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2014年3月26日 (水)

企業向けサービス価格上昇率は安定してプラスを続ける!

本日、日銀から2月の企業向けサービス価格指数 (CSPI) が公表されています。ヘッドラインで見て前年同月比+0.7%の上昇、変動の大きい国際運輸を除いたコアCSPIでも+0.5%と、安定したプラスが続いています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月企業向けサービス価格 10カ月連続上昇 建設単価上昇で
日銀が26日発表した2月の企業向けサービス価格指数(2005年平均=100)は96.5と前年同月比0.7%上昇した。プラスは10カ月連続。建設労働者の賃金が上昇した一方で、前年に比べて円安進行のペースが鈍ったことで輸出入など運輸関連の伸びが鈍化。伸び率は前月比横ばいだった。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。今回数値を精査した結果、過去の公表数値の一部を見直した。全137品目のうち前年比で上昇した品目数は63、下落は44。6カ月連続で上昇が下落を上回った。
業種別にみると、上昇に寄与したのは土木建築など諸サービスで1.6%の上昇。国土交通省が、国や自治体が公共事業の費用を見積もる際に使う「労務単価」を2月から引き上げたことで、土木建築サービスが5.8%上昇した。上げ幅は前月(2.8%)と比べ拡大した。宿泊サービスは東京や大阪で出張や観光による利用が好調で、4.0%上昇した。
一方、上げ幅を縮める要因となったのは運輸。1.4%の上昇と、前月から0.8ポイント上げ幅を縮めた。前月に比べて円安の進行が一服したことで、主にドル建てで取引される外航タンカーなどの運賃を円換算した価格が伸び悩んだ。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(CSPI)とコアCSPIの上昇率とともに、企業物価(CGPI)上昇率もプロットしています。CSPI上昇率がCGPIに追い付いたように見えなくもありませんが、左右の軸で目盛りが異なりますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、直近の景気の谷は昨年2013年11月だったと仮置きしています。

photo

ヘッドラインの前年同月比上昇率への寄与度で見て、相変わらず、運輸が+0.31%と大きいんですが、2月の寄与度の+0.52%からは縮小しました。引用した記事にもある通り、土木建設サービスをはじめとする諸サービスがウェイトが大きいこともあって+0.50%と運輸を上回る寄与度を示しています。金融・保険も昨年10月から前年同月比でコンスタントに+1%台半ばの上昇率で2月の寄与度も+0.08%を記録しています。ただ、技術革新の速度が大きい情報通信は▲0.20%とマイナス寄与を示しています。全般的な印象として、CSPI らしいというか、為替動向の影響が剥落しつつあり、その分、上昇率の高まりに一服感が見られる一方で、需給ギャップに応じた動きとなっていることが確認されたと私は受け止めています。
先月の統計発表時にも指摘した点ですが、ラスパイレス指数の上方バイアスについては、消費者物価指数(CPI)や企業物価指数(CGPI)が2010年基準に移行しているにもかかわらず、企業向けサービス価格指数(CSPI)が2005年基準のままなので、決して無視はできませんが、よくよく考えれば、私の直感でも、財貨(グッズ)に比べてサービスのバスケットは相対的に安定しているのではないかという気がしています。例えば、財貨(グッズ)について考えると、2005年時点ではほとんどウェイトがゼロだったと想像されるスマートフォンは現時点でもはや無視できませんし、薄型テレビについてもよく似た時点があった気がします。従って、総務省統計局によるCPIの中間年見直しでは、ハードウェアであるスマートフォンとその通話料金をCPIバスケットに取り込んだりしています。他方、何らかの確認をしたわけではなく、単なる私の直感ですが、サービスではバスケットの変更の規模は財貨ほどではなさそうな気もします。ですから、基準年改定の実務的な問題の方が理由としては大きそうですが、CSPIの基準年改定がCPIやCGPIから遅れても問題視されないんだろうと受け止めています。もちろん、技術革新の影響もあって下落を続ける情報通信の指数水準は2005年基準で2月にはほぼ60のレベルまで下落していますから、それなりにウェイトも高まっている可能性も否定できず、当然ながら、ラスパイレス指数の上方バイアスは否定のしようもありません。

いずれにせよ、先月と同じ結論ですが、日銀の想定するインフレ目標の達成に向けて、国内景気はゆるやかな回復ないし拡大の経路に乗っている、と私は考えています。もっとも、4月からの消費増税の負のショックの程度を想定内と仮定すれば、という前提なのは当然です。

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