話題のビッグデータに関する本を読む

昨年から今年にかけて話題となっているビッグデータに関する本を3冊ほど読みました。上の通りです。私が読んだ順に左から並んでいます。発売順とは異なります。すべて図書館で借りましたので、予約の順番が回って来た順だったりします。リンクを含むリスト項目は以下の通りです。
Google の MapReduce あたりから始まったビッグデータの活用なんですが、現時点では Hadoop により広範な応用分野で実用化されています。主としてビジネスのマーケティングなどと私は理解していますが、今日取り上げた本では「ビッグデータとは何か」といった基礎的な常識論から始まって、Google をはじめ、Amazon、Facebook、Twitter、Zyngaなどなど、ビッグデータをビジネスに実際に活用している企業も紹介されていたりしています。日本では野村総研がこの方面に詳しいと見なされているようで、上の画像の左2冊は野村総研により書かれています。しかし、いわゆるシステム部門を持つ「総研」と呼ばれるシンクタンク、すなわち、野村総研をはじめ、大和総研、三菱総研、みずほ総研などはビッグデータに取り組んでいますし、ベンダーのNECや富士通なども積極的な姿勢を見せていると報じられていたりします。ノホホンと構えているのはお役所だけかもしれません。
もちろん、ビジネスシーンでビッグデータが活用されるのは理由のあることなんですが、私としては今年2月27日付けのエントリーで取り上げたワッツ教授の『偶然の科学』で書いたように、ビッグデータを活用すれば、観測値を増やすことにより、モデルを複雑にしてもなお正確なパラメータが得られるのであれば、未来の予測に役立つ可能性がある、と考えています。繰返しになりますが、私が考えるように、何らかの初期値があって確率的に微分方程式に沿って時間が流れているとすれば、それを「アカシック・レコード」を呼ぶかどうかは別にして、また、初期値の微小な変更によるバタフライ効果を無視できると仮定すれば、未来の予測は可能です。ただ、実際問題として、バタフライ効果は無視しえないと思いますし、未来の予測にしてもピンポイントの予測ではなく、未来に起こりえる何らかの事象の確率分布だろうという気はしますので、ホントに微分方程式がバックグラウンドに存在すると考える必要があるかどうかは少し疑問が残らないでもありません。
いずれにせよ、現状ではビジネスユース中心で進むビッグデータの活用なんですが、行政や学術の分野での取組みもいずれは始まるでしょうし、未来の予測に関して画期的な技術革新が生まれることを期待しています。
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