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2015年4月30日 (木)

7回イッキの逆転劇でヤクルトを3タテし4連勝!!

  HE
ヤクルト001000000 140
阪  神00001040x 571

ラッキーセブン一気の攻撃で逆転しヤクルトを3タテして4連勝でした。逆転打は上本内野手の満塁走者一掃のツーベースでしたが、その前の藤川俊介選手の粘ったフォアボールも見逃せません。でも、やっぱり、攻撃陣では代打の層が薄いと感じてしまいます。投手陣では先発岩本投手が5回を1失点とまずまずのピッチングで逆転劇をお膳立てしました。今季初の4連勝で一気に波に乗ってゴールデンウィークを突っ走りましょう。

土曜日のジャイアンツ戦も、
がんばれタイガース!

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2か月連続で減産を示す鉱工業生産指数と日銀「展望リポート」の経済見通し

本日、経済産業省から3月の鉱工業生産指数が公表されています。ヘッドラインとなる季節調整済みの前月比は▲0.3%減と、2か月連続の低下を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の鉱工業生産指数、前月比0.3%低下 2カ月連続低下
経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比0.3%低下の98.6だった。低下は2カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は2.3%低下で、市場予想からは上振れた。
経産省は「1-3月でならしてみると上昇基調は変わっていない」として、生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
生産指数は9業種が前月比で低下、上昇は5業種で、1業種が横ばいだった。低下業種をみると、「電気機械工業」が前月比3.7%の低下だった。在庫が高水準にあるエアコンで減産の動きがみられた。「石油・石炭製品工業」は7.7%低下した。
自動車を含む「輸送機械」は前月比1.2%上昇した。国内販売や輸出が堅調なことを受け、普通乗用車や普通トラックの生産が好調だった。国内通信事業者の設備投資を背景に情報通信機械工業は5.4%上昇した。
出荷指数は前月比0.3%低下の97.6と、2カ月連続のマイナス。在庫指数は0.3%上昇の113.3で、2カ月連続のプラスとなった。在庫率指数は0.4%上昇の113.9だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、4月は前月比2.1%上昇、5月は0.3%の低下を見込む。経産省では「4月は電気機械工業や電子部品・デバイス工業等が海外からの受注によって上昇する」とみている。

長いながら、網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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鉱工業生産指数の動向は今年に入ってから少しジグザグを繰り返しており、中華圏の春節直前の1月に+4.1%増の増産を示した後、前月2月は春節効果で▲3.1%減と大きな減産となり、3月も▲0.3%減と2か月連続の減産を記録しました。ただし、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは▲2.3%の減産が予想されていて、レンジでも▲3.5%減から▲0.2%減でしたので上限に近く、これらに比べれば減産幅は小幅にとどまりましたし、加えて、製造工業生産予測調査では足元の4月+2.1%の増産、5月は小幅に▲0.3%の減産が見込まれていますから、統計作成官庁である経済産業省が基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」で据え置いたのも理由があるんではないかと受け止めています。特に、春節効果や何やを四半期データでならして見ると、2四半期連続の増産を示しています。ただし、2-3月の減産の主たる理由は私は海外経済の動向だと考えていますから、先行きはやや不透明な気もします。中華圏の春節効果で1-2月の生産の振れが大きくなったのは事実でしょうし、昨日発表された米国商務省のGDP統計では米国は1-3月期に成長が大きく減速して年率+0.2%となっています。米国連邦準備制度理事会(FED)も昨日の連邦公開市場委員会(FOMC)後のステートメントで "economic growth slowed during the winter months" と景気判断を引き下げています。欧州経済もギリシアの債務問題の解決がくすぶっていますし、最終消費地の米国経済の動向次第ではアジア経済も不安が残ります。こういった米国をはじめとする海外経済の動向が輸出を通じて生産に及ぼす影響がやや不透明であろうと私は予想しています。海外経済の不透明な動向に対応するためにも、賃上げで内需主導の成長経路を進む必要がさらに大きく感じられます。

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ついでながら、3月の生産統計が利用可能になりましたので、四半期ベースで作成している在庫循環図を書いてみました。上の通りです。緑矢印の2008年1-3月期から始まって、リーマン・ショックを経て、黄色矢印の2015年1-3月期まで時計回りに循環しています。昨年10-12月期と直近の今年1-3月期はともに出荷が前年比プラスの在庫率がマイナスですから、出荷・在庫バランスは第2象限にあって、内閣府の「鉱工業の在庫循環図と概念図」に従えば、景気の山を越えて在庫調整を行っている景気後退期にあることになります。

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最後に、本日の日銀金融政策決定会合で「展望リポート」を取りまとめ、政策委員の大勢見通しが上のテーブルのように示されています。成長率も物価上昇率も、私の目から見ていずれも下方修正されているように見えますが、「展望リポート」 p.1 の要旨の3点目では、「2016年度までの見通しを従来の見通しと比べると、成長率の見通しは概ね不変である。物価の見通しは、やや下振れている。」と表現されています。上の表から明らかなんですが、2016年度には消費者物価上昇率はインフレ目標の+2%に達し、現行の8%から10%への消費増税が4月に実施される2017年度についても消費税の影響を除いてほぼ2%の物価上昇率を維持すると見込まれています。

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2015年4月29日 (水)

先発岩田投手の粘りのピッチングでヤクルトに連勝!!

  HE
ヤクルト000000010 1120
阪  神20000100x 390

今日も昨日と同じ3得点ながら、先発岩田投手の粘りのピッチングで東京ヤクルトに連勝でした。マートン外野手の2打点も岩田投手の今季初勝利に花を添えました。開幕3連戦以来の3連勝です。一気に波に乗ってゴールデンウィークを突っ走りましょう。

明日は4連勝目指して、
がんばれタイガース!

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映画「ソロモンの偽証 後編」を見に行く!

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「前編・事件」に続いて、映画「ソロモンの偽証 後編・裁判」を近くのシネコンに見に行きました。原作を読んで結末は知っているにもかかわらず、裁判最終日の緊張感は尋常ではありませんでした。なかなか素晴らしい出来に仕上がっています。「前編・事件」では主役の藤野涼子ばかりに目が行きがちだったんですが、この「後編・裁判」では弁護役の神原和彦もいい出来でした。極めて複雑怪奇で解釈の難しい原作なんですが、おそらく、原作を読んでいない人にも分かるようにということで、いい映画に仕上がっています。
私は言うまでもなく主役の中学生よりもその親の世代なんでしょうが、藤野家のように父母ともにしっかりした家庭でなくても、子供達が帰れる場所を確保するのは親として重要な役割だと実感しました。

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2015年4月28日 (火)

ルーキー江越外野手のスリーランをメッセンジャー投手が守ってヤクルトに先勝!!

  HE
ヤクルト000001000 170
阪  神03000000x 331

阪神の攻撃は3回だけで終わってしまったものの、ルーキー江越外野手のスリーランを先発メッセンジャー投手が7回まで東京ヤクルトを1点に抑えて先勝しました。久し振りの連勝らしいです。明日はルーキーのラッキーパンチがなくても得点できるよう打撃陣の奮起を期待しています。

明日も岩田投手の初勝利と連勝目指して、
がんばれタイガース!

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商業販売統計は昨年消費増税直前の駆込み需要の反動で小売販売が大きなマイナスを記録!

本日、経済産業省から3月の商業販売統計が発表されています。昨年3月は消費増税直前の駆込み需要がもっともはげしかった時期に当たりますので、そのウラ年である今年2015年3月の小売業販売額は前年同月比で▲9.7%減と大きく落ち込みました。季節調整済みの系列でも前月比▲1.2%減となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の小売販売額は前年比9.7%減 下げ幅は過去2番目
経済産業省が28日に発表した3月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比9.7%減の12兆3960億円だった。前年に消費増税前の駆け込み需要があった反動で、下げ幅は1998年3月以来、過去2番目の水準だった。マイナスは3カ月連続。2月は1.7%減だった。
機械器具小売業は白物家電などに駆け込み需要の反動が大きく出て27.9%減と落ち込んだ。原油安の影響で燃料小売業も20%減となったことも響いた。
百貨店とスーパーを含む大型小売店は12.3%減の1兆7149億円だった。既存店ベースの販売額は13%減だった。既存店のうち百貨店は17.7%減、スーパーは10.1%減だった。
コンビニエンスストアの販売額は3.8%増の9054億円。既存店ベースは0.6%減だった。
あわせて発表した2014年度の小売業販売額は前年度比1.2%減の139兆4590億円と、5年ぶりの減少だった。

いつもながら、コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。次に、商業販売統計のグラフは下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期です。

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昨年3月が消費増税直前の時期であり、最後で最大の駆込み需要を示しましたので、その反動減が出ている上に、国際商品市況における石油価格の下落に伴う価格低下の影響も一部の商品には出ているハズですから、3月の小売販売に弱い結果が示されたのは当然です。一応、小売業を業種別に見ておくと、家電の耐久消費財などを含む機械器具小売業が前年同月比▲27.9%の減少、石油価格下落の影響をモロに受ける燃料小売業が▲20.0%の減少、などと大きな減少を示しています。何といっても、商業販売統計は総務省統計局の家計調査と違って、サンプルが大きくて信頼性は高いものの、売上げの変動の小さなサービスの比率が小さいですから、財の小売販売額はサービスに比べて大きな変動を示す場合があります。少なくとも、この3月統計だけを見て消費が大きく鈍化したという結論を出すのは控えるべきではないかという気がします。ということで、さて、消費増税の影響が一巡する足元の4月以降の動向やいかに?

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2015年4月27日 (月)

ゴールデンウィークの読書計画

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いろいろと考えた末に、結局、やや日和って今年のゴールデンウィークの読書計画はシュンペーターの『経済発展の理論』(岩波文庫) に決めて、この週末に近くの図書館で借り受けました。
年末年始は諸行事があって忙しいのに対して、ゴールデンウィークは時間的な余裕もあり、可能な範囲で古典と言われるような名著を、しかも、かなり分厚げな話題の書を読むように心がけており、昨年はリバタリアンのバイブルともなっているやに聞き及ぶアイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』、その前はジャレド・ダイアモンドの3部作、すなわち、『銃・病原菌・鉄』と『文明崩壊』と『昨日までの世界』、その前あたりから記憶が不確かになるんですが、リースマンの『孤独な群衆』やブルクハルトの『イタリア・ルネサンスの文化』などなど、経済に直接関係しない古典を読んでいたんですが、今年は日和ってシュンペーターにしました。『経済発展の理論』はシュンペーターがまだ20代のころの初期に書いた代表作のひとつなんですが、実は、地方大学に出向していた時に、シュンペーターの『資本主義・社会主義・民主主義』を読んだ記憶があり、コチラは後期の代表作のひとつながら、情けないことにサッパリ理解が進まなかった記憶があります。今回はがんばりたいと意気込んでいます。

無理やりながら、「経済評論の日記」に分類しておきます。

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2015年4月26日 (日)

週末のジャズは桑原あい「the Window」を聞く!

