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2013年1月 5日 (土)

米国雇用統計のグラフィックス

昨夜、米国の労働省から昨年12月の米国雇用統計が発表されています。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は前月から+155千人増加し、失業率は前月と変わらず7.8%でした。いずれも季節調整済の系列です。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を手短に New York Times のサイトから2パラだけ引用すると以下の通りです。

Job Creation Is Still Steady Despite Worry
Despite concerns about looming tax increases and government spending cuts, American employers added 155,000 jobs in December. Employees also enjoyed slightly faster wage growth and worked longer hours, which could bode well for future hiring.
The job growth, almost exactly equal to the average monthly growth in the last two years, was enough to keep the unemployment rate steady at 7.8 percent, the Labor Department reported on Friday. But it was not enough to reduce the backlog of 12.2 million jobless workers, underscoring the challenge facing Washington politicians as they continue to wrestle over how to address the budget deficit.

次に、いつもの米国雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。リーマン・ショックの時の景気後退局面から回復した後、日本と違って米国経済に景気後退は観察されません。

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目先の短期ではかなり米国経済は底堅く推移していると評価できると受け止めています。一昨年12月からの1年で約180万人の雇用が増加しています。もちろん、2月に控えた次なる「財政の崖」の問題は未解決のままであり、また、雇用の量はともかく、短期雇用やパートタイムなど質がよくないとの意見は根強く残りますが、米国の連邦準備制度理事会が目標とする失業率6.5%に向けて中期的に政策の方向は正しいと評価できると考えるべきです。我が国も金融政策のよろしきを持ってすれば、これくらいの雇用は達成できるのかもしれません。

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昨夏から6か月連続で非農業部門雇用者数が雇用改善のひとつの目安となる毎月+100千人を超えて増加しているんですが、それでも雇用の本格的な回復には至っていないと受け止められています。上のグラフはマンキュー教授やクルーグマン教授も着目している雇用・人口比率をかなり長期にプロットしていますが、現在の景気回復局面でほとんど上昇していないのが見て取れます。

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次に、デフレとの関係で私が気にしている時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ほぼ底ばい状態が続いていて、サブプライム危機前の3%台の水準には復帰しそうもないんですが、底割れして日本のようにゼロやマイナスをつける可能性は小さそうです。

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最後に、New York Times のブログサイトのひとつである Economix のマネをして書いたグラフは上の通りです。景気後退入りする直前のピークからの雇用の変化をプロットしています。前回の景気後退局面では景気の山から60か月を経て、現時点でも景気交代直前の雇用のピークにまで遠く達しません。なお、この Jobless Recovery のグラフはこれで打ち切る予定です。

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