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2015年5月31日 (日)

リリーフ安藤投手が中村選手のスリーランに沈んで西武に連敗!!

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  HE
阪  神100003000 490
西  武00000153x 9141

昨日に続いて、またまた西武4番の中村選手のスリーランに安藤投手が撃沈され、西武に連敗でした。それにしても、中盤までに4点を先取したのは阪神打線の得点力からすれば、ほぼマックスの最大得点に近いんではないかと私は見ているんですが、何としてもこの得点を守って勝利を目指すベンチワークだったんだろうか、とやや疑問が残ります。漫然と従来通りの惰性に流れた采配にしか見えませんでした。ひょっとしたら、何をしてもダメだったかもしれませんが、選手とベンチが一体となって必死になって勝ちに行く姿勢というのが見られないような気がするのは私だけでしょうか?

甲子園のロッテ戦は、
がんばれタイガース!

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今週末のジャズは丈青「I See You While Playing the Piano」

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今週末のジャズは丈青「I See You While Playing the Piano」です。昨年10月のリリースです。丈青は SOIL & "PIMP" SESSIONS のピアニストであり、また、このパンドから派生した ピアノトリオ J.A.M の中心メンバーでもあります。今回のこのアルバムでは初めてのピアノ・ソロに挑戦しています。曲目構成は以下の通りです。

  1. Friends are Comin'
  2. One and Alone
  3. Crazy Race
  4. Blue in Green
  5. My One and Only Love
  6. We'll Be Together Again
  7. Body and Soul
  8. Miles' Mode
  9. Myself
  10. When I Was a Boy
  11. Akatonbo
  12. I See You While Playing The Piano

私は恥ずかしながら、SOIL & "PIMP" SESSIONS での丈青のピアノは聞いたことがないんですが、J.A.M のアルバムはおそらくすべて聞いています。その限りで、もう解散した、のか、再結成した、のか、私はよく把握していない Re-trick の菅原敏とか、fox capture plan の岸本亮とかと同じで、クラブ系のジャズというか、ビートの効いたリズム重視のピアノ演奏のイメージだったんですが、このアルバムはリズム楽器がありませんし、とてもゆったりとしたリズムでリリカルなメロディを優先しています。オリジナル曲だけでなく、いかにもといったジャズのスタンダード曲や日本らしい「赤とんぼ」も取り入れており、リラックスした雰囲気で聞けるアルバムに仕上がっています。

なお、どうでもいいことながら、私が聞いたアルバムのジャケットは上の画像と少し違っていて、もっと白っぽかったんですが、ネットに流れていませんでした。悪しからず。

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2015年5月30日 (土)

ドラ1とドラ2のルーキー投手がおかわりアーチを被弾して西武に力負け!!

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  HE
阪  神010001000 291
西  武01341000x 9100

まさに絵に描いたようなおかわりアーチをドラ1横山投手とドラ2石崎投手が被弾し、何だかんだで5回までに9点取られれば、今の阪神には確実に致命傷です。昨日は1点で勝ちましたが、今日も2点では勝てませんでした。打撃陣の奮起を期待します。

明日は能見投手で5割復帰を目指して、
がんばれタイガース!

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今週の読書はマーティン・フォード『テクノロジーが雇用の75%を奪う』ほか

今週はかなりがんばって読みました。以下の通りです。

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まず、マーティン・フォード『テクノロジーが雇用の75%を奪う』(朝日新聞出版) です。誰がどう見ても経済書なんですが、著者はコンピュータ工学部卒業の企業経営者、未来学者らしいです。どこかで聞いたような理論なんですが、著者ご本人もラダイト主義者かもしれないとは気づいているようです。でも、テクノロジーに関するマルサシアンではないかという気もします。ご本人も認めているところでは、資本主義の生産様式の発展については、ほぼマルクスと同じ見方をしています。ということは、ほぼ私とも同じということです。私は雇用をとても重視しているにしては、労働経済学については専門外であって、いまだに理解できない点が幾つもあります。ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」のように、生産性の向上とともに労働時間が画期的に減らないのは何かおかしいと感じますし、生産性の動向と労働移動についても謎だらけです。すなわち、高度成長期には低生産性部門である農業から高生産性部門である製造業に労働が移動して、国全体の生産性が向上する、というパターンが広く観察されたんですが、プラザ合意以降くらいの最近20-30年ではそうなっていません。例えば、電機産業などは円高に対応して生産性を向上させていたりするんですが、電機産業の雇用が増えているわけではなく、逆に、雇用者をリストラしたりして労働投入を減少させつつ生産性を上げているようにも見えます。最後に、本書に戻れば、原書が出版されたのがリーマン・ショック直後の2009年だけに、もっと早くに邦訳が出版されていれば、さらに本書のインパクトが大きかった可能性があるんではないかと思います。少しタイミングを外されたような部分が見受けられます。

