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2015年5月 7日 (木)

日銀レビュー「『量的・質的金融緩和』: 2年間の効果の検証」やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、いくつかのメディアにも取り上げられたところで、日銀企画局から日銀レビューとして、「『量的・質的金融緩和』: 2年間の効果の検証」と題するリポートが公表されています。取り上げられたといっても、国内メディアはやや関心が薄く、私は日経新聞のサイトで見かけたくらいなんですが、ブルームバーグロイターでは当然に注目していたような気がします。今夜のエントリーでは日銀のサイトにアップされているpdfのリポートから図表を引用しつつ簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、上の概念図はリポートから【図表1】「量的・質的金融緩和」のメカニズム を引用しています。いわゆる異次元緩和により期待物価上昇率が上昇し、実質金利が低下し、それによって需給ギャップの改善などの実体経済への影響が生じる、という関係です。
その上で、実質金利の低下幅をいくつかの方法により推計しています。ESPフォーキャストに参加しているエコノミストやQUICK調査に見られる市場参加者による長期の予想物価上昇率から算出される観察アプローチ、消費者物価と需給ギャップの関係をトレンド・インフレ率の変化とフィリップス曲線の傾きの変化に分解するトレンドインフレ率アプローチ、10年物長期金利を被説明変数とする回帰分析を用いて推計する回帰分析アプローチ、イールドカーブ全体の情報から「均衡実質イールドカーブ」を推計する均衡金利アプローチ、の4手法を用いて、実質金利の低下幅は▲1%ポイント近い▲0.8%ポイントから▲0.9%ポイントと結論しています。

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そして、上の表はリポートから【図表6】 波及効果の試算 を引用しています。表の下の注にある通り、日銀のマクロ計量モデル(Q-JEM)を用いて実際の経済への影響をシミュレーションしています。試算は2種類示されていますが、まあ、【試算2】の方が実績に近いと見なしたいという明らかな意向が汲み取れる気がするのは私だけではないと思います。
なお、Q-JEMモデルについては、2011年バージョンの詳細が "Quarterly Japanese Economic Model (Q-JEM): 2011年バージョン" として公表されているんですが、どこまで更新されているのかは私は知りません。私は大昔の一時期ながら役所の計量モデルを管理していたことがあるので、計量モデルから得られる結果がどういうものかはある程度理解しているつもりですが、メディアや一般のビジネスマンには魔法のブラックボックスから得られる「ご神託」のように見えがちであることも理解しているつもりです。
結論としては、「各種の金融経済指標は、『量的・質的金融緩和』で想定されたメカニズムに沿った形で、変化してきたことが確認できた。」と日銀は胸を張っている一方で、「2%の『物価安定の目標』を安定的に実現するためには、さらなる予想物価上昇率の上昇が必要である。」とも付け加えています。

手法も結論も穏当な内容ではないかと私は受け止めていますが、ひとつだけ気がかりなのは、マクロ計量モデル(Q-JEM)を管理運営している調査統計局や研究機関である金融研究所ではなく、政策の企画立案部局である企画局がリポートを取りまとめていることです。どうしてなのか、極めて週刊誌的な興味があります。

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