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2012年10月 6日 (土)

米国雇用統計のグラフィックス

昨日、米国の労働省から9月の米国雇用統計が発表されました。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は季節調整済の系列で前月から+11.4万人増、失業率は3年半振りに7.8%に低下しました。まず、Wall Street Journal のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

Unemployment Rate Falls to 7.8%
The nation's unemployment rate fell to its lowest level since January 2009, suggesting job growth picked up over the summer and shifting questions in the presidential race about which candidate can best fix the nation's ailing economy.
The unemployment rate slid to 7.8% in September, falling below 8% for the first time since President Barack Obama's inauguration, the Labor Department said Friday. Employers added a seasonally adjusted 114,000 jobs last month, a tepid pace that was countered by the fact that figures for previous months were boosted above initial estimates. Those figures reflected that the nation added 181,000 jobs in July and 142,000 jobs in August, showing that job growth in the third quarter was far higher than in the spring.
The unemployment rate and the number of jobs are obtained from separate surveys and don't always align to convey the same picture of the labor market. That was the case this month. Overall, the report suggested the labor market-while stronger than it was during the spring-remains sluggish. The big drop in the jobless rate was in part due to workers settling for part-time jobs because they couldn't find full-time work.
Some economists said the decline in the jobless rate likely occurred over a longer period than the report indicates, because the way the government calculates job growth and the jobless rate can be flawed and lead to artificial jumps that are later revised.

次に、いつもの米国雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。

米国雇用統計の推移

引用した記事にある通り、非農業部門の雇用者はダウ・ジョーンズの事前予測で+11.8万人増でしたから、+11.4万人増はほぼ市場の事前コンセンサスにジャストミートしました。8月の統計も当初の+9.6万人増から+14.2万人増に上方改定され、3か月連続で+10万人を超えたことになります。ヘルスケアや輸送部門の雇用が好調で製造業のマイナスを補っている形です。他方、失業率は2009年1月以来の7.8%を記録し、びっくりするくらい大きく低下したと私は受け止めています。これも引用した記事にある通り、ダウ・ジョーンズの事前予測では8月と同水準の8.1%でした。報道を見る限り、involuntary な part-time job が少なくないとの意見も強いんですが、大統領選挙を前に、民主党のオバマ陣営からは雇用の増加を強調する主張が高まっているのに対して、共和党のロムニー陣営からは「労働市場からの退出がなければ実際の失業率は11%に上る」との批判も出ているようです。

米国雇用・人口比率の推移

先々月から登場したマンキュー教授のブログのマネをした雇用・人口比率のグラフは上の通りです。かなり長期のデータをプロットしています。最初のグラフと同じで、影をつけた部分は景気後退期です。サブプライム危機後の現在の景気回復局面では、この雇用人口比率がほとんど上向いていないのが見て取れます。

米国時間当たり賃金上昇率の推移

最後に、デフレとの関係で私が気にしている時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ほぼ底ばい状態が続いていて、サブプライム危機前の3%台の水準には復帰しそうもないんですが、日本のようにゼロやマイナスをつける可能性は小さそうです。

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コメント

2枚目の雇用人口比率はクルーグマンも書いていますね。
http://krugman.blogs.nytimes.com/2012/10/06/constant-demography-employment-wonkish-but-relevant/

投稿: いち阪神ファン | 2012年10月 7日 (日) 20時03分

そうですね。
マンキュー教授も10月のをアップしています。
両教授ともFREDで書いていたりします。

http://gregmankiw.blogspot.jp/2012/10/monitoring-recovery.html

投稿: ポケモンおとうさん | 2012年10月 7日 (日) 22時03分

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