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2013年6月27日 (木)

来週発表の日銀短観は業況感も設備投資計画も大幅に上昇か?

来週月曜日7月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから6月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIと大企業の設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。設備投資計画は2013年度、すなわち、今年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。いつもの通り、先行きに関する見通しを可能な範囲で取りました。もともと先行き判断を含む調査ですから、何らかの先行きに関する言及があるリポートが多かったような気がします。ただし、長くなりそうな場合はこの統計のヘッドラインとなる大企業製造業だけにした場合もあります。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
3月調査 (先行き)▲1
+9
<▲2.0>
n.a.
日本総研0
+12
<+2.5>
先行き(2013年9月)は、大企業・製造業、大企業・非製造業で各々6月対比+5%ポイント、+4%ポイントの改善と予想。米国向け輸出が増加するほか、公共事業の増加、消費税率引き上げ前の駆け込み需要などがDI押し上げに寄与。
大和総研+4
+13
<+1.8>
先行きに関しても、2013年度は収益の改善が見込まれることから、幅広い業種で改善が続くとみている。5月後半以降為替はやや円高に振れており、株価も調整局面にあるが、企業の業況判断に大きな影響は与えないとみている。ただし、足下で中国をはじめとする新興国の景気減速懸念が高まっていることは、企業の収益見通しを押し下げる可能性があり、先行きの改善幅を小幅ながら縮小させる可能性がある。
みずほ総研+4
+8
<+3.7>
(大企業・製造業)先行き判断DIも、円安による輸出数両面への効果が本格化することなどから改善が続くだろう。(大企業・非製造業)先行き判断DIは、緊急経済対策による公共投資の押し上げ効果が続くことや個人消費の回復を背景に改善の見込みとなろう。
ニッセイ基礎研+4
+11
<+3.7>
先行きについても、米国を中心とする海外経済の回復やアベノミクスへの期待から、さらなる景況感改善を予想。通常、先行きに対して慎重になりがちな中小企業でも、今回は改善が示されると見る。
伊藤忠商事経済研+2
+8
<+2.5>
大企業製造業の現状判断DIは3月調査の▲8が6月調査で2へ改善、2011年9月調査以来のプラス圏へ浮上すると予想している。先行きは更に4へ改善するが、不安定な金融市場動向や海外経済に対する不透明感を受けて、改善ペースは鈍ると見込まれる。
第一生命経済研+1
+11
<+1.5>
製造業・非製造業ともに、2010年から最近までのDIは、▲10-10という狭いレンジで概ね推移してきた。だから、今後は、そのレンジを上抜けられるかどうかが注目される。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+8
+12
<+7.2>
円安や海外景気の副長を背景に輸出企業の収益が回復しており、建設・不動産などの内需型産業についても、緩和的な金融環境や公共投資の増額を反映して、業況が大幅に改善している模様だ。
三菱総研+5
+12
<n.a.>
先行きの業況判断DI(大企業)は、日本経済の回復期待などから、引き続き改善となろう。製造業が+5%ポイント、非製造業が+3%ポイントの改善を予想する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲4
+9
<+2.8>
輸出に持ち直しの動きがみられる中、生産は増加基調が続いている。先行きについても、景気の持ち直しが続く中、マインドの改善は続くだろう。

3月調査時点での先行き業況判断DIが、大企業製造業で▲1、大企業非製造業で+9だったんですから、私はこれを少し上回ると考えています。しかも、アベノミクスの一つの効果で円高修正が製造業により大きく恩恵を及ぼしますので、非製造業よりも製造業の改善幅の方が大きいと考えるべきです。すなわち、大企業製造業の業況判断DIが+3から+5くらい、大企業非製造業が+10を少し超えるくらい、というのがエコノミストの平均的な予想ではないかという気がします。さらに、先行きについては改善が続くもののテンポが鈍る可能性が高い、というのが、大雑把なコンセンサスではないかと受け止めています。ただし、日本総研のリポートにあるように、消費税率引上げ前の駆込み需要であれば、サステイナブルかどうかは疑問です。また、5月下旬からの金融市場の混乱、株価の下落や長期金利の上昇などは、大和総研のリポートが指摘するように、企業の業況判断に大きな影響は及ぼさないと考えるべきですが、特に長期金利の上昇が長期に渡るとすれば一定のネガティブな影響は否定できません。もちろん、中国をはじめとする新興国のスローダウンはそれ自体として、また、我が国経済への影響としても、いずれも不透明です。設備投資計画は大企業全産業で見て3月調査ではマイナスでしたが、6月調査ではプラスに転じると予想されています。上のテーブルに取り上げた指標とは別に、日銀のインフレ目標にも関連して価格に対する企業マインドに注目が集まっていますが、昨年末を底に上昇に転じている仕入及び販売の価格上昇機運がさらに強まる可能性がかなりあると考えられます。しかし、デフレ期の価格下落期待も根強く残り、20年も続いた強烈なデフレに対する現状維持的な期待の払拭がまだ完全には進んでいない可能性も十分残ります。

photo

最後に、上のグラフは業況判断DIの推移について、一例として、日本総研のリポートから引用しています。業況判断DIは6月の足元に続いて9月の先行きも改善を示す、との予想が示されています。

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