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2012年10月 9日 (火)

IMF・世銀総会が開幕し、国際通貨基金 (IMF) 「世界経済見通し」見通し編を読む

今日から開幕したIMF・世銀総会に合わせて、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlook 見通し編が、また、世銀から「東アジア太平洋データモニター」 East Asia and Pacific Data Monitor が、それぞれ発表されています。IMF「世界経済見通し」は日本時間の午前6時半というイレギュラーな時刻の公表ですが、地球は丸いですから何らかの事情があって、この発表時刻が選ばれたんでしょう。先週のうちに分析編は取り上げてありますので、今夜のエントリーでは IMF「世界経済見通し」の図表を中心に見通し編を簡単に取り上げておきたいと思います。特に、今年は総会が東京開催だからだと思うんですが、何と、英文のままの一部の図表を除いて第1章が丸ごと和訳され pdf ファイルでアップロードされています。英文リポートよりも、読み解くのは大幅にハードルが低くなっていたりします。

Latest IMF projections

ということで、最初は成長率の見通し総括表です。IMF のサイトから引用していますが、邦文リポートの p.2 表1.1. 世界経済見通し1ページだけを抽出した pdf ファイルがブラウザの別タブで開くようになっています。見通しの中身は世界経済の成長率で見て、かなり下方改定されています。すなわち、今年2012年が+3.3%、来年2013年が+3.6%と、前回7月の見通しから、それぞれ、▲0.2%ポイント、▲0.3%ポイントの下方改定となっています。今年については先進国の下方改定幅が大きく、来年については途上国・新興国の方が大きくなっています。国別では、今年2012年はインドやブラジルが、来年2013年は欧州のユーロ圏諸国が、それぞれ下方改定が大きくなっています。

Figure 1.8. GDP Growth

上のグラフは邦文リポートの p.10 Figure 1.8. GDP Growth を引用しています。見れば分かりますが、地域別に年半期単位で年率成長率がプロットしてあります。インドの成長率が中国をずっと下回ることが見て取れます。また、いかにも日本のマクロ経済安定化政策が米国に比較して失敗していて、成長率の変動が激しいようにも見えます。ただし、これらの経済見通しにはとても重要な前提が2つあり、第1に欧州の金融ストレスがこれ以上高まらない、第2に米国の財政の崖は回避される、というものです。これらの前提が崩れれば、以下のリスク・シナリオが実現する可能性が高まります。

Figure 1.11. Risks to the Global Outlook

上のグラフは邦文リポートの p.14 Figure 1.11. Risks to the Global Outlook を引用しています。一番上のパネルはいわゆるファンチャートで、赤い点線で描かれた4月時点の90%信頼区間が今回はかなり下にシフトしたのが見て取れます。リスク要因としては株価の上昇が上振れ要因、石油価格の高騰が下振れ要因として試算されています。

Figure 1.12. Recessions and Deflation Risks

最後のグラフは邦文リポートの p.15 Figure 1.12. Recessions and Deflation Risks を引用しています。一番上のパネルは来年2013年1-3月期までに景気後退局面入りする可能性をプロットしていますが、アジア新興国がまったく景気後退の可能性なしなのに対して、日米欧で見ると、米国の景気後退確率がもっとも低くかつ今年4月の見通し時より下方改定されているのに対して、逆に、欧州はもっとも景気後退の確率が高くかつ4月から確率が高まっています。日本はその中間的な確率なんですが、クロノロジカルな方向性として欧州と同じように景気後退局面入りする確率が高まっていることは見逃すべきではありません。真ん中のパネルを見ても、2013年の10-12月期までデフレが続く確率がもっとも高くなっており、加えて、4月見通し時点よりもさらに高まっていることは明白です。なお、短期的なリスクとして、リポートでは先に上げた欧州の金融危機の深まりと米国の財政の崖のほか、石油価格の上昇を上げています。

今日は、仕事で午後から日比谷と丸の内に出かけたんですが、IMF・世銀総会の開幕でとても警備が厳しくなっていた気がします。また、財務省から国際収支統計が、内閣府から景気ウォッチャー調査結果が、それぞれ発表されているんですが、後日に取り上げることにして今夜のエントリーでは割愛します。

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