商業販売統計は昨年消費増税直前の駆込み需要の反動で小売販売が大きなマイナスを記録!
本日、経済産業省から3月の商業販売統計が発表されています。昨年3月は消費増税直前の駆込み需要がもっともはげしかった時期に当たりますので、そのウラ年である今年2015年3月の小売業販売額は前年同月比で▲9.7%減と大きく落ち込みました。季節調整済みの系列でも前月比▲1.2%減となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
3月の小売販売額は前年比9.7%減 下げ幅は過去2番目
経済産業省が28日に発表した3月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比9.7%減の12兆3960億円だった。前年に消費増税前の駆け込み需要があった反動で、下げ幅は1998年3月以来、過去2番目の水準だった。マイナスは3カ月連続。2月は1.7%減だった。
機械器具小売業は白物家電などに駆け込み需要の反動が大きく出て27.9%減と落ち込んだ。原油安の影響で燃料小売業も20%減となったことも響いた。
百貨店とスーパーを含む大型小売店は12.3%減の1兆7149億円だった。既存店ベースの販売額は13%減だった。既存店のうち百貨店は17.7%減、スーパーは10.1%減だった。
コンビニエンスストアの販売額は3.8%増の9054億円。既存店ベースは0.6%減だった。
あわせて発表した2014年度の小売業販売額は前年度比1.2%減の139兆4590億円と、5年ぶりの減少だった。
いつもながら、コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。次に、商業販売統計のグラフは下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期です。
昨年3月が消費増税直前の時期であり、最後で最大の駆込み需要を示しましたので、その反動減が出ている上に、国際商品市況における石油価格の下落に伴う価格低下の影響も一部の商品には出ているハズですから、3月の小売販売に弱い結果が示されたのは当然です。一応、小売業を業種別に見ておくと、家電の耐久消費財などを含む機械器具小売業が前年同月比▲27.9%の減少、石油価格下落の影響をモロに受ける燃料小売業が▲20.0%の減少、などと大きな減少を示しています。何といっても、商業販売統計は総務省統計局の家計調査と違って、サンプルが大きくて信頼性は高いものの、売上げの変動の小さなサービスの比率が小さいですから、財の小売販売額はサービスに比べて大きな変動を示す場合があります。少なくとも、この3月統計だけを見て消費が大きく鈍化したという結論を出すのは控えるべきではないかという気がします。ということで、さて、消費増税の影響が一巡する足元の4月以降の動向やいかに?
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