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2013年11月 8日 (金)

7-9月期GDP統計1次QEの予想やいかに?

来週木曜日の11月14日に今年2013年7-9月期GDP速報1次QEが内閣府より発表されます。必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから1次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ウェブ上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で、10-12月期以降の先行き経済の動向に関する記述を取っているつもりです。なぜか、テーブルの最後に並べた三菱系3機関を除いて、ほぼすべての機関で何らかの先行き経済に関する記述を発見しています。残念ながら、三菱系3機関のヘッドラインはあっさりと引用しました。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研+0.4%
(+1.6%)
10-12月期を展望すると、アジアをはじめとする海外経済の先行きに不安が残るものの、①緊急経済対策の本格化に伴い公共投資が引き続き景気押し上げに寄与すること、②消費税率引き上げを控えて個人消費の一部で駆け込み需要が徐々に顕在化すること、③米国の堅調な経済成長や円安地合いを背景に輸出環境の一段の悪化は避けられること、などから、成長率は再び加速する見通し。
大和総研+0.4%
(+1.8%)
先行きは、内需が堅調に推移することが見込まれる。マクロで見た所得は緩やかな改善が続き、個人消費の増加を下支えするだろう。加えて、2014年4月の消費税増税を前に、年末以降駆け込み需要が生じるとみており、個人消費は増勢を強める見込みである。住宅投資は、2014年1-3月期以降駆け込み需要の反動で減少に転じる見込みである。ただし、各種激変緩和措置の影響で、駆け込み需要の規模は相当程度抑制されており、反動減は前回の増税時の1997年と比べれば小さい規模に留まるだろう。輸出についても、先行きは増加に転じるとみている。持ち直しの続くユーロ圏向けや緩やかな景気回復の続く米国向けが、輸出の増加に寄与する見込みである。
みずほ総研+0.3%
(+1.4%)
10-12月期の成長率は、年率+3%台に高まると予測している。7-9月期は低い伸びにとどまった個人消費が、自動車など耐久消費財に消費税率引き上げ前の駆け込み需要が出始めること、年末賞与が前年比で増加することが要因となり、伸びを高めると予想される。円安・海外景気の緩やかな回復を背景に輸出が増加に転じ、業績回復を受けた設備投資は拡大を維持するとみられる。景気対策関連の事業執行が一服し、公共投資の伸びは鈍化が予想されるが、10-12月期は民間需要・公的需要・外需がそろって拡大する形を取り戻すであろう。
ニッセイ基礎研+0.4%
(+1.8%)
7-9月期の成長率は減速したが、1%以下とされる潜在成長率を上回る伸びを確保しており、景気は堅調を維持している。先行きについては、輸出が景気の牽引役となることは期待できないものの、消費税率引き上げ前の駆け込み需要により個人消費の伸びが加速することを主因として、2013年度末にかけて経済成長率は再び高まる可能性が高い。
第一生命経済研+0.3%
(+1.2%)
7-9月期の減速は、年前半の高成長の反動の面が大きく、先行きについては再び高成長に戻ると予想している。月次で見ると、個人消費、鉱工業生産などで9月に持ち直しが見られており、10-12月期に向けての展望は暗くない。
まず、成長率鈍化の大きな要因になった個人消費については、年前半の高い伸びの反動の面が大きく、基調として悪化しているわけではない。6月以降低下していた消費者マインドが、9月に再び持ち直していることも好材料だ。また、雇用の改善が明確化しつつあることに加え、先行きは消費税率引き上げ前の駆け込み需要の顕在化も予想されることを考えると、10-12月期の個人消費は再び伸びを高める可能性が高いだろう。
また、輸出についても、①減速が続いていた中国経済で底打ちがみられるなど、世界経済が改善方向にあること、②既往の円安による押し上げ効果の本格化が予想されること、などを踏まえると、先行きは着実な増加が予想される。その他、機械受注の動向などから見て、10-12月期以降の設備投資は増勢が加速する可能性が高いことも景気押し上げ要因になる。
このように、7-9月期の成長率鈍化はあくまで一時的なものにとどまるとみられ、先行きへの懸念は不要だろう。年度内の景気は好調な推移が続く可能性が高そうだ。
伊藤忠経済研+0.5%
(+2.0%)
7-9月期については、固定資本形成が伸びを高めるものの、個人消費のスピード調整と輸出の低迷が響き、日本経済の成長率は前期比年率2%まで減速すると予想される。2013年度後半すなわち10-12月期以降に関しては、公共投資がピークアウトへ向かい、輸出が引き続き足を引っ張る懸念はあるものの、消費税率引き上げ前の駆け込み需要などもあり、個人消費を中心に民需が増勢を強めることで、日本経済の成長ペースは再び加速すると見込まれる。最も懸念すべきリスク要因は、海外経済の落ち込みによる輸出の低調推移であろう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+0.3%
(+1.4%)
海外景気の減速に伴う輸出の減少が、7-9月期の成長鈍化につながったとみられる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.5%
(+2.2%)
景気持ち直しは続いているが、今年前半と比べると、そのテンポは弱まったとみられる。
持ち直しテンポが鈍化した要因は、今年前半の景気をけん引してきた輸出と個人消費がいずれも前期比でマイナスに転じたためである。
三菱総研+0.2%
(+0.7%)
4四半期連続のプラス成長ながらも、消費の増勢一服や外需の落ち込みを背景に成長鈍化を予想する。

上のテーブルを見れば明らかなんですが、7-9月期の成長は今年2013年前半に比較して大きく減速し、年率+1%台半ばから+2%くらいになると予想されています。その減速の主因は消費と輸出です。ただし、ニッセイ基礎研のヘッドラインにある通り、7-9月も引き続き「潜在成長率を上回る伸びを確保」していることは確かで、その上、9月くらいから生産や消費に持直しの動きも見え始めており、輸出も円安頼みという価格要因から海外経済の拡大という需要要因に切り替わりつつあり、先行きは増加が見込めますから、第一生命経済研のヘッドラインにあるように、「7-9月期の成長率鈍化はあくまで一時的なものにとどまるとみられ、先行きへの懸念は不要」というのが結論なんだろうと思います。多くのエコノミストのコンセンサスと見ていいと私も受け止めています。ただし、輸出はともかく、消費についてはボーナスが増加する気配を見せているものの、基本的には所得ではなくマインドに依存した消費拡大であり、それも来年2014年4月からの消費税率引上げに伴う駆込み需要の色彩が強くなっています。部分的にせよ所得のサポートが薄くて、駆込み需要も含まれていますから、消費の持直しについてはサステイナブルではない可能性が残ります。先行き経済の方向性については賃金動向が気にかかるところです。

photo

最後に、シンクタンクの予想の一例ということで、いつもお世話になっているニッセイ基礎研のリポートからGDP成長率のグラフを引用すると上の通りです。設備投資の寄与がまだまだ小さい中、消費が減速し、外需がマイナスに転じた一方で、公共投資などの公需が下支えしているのが見て取れます。何ら、ご参考まで。

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