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2013年8月 6日 (火)

6月の景気動向指数は低下したものの7月にはリバウンドの見込み!

本日午後、内閣府から6月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなるCI一致指数は▲0.8ポイント低下して105.2となりました。CI先行指数も7か月振りに低下しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数7カ月ぶり低下 内閣府「基調は不変」
内閣府が6日発表した6月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が0.8ポイント低下の105.2と7カ月ぶりにマイナスに転じた。欧州向けの自動車需要が減少したあおりで、輸送機械や電子部品・デバイスの生産や出荷が落ち込んだことが響いた。製造業の残業時間減少も押し下げた。
ただ経済産業省が7月の製造工業生産予測調査について6.5%の上昇を見込んでいることなどから、内閣府は「特に景気動向の基調が変わったわけではない」とみている。一致指数の動きから機械的にまとめる景気の基調判断は前月までの「上方への局面変化を示している」との表現を据え置いた。
数カ月後の先行きを示す先行指数は3.7ポイント低下の107.0と7カ月ぶりのマイナスだった。下げ幅はリーマン・ショックの影響を受けた09年1月(4.9ポイントの低下)以来、4年5カ月ぶりの大きさ。鉄鋼や化学工業分野で在庫が上昇したことや、5月から6月にかけて株価が下がったことが響いた。
景気に数カ月遅れる遅行指数は0.5ポイント上昇の110.6と2カ月連続のプラスだった。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDIは一致指数が50.0、先行指数が66.7だった。

相変わらず、とてもよくまとまった記事だという気がします。続いて、景気動向指数の推移をプロットしたグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下はDI一致指数です。影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、このブログのローカル・ルールにより、直近の景気の山と谷は2012年3月と2012年11月とそれぞれ仮置きしています。

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引用した記事にもある通り、CI一致指数と先行指数ともに昨年12月か続けていた上声が7か月振りの低下となりました。一致指数への寄与度で見ると、有効求人倍率や大口電力使用量、小売業販売額(前年同月比)などがプラスの寄与を示した一方で、輸送機械を除く投資財出荷、鉱工業生産財出荷、鉱工業生産指数、所定外労働時間、耐久消費財出荷などが軒並みマイナス寄与となりました。鉱工業生産統計やこれに連動する毎月勤労統計などで示された6月の生産の弱さがそのまま出た形となっています。ですから、これも引用した記事にもある通り、7月の製造工業生産予測指数がはね上がると見込まれていますので、景気動向指数も上昇のモメンタムを取り戻すと考えるべきであり、6月統計だけの一時的な現象と受け止めています。従って、「上方への局面変化」で基調判断は据え置かれているのも当然と考えるべきです。もっとも、景気動向指数の基調判断はかなり機械的に下されるのは何度かこのブログでも書いた通りです。
鉱工業生産などの来月の経済指標を確認する必要はありますが、現時点で得られる情報を基にすれば、我が国の景気は順調な回復・拡大のパスに乗っていると私は考えています。むしろ、景気動向指数に関してややテクニカルに気にしているのは、昨年のミニ・リセッションを景気後退であったと景気動向指数研究会が判断するかどうか、だったりします。前回の会合から2年近く開催されておらず、景気転換点の候補日から1年くらいで通常は開催されていますから、8月はこういった種類の会議は開催しない季節だというものの、いまだに開催のアナウンスもないということは景気日付を判定しないということで、インプリシットに昨年のミニ・リセッションは「山谷のある景気循環ではない」という同定がなされたんではないか、と私は密かに受け止めています。

来年4月からの消費税率引上げについては、おそらく、9月に発表される4-6月期のGDP統計2次QEがもっとも影響力を持つと私は考えていますが、9月上旬に発表される景気動向指数もその名の通り景気動向を占う指標として参照されることと予想しています。

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