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2012年7月30日 (月)

鉱工業生産の動きは一時的な要因か、基調として景気転換点に近づいているのか?

本日、経済産業省から6月の鉱工業生産指数が発表されました。ヘッドラインとなる生産の季節調整値は前月比で▲0.1%の減産を示す92.1となりました。3か月連続の前月比マイナスを記録し、統計作成官庁である経済産業省は基調判断を下方修正しました。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを伝える記事を引用すると以下の通りです。

6月の鉱工業生産、3カ月連続マイナス 基調判断を下方修正
経済産業省が30日発表した6月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整済み)速報値は、前月比0.1%低下の92.1だった。マイナスは3カ月連続。世界景気の減速傾向などを背景に海外向け普通乗用車や国内向け自動車部品の生産が落ち込み、輸送機械工業が4.3%減ったことが影響した。電子部品・デバイス工業が5.6%増えたが、マイナス分を補いきれなかった。
経産省は「東日本大震災後の昨年6月(92.8)を下回っており、海外向けの生産が伸び悩んでいる」と指摘。基調判断を「持ち直しの動きで推移している」から「横ばい傾向にある」に下方修正した。下方修正は昨年9月以来。QUICKが27日時点で集計した民間の予測中央値は1.6%上昇だった。
業種別では16業種のうち10業種がマイナスだった。電気機械工業は輸出向けの太陽電池モジュールが落ち込み、3.6%減少。鉄鋼業は海外向けのパイプライン用鋼材や自動車用鋼帯が減り、3.3%減だった。
出荷指数は1.5%低下の93.7で2カ月連続のマイナス。乗用車や鋼材に加えて、一般機械工業で半導体製造装置の海外向け出荷が減った。在庫指数は1.4%低下の107.3、在庫率指数は4.0%上昇の123.4だった。
製造工業生産予測調査では、7月が4.5%上昇。電子部品・デバイス工業での年末商戦に向けた作り込みや、情報通信工業での新製品の投入効果を見込む。一方で8月は0.6%低下。電気料金の引き上げに伴い非鉄金属工業で操業を控える動きがみられそうだ。
併せて発表した4-6月期の鉱工業生産指数は前期比2.2%低下の93.2で、4四半期ぶりのマイナスだった。

次に、いつもの鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。上のパネルは2005年=100の指数そのもの、下のパネルは輸送機械を除く資本財と耐久消費財の出荷指数です。

鉱工業生産指数の推移

鉱工業生産指数は、昨年3月の震災から年央にかけてV字回復を示した後、ほぼ横ばいで推移して来たんですが、ここ3か月連続で減産が続き、4-6月の四半期でも当然ながら減産となり、引用した記事にもある通り、基調判断が下方修正されています。市場の事前コンセンサスがそれなりのプラスだったこともあり、相当程度のネガティブ・サプライズと受け止められています。輸出向けの生産が落ちているのが目につきます。ただし、これも引用した記事にある通り、製造工業生産予測指数では7月は+4.5%の増産と大きなリバウンドを示しています。従って、海外要因や6月の天候要因などに起因する一時的な下振れなのか、基調的に景気転換点に向かう動きなのか、判断が難しいところです。統計作成官庁である経済産業省は基調判断を下方修正しましたが、私としてはもう少し今後の推移を見たいところです。

在庫循環図

ということで、4-6月期の四半期データが公表されたこともあり、上のグラフの通り、久し振りに在庫循環図を書いてみました。緑色の矢印で示した1999年1-3月期は第3象限の45度線上方から書き始めた在庫循環図は、この2012年4-6月期には黄色の矢印まで達しました。今年1-3月期は一度第1象限45度線の下方に達したのですが、4-6月期には45度線の上方に復帰しました。内閣府のメモ「鉱工業の在庫循環図と概念図」にある通り、景気の山では在庫循環図が第1象限45度線を上から下に超えますので、現在の日本の景気は景気転換点近傍にあると考えることも出来ます。もちろん4-6月期のように45度線から上にシフトする可能性も否定できません。しかし、少なくとも、現在の景気は循環の局面としては、いわゆる「若い局面」ではないと考えるべきです。
鉱工業生産指数は典型的かつ極めてウェイトの大きい景気の一致指数です。業種別や財別で細かくマイクロな要因を分析することも重要ですが、経済動向の方向性との関係でマクロの景気局面を探る上でも重要な段階に差しかかりつつあるのかもしれません。私自身としては景気の腰折れを懸念する段階ではないと受け止めていますが、手放しで楽観できる情勢でないことも確かです。

最後に、鉱工業生産指数を離れて、本日、国家戦略会議が開催され、「日本再生戦略案」が決定されています。明日の閣議にかかって案が取れ「日本再生戦略」となる予定となんだろうと思います。医療・介護、環境・エネルギー、農林水産業を重点分野と位置付け、2020年までの詳細な工程表を含んでいます。ただし、TPPに関しては明確な方向性に欠けると私は受け止めています。果たして、この「日本再生戦略」は decent な雇用の増加をもたらすんでしょうか。

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