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2015年5月20日 (水)

1-3月期1次QE前期比年率+2.4%成長は物足りないか?

本日、内閣府から今年1-3月期のGDP統計速報、いわゆる1次QEが公表されています。季節調整済み系列の前期比成長率が+0.6%、年率で+2.4%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1-3月期GDP、年率2.4%増 設備投資プラスに
内閣府が20日発表した2015年1-3月期の国内総生産(GD)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算では2.4%増だった。プラスは2四半期連続。14年10-12月期(年率換算で1.1%増)から伸び率が拡大した。消費増税後に落ち込んだ個人消費の持ち直しが続いたほか、企業収益の改善などで設備投資が上向いた。住宅投資のプラス転換も寄与した。
QUICKが19日時点で集計した民間予測の中央値は前期比0.4%増、年率で1.5%増だった。
生活実感に近い名目GDP成長率は前期比1.9%増、年率では7.7%増だった。名目でも2四半期連続のプラス。年率換算の伸び率は11年7-9月期以来、14四半期ぶりの高水準となった。
実質GDPの内訳は、内需が0.8%分の押し上げに寄与する一方、外需は0.2%分のマイナス寄与だった。項目別にみると、個人消費が0.4%増と、3四半期連続でプラスだった。伸び率は前期(0.4%増)と同じだった。設備投資は0.4%増と、4四半期ぶりにプラスとなった。円安による企業収益の改善を受け、設備投資意欲が上向いた。住宅投資は1.8%増と4四半期ぶりにプラスに転じた。一方、公共投資は1.4%減。民間在庫の寄与度は0.5%のプラスだった。
輸出は2.4%増、輸入は2.9%増となった。輸出は米国向けを中心に堅調だったほか、GDP統計で輸出に含まれる訪日外国人の活発な商品購入が押し上げに寄与した。半面、国内需要の持ち直しに伴い輸入量も増えた。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べプラス3.4%だった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは1.4%上昇した。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、項目にアスタリスクを付して、数字がカッコに入っている民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。もちろん、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンク先からお願いします。

需要項目2014/1-32014/4-62014/7-92014/10-122015/1-3
国内総生産GDP+1.2▲1.8▲0.5+0.3+0.6
民間消費+2.1▲5.1+0.3+0.4+0.4
民間住宅+2.0▲10.8▲6.4▲0/6+1.8
民間設備+5.9▲5.2▲0.1▲0.0+0.4
民間在庫 *(▲0.5)(+1.3)(▲0.7)(▲0.2)(+0.5)
公的需要▲0.4+0.5+0.5+0.2▲0.2
内需寄与度 *(+1.5)(▲2.8)(▲0.6)(+0.0)(+0.8)
外需寄与度 *(▲0.3)(+1.1)(+0.1)(+0.3)(▲0.2)
輸出+6.1▲0.0+1.6+3.2+2.4
輸入+6.6▲5.2+1.1+1.4+2.9
国内総所得 (GDI)+0.9▲1.5▲0.8+0.4+1.8
国民総所得 (GNI)+0.7▲1.3▲0.4+1.5+0.9
名目GDP+1.5▲0.0▲0.6+0.7+1.9
雇用者報酬 (実質)+0.0▲1.6+0.5+0.0+0.6
GDPデフレータ+0.1+2.2+2.1+2.4+3.4
内需デフレータ+0.8+2.5+2.3+2.1+1.4

上のテーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの前期比成長率に対して積上げ棒グラフが需要項目別の寄与を示しており、左軸の単位はパーセントです。グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された2015年1-3月期の最新データでは、前期比成長率がプラスを示し、グレーの民間在庫と赤の民間消費と水色の設備投資がそれぞれ小幅のプラス寄与を示している一方で、黒の外需がマイナス寄与に転じたのが見て取れます。

photo

引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは前期比年率で+1.5%成長でしたし、私が受け取ったいくつかのニューズレターなどを見る限り、これに比べれば、やや高めの成長率を示し着実な景気の足取りが実感されたものの、昨年4月からの消費増税ショックからの回復には物足りないと受け止められているような気がします。特に、物足りない感を増幅しているのが在庫のプラス寄与が大きい点です。上のテーブルにある通り、前期比成長率+0.6%のうち内需寄与度が+0.8%あり、在庫寄与度が何と+0.5%を占めます。一般論として、売残りの後ろ向きの在庫積上りはネガティブに、売行き好調に対応した前向きの在庫積増しはポジティブなんでしょうが、消費の伸びが耐久消費財などを中心にやや物足りないだけに、ネガティブな在庫積上りの印象もぬぐえません。また、昨年4-6月期の消費増税ショックによる大きなマイナス成長や7-9月期の2期連続でのマイナス成長を受けての数字ですので、まだ物足りない感が残るのも止むを得ないんですが、消費増税ショックは当該四半期だけでなく、物価上昇に起因する実質所得の目減りを通じて、その後も消費に対する下押し圧力を残しますので、私はこんなもんではないかという考えも成り立つと思っています。昨夜のエントリーと同じ感想です。

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最後に、上のグラフはデフレータ上昇率(前年同期比)の推移をプロットしています。本日のGDP統計発表の中でデフレータにも私は注目しています。すなわち、見れば分かると思いますが、国際商品市況における石油価格の下落から我が国でも消費者物価や企業向け国内物価の上昇率が大きく鈍化している中で、GDP統計においても、消費デフレータや国内需要デフレータは上昇率を鈍化させている一方で、テクニカルな観点ながら、GDP統計においては輸入が控除項目となりますので、GDPデフレータは輸入デフレータの下落に伴って上昇率を高める結果を示しています。日銀のインフレ目標はあくまで消費者物価上昇率なんですが、どの物価を考えるかによってはいろいろと違いがありそうな気がします。でも、GDPデフレータも上のテーブルでは伝統的に季節調整していない原系列の前年同期比上昇率をお示ししていますので、この1-3月期に上昇率が一巡するのは消費者物価などと同じです。

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