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2012年8月 4日 (土)

米国雇用統計のグラフィックス

日本時間の昨夜、米国労働省から7月の米国雇用統計が発表されました。統計のヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は前月から163千人増加した一方で、失業率は0.1%ポイント上昇して8.3%となりました。いずれも季節調整済みの系列です。まず、New York Times のサイトから記事の最初の5パラを引用すると以下の通りです。

Hiring Picks Up in July, but Data Gives No Clear Signal
America added more jobs than expected last month, offering a pleasant surprise after many months of disappointing economic news. Even so, hiring was not strong enough to shrink the army of the unemployed in the slightest.
Employers added 163,000 jobs in July, the Labor Department reported on Friday. That was more than twice the job growth in the previous month, and substantially more than Wall Street analysts had forecast. The underlying details of the report, however, ranged from unimpressive to outright discouraging and provided plenty of fodder for Republican attacks on President Obama's economic legacy.
The Obama administration, for its part, argued that Republican obstructionism to its economic policies was holding back the recovery.
July's jobless rate ticked up slightly to 8.3 percent, about the same as it has been all year. A broader measure of unemployment - including part-time workers who want full-time jobs, and people who have given up looking for work - rose to 15 percent.
United States markets closed substantially higher on the news. But the mixed report gave investors, workers, presidential campaigns and Federal Reserve officials anything but a clear signal on the strength of the economy. Job growth seems to be heading sideways.

次に、いつもの米国雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減とそのうちの民間部門です。下のパネルは失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。

米国雇用統計の推移

非農業部門雇用者数の163千人増は市場の事前コンセンサスを大きく超え、堅調な増加と私は受け止めています。なお、この163千人増のうち、民間部門が172千人となっています。少し前の8月1日までの連邦公開市場委員会 (FOMC) を受け、米国連邦準備制度理事会 (FED) は9月にも追加緩和に踏み切るとの予想が市場に流れており、特に、7-8月に非農業部門の雇用者数増が2か月連続で100千人割れになれば量的緩和の第3弾(QE3)は避けられないとの声が多かったのですが、この7月の雇用統計を受けてどうなりますことやら。今日は土曜日ですので、私も情報収集を少しサボっていたりします。

米国雇用・人口比率の推移

続いて、上のグラフは米国の雇用人口比率をプロットしています。見れば明らかですが、かなり長期のデータを取っています。米国の民主党と共和党を代表するエコノミスト、すなわち、クルーグマン教授が『さっさと不況を終わらせろ!』の邦訳書の p.271 に示し、また、マンキュー教授の7月7日付けのブログ "Monitoring the So-Called Recovery" で取り上げられていたグラフと同じものです。要するに、マネをしているわけです。サブプライム危機後の今回の景気回復局面では、この雇用・人口比率がまったく上向いていないのが見て取れます。

米国時間当たり賃金上昇率の推移

最後に、デフレとの関係で私が気にしている時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。底ばいから少し低下の方向に向かっているような気がしなくもありませんが、日本のようにゼロやマイナスをつけることはなさそうです。

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