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2015年2月18日 (水)

途上国・新興国において格差や政治はどのように見られているか?

ピケティ教授の『21世紀の資本』の出版あたりから、世界的に格差の議論が盛んになっていますが、私が時折参照しているピュー・リサーチ・センターから2月12日付けで、"Discontent with Politics Common in Many Emerging and Developing Nations" というタイトルで新興国や途上国を対象とするオピニオン・ポールの結果が公表されています。副題が "Widespread Belief That Wealthy Have Too Much Influence" とされていて、新興国・途上国では富裕層の影響力があまりに強大であると見なされているようです。ピュー・リサーチのサイトから図表を引用して簡単に紹介します。

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まず、上のグラフは "Political Dissatisfaction High in Middle East and Latin America" と題されていて、各国別の棒グラフの左側のオレンジ色で示された政治的な不満を持つ比率が、中東やラテン・アメリカのいくつかの国で高くなっていることが示されています。地域ごとのメディアンで見て不満が満足を上回っているのはこの2地域です。逆に、アジアでは地域別で見て満足度がもっとも高かったりします。

次に、"Negative Views about the Economy Linked to Political Dissatisfaction”と題するグラフを引用すると上の通りです。このグラフはフラッシュ・ファイルになっていて、カーソルをポイントすると国名と政治への不満及び経済状況が悪いと考える比率が現れます。いつも書いているところですが、ここでも横軸のx軸に取られた経済状況が悪いと回答した比率から縦のy軸に取られた政治的な不満への因果関係が想定されています。経済が政治を決めるという、ある種の唯物論的な因果関係です。当然ながら、左下にあるほど経済的にも政治的にも悪くなく、右上ほど経済状況が悪くて政治的にも不満が高い、ということになります。傾向線から離れて、経済が悪くないのに政治的な不満が高いのが右上からレバノン、カンボジア、チリ、逆に、経済はそれほどよくもないのに政治的な不満が小さいのが左下からマレーシア、ロシア、エジプトということで、これら6国については国名を特記しているんだろうと思います。なお、どうでもいいことかもしれませんが、ピュー・リサーチのサイトのフラッシュに直リンしていたりします。

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最後に、"Publics in Latin America, Africa Most Likely to Say Wealthy Are Too Powerful" と題するグラフを引用すると上の通りです。富裕層の影響力が大き過ぎると考える比率が高くなっており、特にラテン・アメリカとアフリカで顕著です。富裕層の影響力が大き過ぎるという事実について、やや否定的なニュアンスはあるにしても、それをどう考えるかの問いではありませんから、アジアでもその見方に賛同する比率が過半の60%近くを占めています。

時系列的に、最近時点でこういった格差や政治的な不満が高まっているのかどうかは、この調査だけからは明らかではありません。でも、ひとつの格差に関連する情報として大いに興味をそそられます。

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