。ADBの「経済見通し補完」の副題は Sluggish Global Economy Weighs on Asia's Growth とされ、欧州のソブリン危機に起因してアジア新興国・途上国の成長率見通しが下方修正されており、IMFの「経済見通し改訂」の副題は New Setbacks, Further Policy Action Needed となっていて、やっぱり、米国と欧州の経済停滞から見通しが下方修正されています。国際機関のリポートを取り上げるのは私のこのブログのひとつの特徴でもありますので、発表されたADB、IMFの順で図表を中心に簡単に見ておきたいと思います。それぞれの図表の引用元は、特に明記されている以外は、主としてADBのリポートIMFのリポートです。いずれもpdfでアップロードされています。

Table 1. Baseline GDP growth (%)

まず、ADBのリポート p.1 Table 1. Baseline GDP growth (%) は上の通りです。いわゆる見通しではなく、アジア新興国・途上国の経済を見通す上での作業前提の位置づけです。欧米、特に欧州ユーロ圏諸国の成長率が下方修正されているのが見て取れます。日本の2012年成長率は上方修正されているんですが、アジア新興国・途上国にとっては日本の上方修正よりも欧米の下方修正の方の影響が大きいという事実を改めて認識すべきなのかもしれません。

Table 2. GDP growth, developing Asia (%)

次に、ADBのリポート p.2 Table 2. GDP growth, developing Asia (%) は上の通りです。見通しのメインとなる表といえます。ASEAN5カ国などの東南アジア諸国への影響は極めて軽微なんですが、中国とインドへはややマイナスの影響があると分析されています。特に、歴史的に欧州との経済関係が相対的に深いインドへの下押し圧力が強く出る結果となっています。

Table 3. Inflation, developing Asia (%)

ADB見通しの最後、ADBのリポート p.4 Table 3. Inflation, developing Asia (%) は上の通りです。世界経済の全般的な減速に伴い、エネルギーをはじめとする食料の商品価格が低下することから、特に東南アジア諸国でのインフレ圧力が弱まると見込まれています。インドは修正されていませんが、中国は今年2012年のインフレ率が下方修正されています。

Latest IMF projections

まず、IMFのサイトから成長率見通しの総括表を引用すると上の通りです。いつもの通り、クリックするとIMFのリポートの p.2 Table 1. Overview of the World Economic Outlook Projections の1ページだけのpdfファイルが別タブで開くようになっています。米国よ欧州ユーロ圏諸国がわずかに下方改定され、日本は今年2012年は上方に来年2013年は下方に改定されていますが、特に下方改定の幅が大きいのが英国となっています。このため、アジア新興国・途上国への影響が他地域の国々と比べても大きく、特にインドへの下押し圧力が大きくなっていると理解できます。アジア以外の新興国ではブラジルの下方修正幅が大きくなっています。
IMFのリポートについては、見通し結果の詳細でなく、政策対応についてもう少し見ておくと、世界経済の回復にはまだリスクが残るとして、日本の場合はリポートの p.6 において、米国とともに信頼に足る中期的な財政再建計画の進捗が不十分であるリスクが指摘されています。すなわち、"Another risk arises from insufficient progress in developing credible plans for medium-term fiscal consolidation in the United States and Japan" というわけです。また、エネルギーや食料をはじめとする商品価格の低下が予想され、インフレ圧力が目に見えて減じる状況下で、日本に限らず先進諸国に関して、非伝統的な手段を含めて金融政策には効率的な対応の余地が残されている、とリポートの p.7 において結論しています。すなわち、"monetary policy also needs to respond effectively, including with further unconventional measures, to a much weaker near-term environment that will dampen price pressures" というわけです。

私自身も少しずつ景況感を下方に変更させて来ていますが、アジア開発銀行や国際通貨基金といった国際機関でも経済の先行き見通しを下方修正させ始めています。下方修正の原因は明らかで、対応策もそんなに選択肢が豊富にあるわけではない中で、各国の政府や中央銀行といった政策当局の力量が問われる場面になりつつあります。日本経済が「失われた30年」に陥らないことを願っています。ルーズな財政政策とタイトな金融政策のポリシーミックスはいつまで続くんでしょうか?

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