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去年春のアルバムですが、桑原あいの「the Window」を聞きました。桑原あいトリオの3枚目のアルバムであり、4月になって、最新アルバム「LOVE THEME」がリリースされています。以下は「the Window」の曲目構成です。スタンダードはまったくありません。

  1. Prelude
  2. "Into the Future or the Past?"
  3. Time window
  4. A little weird
  5. Innocent reality
  6. Empty-window
  7. Whether or not
  8. Of mist, to envelope something
  9. Loveletters
  10. Cradle

その昔のイージーリスニングみたいに、BGMとして流す分にはいいのかもしれませんが、ジャズ本来の緊張感には欠けるんではないかとおもいます。でも、いろんなジャズがあっていいように思います。

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2015年4月25日 (土)

今週の読書は角川インターネット講座第10巻の山形浩生[監修]『第三の産業革命』ほか

今週の読書は角川インターネット講座第10巻の山形浩生[監修]『第三の産業革命』ほか、以下の5冊です。今週は先週までと違って小説をかなり読みました。

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まず、山形浩生[監修]『第三の産業革命』(角川書店) です。クルーグマンやピケティ『21世紀の資本』の翻訳者としても著名な監修者による角川インターネット講座第10巻です。第1部 インターネット経済の原理、第2部 産業の変化、第3部 産業をとりまく環境の3部構成となっており、カール・シャピロ、ハル・ヴァリアン、ポール・クルーグマンなど、名の知れたエコノミストも含む執筆陣が、情報技術の高度化とインターネットの普及が一変させた経済、産業、そして個々の働き方や暮らしについて、また、そのインパクトはどこまで及ぶのか、などなど、現状の見取り図を示すとともに、進行中の「第三の産業革命」を展望しています。やや取りとめがないというか、一貫性に欠けるのはこのシリーズの特徴のひとつかもしれませんが、書下ろしだけでなく、やや古い論文も含めて、経済や国民生活へのインターネットの影響力が概括され、今後の展望も試みられています。今後の展望については大いにコケる可能性があると私は危ぶんでいます。

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次に、松田武『対米依存の起源』(岩波現代全書) です。政治=軍事ないし安全保障と経済と文化の3つのテーマにおける対米依存をあざなえる縄に例えて、戦後日本の対米依存を解き明かそうと試みています。しかし、この著者の専門分野からして、最後の文化に大きな重点が置かれている印象があります。また、文化というよりも教育や研究と言い換えたほうが適当かもしれません。特に、日本アメリカ学会の創設や東大と京大の間でのアメリカ研究セミナーの開催に関する確執などは読ませどころなのかもしれません。でも、米国の日本占領方針が、象徴的な言葉を使えば、「東洋のスイス」から「反共の防波堤」に変化したことによる対米従属の強化だったのであれば、逆の方向からの、すなわち、マルクス主義の陣営からの経済社会の戦後再建策も触れて欲しかった気がします。また、繰返しになりますが、教育・研究でなく文化と主張するのであれば、ハリウッドの映画や米国製のテレビ・ドラマ、消費文化としてのコーラやジーンズなどもそれなりの重要性を持って取り上げて欲しかった気がします。

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次に、伊坂幸太郎『火星に住むつもりかい?』(光文社) です。平和警察なる戦前の特高警察を思い起こさせるムチャで強権的な警察組織が創設され、国民が相互に監視し合って密告し合った上で、平和警察で過酷な尋問が繰り返され、最後は公開処刑でギロチンにかけられる、という世界で、東北大学で開発された強力な磁石を用いた武器を手に入れた「正義の味方」が無実の市民の解放に立ち上がる、というストーリーなんですが、この作者の『ゴールデンスランバー』を思い出した読者も少なくないと思います。『ゴールデンスランバー』では結局主人公が個人的に逃げ切ることに成功する、というストーリーだったんですが、本作では組織的に平和警察を壊滅させるところまで視野に収めます。もっとも、その組織的な成果は目論んだものではなく、往々にして「瓢箪から駒」的な結果であることは言い添えておきます。5部構成なんですが、最後の第5部で、現実にはありえないような、というか、いかにも小説的な展開ですべてが解決されるのはこの作者らしい小説だと受け止めています。私のように、この作者のこういった展開が好きな人は読んでおくべき作品ではないかと思っています。

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次に、万城目学『悟浄出立』(新潮社) です。中国の古典に題材を取った短編集です。『西遊記』の沙悟浄、『三国志演義』の趙雲、項羽の愛人だった虞姫、秦の始皇帝暗殺を志した荊軻というか、同音異字の京科という名の小役人、司馬遷に見向きもされなかった娘の栄、の5人の脇役を主人公に据えています。なぜか、すべて題材の舞台は中国です。こういった古典の現代小説へのカギカッコ付き「改作」による短編は芥川龍之介があまりにも有名ですが、芥川の場合は「蜘蛛の糸」以外の、「羅生門」、「鼻」、「芋粥」などは軒並み日本が舞台と記憶していますし、もちろん、この作品のように脇役を主人公に据え直しているわけではありませんから、趣きはかなり異なっています。でも、私はこの作者の作品はジュブナイル小説まで含めてすべて読んでいると自負していますが、新しい試みであることについては異論なく、成功しているかどうかは読者による判断なんでしょうが、私は控えめに言っても「イイ線行っている」と受け止めています。ただし、この作者の文学作品の幅は確実に広がったとはいえ、この作品のバリエーションが次々と出版されるとは予想していません。

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最後に、池井戸潤『ようこそ、わが家へ』(小学館文庫) です。身近に潜む恐怖ということで、池井戸作品の通常の構成の通り、主人公は銀行員なんですが、仕事上の不正やトラブルだけでなく、家庭生活におけるトラブルにもスポットが当てられています。仕事と家庭の中間的な企業スポーツについては『ルーズヴェルト・ゲーム』があったんですが、モロに家庭生活を扱う池井戸作品は私は初めて読みました。通勤電車での割込みを注意したことから、自宅の花壇が踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれ、さらに、自家用車はひっかき傷をつけられ、部屋からは複数の盗聴器まで見つかります。また、仕事上でも、主人公が銀行から出向している中小企業の営業部長に不正の疑惑を抱いて、逆に窮地に陥ったりします。なお、本作品を原作としてフジテレビで同じタイトルのドラマが放映されていますが、タウン誌の記者の沢尻エリカの役どころは原作にはありません。ご参考まで。

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2015年4月24日 (金)

企業向けサービス物価は上昇率が鈍化しつつもプラス圏内で推移を続ける!

本日、日銀から3月の企業向けサービス価格指数(SPPI)が公表されています。ヘッドラインの前年同月比上昇率は+3.2%、国際運輸を除くコアSPPIの上昇率で見ても同じく+3.2%と前月から上昇率は0.1%ポイント縮小したものの、昨年4月の消費増税の影響を除いても堅調にプラスを続けています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の企業向けサービス価格、前年比3.2%上昇 14年度は3.4%上昇
日銀が24日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は103.0と、前年同月に比べ3.2%上昇した。伸び率は前月から0.1ポイント縮小した。宅配便など運輸関連や宿泊サービスの需要は引き続き高水準だが、消費税率引き上げ前の駆け込みの反動などから伸び率はやや鈍化した。消費増税の影響を除いたベースの伸び率も0.5%と前月から0.1ポイント縮小した。
消費増税の影響を除いて前年同月を上回るのは21カ月連続となる。上昇品目は73で、下落は45。上昇品目と下落品目の差は28と、前月の34から縮小した。日銀は「駆け込み需要の反動に加え、2月の春節による訪日外国人客の増加の効果が剥落した」と説明している。
品目別(消費税の影響を除く)では、宿泊サービスなど諸サービスの伸びが0.9%と2月の1.0%から縮小した。北陸新幹線の開業を受けた値下げもあって国内航空旅客輸送も0.5%と、前月の4.5%から大幅に鈍化した。一方、貸し切りバスなど道路旅客輸送は伸び率が拡大。雑誌広告もマイナスからプラスに転じた。
2014年度は102.5と、前年度比で3.4%上昇した。上昇率は1990年度以来24年ぶりの高水準だった。公共投資の拡大で土木建築サービスの上昇が目立ったほか、労働需給の引き締まりを背景に運輸関連の価格も上昇した。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。価格改定が集中しやすい4月は、好調な企業業績やベースアップ(ベア)による派遣労働サービスの価格引き上げ要請などが相次ぐ見通しだ。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルはサービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしています。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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昨年後半からの国際商品市況における石油価格の下落のため、財を構成要素とする企業物価上昇率は大きく鈍化し、消費増税の影響を除けば前年同月比上昇率で見てマイナスに舞い戻ったんですが、企業向けサービス物価上昇率は消費税の影響を含めて前年同月比で+3%を越え、消費税の影響を除いてもプラスの上昇率を維持しています。企業向けサービス物価では石油価格の影響が小さいことに加えて、賃金の影響がより大きく、人手不足に起因する賃金上昇がよりダイレクトに作用している可能性が高いわけです。例えば、リクルートによる「2015年3月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査」によれば、3大都市圏全体の派遣スタッフの3月度平均時給は前年同月より57円増加して増減率+3.7%を記録しています。こういった賃金上昇の影響をサービス物価は受けやすいと考えられます。同様の傾向は企業間の物価動向だけでなく、消費者物価でも見られ、総務省統計局の消費者物価(CPI)でも財価格の上昇率が石油価格の下落に歩調を合わせて昨年後半から大きく鈍化している一方で、サービス価格は賃金動向に整合的な形で堅調に推移していたりします。

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2015年4月23日 (木)

りそな総研「訪日外国人客による消費額の地域別推計 (2014年)」に見る外国人観光客の消費動向やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、先週金曜日の4月17日に、りそな総研から「訪日外国人客による消費額の地域別推計 (2014年)」と題するリポートが発表されています。注目のアジアからの観光客による消費は地域別に見てどんなもんなんでしょうか。図表を引用しつつ、簡単に紹介したいと思います。
まず、リポートに入る前に基礎的な情報として、3月26日に観光庁から「訪日外国人消費動向調査 2014年 年間値」が公表されており、それに従えば、訪日外国人旅行消費額は、前年の1兆4,167億円に比べて+43.1%増の2兆278億円に上り、国籍・地域別では、中国が対前年2倍を超える5,583億円となり、総額の4分の1を超える額を占めるようになったほか、タイ、台湾、マレーシアなどが対前年で大幅な増加を示しています。また、2014年には買物代が宿泊費を上回ってトップシェアとなっています。といった公的統計を基に推計されたりそな総研のリポートを見ると、以下のようなポイントを取り上げています。

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まず、上の表は地域別の訪日外国人客による消費額をりそな総研が推計した結果を示しています。全国平均で+43.1%増なんですから、関東はほぼアベレージといえ、全国平均を上回っているのは東海・関西・沖縄ということになります。特に消費総額のボリュームも考え合わせると、関西地方へのインパクトは決して小さくないと私は受け止めています。どうでもいいことながら、このりそな総研のリポートも大阪本社の研究員が取りまとめているようです。

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ただ、関西のひとつの特徴として考えるべきは、決して中国からの観光客に偏っているわけではないということです。上のグラフは外国人観光客による消費額の地域別割合を示しており、関西での中国消費は30%に満たない比率となっていて、関東よりやや低く、中国を除くアジアの比率は関東よりも関西の方が高くなっています。この中国・アジア比がさらに大きくアジアに傾いているのが九州です。中国が10%に満たない一方で、アジアは70%近い割合を記録しています。もちろん、関西や九州でも決して中国からの観光客が減っているわけではなく、アジアからの訪日外国人が中国を上回る勢いで増加している結果であると受け止めています。数年前の尖閣諸島領有問題に関する政治的なショックを考慮すると、中国に偏る観光政策にはそれなりのリスクがあるといえますから、中国以外のアジアへの分散を図ることも重要といえます。

最後に、図表は引用しませんが、関西圏の中でも大阪と京都が突出しており、宿泊費や観光地を巡る支出よりも買物支出が大きいことを実感します。神社仏閣に関してだけなら、奈良は京都と肩を並べるくらいの観光資源があるものの、京阪神の後塵を拝しているのはそのためではないかと想像しています。

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2015年4月22日 (水)

久し振りに貿易黒字を計上した貿易統計の先行きをどう見るか?

本日、財務省から3月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、ヘッドラインとなる輸出額は前年同月比+8.5%増の6兆9274億円、逆に輸入額は▲14.5%減の6兆6981億円を記録し、2012年6月以来とても久し振りに貿易黒字+2293億円を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易収支、2年9カ月ぶり黒字 3月は2293億円 14年度は4年連続赤字
財務省が22日発表した3月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2293億円の黒字(前年同月は1兆4501億円の赤字)だった。2年9カ月ぶりに貿易黒字に転じた。QUICKがまとめた民間予測の中央値(479億円の黒字)を上回った。米国向けの自動車輸出などが伸びたうえ、原油価格の下落で輸入額が減った。
輸出額は前年同月比8.5%増の6兆9274億円と、7カ月連続で前年実績を上回った。主な増加品目は自動車や半導体等電子部品、金属加工機械。地域別では米国向けが21.3%増で、自動車や原動機、建設用・鉱山用機械の増加が目立った。欧州連合(EU)は英国向けの自動車などが伸び9.1%増だった。中国を含むアジア向けは、半導体等電子部品の増加などで6.7%伸び、輸出額は3月として過去最大。対中国のみの輸出額は3.9%増で、3月としては2番目の高水準だった。輸出全体の数量指数は前年同月から3.3%増え、2カ月ぶりにプラスとなった。
輸入額は14.5%減の6兆6981億円と、3カ月連続で減少した。原粗油の輸入額は50.7%減と、8カ月連続のマイナスとなった。前年同月は14年4月の消費増税前に駆け込み需要に対応するための輸入が増え、この反動も出た。
地域別の輸入額をみるとアジアは10.7%減で、うち中国からは19.6%減った。2月の春節(旧正月)に生産活動が停滞した影響で、中華圏から完成品などの輸入が減った。輸入全体の数量指数は10.3%減り、2カ月ぶりに前年実績を下回った。為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=119円86銭と、前年同月と比べ17.2%の円安だった。
同時に発表した2014年度の貿易収支は9兆1343億円の赤字(13年度は13兆7563億円の赤字)だった。年度ベースの赤字は4年連続。東日本大震災後の原子力発電所の稼働停止に伴い、火力発電向けの燃料輸入が膨らんだ影響が残った。ただ、14年度後半から原油安の影響で収支が改善傾向となり、単年度の赤字幅は、過去最大だった13年度の約3分の2に縮小した。
輸出額は5.4%増の74兆6709億円と、2年連続のプラスだった。自動車や金属加工機械などの品目で増加した。国別では、米国(7.6%増)やEU(6.4%増)、中国含むアジア(5.0%増)などで前年実績を上回った。輸出全体の数量指数は1.4%増えた。
輸入額は1.0%減の83兆8051億円だった。原油安で中東からの原粗油の輸入が減り、前年度実績を5年ぶりに下回った。一方、円安で円建ての金額が膨らんだ影響もあり、EUからは1.5%増、中国を含むアジアは2.8%増(中国のみでは3.2%増)と、いずれも過去最大となった。

