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2014年12月25日 (木)

企業向けサービス物価は引き続き堅調に上昇幅を維持!

本日、日銀から11月の企業向けサービス価格指数(SPPI)が公表されています。前年同月比上昇率で+3.6%と前月と同じ上昇幅が継続しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

サービス価格、11月3.6%上昇 円安や人手不足で
日銀が25日発表した11月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)の速報値は102.9となり、前年同月比3.6%上昇した。消費増税の影響を除いた上昇率は0.9%だった。前年同月比上昇率はともに10月と同じだった。円安や人手不足などに伴う値上げを受けて、前月比では増税を含む指数と除く指数がともに0.4%上昇した。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。
増税を除く指数で、外航貨物輸送は円安によって円建て価格が上がり、前年同月比6%上昇した。トラック運転手の人手不足による賃上げなどが影響し、宅配便など道路貨物輸送も上昇した。
全147品目のうち前年同月比上昇したのは88品目、下落は30品目だった。両者の差は58品目と比較可能な11年以降で最も大きく、値上げの裾野の広がりを示した。「企業収益は好調で、サービス支出は底堅い」(日銀調査統計局)という。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルはサービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしています。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

最初に11月の企業向けサービス物価上昇率が10月と同じ上昇幅だったと書きましたが、逆から見て、石油などの国際商品市況の下落に伴う財の企業物価上昇率が消費税の影響を除いて前年比マイナスに落ち込んだのとは異なるコントラストを持って、サービス物価の方は上昇幅を縮小させずに、逆にホンの少しながら、ここ数か月で加速気味となっています。上のグラフで見る通りです。青い折れ線の国内企業物価は上昇幅を縮小させている一方で、赤い折れ線の企業向けサービス物価(SPPI)の総合や緑色の国際委運輸を除くコアSPPIの上昇幅は堅調なまま推移しています。何度かこのブログでも繰り返していますが、国内企業物価(PPI)に比べてSPPIは需給ギャップに対してより敏感なわけですから、ハロウィン緩和に起因する円安については財価格とサーボス価格に同等の影響を及ぼしていると仮定すれば、今年2014年半ば以降の国内景気の低迷に対して、PPIよりもSPPIの方が上昇率が鈍化しないのは、SPPIが人手不足に伴う賃金動向の影響が強いのに対して、PPIは石油価格の下落などの効果がより強く表れているからである、と考えるべきです。ですから、上昇幅を大きく縮小させているPPIほど国内景気は低迷していない可能性が高いといえますが、上昇幅を少し加速させているSPPIほどには需給の引締まりは見られない、というのが正解ではないかと受け止めています。。
さらに、SPPIを品目別により詳しく見ても、特に、特殊要因のような動きを見せている品目もなく、引用した記事の最後のパラに見られる通り、上昇品目の裾野は広がっています。もちろん、足元の動きは様々であり、例えば、SPPIの総合とコアSPPIの両方とも、10月から11月で見て上昇幅は同じでしたが、品目別には運輸・郵便とリース・レンタルがやや上げ幅を拡大した一方で、テレビやインターネットなどの広告が上昇幅を縮小させています。

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