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次に、ブレット・スティーブンズ『撤退するアメリカと「無秩序」の世紀』(ダイヤモンド社) です。著者は Wall Street Journal 紙で安全保障政策に関するコラムニストを務めるジャーナリストであり、私のようなリベラルなエコノミストから見れば、かなり右派な議論を展開しています。米国はまだまだ世界の警察官であることが可能であり、そうあるべきだ、という論陣を張っています。「割れ窓」理論を前面に押し出した強硬なタカ派の論調です。米国が世界の警察官をヤメにして孤立主義になったらどうなるかを予測した p.224 「2019年ヒラリー大統領」以下の近未来予想は、どこまで妥当性があるかを私は判断できないものの、なかなか興味深く読めます。また、翻訳者のあとがきにあるんですが、原著には第2次世界大戦後に米国が世界の警察官を引き受けていなかったらどうなっていたかを仮想的に論じた章があるらしいんですが、翻訳の時点で割愛されています。省略せずに全訳をして欲しかった気がします。

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次に、東野圭吾 『ラプラスの魔女』(角川書店) です。著者は売れっ子ミステリ作家ですから紹介の必要もないと思います。それから、本書のタイトルは、当然ながら、「ラプラスの悪魔」に由来しています。すなわち、ピエール=シモン・ラプラスに従えば、宇宙に存在するすべての物質の位置と運動量を把握し、かつ、それらのデータを解析出来るだけの知性が存在すれば、その知性にとっては未来も過去もすべて見通せるであろう、ということです。私が時折勝手に書いているように、この世の中は微分方程式体系に沿って進んでいるわけですから、初期値が決まれば未来が決定され、それがアカシック・レコードである、ということになります。しかし、物質の位置と運動量は同時に把握できない、というハイゼンベルクの不確定性原理がありますから、ラプラスの悪魔は存在し得ない、という結論になります。もちろん、本書は物理学の学術書ではなく、この著者が時折取り上げる人体改造モノといえます。流体力学のナビエ・ストークス方程式を瞬時に解いて、というか、おそらく直感的に理解して、猛毒の硫化水素がどこに向かうかを解析して、常人には不可能な殺人を行うスーパーマンとスーパーウーマンが主人公です。どちらも脳の手術を受けていたりします。この著者の作品としては、平均以下かもしれませんが、私のようなファンからすれば読んでおいて損はありません。

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最後に、「シリーズ日本近世史」(岩波新書) ですが、上の画像はそのうちの第3巻である高埜利彦『天下泰平の時代』の表紙です。第5巻まで完結しました。発売は完結したんですが、まだ第5巻を入れている図書館はないようです。私は上の表紙の第3巻『天下泰平の時代』がもっとも読みたかったんですが、取り急ぎ、1巻から3巻までの3冊を読みました。図書館への納入状況を勘案しつつ、残った2冊も読みたいと考えています。典型的な封建時代である江戸時代、しかし、世界に例を見ない鎖国を実行し、ヨーロッパ的な停滞した中世とは異なり、大いに生産性の向上や生産要素の投入、さらに、独特の文化が花開いた日本的な中世がコンパクトに取りまとめられているます。私のような歴史に興味ある人向けかもしれません。なお、このシリーズの構成は以下の通りです。

第1巻
戦国乱世から太平の世へ
第2巻
村 百姓たちの近世
第3巻
天下泰平の時代
第4巻
都市 江戸に生きる
第5巻
幕末から維新へ

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2015年5月29日 (金)

復活のメッセンジャー投手の力投で交流戦4連勝し借金完済5割復帰!!

