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2014年8月26日 (火)

消費増税による需給ギャップの悪化にもかかわらず安定してプラスを続ける企業向けサービス物価

本日、日銀から7月の企業向けサービス物価(SPPI)が発表されています。前年同月比上昇率で見てヘッドラインSPPIが+3.7%、国際運輸を除くコアSPPIも+3.7%となり、いずれも前月から上昇率は変わらず、安定的にプラスを続けています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の企業向けサービス価格、前年比3.7%上昇 増税除く伸び率0.9%
日銀が26日発表した7月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は102.7と、前年同月に比べ3.7%上昇した。6月の確報値(3.7%上昇)と同じで、1990年12月(4.1%上昇)以来の水準となった。消費増税の影響を除く伸び率は0.9%だった。
消費増税の影響を除いたベースで品目別に見ると、宿泊など諸サービスが1.0%上昇した。宿泊サービスは旺盛な観光需要を背景に伸び率が拡大し、5.6%上昇となった。金融・保険では料金改定に伴う損害保険が上昇に寄与した。
一方で広告は上昇率が低下した。昨年に少額投資非課税制度(NISA)など金融関連の出稿が多かった反動が出た。新聞広告は前年に参院選関連の出稿が多かった反動でマイナスに転じた。
朝夕の割引を始めた有料道路など運輸・郵便が下落した。外航貨物輸送は外国為替市場で円相場が前年に比べて円高方向に振れたことから、マイナスとなった。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引される価格水準を示す。調査対象の147品目のうち上昇が79品目に対し下落は49品目と、10カ月連続で上昇が下落を上回った。上昇と下落数の差は40となり2010年基準では最も高かった。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルはサービス物価(SPPI)と国際輸送を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしています。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

前年同月比の上昇率で見て、国内企業物価が6月+4.6%から7月+4.3%へ、消費税を除くベースでも6月+1.7%から7月+1.5%に、それぞれ上昇率を低下させているのに対して、企業向けサービス物価は消費税を含むベースでは+3.7%、除くベースでも+0.9%と上昇率の伸びの加速は止まったものの、上昇率が鈍化する局面には達していません。逆に、消費税を除くベースのコアSPPI上昇率は6月の+0.9%から7月は+1.0%に、むしろ加速していたりします。品目別に見れば、引用した記事にもある通り、広告や運輸・郵便などがマイナス寄与を示した一方で、宿泊サービスや土木建設サービスなどの諸サービス、建設機械レンタルなどのリース・レンタルなどがプラス寄与を示しています。品目別ではなく集計量としてのマクロで考えると、4月の消費増税に伴ってGDP成長率は大きなマイナスに転じましたし、4月以降、需給ギャップは確実に悪化したハズなんですが、需給ギャップに敏感といわれるSPPIの前年同月比上昇率に鈍化がみられず、反対に加速しているのは、サービス価格は財価格に比べて粘着性や特に下方硬直性が高いのもさることながら、消費税率引上げ部分の転嫁を含めて、着実に製品やサービス価格の引上げが進んでいるひとつの象徴と私は受け止めています。需給ギャップに従って物価が上がるのが蓋然性としてもっともあり得るわけですし、価格メカニズムによる調整という意味で好ましくもあるんでしょうが、物価をターゲットとした日銀の金融政策による政策効果が出ている可能性も見逃すべきではありません。

消費者物価(CPI)のウェイトは財とサービスがほぼ半々で、総務省の資料によれば、財が1万分の4,931でサービスは5,069となっています。企業向けサービス物価(SPPI)がそのまま川下のCPIのサービス価格に反映されるわけではありませんが、デフレ脱却と日銀の物価目標2%達成に向けてSPPIも注目の指標のひとつです。

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