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2014年10月 9日 (木)

機械受注は調整局面を終えて増加に転じたか?

本日、内閣府から8月の機械受注が発表されています。船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注で見て前月比+4.7%増の8078億円を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月機械受注4.7%増 非製造業けん引、基調判断を上方修正
内閣府が9日発表した8月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比4.7%増の8078億円だった。非製造業がけん引して#カ月連続で増加した。QUICKが8日時点でまとめた民間予測の中央値(1.0%増)を上回った。
内閣府はプラスが3カ月連続で続いたことや7-9月期の見通し(2.9%増)に対する進捗が順調であることから、基調判断を前月の「一進一退で推移している」から「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。9月が4.8%減以上であれば7-9月期の見通しを達成できる。
主な機械メーカー280社が船舶・電力を除いた非製造業から受注した金額は10.7%増の4704億円と2カ月ぶりに増加した。リース業から変圧器などを含むその他重電機で大型案件の受注があったほか、運輸・郵便業から鉄道車両やコンピューターの受注も増えた。
製造業から受注した金額は10.8%減の3246億円と3カ月ぶりの減少。化学工業向けのボイラーやタービンを含む火水力原動機が、前月に大型案件があった反動で落ち込んだ。石油・石炭製品業界向けの化学機械や冷凍機械も減った。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスはコア機械受注で見て前月比+1.0%増でしたから、+4.7%の増加は上のグラフを見ても大きく感じられ、しかも、6月+8.8%増、7月+3.5%増に続いての3か月連続の増加ですし、さらにさらにで、コア機械受注の先行指標である外需も8月は+29.1%増を記録しましたので強い動きと考えるべきであり、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府は「一進一退で推移」から「緩やかな持ち直しの動き」に基調判断を上方修正しています。8月単月の8000億円の水準はほぼ今年2014年の1-2月くらいに相当します。内閣府公表の2014年7-9月期見通しでは、コア機械受注は前期比+2.9%増を見込んでいますが、9月統計が2ケタ減などの大幅な減少を示さない限りは7-9月期は前期比プラスを記録する公算が大きく、見通しは達成されそうとの引用記事に私も同意します。加えて、コア機械受注が先行指標となっているGDPベースの設備投資についても1-2四半期遅れで年内くらいに調整局面を終え、年明けからプラスに転じる可能性が高く、今年度2014年度は日銀短観の設備投資計画に近い前年比プラスを達成する可能性が十分に出て来たと私も受け止めています。機械受注統計を離れても、2008年のリーマン・ショック後に設備投資は固定資本減耗を下回って推移してネットの資本ストックが減少している可能性が高いことから、更新投資が出るだけでも設備投資が増加する上に、労働市場のひっ迫からも労働代替的な省力化設備への投資が出始めることも予想され、来年からは本格的な設備投資の増加が見込めると考えられます。ただひとつの不安要素は輸出であり、米英を例外として欧州や新興国などの海外経済の動向が懸念されるところです。

どこまでの力強さが見込まれるかは別として、設備投資が来年年明け以降に増加に転じるとすれば、景気局面としては山谷を付けずに回復ないし拡大局面をキープすることも考えられます。もちろん、2012年のミニ・リセッションのように山谷を付ける可能性も否定できません。私の直感では前者の山谷を付けない、ではないかと思うんですが、シンクタンクの見方も分かれています。以下の通りです。私の見方は三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所やみずほ総研に近いと受け止めています。

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