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  HE
阪  神001000000 151
西  武000000000 041

ファームから復活のメッセンジャー投手の力投からリリーフ陣も踏ん張って、最小得点差で完封リレーを完成させ、交流戦に入って4連勝でした。メッセンジャー投手は4月28日以来ほぼ1か月ぶりの勝利だったようです。藤井捕手のリードも見逃せません。打つ方は相変わらずで、冴えない得点の取り方だったんですが、何はともあれ借金完済で5割復帰です。

明日もドラ1ルーキーを守り立てて、
がんばれタイガース!

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いっせいに発表された政府経済指標の統計から何が読み取れるか?

今日は月末最後の営業日でしかも閣議日ですので、いろいろな政府経済指標がいっせいに公表されています。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数が、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、また、総務省統計局から消費者物価が、それぞれ発表されています。いずれも4月の統計です。生産は季節調整済みの前月比で+1.0%の増産となり、生産の派生需要である労働では、失業率が前月から▲0.1%ポイント低下して3.3%となり、有効求人倍率も0.02ポイント上昇して1.17を記録するなど、総じて改善を示しています。消費者物価は昨年の消費増税の影響が一巡して生鮮食品を除く全国コアCPI上昇率は+0.3%と上昇率が大幅に鈍化しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の鉱工業生産指数、前月比1.0%上昇 3カ月ぶり上昇
経済産業省が29日発表した4月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比1.0%上昇の99.1だった。上昇は3カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.8%上昇で、市場予想を上回った。生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
生産指数は15業種のうち9業種が前月比で上昇し、低下は6業種だった。電子部品・デバイス工業がスマートフォン向け部品の輸出の伸びにより5.2%上昇した。電気機械工業が6.4%上昇したことも寄与した。国内でエアコンなど白物家電の販売が好調だったことが生産増につながったようだ。
一方、軽乗用車などで在庫が高水準にある輸送機械工業は0.7%低下した。情報通信機械工業も6.6%低下した。
出荷指数は前月比0.4%上昇の97.7と、3カ月ぶりのプラスとなった。在庫指数は横ばいの113.4だった。在庫率指数は1.4%低下の112.8となり、3カ月ぶりに低下した。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、5月は前月比0.5%上昇、6月は0.5%の低下を見込む。輸送機械工業での在庫増などを受け、経産省では今後の基調について「横ばいになっていく可能性もある」としている。
4月失業率3.3%、18年ぶり低水準 個人消費なお低迷
景気の緩やかな回復を映し、雇用や企業の生産活動の改善が続いている。4月の完全失業率は3.3%と前月に比べ0.1ポイント低下。1997年4月以来、18年ぶりの低水準となった。企業の採用が活発になり離職者が減った。IT(情報技術)関連などの生産が増え、鉱工業生産指数は前月比1%増となった。ただ、家計の消費支出はマイナスで、個人消費の本格回復には至っていない。
総務省が29日発表した4月の失業率は、3カ月連続で改善した。未就職の状態で仕事を探している完全失業者数は234万人で、前年同月に比べ20万人減った。このうち、勤め先や事業の都合による離職が41万人と6万人減った。
正社員と非正規社員の両方が増え、雇用の質も改善している。正規社員は6万人増の3294万人、非正規社員は30万人増の1939万人だった。15歳から64歳の就業率は72.9%で0.5ポイント上昇した。
失業率はリーマン・ショック後の2009年7月に5.5%に上昇したが、景気の持ち直しを受けて低下傾向が続いている。現行の賃金水準で働きたい人がすべて雇用されている「完全雇用」に一段と近づいたとの見方もある。
雇用指標では、同日厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.17倍と前月から0.02ポイント上昇した。23年1カ月ぶりの高水準だ。教育・学習支援業や医療・福祉で求人が増えた。有効求人倍率が高いほど、求職者は仕事を見つけやすく、企業は採用が難しい。幅広い業種で、人手不足が続き、賃金も上昇する要因となっている。
雇用改善の背景には企業の生産活動の持ち直しがある。経済産業省が同日発表した4月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整値)速報値は前月比1.0%増の99.1となった。前月を上回るのは3カ月ぶり。経産省は「緩やかな持ち直しの動き」との基調判断を据え置いた。中国などアジアで組み立てるスマートフォンの新機種生産を見込み、電子部品・デバイスが5.2%増えた。電気機械は国内向けのエアコンを中心に6.4%増加した。
一方、個人消費は低迷から脱し切れていない。総務省が同日発表した4月の家計調査によると、2人以上世帯の1世帯当たり消費支出は30万480円と、物価の動きを除いた実質で前年同月比1.3%減った。減少は13カ月連続となる。
住宅リフォームなどの支出が減り「住居」が実質で20.6%減り、全体を大きく押し下げた。総務省は、「増税前の駆け込み需要で膨らんだリフォーム費の支払いが4月にずれ込んだことが影響した」と説明した。
季節要因をならした4月の実質消費支出を3月比でみても5.5%減だった。マイナス幅は縮小傾向にあるが、消費には弱さがある。
全国コアCPI、4月は0.3%上昇 増税分除き実質横ばい
総務省が29日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010=100)は、生鮮食品を除く総合が103.3と前年同月比0.3%上昇した。プラスは23カ月連続。QUICKが事前にまとめた市場予想の中央値(0.2%上昇)を上回った。3月は2.2%上昇だった。
昨年4月は電気代など公共料金の旧税率を適用する経過措置が続いたため、今回も消費増税の影響が一部(0.3%)残った。この要因を除く実質では前年同月比で2カ月ぶりに横ばいとなった。3月(消費増税の影響を除き実質0.2%上昇)に比べ伸びが鈍った。原油安に伴い、ガソリンなどのエネルギー価格が下がった。耐久消費財や外国パック旅行も値下がりした。半面、生鮮食品を除く食料の価格は上昇した。品目別では上昇が321、下落が161、横ばいは42だった。
食料・エネルギーを除く「コアコア」のCPIは101.0と0.4%上昇。経過措置の影響(0.2%)を除く実質では0.2%のプラスで、3月(消費税除き0.4%上昇)から伸びが鈍った。生鮮食品を含む総合は103.7と0.6%上昇した。
先行指標となる5月の東京都区部のCPI(中旬速報値、2010=100)は、生鮮食品を除く総合が102.2となり、0.2%上昇した。伸び率は実質で4月(経過措置の影響除き0.2%上昇)と同じだった。一方、コアコアCPIは0.1%上昇で小幅な上昇に転じた。4月は実質0.1%下落だった。生鮮食品を含む総合は0.5%のプラスだった。