かなり長いものの、適切に取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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繰返しになりますが、季節調整していない原系列の統計では2012年9月以来、2年9か月振りの貿易黒字の計上です。また、季節調整済みの系列でも黒字に転換しており、コチラは震災前の2011年2月以来、実に4年余り振りの黒字ということになります。傾向を見るために季節調整済みの系列のグラフを確認すると、2014年年央くらいから輸出金額が横ばいから増加に転じた一方で、輸入額は消費増税直前の2014年3月をピークに反動減が現れ、さらに、2014年後半から国際商品市況における原油価格の下落などにより、今年2015年2月の春節効果によるジグザグした動きを経て、3月統計では貿易黒字を記録しています。もちろん、日銀の異次元緩和による為替相場の円安傾向も貿易収支の黒字化に寄与していることは言うまでもありません。ただし、この貿易黒字が今後も続くかどうかは不透明だと私は受け止めています。

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ならして見れば、上のグラフのように輸出額は増加傾向にあると私は受け止めていますが、貿易収支の見通しがそれほど安定的ではないひとつの要因は国際商品市況における原油価格の動向です。そして、輸出の動向も海外経済のゆくえに依存する部分が大きく、やや不透明な部分が残ります。上のグラフは季節調整していない輸出額の前年同月比伸び率を輸出価格と数量で寄与度分解したグラフと、下のパネルは輸出指数とOECD先行指数のそれぞれのの前年同月比をプロットしています。ただし、OECD先行指数は1か月のリードを取っていま。OECD先行指数の伸びがここ数か月で再びマイナスに低下しているのが見て取れると思います。目先のトピックでは、米国の異常気象と西海岸港湾の労使紛争の影響が我が国輸出を下押ししている可能性がありますし、ギリシア問題を抱える欧州経済の動向や中国における成長率低下の容認など、世界経済全体がIMF「世界経済見通し」にあったように、潜在成長率の低下の影響を受けている可能性があります。我が国金融政策も追加緩和がウワサに上っている一方で、いつまでも円安の進行が続くはずもないですし、今後、年央にかけて輸出が伸び悩む可能性も否定できません。

我が国の貿易収支は方向としては黒字に向かっていると従来から私は考えていましたが、目先、ここ数か月くらいで貿易黒字が定着するかどうかについてはまだ不透明と言わざるを得ないと受け止めています。

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2015年4月21日 (火)

最終回の4番の決勝打で横浜に競り勝つ!!

  HE
阪  神200100002 590
D e N A000000210 361

奇っ怪なほどにランナーを出さない先発岩田投手が7回に突如として崩れた上に、リリーフの福原投手も同点弾を浴びましたが、何とか4番ゴメス選手の決勝打で競り勝ちました。相変わらず、勝ち味が遅い気がしますが、今シーズンはこんなもんなんでしょう。DeNAには甲子園で3タテを食らっていますし、来月からの交流戦を前に少し間も空きますから、明日は連勝しておきたいところです。

明日もエースのメッセンジャー投手で連勝目指して、
がんばれタイガース!

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我が国研究機関の論文成果はどのように評価されているのか?

私は約30年ほどキャリアの国家公務員をしているんですが、この間、大学を含めて研究機関に出向したり、役所の中でも行政職ではなく研究職として勤務したりという比較優位があります。というか、行政職のお仕事が比較劣位なのかもしれませんが、それはともかく、先週4月16日にトムソン・ロイターからインパクトの高い論文数の分析に基づいて、研究機関のランキングが公表されています。トムソン・ロイターからは毎年のノーベル賞予測を引用しているんですが、この研究機関ランキングについても科学分野を網羅しており、自然科学をはじめとして工学・薬学・医学などだけでなく、経済学や経営学も含まれています。ということで、トムソン・ロイターのサイトから引用すると、我が国国内研究機関の総合トップ20機関のランキングは以下の通りです。ヘッダで赤っぽい影を付けた高被引用論文の論文数でソートした順位です。

国内順位機関名高被引用論文
論文数割合
1東京大学1,3111.6%
2京都大学7391.2%
3大阪大学5901.2%
4国立研究開発法人理化学研究所5572.3%
5東北大学5051.1%
6国立研究開発法人産業技術総合研究所3751.3%
7名古屋大学3391.1%
8東京工業大学2881.1%
9国立研究開発法人物質・材料研究機構2571.8%
10九州大学2540.8%
11筑波大学2321.1%
12北海道大学2070.6%
13広島大学1861.1%
14岡山大学1791.2%
15自然科学研究機構*1481.2%
15慶應義塾大学1480.9%
17早稲田大学1441.3%
18神戸大学1381.0%
19高エネルギー加速器研究機構1221.9%
20千葉大学1110.8%

トップスリーは東大、京大、阪大ですから、1918年の大正時代の大学令のころから100年近く変わらず、この不動の順位が維持されているような気もします。もちろん、このトップスリーの中でも東大が飛び抜けていて、さらに京大が前後に大きく水を空けてナンバー2の位置に収まる、というのも大筋で昔から変わらないような気もします。そして、とても興味深いのは、社会科学系と自然科学・工学系のそれぞれの単科大学で東大や京大に近いポジションにあると考えられている一橋大学と東京工業大学のうち、後者はランクインしている一方で、前者は漏れている点です。ということで、トムソン・ロイターのサイトからアルファベット順に並んだ以下の22分野における日本の順位の表を引用すると下の通りです。

分野順位
Agricultural Sciences16
Biology & Biochemistry6
Chemistry5
Clinical Medicine13
Computer Science14
Economics & Business21
Engineering11
Environment/Ecology18
Geosciences8
Immunology5
Materials Science4
Matdematics15
Microbiology12
Molecular Biology & Genetics6
Multidisciplinary9
Neuroscience & Behavior10
Pharmacology & Toxicology8
Physics6
Plant & Animal Science6
Psychiatry/Psychology21
Social Sciences, general20
Space Science9

日本の順位が10位に満たない、ゴルフでいえばシングルに当たる分野について主要なものを上から見ると、生物学・生化学、化学、地球科学、免疫学、物理学、植物・動物科学などが並んでいます。まあ、ノーベル賞を取った、ないしは近い業績を上げた日本人科学者がいる分野ということが出来ます。他方、精神医学・心理学とともに、経済学・経営学は21位とかなり低位にランクされていたりします。ノーベル経済学賞ままだ先かもしれないと思ったりしています。

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2015年4月20日 (月)

今年のゴールデンウィークの過ごし方やいかに?

昨日のゴールデンウィークのお天気に次いで、今日は過ごし方について取り上げたいと思います。すなわち、やや旧聞に属する話題ながら、旅行のクチコミサイトであるフォートラベルから4月9日に「2015年 ゴールデンウィークの過ごし方アンケート結果」が公表されています。まず、フォートラベルのサイトからTOPICを5点引用すると以下の通りです。

【TOPIC1】
GWの連続休暇日数の平均は5.7日と対昨年で0.3日UP
【TOPIC2】
GWの過ごし方は、「海外旅行」21.6%、「国内旅行」20.3%
【TOPIC3】
国内旅行の期間は平均3.7日、人気の旅行先は「沖縄県」「長野県」「北海道」
【TOPIC4】
海外旅行の期間は平均7.5日、人気のエリアは「アジア」、出発日のピークは「5月2日(土)」
【TOPIC5】
海外旅行予定者の85.9%、国内旅行予定者の62.2%が旅行手配に着手

当然、サイトの特徴から他のレクリエーションに比較して旅行にバイアスのかかった調査結果だと思うんですが、グラフを引用しつつ、簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、上のグラフはゴールデンウィークの連続休暇日数のヒストグラムです。「5日間」という回答が突出している印象です。土日休みの週休2日制でカレンダー通りであれば、5月2日(土)から6日(水)までに当たるんではないかと想像しています。連続休暇の平均は最初に引用した【TOPIC1】の通り5.7日間だそうです。

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次に、そのゴールデンウィークの過ごし方の図表は上の通りです。調査時点ですでに決めている人が7割ほどで、決めていない人は私を含めて3割ほどいます。私なんぞはいまだに決まっていませんが、たぶん、決めている人の中でも最大多数の家でゴロゴロや近場でノンビリなんではないかと考えています。決めている人の中でも、海外旅行と国内旅行がともに20%を超えているのはサイトの特色に基づくバイアスではないかと受け止めています。例えば、4月10日付けのエントリーで取り上げたJTBの「2015年ゴールデンウィーク (4/25-5/5) の旅行動向」によれば、海外旅行50.2万人、国内旅行2,335.9万人となっています。ご参考まで。

photo

最後に、今年のゴーデンウィークの過ごし方を考える上での特色として、北陸地方の注目度のアップがあげられます。すなわち、3月14日北陸新幹線の開通に伴って、メディアなどで北陸地方が取り上げられることも多くなっており、フォートラベルでも北陸新幹線利用の意向について調査しており、結果は上のグラフ通りです。私は関西の出身ですので、そう大きな影響は感じないんですが、関東の人にとってはかなり北陸新幹線というのは旅行へのインパクトがあるんだろうというのは分かる気がします。

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2015年4月19日 (日)

リリーフ陣が打ち込まれて巨人に逆転負け!!

 十一 HE
読  売00101000102 5131
阪  神00000201000 361

相変わらず打線に決定力なく得点が少ない上に、リリーフ陣も打ち込まれて巨人に逆転負けでした。今シーズンはずっとこの低空飛行のまま行くんでしょうか?

横浜では、
がんばれタイガース!

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ゴールデンウィークのお天気やいかに?

4月も半ばを過ぎて、とてもゴールデンウィークが待ち遠しいんですが、先週、相次いでゴールデンウィークの天気予報が公表されています。すなわち、4月13日に日本気象協会から「2015年 ゴールデンウィークの天気」が、また、4月14日にウェザーニューズから「GWの天気傾向」が、それぞれ明らかにされています。

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日本気象協会の「2015年 ゴールデンウィークの天気」によれば、関東地方では、雨の降る日もありますが、平年通りに晴れる日が多い見込みであり、気温はほぼ平年並みで、晴れた日の日中は初夏の陽気を感じられそうだということです。

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ウェザーニューズの「GWの天気傾向」によれば、関東地方では、GW期間中は、数日周期で天気が変化し、その中でも、旅行やレジャーは、晴れる日が多いGW前半ほどおすすめであり、気温は平年並からやや高めの予想(東京: 20-23℃)で、晴れる日は薄着でも過ごしやすい体感となりそうだということです。

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2015年4月18日 (土)

4番が打ってエースが抑えて巨人に完勝!!

  HE
読  売000010000 151
阪  神10000100x 261

まさにヒーローインタビューの通りに、4番ゴメス選手が2打点、エース能見投手が抑えて、巨人に完勝でした。昨夜は点差以上に勝負の明らかな完敗でしたが、今日も1点差とはいえ阪神の完勝でした。ただ、もっと点が取れるチャンスはあったわけですし、投手陣が踏ん張っている一方で、得点力についてはまだまだ欲求不満が残る試合が続いていることも確かです。

明日はカード勝越し目指して、
がんばれタイガース!

