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2014年11月25日 (火)

企業向けサービス物価 (SPPI) 上昇率はどうして上がったのか?

本日、日銀から10月の企業向けサービス価格指数 (SPPI) が公表されています。消費税の影響を含むベースで前年同月比上昇率が9月の+3.5%から10月は+3.6%に0.1%ポイント上昇幅を拡大しています。消費税の影響を除くベースでも同様で、10月の前年同月比上昇率は+0.9%と前月から上昇幅を0.1%ポイント拡大しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

10月企業向けサービス価格、前年比3.6%上昇 増税除く伸び率は01年以降で最大
日銀が25日発表した10月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は102.5と前年同月に比べ3.6%上昇した。伸び率は前月から0.1ポイント拡大した。企業収益の好調さを背景に広告などが伸びた。消費税引き上げの影響を除く伸び率は0.9%と、増税の影響を除くベースで前年比の比較が可能な2001年1月以降では最も高い伸びだった。
広告が前年同月比4.5%上昇と、プラス幅を拡大した。収益が好調な自動車や電気機械からの出稿が増え、新聞広告などが上昇に寄与した。情報通信もプラスだった。仮想店舗の売り上げ好調を背景に、インターネット付随サービスの伸びが目立った。
一方、道路貨物輸送などを含む運輸・郵便は前年比のプラス幅は9月から横ばいだった。輸送会社のコスト転嫁意欲は強く「供給力不足をてこにした値上げ交渉は続いている」(日銀調査統計局)という。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引される価格水準を示す。
調査対象の147品目のうち、上昇が84品目に対し下落は38品目と13カ月連続で上昇が下落を上回った。上昇品目数は現行基準としては最多だった。日銀は「企業サービス関連の支出の明るさは続いている」(調査統計局)と見ている。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルはサービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしています。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

企業向けサービス物価上昇率が+0.1%ポイントなりとも前月から上昇幅を拡大したのは、品目別に見て引用した記事の通りであり、オンライン・ショッピングの売上げ好調を背景としたインターネット関連の情報通信が寄与度で+0.10%、新聞広告やテレビ広告も企業の好調な売上げや収益に支えられて寄与度で+0.08%と上昇幅拡大に寄与しています。このあたりはトリクル・ダウン効果が現れている分野なのかもしれませんが、取りあえず、物価ですので直接の効果の計測は困難です。それよりも大きなパズルは、先月のSPPI発表時の10月27日付けの記事でも書きましたが、上のグラフにも見る通り、企業向け物価(PPI)上昇率が年央くらいから上昇幅を縮小させている一方で、企業向けサービス物価(SPPI)の上昇率が一向に鈍化せず、逆に、ここ2-3か月で加速している事実をどう説明するかです。何度か繰り返したように、一般にSPPIはPPIよりも需給ギャップに敏感と目されており、4月の消費増税ショックに起因する内需の低迷と整合性に疑問が生じます。単なる品目ごとの動向から全体を類推する手法では、モノのPPIがエネルギー価格の低下を主因として上昇率を鈍化させている一方で、サービスのSPPIは人手不足の影響による賃金上昇がより大きく反映されている、というのは何ら間違いではなく、その通りなんでしょうし、グラフは示しませんが、実は、消費者物価(CPI)の財とサービスのそれぞれの上昇率を見ても、やっぱり同じ傾向が見て取れます。すなわち、財の上昇率が年央くらいから上昇幅を縮小させているのに対して、サービスの上昇率は横ばいを示しています。しかしながら、現時点では、PPIとSPPIの年央以降くらいの動きの違いはエネルギー価格と人件費だけなのかどうか、まだ引き続きパズルが残るかもしれないと私は感じています。

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