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2014年3月 8日 (土)

米国雇用統計のグラフィックス

昨日3月7日、米国の労働省から2月の米国雇用統計が発表されています。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は前月から+175千人増加した一方で、失業率は0.1%ポイント上昇して6.7%になりました。いずれも季節調整済みの統計です。まず、New York Times のサイトから記事の最初の3パラだけ引用すると以下の通りです。

U.S. Job Gains Likely to Allay Anxiety After a Dismal 2 Months
The American economy stirred to life last month, creating more jobs than in the previous two winter months and raising hopes that momentum in the labor market would gradually pick up as the cold weather in many parts of the country eases with the arrival of spring.
The report from the Labor Department for February, which came on Friday after job figures for December and January that were much weaker than the underlying trend, eased fear that the economy was downshifting to a slower pace. The data led some experts to conclude that weather, not a fundamental slowdown, was a major factor behind the recent shortfalls.
With employers hiring 175,000 workers, the payroll gain in February was hardly cause for celebration ? it was still well short of the pace needed to return the economy to full employment in the next few years. But it was twice the number added in December, when the cold and snow arrived.

この後に、エコノミストへの取材結果などが続くんですが、まずまずよく取りまとめられている印象があります。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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市場の事前コンセンサスでは雇用者像は150千人程度と見込まれていましたし、2月の猛烈な寒波による悪影響の予想を考慮すれば、雇用者数の伸びはかなり堅調と私は考えています。足元の2月の統計だけでなく、先月1月も先々月12月も雇用者増は昨日の公表で上方改定されています。もっとも、失業率はわずかながら0.1%ポイント上昇しましたが、あまり大きく変化した気はしません。米国労働省では "little change" と表現しているようです。ただし、報道されている範囲では、雇用者数の伸びはサービス部門の派遣などの短期雇用者の増加であり、いわゆる decent job が増加しているわけではない可能性が指摘されています。

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また、日本の経験も踏まえて、また、現在の欧州中央銀行のスタンスも参考に、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、ほぼ底ばい状態が続いている印象です。逆にいえば、サブプライム危機前の+3%超の水準には復帰しそうもないんですが、底割れして日本のようにゼロやマイナスをつけて、デフレに陥る可能性は小さそうに見えます。

米国連邦準備制度理事会 (FED) のイエレン議長は先月2月27日の上院銀行委員会の公聴会で、今秋に量的緩和 (QE3) は終了するとの見通しを示しており、雇用統計の結果はこの見方をサポートしているように私は受け止めています。

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