いずれも網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。しかし、これだけの記事を並べるとそれなりのボリュームになります。これだけでお腹いっぱいかもしれません。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。景気後退期のシャドーについては雇用統計も同様です。

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生産については、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスが前月比+0.8%増の増産でしたから、ほぼジャストミートしたと私は受け止めています。ただし、3月の減産が▲0.8%でしたから、4月の増産が+1.0%といっても、ならして見ればほぼ横ばいとの印象で、さらに、同時に発表された製造工業生産予測調査によれば、前月比で見て5月は+0.5%の増産の後、6月は逆に▲0.5%の減産と、先行きについても一進一退の動きが予測されています。どうも、生産については横ばいの動きが続く踊り場的な段階に入ったような気がします。この大きな要因のひとつは海外需要であり、我が国から見た輸出です。米国の冬季の異常気象や西海岸の港湾労働紛争などは一段落したものの、ギリシアの債務状況などに起因する欧州の景気動向がまだ不透明感を払拭するに至りませんし、何よりも、中国経済の減速が我が国輸出にブレーキをかけています。上のグラフの下のパネルに見える耐久消費財の出荷動向も昨年の消費増税以降はパッとせず、内需、特に消費動向もまだ本格回復にはほど遠いと考えられます。ただし、足元から申越し先の今年度後半くらいを見通せば、米国経済の復調やボーナスをはじめとする賃上げに支えられた所得増などから、国内の消費が回復を見せる可能性も期待できると私は考えています。

