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2014年5月 8日 (木)

三菱UFJリサーチ&コンサルティング「新入社員意識調査アンケート結果」に見る今年の新入社員のワーク・ライフ・バランス観やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、先週5月2日に三菱UFJリサーチ&コンサルティング「新入社員意識調査アンケート結果」が公表されています。こういった新入社員に対するアンケート調査結果は何種類かこのブログでも取り上げましたが、日本生産性本部と三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査だけは定点観測のように毎年取り上げています。でも、今年はこれで新入社員アンケートについては最後になりそうな気がします。まず、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのサイトから調査結果のポイントを4点引用すると以下の通りです。

アンケート調査結果概要
  • 男性は出世意欲が強いが、女性は好きな仕事を楽しくする方が重要。理想の上司は「武田信玄」が連覇。
  • 30歳で自分の年収は「300-500万円程度」と予想。
  • 今の日本は「曇り」。中福祉中負担の「日本型社会」が維持されることを希望。
  • 8割弱が30歳で自分が結婚していると思っている。約4割は子どももいるだろうと予想。

というわけで、調査結果のリポートからいくつかグラフを引用しつつ、理想の上司など、上に引用したポイントはあまり気にせずに、リポートのサブタイトルになっている「重視されるワーク・ライフ・バランス」に留意しつつ、リポートを読んで私が重要と考えた点を簡単に紹介したいと思います。

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まず、リポート p.4 図表4.会社に望むこと を引用すると上の通りです。見ての通り、「人間関係がよい」がダントツで、続いて「自分の能力の発揮・向上ができる」が重視されています。その下の第3位からもワーク・ライフ・バランスの観点から重要なポイントが上がっていると私は受け止めています。これに対応するように、グラフの引用は省略しますが、p.5 図表6.仕事・職場生活に関する不安 では最大の不安に「上司・先輩・同僚との人間関係」が上げられています。また、2番目と3番目には、「仕事が自分に合っているか、うまくできるか」と「環境の変化に心身がうまく対応できるか」が上がっています。これを詳しく見たのが下のグラフです。

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ということで、続いて、上のグラフはリポート p.5 図表7.仕事・職場生活に関する不安 を引用しています。2つ取り上げられている「仕事が自分に合っているか、うまくできるか」と「環境の変化に心身がうまく対応できるか」については、前者の不安が絶対的なシェアとしては大きいんですが、ここ10年ほどでジワジワと下降線をたどっています。逆に、後者の不安は絶対的なシェアは前者よりも小さいんですが、徐々に上昇傾向にあるのが見て取れます。この最近の傾向について、リポート p.5 では「ゆとり世代が増えてきていることが、仕事に対する適性以前の問題として社会人になるという環境の変化にすら不安を抱いてしまう人を増加させる背景にあるのかもしれない。」と分析しています。

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続いて、ワーク・ライフ・バランスの極めつけである余暇とお給料の関係について、上のグラフはリポート p.6 図表8.給料と残業に対する考え方 を引用しています。伝統的な経済学では、労働は余暇を犠牲にして所得を得る手段と見なされており、余暇と賃金はトレード・オフの関係にあります。そして、グラフから明らかな通り、ここ何年かで新入社員の選好関数は徐々に賃金から余暇にシフトしているように見えます。その昔のバブル経済期には栄養ドリンクのコマーシャル・ソングに「24時間戦えますか?」というセリフがあって、私は生物学的にムリだろうと冷ややかに受け止めていたんですが、このバブル期には現時点に比べて余暇よりも賃金が選好されていたんではないかと、直感的に考えられる一方で、最近は徐々に賃金よりも余暇を選好する新入社員が増えている可能性が示唆されています。

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最後に、上のグラフはリポート p.17 図表28.将来に関する不安 (性別) を引用しています。最初にグラフを引用した現在の職場の不安ではなく、新入社員の将来不安ですから、50を超えた私なんぞの目先の不安ではなく、長い長い先の不安なんでしょうが、男性には「お金に関すること」が、女性には「生活に関すること」が、それぞれ、将来不安に見えがちなのは理解できるような気がします。

定番の設問として、「定年まで勤めるか、転職を希望するか」というのと、「海外勤務の希望」が抜けているように見えるかもしれません。いずれもワーク・ライフ・バランスの観点から重要と私は考えるんですが、前者は2012年から問いが変更されて回答の連続性が欠けると判断しました。また、後者は設問がそもそもありませんでした。別のアンケート調査を参照ください。

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コメント

社会人になるということに対する「不安」というのは、私も35年前に持っていたと思います。最近、採用面談をしますが、彼らも気張った顔の裏にそれを持っていることでしょう。仕事にあっているか、なんて学生さんに判るわけはありませんから、環境の変化に上手く対応できるということを重視するのは、それなりに賢くなっているのだなと感じました。

投稿: kincyan | 2014年5月10日 (土) 06時32分

まったく、お説の通りだと思います。
私は小学校から中学校に上がって電車で通学することに不安を覚えた記憶があるんですが、親元を離れて就職する時の不安はもっと大きかったろうと思います。
また、最近ではいわゆる「ブラック企業」というのがありますから、学生も慎重にならざるを得ない側面もあるような気がします。

投稿: ポケモンおとうさん | 2014年5月10日 (土) 07時35分

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