ピュー・リサーチ・センターの Global Attitudes Project 調査結果を読む
一昨日10月16日に、ピュー・リサーチ・センターから今年春調査の Pew Global Attitudes Project の結果が発表されています。私のこのブログで7月14日付けで取り上げた調査結果とかなり重複しますが、今回の調査では今秋の共産党大会における人事を控えた中国に焦点が当てられています。基になる調査は同じであろうと受け止めています。今夜のエントリーでは図表を中心に、特に中国に限らず幅広く取り上げたいと思います。
まず、世界の経済大国として最近では「G2」とすら称される米中2国ですが、市場価格のGDP規模ではまだまだ米国が大きいものの、どちらがより経済大国かという観点では、すでに中国が米国を抜いているという評価が高まっています。特に、G7クラスかそれに次ぐくらいの先進国では、中国が米国をリードしているとの評価が定着しつつあるように見受けられます。ただし、なぜか、中国自身はまだ米国の方が中国をリードしていると考えているようです。
次に、5年前と比較して、finacially にせいかつ水準が改善しているかどうかを各国別に問うた質問に対する回答は上のグラフの通りです。当然のことながら、いわゆる新興国が「改善」の割合が高くなっています。ブラジル、中国、インドなどです。「悪化」が過半数を占めるのは3か国だけで、パキスタンは経済的な要因は私は把握していませんが、ギリシアとスペインについてはソブリン危機の影響が大きいことが容易に想像されます。我が国も「失われた20年」の中で、「改善」の割合が低くて、「悪化」の割合が高くなっています。今年春の時点での調査ですから、秋の現時点では多くの国でさらに「改善」の割合が下がって、「悪化」が上がっている可能性があります。
今夜取り上げる最後のグラフは上の通り、市場経済で生活は改善するか、という問いに対する回答です。時系列で結果が示されており、経済がやや停滞する中で、肯定派が減少して否定派が増加していますが、まだまだ市場経済の肯定派が否定派を大きく凌駕しています。世界の現況はこの通りなんですが、日本については状況が異なります。7月14日付けのエントリーでグラフを示した通り、生活水準を向上させることに関しては、我が国では市場経済否定派が60パーセントに上り、メキシコとともに調査対象国の中でもっとも否定派が占める割合が高くなっています。
今回発表で焦点を当てられた中国を特に注目しなければ、7月14日付けのエントリーと大差なくなって重複感が大きいんですが、ピュー・リサーチ・センターの opinion poll はそれなりに参考になると受け止めています。
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