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2012年11月 7日 (水)

来週発表の7-9月期GDP統計1次QEは大きなマイナス成長か?

来週月曜日11月12日に2012年7-9月期期GDP速報1次QEが内閣府より発表されます。必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから1次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で先行きについて言及した部分を中心に取っているつもりです。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.8%
(▲3.1%)
10-12月期を展望すると、海外経済の減速感がやや和らぐとみられるため、輸出や設備投資の一段の下振れには歯止めがかかる見込み。もっとも、エコカー補助金終了による自動車販売の反動減が引き続き影響するほか、中国での反日デモ以降の日中摩擦の高まりに伴い対中輸出も当面下振れる懸念大。以上を踏まえると、成長率は引き続きマイナス成長となる可能性も。
大和総研▲1.0%
(▲4.1%)
7-9月期のGDPは、エコカー補助金の終了に伴う個人消費の減少と、海外経済の減速に伴う輸出の減少が主因となって、5 四半期ぶりのマイナスとなる見込みである。個人消費、輸出は当面の間低調な推移が続くとみられており、経済の本格的な持ち直しは、海外経済の回復を待つ必要がある。
みずほ総研▲0.8%
(▲3.2%)
足元で中国の国内需要が投資を中心に持ち直す兆しがみられるが、過剰在庫の調整が進むまでは日本からの輸出が本格的に回復するには至らないであろう。特に日本製品については、尖閣諸島問題を契機とした不売運動の影響も予想される。欧米向け輸出も力強さを欠き、輸出は10-12月期も減少が続きそうだ。
国内需要については、復興需要の執行に伴う公共投資の拡大が引き続き下支えとなる見通しである。しかし、エコカー補助金が終了したのが9月下旬であるため自動車販売の水準は一段と下がり、個人消費は10-12月期も減少が続くことが想定される。7-9月期に大きく落ち込んだ設備投資も、景気の先行きに対する不透明感が強い中で、急回復は見込みがたい、現時点では、輸出・国内民間需要の低迷により10-12月期もマイナス成長になると予測している。
ニッセイ基礎研▲1.0%
(▲4.0%)
7-9月期のGDP統計は、日本経済が2012 年春頃をピークに景気後退局面に入っていることを裏付けるものとなるだろう。当面は内外需ともに低調な動きが続くため、10-12月期も小幅ながらマイナス成長となるが、海外経済の持ち直しに伴う輸出の回復を起点として2013年1-3月期にはプラス成長に復帰することが見込まれる。
現時点では、10-12月期は年率▲1%弱のマイナス、1-3月期は年率1%台半ばのプラス成長を予測している。この予測に基づけば、2012年度の実質GDP成長率は1%程度となり、政府見通し(2.2%)はおろか、昨日(10/30)公表されたばかりの日銀展望レポートにおける政策委員見通しの中央値(1.5%)も大きく下回ることになる。
第一生命経済研▲1.0%
(▲3.9%)
2012年7-9月期のGDPは大幅なマイナス成長が見込まれ、日本が景気後退局面にあることが改めて意識される可能性が高い。今後、景気に関する議論は、「減速か後退か」というテーマから、「後退の深度・期間」というテーマへとシフトしていくと思われる。
10-12月期についても状況は厳しい。特に個人消費については、自動車販売の減少が足を引っ張るだろう。7-9月期の時点で既に自動車販売は落ち込んでいるが、9月の販売水準が大幅に低下して発射台が下がっていることや、需要先食いの反動が出ることを踏まえると、10-12月期には減少幅がさらに拡大するだろう。個人消費は7-9月期に続いて10-12月期も減少する可能性が高い。また、輸出については、中国経済に持ち直しの兆しが出ている点や米国景気が緩やかに回復している点は好材料だが、一方で日中関係悪化に伴って輸出が下振れるリスクにも警戒が必要であり、10-12月期にプラスに転じるかどうかは微妙だ。景気の牽引役は今のところ見当たらず、GDP全体でも2四半期連続のマイナス成長となる可能性は十分ある。
なお、仮に7-9月期のGDPが筆者予想通りに大幅悪化となり、10-12月期もゼロ%程度になった場合、日本銀行が展望レポートで示した2012年度の成長率予想(+1.5%)は、実現がほぼ不可能な数字になる。出たばかりの展望レポートではあるが、来年1月の中間評価において、見通しは下方修正を迫られる可能性が高いと思われる。
伊藤忠経済研▲0.9%
(▲3.4%)
世界経済減速と日中間のトラブルを受けた輸出減少に加え、個人消費や設備投資の民需も低調に推移し、7-9月期の日本経済は前期比▲0.9%・年率▲3.4%の大幅なマイナス成長に陥った見込み。10-12月期も、個人消費の落ち込みと輸出環境の好転の遅れによりマイナス成長が続く可能性大。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券▲0.9%
(▲3.7%)
先行きについては、世界経済の持ち直しを受け、12年度秋から年末にかけ、景気は回復に転じるとの見通しに変更はない。目先、復興需要の景気押し上げ効果は縮小し、公共投資の落ち込みが懸念されるが、12年末から13年にかけて赤字国債法案の成立や補正予算の編成が見込まれるほか、13年度についても、復興事業の予算措置が講じられ、公共投資の大幅な落ち込みは回避されよう。一方、14年4月の消費税率引き上げを控えた、駆け込み需要の発生が、13年度下半期を中心に予想される。景気回復は13年度を通して続くとの見通しを維持している(消費税率引き上げ後も景気後退局面入りするとはみていない)。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.7%
(▲2.9%)
マイナス成長の最大の原因は輸出の大幅な落ち込みである。この結果、輸入が小幅の減少にとどまったこともあって、外需寄与度は大幅なマイナス寄与となった。内需では、公共投資、政府消費の官公需が増加基調を維持しているものの、個人消費、設備投資がともに前期マイナスに転じるなど民需の弱さが目立つ。
三菱総研▲1.1%
(▲4.5%)
2012年7-9月期の実質GDPは、季節調整済前期比▲1.1%(年率▲4.5%)と予想する。5四半期ぶりのマイナス成長であり、その減少幅は東日本大震災時(11年1-3月期)以来、最大となる可能性が高い。
みずほ証券リサーチ&コンサルティング▲1.1%
(▲4.2%)
復興事業による下支えはあるものの、海外経済の減速を受けた輸出の減少や個人消費の増加基調が一服したことなどから、5四半期ぶりかつ大幅なマイナス成長となる見通し。