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その消費を支える雇用については、上のグラフの通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。一見したところ、失業率の低下や有効求人倍率の上昇など、雇用情勢が改善に向かっているように見えますが、少なくとも失業率の低下については非労働力人口の増加、というか、一部の労働力人口の労働市場からの退出に起因するややネガティブな結果であり、雇用の増加によるポジティブなものではないと考えるべきです。すなわち、3月から4月にかけて、すべて季節調整済みの系列で見て、労働力人口は▲34万人減であり、就業者▲28万人減のうち雇用者が▲23万人も減少している一方で、非労働力人口は+35万人を記録しており、定年退職を含めた大量の労働市場からの退出により、見かけ上の失業率が低下しているように私は受け止めています。ただ、有効求人倍率は引き続き上昇していますので、人手不足はまだまだ続くんではないかと予想しています。

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消費者物価(CPI)については生鮮食品を除くコアCPIの上昇率が、昨年の消費増税の影響が剥落して大きく鈍化しています。引用した記事にもある通り、消費税の影響を除くベースでコアCPI上昇率はほぼゼロまで上昇幅を低下させています。約2年前に日銀の総裁と副総裁が交代して、2年後のインフレ目標を2%に設定したインフレーション・ターゲティングの政策にレジーム・チェンジしましたが、2年を経過してコアCPI上昇率はゼロに逆戻りしてしまいました。基本的に、国際商品市況における石油価格の下落という要因が大きいと私は受け止めており、確かに、岩田副総裁は就任時に目標が達成できなかった際の辞任を示唆しましたが、この状況下で2年でインフレ目標に達しなかった日銀幹部の責任を追及するのは酷だと考えています。ただし、追加的な金融緩和の余地が残されているかどうかは議論されて然るべきだと考えます。なお、あくまで頭の体操というか、仮想的な思考実験ですが、依然の日銀のような対応を続けていれば、物価上昇率はさらに低くなってしまっており、原油価格低下が原因であるので旧日銀理論により追加の金融緩和はまったく考慮すらしない、という結論だったような気もしないでもありません。

最後に、引用した雇用統計の記事に家計調査の結果が触れられています。昨日の商業販売統計の際にも私の見方は示しましたが、消費は回復しつつあるものの、本格回復からはほど遠い印象が確認されたと受け止めています。

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2015年5月28日 (木)

楽天を3タテし球団5000勝を飾る!!

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 十一 HE
楽  天20001000000 3100
阪  神00000201001x 4100

クリンナップ3人の打撃が上向きなのが得点力のアップにつながっています。でも、今日に限っては荒木選手活躍がとても印象的でした。もちろん、先発サンティアゴ投手をつないだリリーフ陣の好投も勝因のひとつでした。球団5000勝というのはピンと来ませんが、借金を1まで減らしたのは上々の首尾だという気がします。

明日は西武を相手にメッセンジャー投手を守り立てて、
がんばれタイガース!

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4月の商業販売統計は消費増税の影響が一巡して増加を示す!

本日、経済産業省から4月の商業販売統計が公表されています。ヘッドラインとなる小売業販売は季節調整していない原系列の前年同月比で見て+5.0%増、季節調整済みの系列の前月比では+0.4%増を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の小売販売額は前年比5.0%増 大型店は9.5%増
経済産業省が28日発表した4月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比5.0%増の11兆5620億円だった。3月(確報)は9.7%減だった。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計で9.5%増の1兆6082億円。既存店ベースの販売額は8.6%増だった。既存店のうち百貨店は13.7%増、スーパーは6.3%増だった。
コンビニエンスストアの販売額は8.4%増の8792億円。既存店ベースは4.1%増だった。

いつもながら、コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。次に、商業販売統計のグラフは下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期です。

