来週月曜日に発表される1-3月期GDP速報2次QEは1次QEから小幅改定か?
来週月曜日の6月10日に今年2013年1-3月期GDP速報2次QEが内閣府より発表されます。6月3日発表の法人企業統計で必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ウェブ上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で4-6月期以降の景気の先行きに関する部分を中心に取っているつもりです。先行きに記述ない場合は、何分、2次QEですから1-2行でアッサリと済ませました。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
内閣府1次QE | +0.9% (+3.5%) | n.a. |
日本総研 | +0.9% (+3.6%) | ほぼ変わらない見込み。 |
大和総研 | +0.9% (+3.6%) | 1次速報からわずかに上方修正される見通しである。 |
みずほ総研 | +0.9% (+3.5%) | 4-6月期は緊急経済対策で追加された公共事業の執行が本格化し、公共投資が増加に転じるとみられる。また、円安の数量面への効果が徐々に表れ、輸出は増加を維持する見通しである。消費者マインドの改善に後押しされ、個人消費も緩やかな拡大が続くと予想される。設備投資の回復はやや遅れるものの、公的需要の伸びが高まり輸出と個人消費が増加を維持することにより、4-6月期の実質GDPは年率+2∼+3%台の成長になると予測している。 |
ニッセイ基礎研 | +0.8% (+3.3%) | 1次速報の前期比0.9%(年率3.5%)から若干下方修正されると予想する。 |
第一生命経済研 | +0.9% (+3.6%) | 4-6月期の成長率も前期比年率+3%を上回ると予想している。個人消費は1-3月期の高い伸びから鈍化が予想される一方、1-3月期はぱっとしなかった設備投資が企業収益の増加や企業マインドの改善を受けて持ち直す見込みだ。公共投資も、補正予算効果から大幅に増加するだろう。円安効果による輸出の増加も期待されるところだ。1-3月期の高成長は株高を背景とした個人消費の高い伸びに支えられた面が大きかったが、4-6月期については、出遅れていた設備投資、公共投資が増加することで、バランスが取れた高成長になる可能性が高い。 |
伊藤忠経済研 | +0.8% (+3.4%) | 下方修正ではあるが、1-3月期が高成長を記録したことは揺るがず、日本経済が2012年末に下げ止まり、2013年1-3月期から持ち直しへ転じたとの景気認識にも変更はない。円安を受けた輸出回復と、2012年度補正予算の執行による公共投資増加、消費税率引き上げ前の駆け込み需要などを受けて、4-6月期も景気回復の動きが継続する見込みである。当社では、現時点で4-6月期を前期比0.7%、年率2.9%と予想している。 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | +0.9% (+3.8%) | 1次速報値に比べ小幅上方修正されると予想する。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +1.0% (+4.1%) | 若干上方修正される見込みであるが、景気に対しての見方には変化が出ないであろう。 |
三菱総研 | +0.9% (+3.5%) | 1次速報値から変化なしと予測する。 |
ということで、大雑把なエコノミストのコンセンサスとして、1-3月期の2次QEは1次QEの前期比+0.9%、前期比年率+3.5%成長から大きな修正はなく、年率換算で+3%台半ばからひょっとしたら4%くらいの間であり、先行き4-6月期も年率で2-3%くらいの順調な成長が続き、しかも、1-3月期のようにアベノミクスへの期待で膨らんだ消費者マインドに起因する個人消費に偏った成長から、設備投資は少し遅れる可能性が残るものの、公共投資の増加などを含めて、よりバランスのとれた成長が実現される可能性が高い、というものだと受け止めています。私も含めて、多くのエコノミストの景気認識に変更をもたらすような内容ではないと考えられます。最後に、一例として、みずほ総研のリポートから需要項目別の2次QE予想のグラフを引用すると以下の通りです。

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