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2013年7月 6日 (土)

米国雇用統計は日本経済にどのような影響を及ぼすか?

日本時間の昨夜、米国の労働省から6月の米国雇用統計が発表されました。米国におけるマクロの景気動向を探る上で、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会 (FED) も金融政策運営の観点からもっとも重視している経済指標のひとつです。統計のヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は季節調整済みの系列で前月から+195千人増加した一方で、失業率は前月から変わらずの7.6パーセントを記録しました。まず、New York Times のサイトから記事を最初の10パラ引用すると以下の通りです。

U.S. Adds 195,000 Jobs; Unemployment Remains 7.6%
The economy added 195,000 jobs in June, the Labor Department reported Friday morning, slightly more than analysts had been expecting and suggesting steady growth.
Wall Street has been feverishly awaiting the June employment report. Not only does it provide another indicator of overall economic strength, it also affects the timing of the Federal Reserve's decision to start tapering a major part of its stimulus efforts.
A strong report increases the likelihood the central bank will start pulling back on its bond purchases as early as September, a prospect that has made some investors more cautious in recent weeks. On the other hand, signs of weakness in the labor market would likely prolong the Fed's program of purchasing $85 billion in bonds per month.
Along with job creation, the Fed is closely watching unemployment levels. The unemployment rate, which is based on a separate survey from the one that tracks jobs, remained at 7.6 percent, unchanged from May.
The chairman of the Federal Reserve, Ben S. Bernanke, said two weeks ago he anticipated the bond-buying program would wrap up when the unemployment rate sinks to 7 percent. The Fed estimates that could happen by the middle of next year.
Despite signals from the Fed that the labor market is strong enough to handle a reduction in the stimulus, the pace of job creation has slowed in recent months.
Over the course of March, April and May, the economy added jobs at an average rate of 155,000 a month, down from the 233,000-a-month pace that prevailed in December, January and February.
While the economy has held up better than some analysts had expected in the face of tax increases and automatic cuts in federal spending this year, overall growth has been tepid. The economy grew at an annual rate of 1.8 percent in the first quarter, short of what's needed to quickly lower the unemployment rate or reduce the ranks of the jobless.
Another factor holding back strong job growth has been a steady drop in public employment. In June, private employers added 202,000 positions, while state, local and federal governments shed 7,000 workers.
The manufacturing sector, often viewed as a barometer for the broader economy, lost 6,000 positions in June. Employment in the construction sector, which has been volatile, rose by 13,000.

引用した記事は昨夜の時点での第1報のバージョンですから、現時点では差し替えられている可能性があります。悪しからず。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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+175千人増というのはかなり微妙な数字だという気がします。景気拡大の必要条件のひとつの目安とされる100千人増を十分に超えていますので、基本的には米国の雇用は堅調と考えてよさそうです。また、失業率が着実に低下するのに必要といわれているのは+200千人増なんですが、4月+199千人増、5月と6月はともに+195千人増と、ほぼこの水準をクリアしているように見えます。特に、市場の事前コンセンサスは+165千人増でしたから、これは軽く上回りました。他方で、雇用が堅調だと FED の金融緩和 QE3 の出口が近づくのではないかとの観測が強まる可能性も否定出来ません。ただし、物価と雇用のデュアル・マンデートを有する FED が目安とする失業率にはまだ達していません。もちろん、QE3 の出口はすぐというわけではなく、年末から来年にかけてゆっくりと進むんでしょうから、その動きはサポートできる統計だと受け止めています。

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米国の雇用について手放しで堅調といい切れないもうひとつの要素は、雇用・人口比率がサッパリ上がらないことです。日本のように高齢化がとてつもないスピードで進行している国であれば、高齢化に伴って労働市場から退出する人が多いわけですから、雇用者の比率が停滞ないし減少する可能性も十分にありますが、移民人口が決して少なくなく、人口がそれなりに増加を続けている米国では、まだ高齢化がそれほどのスピードでは進んでいませんから、デモグラフィックな要因よりは景気要因でこの雇用・人口比率が上がらないんだろうと私は考えています。

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最後に、日本の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見てほぼ底ばい状態が続いていて、サブプライム危機前の3%台の水準には復帰しそうもないんですが、底割れして日本のようにゼロやマイナスをつけて、デフレに陥る可能性は小さそうに見えます。

昨夜のブログの最後にも書きましたが、米国の雇用が堅調で FED が QE3 の出口に向かうとすれば米ドルが円をはじめとする他の通貨に対して希少性を増して、例えば、日本円に対しては円安の方向に動くことが簡単に予想されます。そして、実際にマーケットではそのように動いていると私は認識しています。

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