景気動向指数に見る我が国景気は1-3月期に一時的なピークか?
本日、内閣府から11月の景気動向指数が発表されています。ヘッドラインとなるCI一致指数とCI先行指数ともに前月より上昇しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
11月の景気一致指数、5年4カ月ぶり高水準
0.1ポイント上昇
内閣府が10日発表した11月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が0.1ポイント上昇の110.5だった。リーマン・ショック前の08年7月(110.7)以来5年4カ月ぶりの高水準で、3カ月連続で上昇した。
11月の有効求人倍率が6年1カ月ぶりに1倍台を回復したことに加え、気温が下がり衣料品をはじめとした季節商品の販売が伸びたことが寄与した。内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を前月までの「改善を示している」で据え置いた。
数カ月後の先行きを示す先行指数も1.0ポイント上昇の110.8となり、07年5月(111.4)以来6年6カ月ぶりの高水準だった。4月からの消費増税を前に需要が堅調な自動車の在庫率が下がったほか、新設住宅着工床面積が増加。住宅や自動車に使われる鉄鋼の在庫率も低下した。東証株価指数(TOPIX)の上昇も指数を押し上げた。
景気に数カ月遅れる遅行指数は1.8ポイント上昇の114.7だった。08年12月(116.6)以来4年11カ月ぶりの高水準。企業の業績改善を受けて法人税収が増えたたほか、完全失業率も改善した。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDIは一致指数が85.0、先行指数が77.8だった。
いつもながら、簡潔によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数とCI先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、直近の景気の谷は2012年11月だったと仮置きしています。

引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「改善」で据え置いています。11月のCI一致指数では、有効求人倍率(除学卒)、小売業の商業販売額(前年同月比)、耐久消費財出荷指数などが指数の押上げに寄与し、逆に、中小企業出荷指数(製造業)、大口電力使用量などがマイナスに寄与しています。駆込み需要もあって、我が国の景気は順調に回復・拡大しています。昨夜のエントリーで取り上げた帝国データバンク景気動向調査でも景気DIは着実に上昇を続けており、おそらく、今年1-3月期が一時的な景気のピークになることは間違いありません。さらに、4月からの消費税率引上げは、経済対策の効果もあって、景気後退を招くほどの大きなネガティブなインパクトを及ぼすわけではないと、多くのエコノミストは予想しています。
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