鉱工業生産指数の改定に基づき再計算された景気動向指数により景気判断はどうなるか?
本日、内閣府から4月の景気動向指数の確報が発表されました。先々週の6月7日の4月速報の公表時に、「景気動向指数における鉱工業指数平成22年基準改定への対応及びCIの基準年変更について」と題するメモが公表されていて、今日発表の4月分確報から基準年を2010年に改定した鉱工業生産指数を用いるとともに、7月5日発表の5月速報から景気動向指数も基準年を2010年に変更する旨が明らかにされています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。
景気一致指数、4月改定値0.7ポイント上昇
内閣府が20日発表した4月の景気動向指数(2005年=100)の改定値は、景気の現状を示す一致指数が95.3と前月比0.7ポイント上昇した。改善は5カ月連続。7日に発表した速報値は94.8だった。指数を構成する鉱工業生産指数の基準が変わったことを受け、過去にさかのぼって数値を見直した。基調判断は「下げ止まりを示している」のまま据え置いた。
相変わらず、とてもよくまとまった記事だという気がします。続いて、景気動向指数の推移をプロットしたグラフは下の通りです。CI一致指数について、4月速報までの旧基準の鉱工業生産指数に基づく景気動向指数と、2010年新基準の鉱工業生産指数に変更した景気動向指数の両方をプロットしています。詳細は凡例の通りです。影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、このブログのローカル・ルールにより、直近の景気の山と谷は2012年3月と2012年11月とそれぞれ仮置きしています。

鉱工業生産指数の基準年改定の余波はどこにも現れていないように見受けられます。かなり機械的に弾き出される基調判断も変更ありません。次は景気動向指数そのものの基準改定なんですが、おそらく、あくまで「おそらく」なんですが、上のグラフで影をつけた山谷を含めて景気動向に関するエコノミストの感覚を大きく変更させるような内容ではないと予想しています。ひと安心です。
| 固定リンク
コメント