あくまで一例ですが、ニッセイ基礎研のリポートから予測のグラフを引用すると以下の通りです。もちろん、グラフ右端の「予測」はニッセイ基礎研によるものです。GDP成長率への寄与度を需要項目別にプロットしており、7-9月期の予想では復興需要に支えられた公共投資などの公需がプラスに寄与するものの、外需、消費、設備投資などが軒並みマイナスとなって成長の足を引っ張ると見込まれています。なお、プラスに寄与する紫色の「その他民需」は在庫と住宅です。多くのエコノミストのコンセンサスに近いと私は考えています。

実質GDP成長率の推移

ほとんどの機関が、季節調整済みの前期比年率で見て▲3%を超えて、場合によっては▲4%も超える大きなマイナス成長を見込んでいます。私の見方としては、数字的には伊藤忠経済研くらいの前期比年率で▲3%台半ばを予想しているんですが、その中身の解釈についてはニッセイ基礎研や第一生命経済研に近いと受け止めています。すなわち、第1に今年3-4月くらいからの景気後退局面入りが確認され、第2に10-12月期もせいぜいがゼロ成長か、おそらくマイナス成長が続き、政府や日銀の経済見通しは大幅な下方修正を余儀なくされる一方で、第3に来年1-3月期はプラス成長が見込め、景気の踊り場か景気後退かは議論の余地あるものの、いずれにせよ停滞は長く続かない、という3点、7-9月期のマイナス成長を含めれば4点、が多くのエコノミストのコンセンサスに近いと私は考えています。
エコノミストの間で見方が分かれる可能性があるのは復興需要です。私の見方は、復興予算には被災地に関係ない予算がかなり含まれており、それゆえに、一定の景気拡大効果がある、というものです。おそらく、復興需要が景気の下支えに一定の役割を果たす点については幅広い合意がありますが、復興予算に被災地外の部分がどのくらい含まれるかについては意見が分かれる可能性があります。私はかなり大量に被災地外の予算が盛り込まれていて、コトの良し悪しは別にして、その分、景気への効果があるとの見方です。

接戦が報じられていた米国の大統領選挙は、報じられている通り、現職のオバマ大統領が再選されました。景気転換点を超えたかもしれない日本経済はどちらに向かうんでしょうか。

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