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今週の読書は玄田有史『危機と雇用』ほか

今週の読書は、久し振りに深く感動した表記の玄田有史『危機と雇用』ほか、以下の通りです。

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まず、何はともあれ、玄田有史『危機と雇用』(岩波書店) です。著者は希望学で著名なエコノミストですが、希望学を始める前は労働経済学者であり、第5章を別にして労働経済学の観点から論じています。なお、タイトルの「危機」はリーマン・ショック以降の金融危機ではなく、2011年3月の震災を指しています。前半3章では震災直後の2012年に実施された総務省統計局の就業構造基本調査の結果や政府の雇用対策などを取り上げ、統計的に離休職期間が短いのは、業種では製造業、就業形態では正社員、とのファクト・ファインディングを提供しています。もっとも、正社員の離休職期間が短いのは、新自由主義的な解雇規制の観点からではなく、リベラルに人的資本の蓄積から論じています。後半の第4章と第5章では、それぞれ、企業と個人を対象とした独自のアンケート調査から重要な論点をいくつか提供しています。すなわち、特に中小企業における危機時のリーダーシップの重要性や震災を境にして個人の希望が仕事から家族にシフトしつつある点などです。読書感想を書き出せば切りがありませんが、震災と雇用についてとてもよく取りまとめられた労働経済学ないし希望学の本です。まだ今年は半分も来ていませんが、私の読んだうちでは今年前半のベストの経済書と受け止めています。

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次に、マリオ・リヴィオ『偉大なる失敗』(早川書房) です。著者は宇宙物理学者ですが、いくつかポピュラー・サイエンスの著作を出版しています。『神は数学者か?』、『なぜこの方程式は解けないか?』などで、いくつかは同じ早川書房から出版されているようです。本書では、チャールズ・ダーウィン、ケルヴィン卿ウィリアム・トムソン、ライナス・ポーリング、フレッド・ホイル、アルベルト・アインシュタインといったそうそうたる科学者の業績を振り返るとともに、これら天才科学者の失敗について論じています。11章構成ですが、第2章以降は2-3章、4-5章と2章ずつが対になっていて、これらの科学者5人が取り上げられており、対になっている最初の章で理論の概要などの業績が紹介された後、次の章で失敗が論じられ、場合によっては共同研究者へのインタビューも含めた原因究明がなされています。やや、この原因究明の姿勢はやり過ぎのような気もします。それはともかく、ポーリングのDNA3重らせん構造やアインシュタインの宇宙定数など、よく知られた謬論が紹介されているんですが、やはり、それなりの科学に関する素養がなければ読みこなせず、私のような凡人にはとても難しく感じられました。アインシュタインの宇宙定数がダークマターやダークエネルギーになって蘇りつつあるのはよく言われますが、私のようなシロートからすれば、いずれもかなり胡散臭いと見ています。もっと、オッカム法則に則した単純な解釈が一般受けしそうな気もします。難しいところです。いずれにせよ、天才科学者たちの失敗は私のような凡人にとって参考になる部分が大いにあるわけでもなく、それなりの難解な科学理論を背景にした読み物、という以上の位置づけは出来ませんでした。

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次に、デイヴィッド・ビアリング『植物が出現し、気候を変えた』(みすず書房) です。マクロの宇宙論や進化論については、エコノミストの私でも大いに興味を持っており、化学などと違って、とは言わないものの、それなりに経済学との関係もなくはないんですが、本書は進化論で通常取り上げられる動物ではなく、植物を対象としており、かなり難しく感じられました。著者の専門分野は古生物学の中でも植物学であり、その基本に加えて、進化生物学、地球科学を統合する新しいアプローチの若き旗手と見なされているそうです。ですから、化石から読み取れる情報を基にシミュレーションによる解析結果などを示して、地球の環境変化、特に大気中の酸素濃度などについて分析結果を示しています。特に、何度かに及ぶ大絶滅期については、恐竜だけでなく、とても興味深く感じられました。繰返しになりますが、難しい内容です。下の『私たちは今でも進化しているのか?』にも共通して、人間を含む動物にせよ、植物にせよ、遺伝子レベルでの「進化」とまでは言えないのかもしれませんが、かなり素早い「適応」を見せるという事実には驚きました。本書では産業革命期における二酸化炭素濃度の上昇に応じた植物の適応が取り上げられていたりします。いずれにせよ、本書では正と負のフィードバックが打ち消しあって均衡に達する場合だけではなく、一方向のフィードバックループにより均衡から離れて行く実例や可能性がいくつか示されており、人間も含めた自然の奥深さというものを感じることが出来ました。

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次に、マーリーン・ズック『私たちは今でも進化しているのか?』(文藝春秋) です。著者は生物学教授であり、本書冒頭に記述されているコオロギの研究で有名だそうです。すなわち、カウアイ島のコオロギは寄生バエの攻撃を避けるために、わずか20世代5年で鳴かないように急速に進化を遂げた、という発見です。ただい、この著者の業績から、本書のタイトルを最終章と同じにしたのは、分からなくもないんですが、実際に手に取って読めば、原題である Paleofantasy の方が適切な気もしないでもありません。ここで「パレオ」とは石器時代や原始生活を指し、たとえば、最近、日本でも流行の兆しを見せている「糖質ダイエット」など、農耕生活に入る前の狩猟採取生活のカギカッコ付きの「石器時代」や「原始時代」にさかのぼったライフスタイルに魅力を感じるのが「パレオファンタジー」であり、炭水化物の摂取を避けて肉ばかり食べたり、負荷の高い運動を短時間行う、といったことが推奨されているらしく、この「パレオファンタジー」に対して反論しているのが本書であるわけです。この「石器時代」への憧れのひとつの要素として上げられているのが、農耕生活に入ってわずか1万年しか経過しておらず、その間、人類は進化しているわけではない、というのがあり、本書の著者は反論の材料として、1万年もあれば大いに人類は進化している、今でも人類は進化している、ということに尽きると思います。1万年に満たない数千年の人類進化の例として、人類だけがミルクのラクトースを分解できるようになった事実とか、高地に住むチベット陣が呼吸数を増やした例などを引いているわけです。ですから、本書の主要な目的として「パレオファンタジー」に対する反論の一環として。進化とはあまり関係のない石器時代の恋愛やセックス事情とか、石器時代の家族や社会生活にも重点が置かれて解説されています。純粋な進化論のポピュラー・サイエンスではないという事実を知った上で読むかどうかを判断すべきではないかという気がします。でも、今週読んだサイエンス書3冊のうちでは一番面白かったです。

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次に、沢村浩輔『夜の床屋』(創元推理文庫) です。先週の読書ではとうとう小説がナシだったんですが、今週の読書でもフィクションの小説はこれ1冊だったりします。この著者はよく知らなかったんですが、我が家で購読している朝日新聞の書評で見かけて借りてみました。大学生の佐倉を主人公、というか、ストーリ・テラー兼謎解き役としつつ、相棒の高瀬らとともに活躍を収録した連作短編集ですが、佐倉周辺のこまごまとした事件から、世界を股にかける大がかりな謎まで、とてもスケールの大きなミステリです。本のタイトルにも採用されている最初の短編「夜の床屋」に、最後の短編「エピローグ」で戻って来て、壮大なるどんでん返しの可能性が示唆されています。しかし、いわゆる本格ミステリと違って、キチンとした完全な謎解きが提示されているわけではなく、謎に対する極めて有力な仮説が示されているにとどまり、その点でやや物足りない印象を持つ読者もいるかもしれません。綾辻行人の「館シリーズ」でも触れられる、人魚の肉を食べると不死になる、という伝説がこの作品でも登場します。その意味で、綾辻作品の影響を受けている可能性はあるんではないかと想像しています。

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番外編扱いはやや失礼かとも思わないでもないんですが、最後に、田野瀬良太郎『田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話 西大和学園の奇跡』(主婦の友社) です。基本は、創設者であり長らく理事長を務めた政治家の自慢話と受け取る人も多そうな気もしますが、京都府南部出身で奈良県トップの進学校を卒業した私としては、とても気にかかる学校です。でも、創設が1986年だそうですから、私はとっくに大学も卒業して東京の役所で仕事していたわけで、男女共学ということすら知らないのも当然かもしれません。私は中学・高校のころ、夏休みとかは別にして、日常的には塾や予備校にはまったく通わず、学校の勉強だけに集中していましたので、この西大和学園の教育方針も分かる気がします。少子化の流れの中で、私学が経営的に生き残るためには進学校を目指すという確固たる方針が貫徹されたのが現在のトップ校に次ぐ位置を占めるまで躍進した要因のひとつなのかもしれません。

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2015年4月17日 (金)

打線に決定力なく巨人に負ける!!

  HE
読  売300000000 3110
阪  神000200000 280

やっぱり、打線に決定力なく巨人に負けでした。4番ゴメス選手にタイムリーが出たと思えば、日替わりのアンチ・ヒーローとでもいうべく、今日は梅野捕手がことごとくチャンスに凡退した気がします。最終回のチャンスは鳥谷遊撃手が凡退してゲームセットでしたが、明日につながることを期待します。

明日は、
がんばれタイガース!

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消費者態度指数は4か月連続で上昇!!

本日、内閣府から3月の消費者態度指数が公表されています。前月から+0.8ポイント上昇して41.7を記録しました。また、消費者態度指数が含まれる消費動向調査の年1回の調査として、主要耐久消費財の普及・保有状況の結果も公表されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の消費者態度指数、0.8ポイント上昇の41.7 判断を上方修正
内閣府が17日発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.8ポイント上昇の41.7だった。4カ月連続で前月から改善し、2013年12月以来の水準となった。
内閣府は消費者心理の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に上方修正した。基調判断の上方修正は2カ月連続。
指数を構成する意識指標である「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4項目全てが2カ月連続で上昇した。
1年後の物価見通しについては「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月比0.5ポイント上昇し、87.8だった。
調査は全国8400世帯が対象。調査基準日は3月15日で、有効回答数は5597世帯(回答率は66.6%)だった。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、新旧の系列の消費者態度指数のグラフは以下の通りです。いつもの通り、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。

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需要サイドの消費者マインドである消費者態度指数は、昨年2014年11月を直近のトラフにして今年2015年3月まで4か月連続で上昇を示しています。4つのコンポーネント別に詳しく見ると、「雇用環境」が+1.3ポイント上昇し47.8、「耐久消費財の買い時判断」が+0.8ポイント上昇し40.6、「収入の増え方」が+0.6ポイント上昇し39.4、「暮らし向き」が+0.4ポイント上昇し38.8となっています。要するに、4つのコンポーネントすべてが上昇を示したわけです。4か月連続の上昇でもあり、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に上方修正しています。1ノッチには少し及ばず半ノッチ引き上げ、なんではないかと私は受け止めています。もっとも、この先、4月からも賃上げが順調に進むと仮定すれば、消費者マインドは上昇し、消費増税の物価への影響の剥落と賃上げによる実質所得の増加もあって、消費は着実に景気にプラス寄与すると私は見込んでいます。

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次に、年に1度の調査で3月統計とともに公表される耐久消費財の普及や保有などに関する調査結果のうち、保有台数の大きいエアコン、カラーテレビなどに関する保有状況のここ3年間のグラフは上の通りです。見ればわかると思います。エアコン、テレビ、携帯電話については、そもそも世帯普及率が90%を超えていて、保有台数でも100世帯で200台を超えているわけですから、平均的に1家に2台超ということになります。デジカメ、パソコン、温水洗浄便座は世帯普及率が70%台半ばから後半くらいですが、保有ベースでは平均的に1家に1台に達しています。なお、グラフで表現するのが難しいんですが、携帯電話のうち、スマートフォン(スマホ)とスマートフォンでない従来の携帯電話(ガラケー)については、昨年から調査が始まっており、昨年2014年時点の世帯普及率ではスマホ54.7%に対してガラケー73.7%と20%ポイント近い差があったんですが、今年2015年にはスマホ60.6%に対してガラケー69.8%と、まだスマホよりもガラケーの方が普及率が高いものの、やや接近しています。来年の調査では逆転するかどうかに注目が集まりそうな気もします。

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2015年4月16日 (木)

科学技術週間にちなんで統計局「科学技術研究調査」の結果から

今まで知りもしなかったんですが、今週4月13日から19日は科学技術週間だそうです。これにちなんで、総務省統計局から4月13日に統計トピックスとして「我が国を牽引する自動車への研究投資」と題するリポートが公表されています。今日は帰宅が遅くなりましたので、グラフをいくつか引用して簡単に紹介しておきたいと思います。まず、統計トピックスのサイトから〔要約〕を2点引用すると以下の通りです。

〔要約〕
  • 平成25年度の「自動車」分野への研究費の支出は3兆2448億円。
    次いで「情報通信機械器具・電子部品」(2兆5110億円)、「医薬品」(1兆4721億円)。
  • 「自動車」分野への研究費の支出は4年連続トップ。
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上の画像は、統計トピックスのサイトから2013年度における主要な製品・サービス分野別研究費のグラフを引用しています。産業分類が「自動車・同附属品製造業」の研究費は2兆4024億円なんですが、製品・サービス分野としての「自動車」ということになれば3兆2448億円となります。次いで「情報通信機械器具・電子部品」が2兆5110億円、「医薬品」が1兆4721億円で、以下、上のグラフの通りです。私はかねてから我が国は自動車産業のモノカルチャーに近い、という印象を持っていましたが、ますます誤解は深まりそうです。なお、2009年度までは上の分類の「情報通信機械器具・電子部品」がトップだったんですが、2010年度から2013年度まで4年連続で「自動車」がトップを占めています。

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2013年度の研究費は18兆1336億円で2年振りに増加を示し、このうち、企業の研究費は12兆6920億円に上り、研究費全体の70.0%を占めます。次いで、大学等の3兆6997億円、20.4%、非営利・公的機関の1兆7420億円、9.6%と続きます。ということで、企業の研究費に着目することとして、上の画像は、統計トピックスのサイトから2013年度の企業の資本金階級別研究費のグラフを引用しています。資本金階級別に見て、100億円以上が74.1%、10億円から100億円未満が17.1%、1億円から10億円未満が6.1%となっており、資本金1億円以上の企業が全体の97.2%を占めています。中堅ないし大企業が研究活動の大きな部分を占めているのが理解できます。

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2015年4月15日 (水)

昨夜のリプレイのようなサヨナラ負けで中日に連敗!!

