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2014年7月30日 (水)

大きく低下した鉱工業生産をどう見るか?

本日、経済産業省から6月の鉱工業生産指数が公表されています。消費税率の引上げにより3月までの駆込み需要に代わって4月から反動減が始まり、4月の生産は季節調整済みの前月比で▲2.8%減と大きな減産を示しましたが、5月には早くも減産がほぼ終了して、+0.7%と小幅ながら増産を記録した後、6月は再び減産に転じて▲3.3%を記録しています。かなり大きな減産幅だと受け止めています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

6月の鉱工業生産指数3.3%低下 東日本大震災以来の下げ幅
経済産業省が30日発表した6月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は96.7だった。前月比で3.3%低下した。マイナスは2カ月ぶり。低下幅は東日本大震災のあった11年3月(16.5%)以来の大きさだった。消費増税に伴う駆け込み需要の反動減や海外需要の減速などを背景に、耐久消費財を中心に生産が落ち込んだ。
経産省は生産の基調判断を「横ばい傾向にある」から「弱含みで推移している」へと変更した。下方修正は12年9月以来。
業種別でみると、15業種のうち14業種が低下、1業種が横ばいで、上昇した業種はなかった。自動車をはじめとする輸送機械は3.4%低下、パソコンや携帯電話を含む情報通信機械も9.0%低下した。
出荷指数は1.9%低下の95.2だった。「生産の抑制が出荷の低迷に追いついていない」(経産省)という。在庫指数は1.9%上昇の110.5、在庫率指数は3.5%上昇の111.6だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、先行きは7月が2.5%上昇、8月は1.1%上昇する見込み。経産省は「6月の実績が悪く、発射台が低くなっため」と分析している。
4-6月期の四半期ベースの鉱工業生産指数は前期比3.7%低下の98.7だった。四半期ベースのマイナスは6期ぶり。駆け込み需要の反動などで低下幅は11年4-6月期以来(4.1%)の大きさだった。

長いながら、網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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上のグラフの上の方のパネルを見て、生産が頭打ちになって弱含んでいるように見えます。季節調整済みの系列で、鉱工業生産指数は2014年1月の103.9をピークに、6月の96.7までジグザグしつつもほぼ一直線に低下しています。このピークは実は鉱工業生産と相関が極めて高い景気動向指数でも見られており、CI一致指数もCI先行指数も2014年1月をピークに下がり続けています。この日本経済の現状について、エコノミストの間で見方が3つに分かれているような気がします。強気な方から順に、第1はV字回復説です。根拠は引用した記事にもある通り、製造工業生産予測調査で7月が+2.5%、8月も+1.1%のそれぞれ増産を見込んでいるからです。これを生産全体に当てはめれば、8月の生産指数は100.2となり、上のグラフの赤い折れ線で1月をピークに6月まで下げたうちの半分くらいまで、まさに、V字回復することになります。強気と弱気の間で、第2に消費増税ショック説です。4-5月くらいまでは消費増税のショックは「想定内」の大合唱だったんですが、先日の「経済財政白書」の分析にも見られる通り、実は今回の駆込み需要は1997年時を上回っていた、との結果が明らかにされ、そのマイナスの消費税ショックを引きずっている、という説です。最後の弱気な見方は、第3にそもそも需要が弱い説です。足元の需要が弱い原因は、消費税ショックに加えて海外景気であり、北米の1-3月期の寒波による伸び悩みがあり、欧州の景気回復が極めて緩やかで、また、中国をはじめとする新興国の景気の停滞などのため、我が国に輸出が伸びないことから需要が弱くて生産が低迷している、という説です。この第3の説を取る場合、すでに景気後退に入っている可能性も否定し切れません。ということですが、私は第1と第2の説の中間くらいと見込んでおり、ただし、その前提は欧米に加えて新興国でも景気が回復に向かい、我が国からの輸出の伸びが高まる、という点が満たされなければならないと考えています。

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今朝の鉱工業生産指数の発表で今年2014年4-6月期までの統計が利用可能になりましたので、見ての通り、上のグラフは在庫循環図です。リーマン・ショック直前の2008年1-3月期に第1象限の45度線の少し上の緑色の矢印から始まった在庫循環は、2014年4-6月期に黄色の矢印に達しました。2013年10-12月期から2014年1-3月期まで3四半期連続で在庫の前年比マイナス、出荷の前年比プラスを記録し、出荷が順調に伸びて在庫を減らす第2象限の局面を経て、消費増税後の2014年4-6月期には第1象限に戻り、しかも、45度線を越えてしまいました。極めて教科書的な理解で言えば、出荷・在庫ともに増加する意図した在庫積増し局面をすっ飛ばして、景気の山を越えて意図せざる在庫積上がり局面に入ったことになります。先ほどの3つの見方のうちの第3のケースと整合的とはいえ、もちろん、現実の経済はそこまで単純ではないので、今後、45度線の左側に戻るかどうかを注目したいと思います。

最後に、来月8月13日には4-6月期のGDP統計の1次QEが発表されます。極めて大雑把かつ直感的に、実質GDP成長率は年率で見て、4-6月期は▲5%を越えて▲10%近いマイナス成長、7-9月期は大胆に+2-3%のプラス成長と予測しておきます。

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