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2012年12月12日 (水)

基調判断が下方修正された機械受注

本日、内閣府から10月の機械受注統計が発表されました。電力と船舶を除く民需のいわゆるコア機械受注は季節調整済みの系列で見て前月比+2.6%増の7044億円となり、+3%弱との市場の事前コンセンサスをやや下回りました。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注2.6%増 10月、基調判断は「弱含み」
内閣府が12日発表した10月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需(季節調整値)」は前月比2.6%増の7044億円となり、3カ月ぶりに改善した。特に非製造業からの受注が伸びた。ただ水準は低く、企業は慎重な投資姿勢を続けている。内閣府は機械受注の基調判断を「弱含んでいる」とし、4カ月ぶりに引き下げた。
10月実績はエコノミストの予想(2.8%)を下回った。基調判断は前月まで「一進一退で推移している」だった。内閣府は下方修正の理由を「前月公表した10-12月期見通し(前期比5.0%増)と比べて弱い回復にとどまったため」と説明している。見通しを実現するには11-12月にそれぞれ6.5%増と高い伸びが必要になる。
製造業からの受注は3.6%減と2カ月ぶりに減った。航空機の受注が前月に伸びた反動で減少したほか、情報通信機械も12.5%減と4カ月連続で減ったためだ。自動車の関連業種からの受注は工作機械などを中心に5カ月ぶりに増えており、製造業は15業種のうち10業種がプラスだった。
非製造業からの受注は船舶・電力を除くベースで2.8%増。建設業(36.2%増)、情報サービス業(23.9%増)からの受注が大きく伸びた。非製造業は電力などを含む12業種のうち9業種がプラスだった。
民需以外では官公庁からの受注が18.7%減と2カ月ぶりのマイナスになった一方、外需は9.4%増えた。全体の受注総額は1.6%減の1兆7873億円だった。

続いて、いつもの機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは電力と船舶を除く民需で定義されるコア機械受注とその後方6か月移動平均を、下のパネルは需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。このブログだけのローカル・ルールですが、直近の景気循環の山は2012年3月であったと仮置きしています。

機械受注の推移

10月の単月では前月比プラスになりましたが、市場の事前コンセンサスを下回りましたし、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府も基調判断を下方修正しています。少ななくとも「前月比プラス」が明るい話題とは受け止められていません。通信業などの非製造業にけん引された受注増ですが、外需や製造業はまだまだマイナス基調ですし、電力を船舶を除くコア機械受注の6か月後方移動平均がトレンドを示しているわけですが、これも上向いているわけではありません。また、前期比+5%と出た10-12月期見通しの達成は困難ですが、前期比プラスは可能ではないかと私は考えています。海外要因などに大きな不透明要因が残っており、機械受注のトレンドに大きな変更を及ぼすかどうか、現時点では何ともいえませんが、来年前半くらいには方向性が出るのではないかと私は考えています。取りあえず、足元は不透明としかいいようがありません。

機械受注(官公需)の推移

ついでながら、上のグラフは先月も示した機械受注のうちの官公需なんですが、いわゆる復興需要はほぼピークアウトしたようです。コア機械受注の外数ですが、機械受注に対する悲観材料のひとつかもしれません。

企業物価上昇率の推移

最後のグラフは、今日、日銀から発表された企業物価指数上昇率です。国内企業物価は11月統計まで8か月連続で下落しており、海外経済の停滞により鉄鋼などの需要が減退しており、国内でもテレビや携帯電話など販売競争の激化による値下がりが見られます。まだまだデフレが続いています。

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