  HE
阪  神000000010 180
中  日001000001x 2122

昨夜のリプレイを見ているようで、、今夜も松田投手が打たれて、中日にサヨナラ負けでした。鳥谷遊撃手のところでしか点が入らないようで、両外国人選手の得点力が上がりません。投手はそこそこ踏ん張っているんですが、ここまで得点力がないと最後の最後は力尽きてしまっています。悪循環そのものだという気がします。ベンチワークもまったく策もないようで、ふがいない限りです。

明日は3タテを避けるべく、
がんばれタイガース!

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国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) 見通し編を読む!

今週末からのIMF世銀総会を控えて、日本時間の昨夜、国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) 見通し編である第1章と第2章が公表されています。もちろん、全文リポートのpdfファイルもアップされています。このブログの特徴のひとつは国際機関の経済リポートを取り上げることですし、第2章は地域経済見通しですので、第1章に絞って図表を引用しつつ簡単に紹介しておきたいと思います。まず、IMF Survey Magazine のサイトからリポートのポイントを3点引用すると以下の通りです。

World Economic Outlook: Uneven Global Recovery, Complex Underlying Currents
  • Global growth forecast unchanged at 3.5 percent this year and 3.8 percent in 2016
  • Growth diverges: stronger in advanced economies, lower in emerging economies
  • Macro risks decreased, but financial and geopolitical risks increased

続いて、同じくIMF Survey Magazine のサイトから経済見通しの総括表を引用すると以下の通りです。なお、下の画像をクリックすると、別タブか別ウィンドウにてリポートの p.2 Table 1.1. Overview of the World Economic Outlook Projections のページだけを抽出したpdfファイルが開くようになっています。主要国の成長率のほか、貿易、商品価格、消費者物価、金利などが一覧できます。

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前回の今年2015年1月の「改定見通し」からの変更点について成長率だけを見ると、ほぼ変更なしということになり、先進国と新興国・途上国に分けても同様なんですが、時系列的に昨年から今年への傾向を見ると、先進国でやや成長が加速し、新興国・途上国で減速、というように受け止めています。その要因は国際商品市況における原油価格の下落の影響が先進国と新興国・途上国で異なるからです。すなわち、先進国の成長率が昨年の+1.8%から今年は+2.4%に上昇するなど、先進国が今年2015年の世界経済の成長の牽引役となることが指摘されています。今年1月の「改定見通し」からは下方修正されたものの、米国の成長率は今年から来年にかけて+3%を超える水準に達すると予測されています。ユーロ圏でも原油価格の下落、低金利、ユーロの減価に支えられ、今年から来年にかけて+1%台半ばの成長が見込まれるなど、回復の兆しを見せています。日本では消費増税ショックが大きく2014年はマイナス成長を記録したものの、円安と原油価格の下落に後押しされて、2015-16年には+1%程度まで成長が好転すると予想されています。
逆に、多くの新興国・途上国の成長見通しは今年から来年にかけてやや減速すると見込まれています。成長率は2014年の+4.6%から2015年は+4.3%まで鈍化すると予想されており、原油価格低下を含めてさまざまな要因が指摘されています。すなわち、まず、原油価格の下落により、原油輸出国の成長は急減速し、中でも地政学的緊張にあるロシアなどがこれに当てはまる可能性が高いとされており、ロシアでは今年2015年は▲3.8%のマイナス成長が予想されています。また、注目を集める中国では政策当局が与信と投資の最近の急激な伸びに起因する脆弱性の軽減を重視した政策を採用しており、このため、投資、中でも不動産投資がいっそう鈍化すると見込まれていることから、昨年2014年の成長率+7.4%から、今年2015年は+6.8%、来年+6.3%と、引き続き成長率は高いものの、徐々に減速するシナリオが示されています。

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続いて、先行きリスクについて考えるため、リポートの p.19 Figure 1.12. Risks to the Global Outlook を引用すると上の通りです。一番上のファンチャートを見れば、昨年4月の見通しから1年を経て、成長率見通しの90%の信頼区間が狭まっているのが見て取れると思います。特に、下方リスクが上方リスクに比べて小さくなっています。他の条件が変わらないとの条件の下で、成長率は高いほど望ましいと仮定すれば、成長率の下方リスクが減じているのは望ましい、ということになります。ただ、依然として大きな下振れリスクが残っていることも事実です。また、欧州の景気後退やデフレなどのマクロ経済リスクは減少している一方で、為替変動に起因する金融リスクや原油価格にも関連する地政学的リスクは上昇しているとも指摘しています。

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最後に、上のグラフはリポートの p.20 Figure 1.13. Recession and Deflation Risks を引用しています。昨年10月の見通し時に比べて、大雑把に、景気後退確率は先進国で低下する一方で、新興アジアは別にして、中南米などの新興国・途上国では上昇しています。ただし、先進国の中で景気後退確率が高いのは欧州・日本・米国となっており、下のパネルのデフレの確率と同じ順です。日本と欧州でデフレの確率がやや高まっているのは原油価格下落の影響だと受け止めています。

最後に、日本の景気回復を支える要因として、リポートでは p.14 で以下の通り、円安・株高とともに実質賃金の上昇が上げられています。私と同じ見方かもしれませんが、何らご参考まで。

The gradual pickup reflects support from the weaker yen, higher real wages, and higher equity prices due to the Bank of Japan's additional quantitative and qualitative easing, as well as lower oil and commodity prices.

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2015年4月14日 (火)

開幕戦と真逆の展開で中日にサヨナラ負け!!

  HE
阪  神001000010 260
中  日000200001x 381

日曜日は勝ったものの、同じオーダーでも今日は打線がつながらず、最後は松田投手が打たれて、中日にサヨナラ負けでした。日曜日のゲームのようなラッキーパンチがないと勝てないのかもしれません。まあ、去年からまったく戦力アップしていないとはいえ、このままズルズルと負け続けるのは大いに困ります。

明日は、
がんばれタイガース!

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今夏のボーナスは増えるのか?

先週4月10日にみずほ総研が最後にリポートを発表して、例年のシンクタンク4社から夏季ボーナスの予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因ですので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、みずほ総研以外は国家公務員となっています。なお、いつものお断りですが、みずほ総研の公務員ボーナスだけはなぜか全職員ベースなのに対して、ほかは組合員ベースの予想ですので、数字がやや違っています。注意が必要です。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研37.9万円
(+2.3%)
62.4万円
(+6.3%)
背景には、内需を中心とした景気回復を受けた2014年度下期の企業収益の持ち直しと、労使ともに昨年以上に積極化した賃上げの動き。本年の春闘では、業績が好調な大企業製造業を中心に、昨年を上回る賃上げ率やベアを確保する動き。非製造業や中小企業でも、金額、伸び率では大企業製造業に及ばないものの、人手不足感が強まるなか、賃上げに踏み切る動きがあり、賞与額のベースとなる所定内給与の増加を通じ、賞与押し上げに作用する見込み。
第一生命経済研37.6万円
(+1.6%)
n.a.
(+5.7%)
消費増税後に景気は悪化したが、円安効果等もあって14年度も増益が実現したとみられ、企業収益の水準も高い。労働分配率も低水準で、企業の賃上げ余力は存在する。低水準の失業率に見られるとおり、労働需給が改善していることも賃上げに繋がる材料だ。実際、春闘における一時金交渉では、大手企業を中心として増額回答が目立っており、2015年のボーナス増加が示唆されている。また、春闘においては、昨年を上回るベースアップが実現した模様である。賞与算定の基準となる所定内給与が増加することも、ボーナス押し上げに繋がるだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング37.7万円
(+1.8%)
61.8万円
(+5.3%)
企業業績が過去最高益を更新し、雇用情勢も良好な中、ボーナスが支給される労働者の人数は増加が見込まれる。夏のボーナスの支給労働者数は3,929万人(前年比+1.7%)に増加し、支給労働者割合も83.0%(前年差+0.8%ポイント)に上昇しよう。また、一人あたり平均支給額と支給労働者数がともに増加することから、2015 年夏のボーナスの支給総額は14.8兆円(前年比+3.6%)に増加する見通しである。春闘でのベースアップに加え、夏のボーナスも増加が続くことで、個人消費の持ち直しテンポが速まるきっかけになると期待される。
みずほ総研37.8万円
(+1.9%)
68.2万円
(+4.3%)
2015年夏の一人当たりボーナス支給額(民間企業)は前年比+1.9%と2年連続で増加する見通し。製造業を中心に企業収益が高水準であることや政府の賃上げ要請がボーナス増額を後押し。公務員のボーナスは、2年連続の増加を予想。昨年の人事院勧告では7年ぶりに月例給与・ボーナス支給月数が引き上げ。支給総額(民間企業+公務員)は前年比+3.5%と昨年に続き増加を予測。消費増税後から低調な動きが続く個人消費の下支えとなる見込み。

いずれのシンクタンクでも、今夏のボーナスの増額を予想しており、支給対象の広がりとともに、支給総額も3-4%増が見込まれており、昨年の消費増税ショックをいまだに引きずっている個人消費を下支えするものと期待されています。なお、下の画像は日本総研のリポートから引用しています。支給労働者数の割合、1人当たり支給額の伸び率、そして、支給総額の伸び率がプロットされています。

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2015年4月13日 (月)

堅調な機械受注とマイナスの続く企業物価の今後を占う!

本日、内閣府から2月の機械受注が、また、日銀から3月の企業物価が、それぞれ公表されています。機械受注は前月比マイナスを記録したものの、まずまず堅調と見受けられ、企業物価も原油価格の下落などから消費増税の影響を除いて前年比マイナスを続けているものの、一時的にマイナス幅が縮小に転じて底打ちに見えなくもありません。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の機械受注0.4%減 非製造業振るわず、市場予想は上回る
内閣府が13日発表した2月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比0.4%減の8356億円だった。非製造業からの受注が振るわず、2カ月連続でマイナスとなった。
半面、1月(1.7%減)と比べて減少幅は縮小。マイナス幅は小幅にとどまったとして、内閣府は機械受注の判断を前月の「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。機械受注はQUICKが10日時点でまとめた民間予測の中央値(2.5%減)も上回った。
主な機械メーカー280社が非製造業から受注した金額は3.6%減の4769億円と、4カ月ぶりに減少に転じた。農林用機械や内燃機関といった農林漁業、鉄道車両をはじめとする運輸業・郵便業などで受注が減った。
一方、製造業からの受注金額は0.9%増の3552億円と、2カ月ぶりに増加した。

日銀が13日発表した3月の企業物価指数(2010年平均=100)は103.5で前年同月比0.7%の上昇だった。消費税の影響を除くと2.1%の下落となった。ただ、原油安の一巡を背景に前月比では上昇し、前年比のマイナス幅は2カ月連続で縮小した。
前月比は0.3%上昇した。前月比の上昇要因を見ると、原油価格が小幅に上昇したことが寄与した。また銅の国際価格上昇による銅製品の上昇や、加工食品の値上げも影響した。
今後の企業物価の動向については、食料品などで4月に値上げの動きが広がる一方で、資源安を背景にした関連製品価格の下落が続く可能性もある。日銀は「4月は(前月比で)上昇下落のどちらに向かうか予測できない。今後数カ月は方向感が見えない状況が続く」(調査統計局)と見ている。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは340品目、下落は380品目となり、3カ月連続で下落品目が上昇品目を上回った。ただ品目数の下落超は40品目と2月の49品目から減少した。
日銀が同時に発表した14年度の企業物価指数は前年比2.8%上昇と2年連続で上昇した。08年度(3.1%上昇)以来の高い伸びとなった。
ただ消費税の影響を除くと0.1%下落だった。円安の影響で電力料金などは上昇したが、原油安を背景にした化学製品、石油・石炭製品価格の下落やコメ価格の下落の影響が大きかった。

やや長くなってしまいましたが、いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は、続く企業物価も含めて同様に、景気後退期を示しています。

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船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注について、季節調整済みの系列の前月比ベースで見て昨年2014年12月の+8.3%増の大幅増の後、今年2015年1月▲1.7%減に続き、今日発表の2月統計でも▲0.4%減と2か月連続の反動減を記録しましたが、引用した記事にもある通り、市場の事前コンセンサスは▲2%を超えるマイナス幅を予想していたのに比べても、1月実績に比較しても2月統計のマイナス幅は軽微であり、コア機械受注はまずまず堅調と受け止めています。上のグラフのうちの上のパネルに見える印象の通りです。単純に1-2月の実績値で四半期ベースを仮定しても、昨年2014年7-9月期にプラスに転じて以来、今年の1-3月期もプラスを記録しそうな勢いです。ですから、2か月連続の前月比マイナスにもかかわらず、統計作成官庁である内閣府が基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」で据え置いたのは、ある意味で、当然です。ただし、上のグラフのうちの下のパネルに見られるように、円安や原油価格下落を受けて製造業からの引合いは順調なんですが、消費増税ショックがいまだに完全には払拭されない内需に依存する部分が大きい非製造業ではまだ設備投資の広がりに乏しく、さらに、製造業についても2月の中華圏の春節ショックではないんですが、海外経済、特にテイパリングとの関係で米国経済の動向次第ではこの回復ペースがこの先も続くかどうかは不透明な要素も残されていると私は懸念しています。

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上のグラフに見る通り、企業物価のヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は1月の+0.3%でいったん底を打って、2月+0.4%の後、今日発表の3月統計では+0.7%を記録しました。下げ止まった原油価格の反発や非鉄金属などの影響によって前月比ではプラスとなっていますが、しかし、昨年の消費増税の物価押上げ効果が剥落する次の4月統計では大きなマイナスを記録することが確度高く予見されています。前月比についても、引用した記事にある日銀のコメント「4月は(前月比で)上昇下落のどちらに向かうか予測できない。今後数カ月は方向感が見えない状況が続く」の通り、企業物価だけでなく消費者物価も含めて、物価の方向感は不透明と私も考えています。

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上の倅の大学入学式!

