来週発表の2次QEは1次QEからわずかに下方修正か?
今週月曜日このブログでも取り上げたように法人企業統計が発表され、来週月曜日の6月9日に今年2014年1-3月期GDP速報2次QEが内閣府より公表される予定となっています。必要な経済指標がほぼ出尽くし、シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、先行き経済の動向に関する記述を取っているつもりですが、何分、2次QEですのでおおむねアッサリしたものだったりします。一応、先行きに言及しているのは、みずほ総研と伊藤忠経済研の2機関だけであり、この2機関についてはヘッドラインも長めに引用してあります。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
内閣府1次QE | +1.5% (+5.9%) | n.a. |
日本総研 | +1.4% (+5.5%) | 1次QEから下方修正される見込み。 |
大和総研 | +1.4% (+5.8%) | 若干ながら一次速報から下方修正される見通しである。 |
みずほ総研 | +1.7% (+6.8%) | 4-6月期は年率▲4%前後の大幅なマイナス成長を予測。駆け込み需要の反動で、個人消費や住宅投資が落ち込む見込み。もっとも、7-9月期にはプラス成長に復し、景気後退は回避する見通し。 |
ニッセイ基礎研 | +1.5% (+6.0%) | 1次速報の前期比1.5%(年率5.9%)とほぼ変わらないだろう。 |
伊藤忠経済研 | +1.3% (+5.5%) | 4-6月期の実質GDP成長率を前期比年率▲5.8%と予想している。ただし、日本経済の落ち込みは一時的にとどまり、景気後退へは向かわず、7-9月期以降は年率2%程度の成長軌道へ復帰すると想定している。 |
第一生命経済研 | +1.4% (+5.7%) | 設備投資が上方修正、在庫投資が下方修正されるとみられるが、いずれも修正は小幅で、GDP成長率も1次速報からほとんど変化なしと予想する。 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | +1.4% (+5.7%) | 1次速報の前期比年率5.9%から同5.7%に小幅下方修正されると予想する。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +1.4% (+5.6%) | 下方修正が見込まれる。 |
三菱総研 | +1.4% (+5.7%) | 1次QE時点から小幅の下方修正を予想する。 |
日本経済研究センター | +1.4% (+5.6%) | 小幅下方改定される見通し。 |
GDP統計のヘッドラインとなる成長率については、先月発表された1次QEからほぼ修正なしで、どちらかと言えば下方修正の可能性が高いものの、それでも消費増税前の駆込み需要などに支えられて前期比年率で+5%台後半の高い成長率が見込まれています。先行きについては、足元の4-6月期にマイナス成長に陥ることは確実としても、7-9月期にはプラス成長に復帰して、2四半期連続のマイナス成長というテクニカル・リセッションを記録することはない、との見通しがエコノミストの間の緩やかなコンセンサスではないかと私は受け止めています。
下のグラフは、かなり私の実感に合致するという意味で、伊藤忠商事経済研のリポートから引用しています。設備投資と在庫投資が1次QEから下方修正される一方で、その他の需要項目にはほとんど変化なく、全体として成長率が下方改定される形になっていますが、前期比年率成長率で5%台半ばから後半くらい、という結果です。
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