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2013年4月18日 (木)

赤字の続く貿易統計からTPPを考える!

本日、財務省から3月の貿易統計が発表されています。ヘッドラインとなる輸出が6兆2714億円、輸入は6兆6338億円、差引き貿易収支は▲2624億円の赤字となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易赤字、12年度は最大の8.1兆円
3月は3624億円、燃料輸入が高水準

財務省が18日発表した2012年度の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8兆1699億円の赤字だった。年度ベースの赤字は2年連続で、第2次オイルショックの影響を受けた1979、80年度以来。赤字額は単年度で比較可能な79年度以降で過去最大を更新した。
輸入は前年度比3.4%増の72兆1108億円。火力発電用の液化天然ガス(LNG)や原粗油など燃料輸入が高水準で推移したうえ、中国からのスマートフォン(スマホ)など携帯電話の輸入が増えたことが影響した。
一方で輸出は2.1%減の63兆9409億円だった。輸出低迷は中国や欧州連合(EU)向けの減少が主因。中国経済の減速に加え尖閣諸島を巡る日中摩擦の影響で、自動車など中国向けの輸出は9.1%減の11兆3440億円と2年度連続で減った。EU向けも金融危機の影響などで14.1%減の6兆3910億円と、94年度以来の低水準だった。
この結果、対EUの貿易収支は4240億円の赤字で、初の赤字に転落。対中国の貿易収支も3兆9990億円の赤字と、過去最大を更新した。
同時に発表した3月の貿易収支は3624億円の赤字だった。赤字は9カ月連続で、3月としては過去最大となった。
輸入額は前年同月比で5.5%増の6兆6338億円となり、5カ月連続で増えた。為替相場の平均値が対米ドルで前年同月比16.1%の円安で、LNGや原粗油など燃料や半導体など電子部品の輸入額が増えたことが影響した。
輸出額は1.1%増の6兆2714億円で2カ月ぶりの増加。デジタルカメラなど映像機器や自動車などが減少したものの、中国向けプロピレンなど有機化合物などの伸びが補った。
貿易収支の先行きについて財務省は「円安の傾向が見られる一方、海外景気の下振れリスクや燃料価格の動向もある。様々な要因があるので今後の動向を注目していきたい」(関税局)としている。

いつもながら、とてもよく取りまとめられた記事ですが、私がこのブログで重視している月次データではなく、年度の計数を中心にした記述となっていたりします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフでプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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輸出入とも昨年10-12月期あたりから上向きとなっており、我が国の経済活動が諸外国とともに活発化しているのが見て取れます。その輸出入の差引きで定義される貿易収支は、下のパネルの季節調整済みの系列で見て、とうとう25か月連続の赤字を記録しています。少なくとも足元の昨年末以降は為替の円高是正に伴うJカーブ効果だと考えるべきですが、先月の貿易統計を取り上げたエントリーでも主張した通り、自動車のエコカー補助金や家電エコポイントなどの個別の財に割り当てられた補助金政策が、国際的な比較優位構造に基づく産業構造へのスムーズな転換を阻害した可能性があります。もう終わった政策は置いておいても、この先の不安として、TPP参加の折に同様の歪みを生じさせかねないカギカッコ付きの「政策対応」や「国境措置」により、TPPの経済効果が相殺されかねない危惧が残ります。

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上のグラフは輸出の推移を見るため、上のパネルでは季節調整していない原系列の輸出の金額指数の前年同月比を価格指数と数量指数で寄与度分解し、下のパネルは輸出数量指数の前年同月比と1か月だけリードを取ったOECD先行指数の前年同月比を重ねてプロットしています。昨年下半期からの乖離はOECD非加盟国、すなわち、中国の影響と為替だと私は考えています。その後、中国経済もやや持ち直しつつあり、為替の円高是正も進んでいますので、Jカーブ効果が終了するとともに輸出も増加に転じると私は楽観しています。むしろ、貿易赤字を大きくする要因は輸入サイドに見られます。円高修正で円建ての輸出額が膨らんでいる可能性は否定出来ませんが、昨夜のIMF「世界経済見通し」の第1章の特集 Special Feature における商品市況のレビューにもある通り、我が国はヤケに値の張る燃料を購入している可能性があります。輸出を上回って輸入が増えれば貿易赤字は拡大します。当然です。

政府予算案が衆議院で可決されましたので、政策論議の中心はTPPをはじめとする成長戦略に移行しつつあります。ホントにTPPを成長戦略の中心に据えて我が国経済の成長に役立てようと考えるのであれば、TPPによるダメージを減じる措置は必要ですが、TPPの経済効果をいかに最大化するか、といった観点からの議論も重要になると私は考えています。

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