今日、上の倅の大学入学式がありました。私は仕事で行けませんでしたが、女房が出席して写真を撮って来てくれました。あいにくのお天気でしたが、倅は新しく買ったスーツに身を包んでいたりします。式辞で学長から「『知のプロフェッショナル』になってほしい」といった発言があったと聞き及んでいます。

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2015年4月12日 (日)

3番に入った鳥谷遊撃手の逆転弾で連敗脱出!

  HE
広  島000210000 3101
阪  神02000002x 481

打線を組み替えて、キャッチャーをベテランに戻して、藤浪投手を先発させて、ようやく、3番に入った鳥谷遊撃手の逆転弾で連敗脱出です。相変わらず、両外国人のゴメス内野手とマートン外野手に当たりが戻らず、藤浪投手も中盤から終盤を抑え切れず、まだまだ不安だらけのタイガースですが、甲子園今シーズン初勝利で松田投手が3勝目を上げましたし、連敗を脱出して少しでも流れが変化を見せれば、という気がします。とても手放しで喜ぶわけには行きませんが、勝って連敗脱出はめでたい限りです。

ナゴヤドームでも、
がんばれタイガース!

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将棋の話題2題

週末の日曜日らしく、軽く将棋の話題を2つほど取り上げたいと思います。
まず、羽生名人に行方八段が挑戦していた第73期将棋名人戦七番勝負の第1局が4月8-9日に椿山荘で指し継がれて、何とわずか60手で羽生名人が勝ちました。また、第3回となる将棋電王戦ですが、4月11日に第5局最終局で阿久津八段に対してAWAKEが早々に投了し、初めて棋士側の勝利で終了しました。第2局でソフト「Selene」が王手を放置して反則負けするハプニングもあったりし、話題は満点でした。
朝日新聞のニュースを将棋名人戦と将棋電王戦で以下の通り、リンクを張っておきます。また、下の画像は名人戦第1局の終了図です。朝日新聞のサイトから引用しています。


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2015年4月11日 (土)

広島にもボロ負けして泥沼の6連敗!

  HE
広  島010004200 7130
阪  神010001000 280

雨で1日休もうとも、甲子園に帰って来ようとも、対戦相手が変わろうとも、何をしてもダメで、広島にもボロ負けして泥沼の6連敗です。打線は相変わらず外国人選手の調子が上がらず迫力不足で得点力が上がりませんし、投手陣も踏ん張り切れずに簡単に失点するような印象です。特に6回表の広島打線のつるべ打ちは見ていて気の毒になってしまいました。何をやってもダメで、為す術がありません。

明日は藤浪投手で連敗脱出を図るべく、
がんばれタイガース!

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今週の読書は『世界は危機を克服する』と『民主主義の財政赤字』ほか

今週の読書は『世界は危機を克服する』と『赤字の民主主義』ほか、経済書や専門書ばかりで小説はなく、以下の通りです。

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まず、野口旭『世界は危機を克服する』(東洋経済) です。著者はリフレ派のエコノミストであり、副題は「ケインズ主義2.0」とされています。私も基本的に本書の見方に賛同するんですが、今回のリーマン・ショック後の経済危機からの回復がはかばかしくなかったのは、ギリシアや南欧諸国などで財政危機あるいは財政赤字に対する厳しい見方が一般化してしまったため、世界中の各国が財政引締めに余りに早期に転じてしまったのが一因だとの見方を示しています。我が国の消費増税もその一例であり、昨年4月の消費税率引上げから景気が大きくスローダウンしたのは記憶に新しいところです。その政策的なインプリケーションとして、財政は引締めに向かうことなく、景気の拡大とともに税の自然増収を図るにとどめる、などが示されています。

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次に、ジェームズ M. ブキャナン/リチャード E. ワグナー『赤字の民主主義』(日経BP社) です。逆に、古典的な本書では民主主義が税制赤字を招きやすいバイアスを指摘しています。もちろん、いわゆるハーヴェイロードの仮説が成り立つ世界でのケインズ的な財政運営の有効性は認めつつ、現実的な運営面での財政政策のケインズ的な運営と民主主義は両立しないとし、後者の民主主義に立脚するのであれば前者のケインズ的な財政運営を放棄して財政均衡主義に立ち返るべきであると主張しています。民主主義下のケインズ的な財政運営に起因する財政赤字がインフレに帰結しやすい、というのはとても懐かしい議論であると思ってしまいました。

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次に、大沢真知子『女性はなぜ活躍できないのか』(東洋経済) です。タイトルだけでは分かりにくいかもしれませんが、高学歴女性の働き方を考える労働経済学の本です。そして、著者はまさにこのテーマを論ずるにふさわしいエコノミストだと考えられます。高学歴女性の活躍を阻害している要因にはさまざまなものがありますが、ひとつ通説と異なると感じたのは、適切に評価されないために本人がモチベーションを上げられず、組織から脱落してしまうという見方です。モチベーションが低下した際、男性と比べて、石にかじりついても会社を辞めない姿勢を見せる比率が女性の場合は少ない可能性は私も感じます。ただ、本書の解決策としては「意識改革」が目につき、いまだにインセンティブに基づく経済学的な解決を志向するエコノミストがいる中で、それなりに誠実な姿勢を感じなくもなかったんですが、どこまで「意識改革」が有効なのか、少し考えさせられました。

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最後に、原武史『皇后考』(講談社) です。明治以降の近代日本における天皇と対比した皇后について考察を巡らせています。650ページに達する大作です。特に、著者は狭い専門領域が大正天皇のようですから、大正天皇の皇后だった貞明皇太后と昭和天皇、あるいは昭和天皇の弟である秩父宮殿下との微妙な関係などの見方が大きな紙幅を持って示されていたりします。明治維新以降、先進国の仲間入りをするに当たって、鹿鳴館で舞踏会をしたのと同じラインで、天皇家における単婚制度の定着と天皇後継者の誕生のトレードオフの間で、天皇家の結婚制度の移り変わりとともに、あるいは、政治と儀式のかかわりの変化とともに、天皇のみならず皇后においても近代化の中で大きな役割を負った姿が浮き彫りにされます。

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2015年4月10日 (金)

ゴールデンウィークの旅行動向やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、先週木曜日4月2日にJTBから「2015年ゴールデンウィーク (4/25-5/5) の旅行動向」に関するリポートが公表されています。今年のゴールデンウィークでは、旅行が集中するのは5月に入ってからの後半の5連休であり、海外旅行人数は昨年比で減少するものの、国内旅行人数と総旅行人数は前年比で増加を示し、過去最高を記録すると予想しています。まず、下のグラフは2000年以降のゴールデンウィークの旅行者総数と総消費額の推移をプロットしています。

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現状はそこそこの景況感で旅行需要も堅調であり、特に、国内旅行は前年比+3.0%増の2,335.9万人が見込まれています。ただし、海外旅行は円安とテロによる治安情勢の悪化などを受けて微減し、前年比▲0.4%減の50.2万人と予想されています。消費額については、国内旅行平均費用は35,800円と前年比+4.1%増、海外旅行平均費用は263,000円と前年比+5.4%増とともに増加すると推計されています。総じて国民の懐具合が暖かいのかもしれません。また、国内旅行に限ってのお話なんですが、「ガソリン代が下がったので自動車で旅行」との声も少なくないようです。また、海外旅行については、今年のゴールデンウィークは非並びがそれほどでもないことから、短い期間で旅行が可能である台湾、タイ、ベトナムなどが人気を博している一方で、定番のハワイの人気も底堅いと分析しています。なお、同種の「2015年 ゴールデンウィーク (4月24日-5月6日) 旅行動向」では海外ではワイキキが、国内では沖縄が、それぞれ、昨年に続いてトップとなっており、確かに、「近場のアジア、ビーチリゾートの復調」が印象付けられています。

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2015年4月 9日 (木)

国際通貨基金「世界経済見通し」分析編を読む!

昨日のエントリーの最後で簡単に触れましたが、国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) の第3章と第4章のいわゆる分析編が公表されています。「世界経済見通し」の副題は Uneven Growth: Short- and Long-Term Factors なんですが、分析編の各章のタイトルは以下の通りです。

Chapter 3.
Where Are We Headed? Perspectives on Potential Output
Chapter 4.
Private Investment: What's the Holdup?

第3章は潜在成長率を取り上げています。昨年2014年12月22日付けのこのブログで、Eggertsson, Gauti B. and Neil R. Mehrotra (2014) "A Model of Secular Stagnation," NBER Working Paper No.20574, October 2014 を紹介しましたが、まさに、そのラインにある議論です。第4章では投資に着目しており、同様の問題意識ではないかと受け止めています。いずれにせよ、このブログのひとつの特徴は国際機関の経済に関するトピックを取り上げることでもあり、今夜のエントリーではグラフを引用しつつ簡単にこの「世界経済見通し」分析編を振り返っておきたいと思います。

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まず、上のグラフは第3章から、上半分が Figure 3.5. Determinants of Potential Output Growth in Advanced Economies を、下半分が Figure 3.6. Determinants of Potential Output Growth in Emerging Market Economies を、それぞれ引用しています。繰返しになりますが、上半分は先進国、下半分は新興国で、グラフの並びは同様です。今世紀に入ってから、先進国では潜在成長率は低下を続けており、新興国ではまだ潜在成長率は伸びているものの、いずれも人的資本の伸び率は低下を続けています。雇用=労働力と資本ストックの生産要素に着目すると、先進国では高齢化が一段落したものの、資本ストックの伸びはネットの純投資はほぼ横ばいとなっています。新興国では逆に資本ストックはまだ伸び率を高めるものの、高齢化の進展とともに労働力人口の伸びが低下します。潜在成長率は資本ストックと労働力の伸びと残差で決まる全要素生産性の和ですから、これらのコンポーネントが減速すれば潜在成長率の伸びも低下することになります。潜在成長率の低下により、財政の持続可能性などの政策課題にも影響が及びかねません。

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次に、上のグラフは第4章から Figure 4.7. Real Business Investment: Actual and Predicted Based on Economic Activity を引用しています。民間企業の投資は、我が国を始めとしてリーマン・ショック後の金融危機の際に大きく縮小して、その後、まだまだ本格的な回復に至っていません。この投資の低調さは経済活動の低調さと将来の不確実性の反映であり、産出拡大のための政策の必要性が強調されています。我が国の場合なら、アベノミクスの第3の矢に当たるのかもしれません。

「世界経済見通し」の見通し編第1章と第2章は分析編から少し遅れて公表される通例となっており、公表された折にはまた取り上げたいと予定しています。

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2015年4月 8日 (水)

DeNaに完敗して4連敗!

  HE
D e N A001111110 6112
阪  神000010000 140

打線に決定力なく4連敗です。打線だけでなく、投手陣も小刻みに失点し、昨夜に続いてボロ負けです。投打のルーキー、石崎投手も江越外野手も、期待はしていますが、どうも冴えません。開幕3連勝がいきなり失速です。

明日は、
がんばれタイガース!

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景気ウオッチャーは改善が続き、国際収支は黒字が定着するか?

