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2013年1月21日 (月)

今日から始まった日銀金融政策決定会合の注目点やいかに?

本日から明日まで日銀金融政策決定会合が開催されています。昨年12月20日付けのエントリー「金融政策の追加緩和よりも1月の金融政策決定会合に注目!」で指摘した会議です。報道などでは、インフレ目標に関する政府と日銀の共同文書が取り交わされ、日銀が2か月連続の金融緩和に踏み切るとのもっぱらのウワサです。ということで、現在進行形の明日までの会議の注目点とともに、3月の副総裁、4月の総裁の交代くらいまでの期間を考えて、日銀の金融政策のポイントについて軽く考えたいと思います。

まず、現在進行形の日銀金融政策決定会合については、すでに大々的に報じられているので、かなり内容は固まっているように受け止めていますが、政府と日銀の合意文書も含めて、以下の点がポイントになると私は考えています。

  1. 現行の goal ではない target の英訳を当てるべきインフレ目標とするかどうか?
  2. インフレ目標は何パーセントか?
  3. インフレ目標達成の期間はいつまでか?
  4. インフレ目標の達成へ向けたプロセスをどのように検証するか?
  5. 追加緩和の内容はどのようなものか?

第1の点は文句なく yes であり、第2の点は2パーセントであると広く報じられています。ただし、可能性としては幅を持って示される可能性は、限りなくゼロに近い印象がありますが、諸外国の例からすればゼロではありません。第3の点については、報道では明示しないとされていますが、オーソドックスなインフレ目標政策の観点からは、目標達成の期間を明示しないことはあり得ません。ただし、第4の点とセットにして明示しない可能性は残されています。私自身は「中期的」くらいの文言は欲しい気がします。第4の点も広く報じられている通り経済財政諮問会議にて目標管理がなされるといわれているようです。第5の点についても、資産等買入れ基金の10兆円増額とウワサされていたりします。

次に、今日明日の会合だけでなく、3-4月の日銀執行部人事とも関係して、目先の金融政策に関するトピックは以下のような点になろうかと私は考えています。なお、先に上げたポイントの第3の点、すなわち目標の達成期間は明示されない可能性があるとの報道ですので、あえて意図的に重複させてあります。

  1. インフレ目標達成の期間はいつまでか?
  2. 金融政策のレジーム変更はなされるか?
  3. 補完当座預金制度、すなわち、超過当座預金への付利は撤廃されるか?
  4. 銀行券ルールは撤廃されるか?
  5. 物価と雇用の dual mandate は導入されるか?

第1の点は先に上げたポイントと重複します。繰返しを避けると、経済学の教科書的にいえば、短期とは物価変動なしに量で調整がなされる世界であり、逆に、長期とはすべてを価格が調整する世界ですので、インフレ目標は中期的に達成するしかないんですが、諸外国の例からして、1年半から2-3年の中期で達成することを目標にしている事例が多いように私は受け止めています。第2の点については、もっと分かりやすくいえば、今の白川総裁が著書の『現代の金融政策』で指摘したように、金融政策とはオペによる政策金利の変更により行うのか、それとも、政策金利ではなく当座預金残高などの量的な指標に合わせて政策運営するのか、ということです。現在のデフレを考慮すれば、私はレジーム変更が必要な可能性があると受け止めています。第3の点は白井政策委員が指摘していると報じられています。準備預金=当座預金への需要関数を考慮すれば、超過準備に付利されている金利が政策金利のフロアとなりますので、超過準備に0.1%の金利が付利されている限り政策金路はそれ以下に下がらないことになります。サードパーティ・リスクが大きくて短期金融市場の機能が不十分だったころはともかく、現時点では超過準備への付利は撤廃されるべきであると私は考えています。なお、超過準備への付利と政策金利との関係については、当時の理事長だった深尾教授が解説した「深尾光洋の金融経済を読み解く」という日経センターのコラムが詳しいです。第4の点は、長期国債の保有残高が銀行券の発行残高を超えないようにする銀行券ルールについて、赤字財政のファイナンスにならないための歯止めと日銀では解説していますが、何の理論的根拠もなければ実践的にもすでに有名無実となっており、実態に合わせて撤廃されるべきであると私は考えています。最後の物価と雇用の dual mandate については、現時点で私には何ともいえません。金融政策のバックグラウンドにはフィリップス曲線があると私は考えており、かなり強烈な仮定ですが、フィリップス曲線が安定的であれば、ある物価上昇率に対して失業率がユニークに対応しますから、dual mandate を追いかける必要はないというのが基本となります。しかし、米国の連邦準備制度理事会のような例もありますし、現時点では判断できません。現政権の日銀不信がそこまで大きくないと願わずにおれません。

明日の午後には、白川総裁と然るべき政府要人が共同文書ほかについて記者発表し、これを受けて経済財政諮問会議が開催されると聞き及んでいます。今日の明日ですから、私の考える基本ラインは上と変わりないと思いますが、それなりにフォローしておきたいと考えています。

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