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2013年11月19日 (火)

米国における肥満問題はどのように認識されているのか?

私も50歳を超えて健康問題への関心が高まり、時折忘れたころに、私自身のボディ・マス指数のグラフをブログにさらしたりしているんですが、私自身は肥満や体重についてはBMIも22-23くらいの間で収まる範囲で何とかコントロールしています。でも、BMIの標準は22ですので、やや体重オーバーかもしれません。他方、外国生活も何度か経験して、欧米人の中には日本国内では考えられないような肥満が存在することも身をもって知っています。実は、その昔の2007年2月のフォーブス誌で World's Fattest Countries なる記事が掲載されたことがあります。BMI25以上の人の占める割合で見て、日本は22.6パーセントで194か国中163位、米国は74.1パーセントの9位だったりしました。上位トップテンと下位のほぼ30か国ですので、日米はかなり両極端という見方も出来ようかと受け止めています。
ということで、前置きが長くなりましたが、私がよくチェックしている米国の世論調査機関である Pew Research Center から米国における肥満に関する意識調査結果 Public Agrees on Obesity's Impact, Not Government's Role がちょうど1週間前の11月12日に公表されています。もちろん、今どきのことで、pdf の全文リポートもアップされています。まず、Pew Research Center のサイトから調査結果の概要を最初の3パラだけ引用すると以下の通りです。

Public Agrees on Obesity's Impact, Not Government's Role
Most Americans (69%) see obesity as a very serious public health problem, substantially more than the percentages viewing alcohol abuse, cigarette smoking and AIDS in the same terms. In addition, a broad majority believes that obesity is not just a problem that affects individuals: 63% say obesity has consequences for society beyond the personal impact on individuals. Just 31% say it impacts the individuals who are obese but not society more broadly.
Yet, the public has mixed opinions about what, if anything, the government should do about the issue. A 54% majority does not want the government to play a significant role in reducing obesity, while 42% say the government should play a significant role. And while some proposals for reducing obesity draw broad support, others are decidedly unpopular.
The new national survey by the Pew Research Center, conducted Oct. 30-Nov. 6 among 2,003 adults, finds that two-thirds (67%) favor requiring chain restaurants to list calorie counts on menus. But just 31% support limits on the size of sugary soft drinks in restaurants and convenience stores – 67% oppose this idea. More than half (55%) favor banning TV ads of unhealthy foods during children's programming, but barely a third (35%) supports raising taxes on sugary soft drinks and unhealthy foods. On each of these policies, Democrats and women are more supportive than Republicans, independents and men.

ということで、今夜のブログではこの意識調査結果からいくつかグラフを引用して、簡単に紹介しておきたいと思います。一応、念のためなんですが、この調査結果はあくまで意識調査 Opinion Poll の結果であり、客観的に数値で捉えられる身長や体重やBMIなどを計測した結果ではありません。お間違えのないように。

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上のグラフは、Pew Research Center のサイトから Large Majority Sees Obesity as Serious Public Health Problem のグラフを引用しています。当然ながら、肥満は公衆健康上の大問題と認識されています。選択肢の問題はさておいて、ガンには届きませんが、精神疾患、薬物乱用やアルコール中毒、喫煙や果てはエイズよりも深刻な問題と受け止められています。しかも、表は引用しませんが、肥満は個人的問題というよりも社会的問題と捉える向きが63パーセントと、逆に、社会的問題ではなく個人的問題と考える31パーセントを大きく上回っています。性別や年齢などでは特徴はないんですが、非白人よりも白人の方が、また、学歴が高い方が、個人的問題というよりも社会的問題と受け取る割合が高くなっています。

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ですから、個人的な努力もさることながら、何らかの社会的な対応が必要とされるわけで、上のグラフは、Pew Research Center のサイトから Public Favors Restaurant Calorie Counts, But Opposes Soft Drink Size Limits, Taxes on Unhealthy Foods のグラフを引用していますが、レストランのメニューにカロリー表示を義務付けるとか、子供向けのテレビ番組で不健康な食品のコマーシャルを禁じる、などの対策が過半の支持を得ています。ただし、ソフトドリンクのサイズを制限するとか、砂糖入りのソフトドリンクや不健康な食品に高率の税を課す、などの対策は好まれないようです。これらの対策については、白人と非白人、性別、年齢、学歴、支持政党による際立った特徴は見られません。

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社会的な対応として肥満問題に関する政府の役割を考えると、支持政党別にやや差が出ています。すなわち、上のグラフは、Pew Research Center のサイトから Partisans Disagree About Government Role in Reducing Obesity を引用していますが、通常の何らかの政策と同じで、民主党支持者が肥満問題への政府介入をより容認するのに対して、共和党支持者は逆の結果を示しています。人種的には白人は肥満問題における政府の役割に否定的なのに対して、黒人やヒスパニックは肯定的ですし、年齢が低いほど政府の対策を重視する傾向があります。ただし、性別や学歴では差は見られません。性別と年齢は別にしても、学歴や人種、支持政党別で、肥満問題に対して何らかの違いが見られると言うのは極めて興味深いと受け止めています。

最後に、知っている人は知っていると思いますが、本日、経済協力開発機構 (OECD) から「経済見通し」 OECD Economic Outlook No.94 が公表される予定となっています。国際機関のリポートを取り上げるのはこのブログの特徴のひとつなんですが、何分、大部に渡る英文リポートですし、そもそも、まだ見てもいませんので、日を改めたいと思います。

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