本日、内閣府から3月の景気ウォッチャーが、また、財務省から2月の経常収支が、それぞれ発表されています。景気ウォッチャーは現状判断DI、先行き判断DIとも前月から改善を示し、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1.4兆円を超える黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月街角景気、現状判断指数4カ月連続改善 基調判断を上方修正
内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比2.1ポイント上昇の52.2だった。改善は4カ月連続。好況の判断の目安となる50を2カ月連続で超えた。内閣府は街角景気の基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」とし、2カ月連続で上方修正。2月に記述していた「一部に弱さが残るものの」との表現を削除した。
現状判断指数は、家計動向が前月比2.5ポイント上昇の50.9と2カ月連続で改善した。企業動向は1.6ポイント上昇の52.7、雇用は0.3ポイント上昇の59.4と、いずれも4カ月連続で前月を上回った。家計関連では「中国、韓国、東南アジア諸国からのインバウンド客の増加、その人たちの消費増加にかなり助けられている」(九州・都市型ホテル)との声や、「これまで人材募集を出していなかった企業の求人情報を見かけることが増えている」(四国・人材派遣会社)といった見方が寄せられた。
半面、家計関連で「前年は消費増税前の買いだめがあり、今年はその反動で特にたばこの売り上げが落ちている」(北関東・コンビニ)、企業関連では「住宅着工数の減少により、住宅部材の供給過剰から価格が低迷し、収益が悪化している」(東北・木材木製品製造業)などの指摘も聞かれた。
2-3カ月後の景気を占う先行き判断指数は、前月比0.2ポイント上昇の53.4と、4カ月連続で改善した。先行き判断指数が50を上回ったのは3カ月連続。先行きの基調判断は「物価上昇への懸念などがみられるものの、賃上げへの期待や外国人観光需要への期待などがみられる」とした。景況感の改善を巡っては「円安、株高の状況が今しばらく続きそうであり、さらに各企業のベースアップなどの影響が少しずつ出てくるような期待感もある」(南関東・スーパー)などの声があがった。
調査は景気に敏感な小売業など2050人を対象とし、有効回答率は90.5%。3カ月前と比べた現状や2-3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。
2月の経常収支、1兆4401億円の黒字 3年5カ月ぶり高水準
財務省が8日発表した2月の国際収支状況(速報)によると、モノやサービスなど海外との総合的な取引状況を表す経常収支は1兆4401億円の黒字だった。黒字は8カ月連続で、2011年9月(1兆6145億円の黒字)以来3年5カ月ぶりの高い水準だった。経常黒字が1兆円を超えたのは13年3月(1兆2874億円)以来約2年ぶり。
2月は前年同月の5988億円の黒字から改善し、QUICKがまとめた民間予測の中央値(1兆1293億円の黒字)も上回った。原油安で貿易収支の赤字幅が縮小したほか、訪日外国人客数の増加で旅行収支が単月として過去最高の黒字となり、サービス収支の赤字幅が小さくなった。
2月の貿易収支は1431億円の赤字だった。前年同月から4297億円赤字幅が縮小した。自動車や電子部品などの輸出が伸び、輸出額は5兆9588億円と232億円(0.4%)増えた。一方、原油安でエネルギーの輸入は減少し、輸入額は6兆1020億円と4065億円(6.2%)減った。
旅行や輸送などのサービス収支は1087億円の赤字だった。前年同月から583億円赤字幅が縮小した。旅行収支が633億円の黒字と単月として過去最高となったことが寄与した。2月は春節(旧正月)の休暇を利用した中国からの観光客が増え、単月としての訪日外国人客数が過去最高となり、消費が拡大したようだ。
企業が海外子会社から受け取る配当金収入などにあたる第1次所得収支の黒字は前年同月比4020億円(27.5%)増の1兆8622億円となった。

やや長くなったものの、いずれも、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気ウォッチャーのグラフは以下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

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景気ウォッチャーの現状判断DIは前月比+2.1ポイント上昇して52.2を記録し、先行き判断DIも+0.2ポイント上昇の53.4となりました。現状判断DIは先月に50を上回り、今月も4か月連続で上昇しています。家計動向ではサービス関連と飲食関連が牽引し、企業動向では製造業よりも非製造業が大きく上昇しています。ただ、小売り関連は先月に大きく上昇した後、今月の上昇幅は小さくなっており、指数のレベルとしても50に達しないなど、昨年の消費増税ショックからの回復に懸念が残るものを感じます。もっとも、先行き判断DIは全体では上昇幅はかなり小さいんですが、小売り関連はそれなりの上昇を示しており、こういった動向も含めて、繰返しになるものの、現状判断DIが4か月連続で改善し、2か月連続で50超を示していることなどから、統計作成官庁である内閣府では、先月までの基調判断「一部に弱さが残るものの、緩やかな回復基調が続いている」から前半部分を削除して、「緩やかな回復基調が続いている」に上方改定しています。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。引用した記事にもある通り、2月の経常収支は季節調整していない原系列の統計で1兆4400億円を超える黒字を計上し、約3年半振りの黒字幅でしたが、上のグラフに見る季節調整済みの系列でも、1月1兆円超の後、2月統計でも6000億円を超え、2013年10月から2014年3月までの赤字を脱したかのように見えます。基本的には、上のグラフに見られるように、黒い棒グラフの貿易収支の赤字幅の縮小が大きな要因となっており、その背景は国際商品市況における原油価格の下落であることは言うまでもありません。LNG価格も原油に少し遅れる形で低下しています。加えて、2月単月ながら中華圏の春節効果も見逃せません。これで、欧州や新興国などの景気が本格的に回復して我が国からの輸出が伸びれば、貿易収支は通関ベースや国際収支ベースで黒字に転換する可能性もあり得るものと私は期待しています。

来週4月17日からIMF世銀総会を受けて、昨夜、国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) の第3章と第4章のいわゆる分析編が公表されています。日を改めて取り上げたいと思います。

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2015年4月 7日 (火)

国連 Global Trends in Renewable Energy Investment 2015 に見る再生可能エネルギー投資やいかに?

先週金曜日4月3日に国連から再生可能エネルギー投資に関するリポート Global Trends in Renewable Energy Investment 2015 が公表されています。2010年のリポートまでは Global Trends in Sustainable Energy Investment と呼ばれていて、債権の発行とかの投資のための資金調達を主たる眼目にした調査なんですが、私の興味の範囲からファイナンスを別にして、2014年に再生可能エネルギー投資がどのようになされたかを、pdfの全文リポートからグラフを引用しつつ、簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、リポート p.12 から Figure 1. Global new investment in renewable energy by asset class, 2004-2014 を引用すると上の通りです。直近では、2011年をピークに2012-13年と2年連続で減少していた再生可能エネルギー投資は2014年は前年比増加に転じています。しかし、2014年後半は国際商品市況で原油価格が大きく下落しましたので、再生可能エネルギー投資にも何らかの影響を及ぼした可能性があります。

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次に、リポート p.16 から Figure 5. Global new investment in renewable energy by sector, 2014, and growth on 2013 を引用すると上の通りです。太陽光発電と風力発電が再生可能エネルギーの飛び抜けたツートップである姿はここ何年か変化ありません。最近ではやや太陽光発電が風力を上回っているようです。

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最後に、リポート p.23 から Figure 14. New investment in renewable energy by country and asset class, 2014, and growth on 2013 を引用すると上の通りです。私の知る狭い範囲ながら、日経新聞のサイトで「再生エネ23-25%、原発上回る 30年の電源構成」と題する記事を見かけたんですが、こういった将来の電源構成も見据えて、我が国でも中国と米国に次いで世界で3番目に再生可能エネルギー投資が多くなっています。特に、SDC small distributed capacity の比率が高い、というか、逆に、asset finance や PE/VC private equity/venture capital の比率がとても低いのが特徴となっています。マンションごととか、家庭ごとに太陽光発電をしているのだから、そうなのかもしれません。

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2015年4月 6日 (月)

景気動向指数に見る我が国の景気やいかに?

本日、内閣府から2月の景気動向指数が公表されています。ヘッドラインとなるCI一致指数は前月から▲2.8ポイント下降して110.5を、CI先行指数は同じく▲0.2ポイント下降して105.3を、それぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の景気一致指数、3カ月ぶり悪化 14年4月以来のマイナス幅
内閣府が6日発表した2月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比2.8ポイント低下の110.5だった。悪化は3カ月ぶり。マイナス幅は消費増税のあった2014年4月(3.3ポイント低下)以来の大きさとなった。
一致指数を構成する11指標のうち8つがマイナスに働いた。工場の生産などに使われるボイラーやタービンなどの資本財、橋梁などの建設財、自動車といった耐久消費財の出荷が低迷した。スマートフォン(スマホ)のアジア向けの部品出荷が春節(旧正月)前の1月に膨らんだ反動もあった。内閣府は一致指数の基調判断を「改善を示している」で据え置いた。
数カ月先の景気を示す先行指数は0.2ポイント低下の105.3と、2カ月連続で悪化した。鉱工業生産や新規求人数などの指標が悪化した。景気に数カ月遅れる遅行指標は0.2ポイント低下の120.3だった。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDI(最高は100)は一致指数が77.8、先行指数が55.6だった。

いつもながら、簡潔によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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CI一致指数は3か月振りの下降で、先行指数は2か月連続の下降でした。ただ、CI一致指数の3か月後方移動平均は1月指数からプラスに転じており、2月も+0.09ポイントの上昇でしたので、引用した記事にある通り、統計作成官庁である内閣府では機械的に求める景気の基調判断を「改善」に据え置いています。また、CI一致指数の2月の下降は主として鉱工業生産・出荷の寄与によるものであり、投資財出荷指数(除輸送機械)、生産指数(鉱工業)、鉱工業生産財出荷指数などのマイナス寄与が大きくなっています。その大元は春節効果であることは、鉱工業生産指数を取り上げた先週3月30日付けのエントリーで指摘してありますので、今日の記事では繰り返しません。ですから、生産が持ち直せば景気も改善を示す可能性が高いと私は受け止めています。加えて、CI先行指数のプラス寄与では消費者態度指数がもっとも大きなプラス寄与を示しており、昨年4月の消費増税から冷え込んでいた消費者マインドが持ち直しつつある可能性が示唆されていると考えるべきです。

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ついでながら、すっかり見逃していましたが、3月31日予定の発表が延期されていた2月の毎月勤労統計が先週金曜日の4月3日に厚生労働省から公表されています。いつもの所定外労働時間指数と賃金上昇率とともに、年末賞与のグラフも併せて上の通りです。2月の所定外労働時間は生産の減産に合わせる形で減少しましたが、賃金については、まだまだ実質賃金はマイナスとはいうものの、着実に上昇幅を拡大しているように見えます。

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2015年4月 5日 (日)

先週の読書はセン『合理性と自由』ほか

先週はかなり中身の濃い読書でした。以下の通り、ノーベル経済学賞受賞のセン教授の『合理性と自由』上下ほかです。

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まず、アマルティア・セン『合理性と自由』上下 (勁草書房) です。立派な経済学もしくは経済哲学の学術書です。ですから、万人向けの書籍ではあり得ません。読むべきでない人が手に取っても、本来の価値は感じられない可能性が高いと考えるべきです。学生や院生のレベルにもよりますが、専門分野の大学の学部後期または大学院博士課程の前期課程で少人数ゼミの輪読、おそらく、私の直感では半期15回を予定するゼミのうちの過半の8-9回くらいで輪読することも可能なレベルの上下2冊の学術書を、無謀にも私は1週間足らずで読んでしまいましたし、もともと専門外の学術書ですので、必ずしも十分に理解したとも考えていませんが、セン教授のひとつの到達点を知る上では貴重な読書でした。

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次に、篠田節子『インドクリスタル』(角川書店) です。インドを舞台にした水晶採掘をめぐる小説です。最後の最後まで、私はこの小説の着地点が見えなかったんですが、なかなか興味深い結論だった気もします。何らかの財やサービスの生産や流通にいそしみ、これらの分業体制の中に組み込まれることから所得とそれとの交換により消費財を得て生活を営むという意味で、市場を基盤とする近代的な国民生活ではなく、伝統的な、あるいは、 ルイス的な意味での subsistence の世界がまだ残るインドについての理解がホンの少し深まった気がします。

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最後に、中野信子・澤田匡人『正しい恨みの晴らし方』(ポプラ新書) です。ネガ感情と総称される恨みや嫉妬に関する解説書です。いかにも新書的な解説ですが、仏教に基づく解釈も大いに盛り込まれており、私には新鮮に感じられました。

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2015年4月 4日 (土)

打撃戦で巨人に力負け!

  HE
阪  神000102200 570
読  売00300600x 9100

打撃戦で巨人に力負けです。6回に突然投手陣が崩れて大量点を献上し、結局、追いつけませんでした。まあ、こんなこともあります。明日がんばりましょう。

明日は、
がんばれタイガース!

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映画「風に立つライオン」を見に行く!