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4月の小売販売は前年同月比で+5.0%に上りましたが、3月が▲9.7%でしたので、現時点ではまだ消費が本格的に回復軌道に戻ったとはいいがたいと受け止めています。上のグラフの下のパネルにプロットされた季節調整済みの小売販売指数を見ても、昨年8-9月ころからの下方トレンドを脱したことは現時点では確認できません。ただし、以前にこのブログに書いたように、1997年4月の消費増税の際には4月から翌年3月まで12か月連続の前年同月比マイナスが続きましたが、これと比べて昨年2014年4月の消費増税では小売販売の前年同月比は7月にはすでにプラスに転じていたわけで、むしろ、その後の消費の本格的な回復過程に戻るのに失敗した、と私は感じています。その大きな要因のひとつはすでに撤回された2段階目の消費増税であった可能性が高いと私は考えており、将来の増税に備えた消費の抑制ですから、リカード等価原理そのまま、という気もします。昨年の総選挙から、2段階目の増税が少し先に延ばされましたので、消費者マインドも少しずつながら回復してきており、今年のボーナスを含む賃上げによる所得の増加がどこまで消費をサポートできるかが先行きの動向を左右する重要な要因のひとつになるであろうと私は受け止めています。

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2015年5月27日 (水)

OECDの報告書「格差縮小に向けて」In it together: Why Less Inequality Benefits All に見る格差やいかに?

とても旧聞に属する話題ですが、先週木曜日5月21日に経済協力開発機構(OECD)から「格差縮小に向けて」In it together: Why Less Inequality Benefits All と題するリポートが公表されています。300ページを超える英文のリポートで、日本語による要約も提供されているとはいうものの、目を通すにも時間がかかってしまいましたし、今週は月の最終週でいくつか経済指標が公表されたのもあって、取り上げるのが遅くなりました。長くなるので引用はしないものの、Wall Street Journal が "OECD Sees Continued Rise in Growth-Harming Inequality" と題するしっかりした記事を掲載していますので、十分かと思わないでもないんですが、国際機関のリポートに着目するのはこのブログの特徴のひとつですので、たとえ遅くなっても図表を引用しつつ簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートの p.24 Figure 1.3. Income inequality increased in most OECD countries を引用しています。かなり多くのOECD加盟国で不平等の度合いであるジニ係数の上昇が観察されており、日本も例外ではありません。1985年とその30年後の直近のジニ係数を比較しており、日本はジニ係数の絶対値でもかなり不平等の度合いが高い国の中に位置しています。

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また、上のグラフはリポートの p.25 Figure 1.5. The risk of income poverty has shifted from the elderly to the young を引用していますが、不平等や格差については高齢層の問題と考えられがちだったんですが、最近時点では若年層の所得の不足、すなわち、若年層で貧困が広がっている点が強調されています。相対的貧困率は75歳超の世代よりも18-25歳の若年層で大きくなっています。そして、リポートでは大きな不平等が経済成長を阻害すると指摘しています。

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最後のグラフは、リポートの p.153 Figure 4.10. Earnings ratio between standard and non-standard workers (standard workers = 1), 2012 を引用しています。OECDのこのリポートでは、男女格差などとともに、第4章 Non-standard work, job polarisation and inequality で我が国でも注目されている正規雇用と非正規雇用の格差について取り上げており、我が国でも賃金の格差が大きくなっていることが読み取れます。この傾向については、国際労働機構(ILO)のリポート World Employment and Social Outlook 2015 でも指摘されているところです。特に、第2章 Employment Patterns, Poverty and Income Inequality のあたりです。
また、別の観点ながら、これら以外のグラフではいくつか日本のデータが欠損しており、この第4章の非正規雇用の分析の他に、第6章の家計の所得・資産の分析などでも、我が国は十分な統計を出していない印象があります。政策立案のための基礎資料として格差や不平等に関する統計の充実が求められます。
最後に、下はOECDからYouTubeにアップされている動画にリンクしています。

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2015年5月26日 (火)

岩田投手が楽天を完封して交流戦開幕戦に勝利!!

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  HE
楽  天000000000 030
阪  神10002000x 390

何といっても岩田投手の完封が印象的な試合でした。もちろん、4番ゴメス選手のツーランも効きました。甲子園で負け続けていた楽天に交流戦開幕戦で勝利です。

明日も、
がんばれタイガース!

