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2014年4月28日 (月)

商業販売統計は消費税率引上げ前の駆込み需要で大幅なプラスを示す!

本日、経済産業省より3月の商業販売統計が発表されました。名目個人消費の代理変数と私が考えている小売売上は季節調整していない原系列の統計の前年同月比で+11.0%増、季節調整指数の前月比でも+6.3%増と、消費増税前の駆込み需要で大幅に増加しました。エコノミストの景気判断には何の参考にもなりません。と言いつつ、まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

13年度の小売販売額、2.9%増 駆け込みで22年ぶりの伸び率
経済産業省が28日発表した商業販売統計(速報)によると、2013年度の小売業の販売額は141兆円1330億円と、前年比で2.9%増えた。増加は4年連続で、前年度比の伸び率は、1991年度以来(4.7%)以来22年ぶりの大きさだった。景況感の改善に加え、14年4月の消費税引き上げを前に、年度後半にかけて駆け込み購入が自動車や家電など高額品を中心に広がった。
3月の小売業の販売額は13兆7310億円と、前年同月比で11.0%増えた。3月としての伸び率は前回の消費税引き上げ直前の97年(12.4%)以来16年ぶりの大きさだった。小売業の内訳をみると、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど大型家電の販売が伸び、機械器具が37.5%増だった。調味料や酒類など比較的日持ちのする商品の買いだめで、飲食料品も5.1%増だった。
大型小売店は17.0%増の1兆9562億円だった。このうち百貨店は25.3%増、スーパーも11.1%増だった。コンビニエンスストアは7.6%増の8723億円。消費増税を控え、たばこなどの購入が増えた。

いつもながらよく取りまとめられた記事だという気がします。次に、商業販売統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整していない原系列の小売販売の前年同月比伸び率を、下のパネルは小売業の2010年=100となる季節調整指数を、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期です。なお、毎度のお断りですが、このブログのローカル・ルールで、直近の景気の谷は2012年11月であったと仮置きしています。

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最初に書いたように、消費増税直前の駆込み需要により小売販売は大幅に増加を示しています。景気判断の情報を得ようとするエコノミストには何の参考にもなりません。なお、前回の消費税率引上げがあった1997年4月の直前の3月には、引用した記事にもある通り、前年同月比で+12.4%の増加を記録しています。引用した記事にはないんですが、その後、12か月連続で前年同月比はマイナスに落ち込みました。今回、3月の前年同月比は+11.0%でしたので、以前から直感的に「1997年の消費増税に比較して、今回は駆込み需要は大きくない」と感じていましたが、やっぱり、同程度の大きさはあったことを統計は示しています。足元の4月から12か月連続の前年同月比マイナスに陥るのかもしれません。

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