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映画「風に立つライオン」を近くのシネコンに見に行きました。アフリカの病院で活躍した長崎大学出身の医師の物語です。私の専門分野である開発経済学と、経済学部でしかもわずか2年とはいえ奉職した長崎大学というご縁もあって、前々から見たいと考えていた映画でしたが、やっぱりよかったです。歌も、原作となった小説もさだまさしです。ほぼ原作に忠実な気がしますが、マサイランドでの踊りは、原作を読んでいる私の記憶にありませんでした。ホントに原作にないのか、私が忘れているだけかは不明です。
私のように、途上国経済の発展が常に念頭にあるようなエコノミストだけでなく、恵まれた先進国に暮らす多くの人に見てもらいたい映画です。いかにすれば途上国の人々の生活をさらに改善することが出来るか、先進国日本の国民としてぜひとも考えて欲しい論点です。ただ、どうでもいいことながら、開発経済学を専門分野のひとつとするエコノミストである私の自負もあります。すなわち、高野和明『ジェノサイド』の主人公の父親の言葉で、やや数字についてはうろ覚えながら、医者は目の前の患者の命を助けらるものの、人生かけてもせいぜい1万人の命を救えるだけだが、薬の開発に成功すれば100万人の命が救える、というのがあり、私はさらに間接性が高くなるというか、直接性が低くなるきらいはあっても、開発経済学であれば1億人、10億人の生活を改善できる可能性があります。
下の動画は東宝がYouTubeにアップしている予告編です。

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雇用改善が大きく減速した米国雇用統計から何を読み取るべきか?

日本時間の昨夜、米国労働省から3月の米国雇用統計が公表されています。季節調整済みの系列で見て、非農業部門雇用者は前月から+126千人増加し、失業率はさらに前月と同じ水準の5.5%を記録しました。まず、New York Times のサイトから最初の6パラだけ記事を引用すると以下の通りです。

U.S. Economy Gained 126,000 Jobs in March, an Abrupt Slowdown in Hiring
The yearlong streak of robust monthly job creation was broken on Friday with the Labor Department's report that employers added just 126,000 workers in March, a marked slowdown in hiring that echoed earlier signs that sluggish business investment and punishing weather were exacting a toll on the economy.
Analysts blamed the plunge in oil prices as well as the pall cast by a difficult winter across the Northeast and Midwest, a combination that put a crimp on spending in the energy patch and held back consumer spending and construction.
Still, this new report presents only a limited snapshot, and many said they expected the economy to regain at least some of its momentum later this year.
"The American energy industry is adjusting very quickly to low oil prices, and we've seen this in the counts of the number of rigs that are active," said Carl R. Tannenbaum, chief economist at the Northern Trust Company. "The bad news is we're losing some jobs. The good news is, we hope, that the average consumer is saving a tremendous amount of money in lower gasoline prices."
The unemployment rate held steady at 5.5 percent. Hourly wages, in one of the few bright spots in the report, rose 0.3 percent for private sector workers in March, after a meager 0.1 percent rise in February. But hours worked were down slightly, so overall paychecks were left essentially flat.
The slowdown in job creation reinvigorated the debate about when the Federal Reserve will raise interest rates above their near-zero level, where they have remained since 2008. Many Wall Street analysts argued that the murky jobs picture was likely to reinforce the view among the Fed's more dovish policy makers that rates should stay put at least until the end of the summer because the economy may not be strong enough to stand on its own.

やや長いものの、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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米国雇用統計の雇用増は一部に減速するのではないかとの検測もあったものの、引き続き堅調な見方が強く、市場の事前コンセンサスは+250千人増くらいを示していたので、かなり大きな減速と受け止めています。厳寒だった今冬の気象条件にもかかわらず、1-2月の雇用にはそれほどの下押し圧力が見られなかった分、ドカンと来たようなきがしないでもありません。また、別の論評では、国際商品市況における原油価格の大幅な下落に米国経済は極めて素早く調整し切ってしまった、というか、ドル安も含めて製造業や建設業の雇用に少し悪影響が出ている可能性を指摘する意見も見られます。米国は世界でも有数の産油国であり、まったく石油を産出しない我が国と原油価格の影響に関する状況はかなり違うのは当然です。ただ、米国でも雇用の大きな部分は非製造業であり、教育、ヘルスケア、小売などは引き続き堅調に雇用を伸ばしています。いずれにせよ、今年後半から連邦準備制度理事会(FED)が利上げに踏み切るとの見方もありましたが、この雇用統計を見て今後のテイパリングの方向性が見極めにくいと受け止める向きも少なくないような気がします。実際に統計を見て、為替市場でやや円高が進んだのも事実です。

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また、日本やユーロ圏欧州の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、ほぼ底ばい状態が続いている印象です。サブプライム・バブル崩壊前の+3%超の水準には復帰しそうもないですが、まずまず、コンスタントに+2%のライン周辺で安定していると受け止めており、少なくとも、底割れしてかつての日本や現在の欧州ユーロ圏諸国のようにゼロやマイナスをつけてデフレに陥る可能性は小さそうに見えます。

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2015年4月 3日 (金)

東京ドームで巨人にまず完勝!

  HE
阪  神010200010 4110
読  売000110000 271

まずは、先発メッセンジャー投手の力投で巨人に先勝です。打線は相変わらず外国人選手の調子が上がらず迫力不足で得点力がついて来ませんが、投手力で押さえ込んでいる気がします。特に、後半は6回以降すべて三者凡退でしたし、狭い東京ドームというものの、割合と安心して見ていられるゲーム展開でした。打線はヒーローインタビューに象徴される通り、梅野捕手の当たりが出て来たので得点力が上がっているものの、その後を打つ8番の大和外野手の調子が今夜はサッパリでした。スタメンにルーキー江越選手を使ってみたりして、少し刺激を与えるのもひとつの手かという気もします。

明日も、
がんばれタイガース!

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Happy Easter!

Happy Easter!

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2015年4月 2日 (木)

活動開始が繰り下がった「2015年 就職活動に関する調査」の結果やいかに?

先週金曜日3月27日にネット調査大手のマクロミルから「2015年 就職活動に関する調査」の結果が公表されています。大学生の就活開始時期が従来の12月から3月に繰り下げられ、2016年卒業生から、すなわち、今年から適用されています。就活事情や学生の見方にどのような変化があったのか、なかなか興味深いところです。男女150人ずつの300人という小さなサンプルで、ネット調査というバイアスはあるものの、図表を引用しつつ簡単に見ておきたいと思います。まず、マクロミルのサイトからトピックスを3点引用すると以下の通りです。

トピックス
  • 就活生の2人に1人が解禁前に就活スタート、すでに5%が内定を獲得
  • 就活の3ヶ月繰り下げ解禁で53%が混乱
    その理由は「スケジュール感がつかめない」「学業との両立が難しい」「企業の足並みが揃っていない」
  • 就活生のホンネ 企業に本当は聞きたいけど聞けないこと
    1位「将来的な給与」53%、2位「休暇のとりやすさ」49%、3位「残業時間」35%

箇条書きで簡潔に取りまとめられたトピックスです。ということで、まず、下のグラフは今年から3か月繰り下げられた就活の開始時期に関する質問への回答です。

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繰返しになりますが、2016年の卒業予定者から、就活の解禁時期が従来の12月から3月に繰り下げになりました。調査では就活スタートのタイミングを問うたところ、上の円グラフの通り、「解禁前」に始めた比率は46%、「3月1日の解禁後」に始めた(始める)は36%、「4月以降」に始めるは18%でした。また、グラフには示されていませんが、調査が実施された3月中旬時点ですでに「内定が出ている」と回答した人が5%いたようです。

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上のグラフのうちの上のパネルの棒グラフは、企業を選ぶ際に、その企業について知りたい情報を尋ねた結果です。複数回答となっています。「社風・雰囲気」が最多で64%、次いで「将来的な給与」58%、「職場の環境」55%、「具体的な業務内容」45%となっています。もっともな気がします。ただし、下のパネルに示されているように、説明会や面接などの場で本当は聞きたいけど聞けない企業の情報もあります。「将来的な給与」が最多で53%、次いで「休暇のとりやすさ」が49%、「平均的な残業時間」が35%と続きます。その場の雰囲気もあるんでしょうが、待遇に関する質問はしにくいような印象なのかもしれません。

最後に、グラフの引用はしませんが、就活におけるSNSの活用に関する質問もあり、pdfの全文リポートに結果が示されています。すなわち、過半数の57%がSNSを「活用していない」との回答で、最も活用されているのはTwitterで31%、次いでFacebookが27%、LINEも26%という結果でした。そうなのかもしれません。一応、「経済評論の日記」に分類しておきます。

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2015年4月 1日 (水)

日銀短観では先行き慎重な企業マインドが示される!

本日、日銀から3月調査の短観が公表されています。ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは+12と昨年2014年12月調査から横ばいを記録し、先行きは+10と企業マインドがやや低下する気配を示しています。一方、2015年度の設備投資計画は大企業全産業の土地を含むベースで前年度比▲1.2%とこの統計のクセとして、ほぼ前年度から横ばいでスタートしています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

大企業製造業DI横ばい 日銀短観、先行きに慎重
日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)は企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業の製造業でプラス12となり、前回の昨年12月調査と比べ横ばいになった。円安の一服や海外景気の不透明感から輸出企業の回復が緩やかになった。原油安の影響で非製造業は小幅改善したが、先行きに慎重で景況感は足踏みが続いている。
業況判断DIは景況感を「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。QUICKが集計した大企業製造業の市場予想平均(プラス13)を小幅に下回った。
自動車は業績の回復が続いているが、DIはプラス15と横ばいにとどまった。日銀は「国内の業況がさほどよくはなく、慎重な判断につながっている」とみている。電気機械や生産用機械もほぼ横ばいだった。円相場が対ドルで円安が一服しているうえ、対ユーロでは円高基調に転じた。アジア景気の不透明感から海外での需給判断も悪化していることも影響した。
一方、原油安は景況感を下支えしている。原油安で石油・石炭製品の価格や電気・ガス代は大きく下がり、景況感が改善した。小売や対個人サービスなど消費関連も回復した。昨年4月の消費増税の影響が和らいできているほか、「外国人観光客が増えていることも影響している」(日銀)という。大企業非製造業の業況判断DIはプラス19と2ポイント改善した。
中小企業は全産業でプラス2と前回より1ポイントの小幅悪化となった。不動産や小売は改善したが、鉄鋼や自動車など製造業で悪化が目立った。
先行きの業況はやや鈍化している。3カ月後の見通しは大企業製造業でプラス10と足元判断から2ポイント悪化。自動車やはん用機械の悪化が大きく市場予想(プラス15)を下回った。大企業非製造業でも先行きはプラス17と2ポイント悪化。業況感は昨年4月の消費増税後、落ち込んだがおおむね横ばい圏の動きが続いている。
日銀は今回の短観で5年ぶりに調査対象企業を見直した。大企業の調査対象に大幅な変化はないが、指標の連続性を保つため、比較に使う昨年12月調査分は新しい調査対象で再集計した。

やや長いんですが、いつもながら、適確にいろんなことを取りまとめた記事だという気がします。続いて、規模別・産業別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。

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ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIについては、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスが最近で+14、先行きも+16でしたから、最近はほぼ横ばい圏内でいいとしても、先行きが+10と最近よりも悪化する方向に向かうのはネガティブと私は受け止めています。同時に、大企業非製造業でも最近の業況判断DIは市場の事前コンセンサスよりも上振れしましたが、先行きが低下するのは製造業と同じで、市場予想よりもネガティブと考えるべきです。全体として、円安による製造業へのプラス効果とともにコストが増加し、さらに需要面で、個人消費の停滞や輸出の回復が緩慢で景況感の改善には至らなかった、と私は受け止めています。特に、先行き不透明というほどのことでもないんですが、企業サイドでは見通しをやや慎重に見ている可能性はあるかもしれません。

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次に、上のグラフは製造業の設備判断DIと全産業の雇用判断DIを企業規模別にプロットしています。プラスが過剰超でマイナスが不足超を示しています。設備についてはまだ過剰超のプラスが記録されているものの、過剰感はほぼ払拭されたと見込まれます。雇用については2013年年央から雇用判断DIのマイナスが続いており、特に、企業規模が小さくなるほど不足感が強いという結果が示されています。人手不足から賃上げの機運が高まっており、コスト増という形で企業経営を圧迫するのか、所得増から消費増という形で経済の好循環を促進するのか、私が後者であろうと考えていることは従来からこのブログで表明している通りです。

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最後のグラフは大企業全産業の土地を含む設備投資計画をサブプライム・バブル崩壊直前の2007年度から、調査時期ごとの修正を踏まえてプロットしています。2014年度の実績見込みが3月調査の時点で前年度比+8.2%増ですから、2015年度の当初計画が▲1.2%減と集計されていますが、まずまず堅調なのではないかと受け止めています。年度当初の設備投資計画がほぼゼロから始まるのは短観の統計としてのクセともいえます。しかしながら、この短観に示された2014年度の設備投資計画とGDP統計ベースで乖離が見られるのが少し気がかりです。

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