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企業向けサービス物価上昇率は消費増税の影響が一巡してもプラスを維持!

本日、日銀から4月の企業向けサービス価格指数(SPPI)が公表されています。ヘッドライン指数の前年同月比上昇率は+0.7%、国際運輸を除くコアSPPIの上昇率で見ても同じく+0.7%を記録しています。4月で消費増税の物価押上げ効果がほぼ一巡してSPPI上昇率は大きく鈍化したものの、企業物価(PPI)と違って原油価格低下の影響が小さく、プラスを維持しています。まず、日経新聞サイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の企業向けサービス価格、前年比0.7%上昇 派遣やトラック上昇
日銀が26日発表した4月の企業向けサービス価格指数(2010年度平均=100)は102.8と、前年同月に比べ0.7%上昇した。4月も一部残る消費増税の影響を除くと0.5%上昇。増税抜きベースで比較すると、3月から伸び率は0.1ポイント拡大した。宿泊サービスの上昇が続いていることや、4月の価格改定で派遣やトラック輸送などの単価が上昇したことが寄与した。
増税の影響を除き前年同月を上回るのは22カ月連続。上昇品目は73、下落は38だった。上昇品目と下落品目の差は35で、3月の26から拡大した。
品目別に見ると、外国人観光客の増加などを背景に宿泊サービスが3月から上昇幅を拡大。自動車産業などが好調で、労働者派遣サービスも伸び率を高めた。トラックなどの道路貨物輸送も人手不足を反映し上昇した。
ただ、昨年4月に有料道路を値上げした影響が一巡したことで、全体の伸び率は小幅な拡大にとどまった。日銀は「エネルギー価格低下の影響もあり、5月にさらに伸び率を高めるかどうかは見通せない」(調査統計局)としている。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。今回の発表では2014年度の数値が一部改訂された。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルはサービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしています。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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3月はヘッドラインSPPI、コアともに前年同月比上昇率が+3.1%を記録し、消費増税の影響が一巡した4月にはヘッドライン・コアとも+0.7%に大きく上昇率が縮小しています。ただし、ヘッドラインの消費税の影響を除くベースでの前年比上昇率はむしろ加速しており、3月の+0.4%から4月には+0.5%に上昇幅を拡大しています。なお、一巡したとはいえ、4月はまだ消費増税の影響が残っていたりします。もちろん、それを差し引いてもSPPI上昇率はプラスを維持しています。PPI上昇率がマイナスに転じたのとは違っており、上のグラフに見る通りです。
ヘッドラインSPPI上昇率で見て、3月の+3.1%から4月の+0.7%まで▲2.4%ポイント低下したうち、寄与度で▲0.1%を超えている項目を並べると、ソフトウェア開発▲0.22%、道路貨物輸送▲0.18%、リース▲0.15%、有料道路▲0.13%、法務・会計サービス▲0.12%、機械修理▲0.12%、金融手数料▲0.11%などが上げられています。まあ、ほとんど軒並みウェイトの高そうなサービスが大きなマイナス寄与を示しているので、下落幅が大きいというよりはウェイトの問題で寄与度が大きくなっているような気もします。また、季節変動との関係が明らかではありませんが、消費増税の影響は関係ないと見られる3月から4月にかけての前月比では、新聞広告とテレビ広告の広告、情報処理・提供サービスなどの情報通信の伸びが高くなっています。

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2015年5月25日 (月)

貿易赤字が大幅に縮小した貿易統計の今後の動向やいかに?

本日、財務省から4月の貿易統計が発表されています。ヘッドラインとなる輸出額は前年同月比+8.0%増の6兆5515億円、輸入額は+4.2%減の6兆6049億円で、差引き貿易赤字は▲534億円となりました。3月の貿易収支は黒字を計上しましたが、4月は赤字となっています。なお、いずれも季節調整していない原系列の統計です。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易収支、2カ月ぶり赤字 4月534億円、赤字額は大幅縮小
財務省が25日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は534億円の赤字(前年同月は8255億円の赤字)だった。貿易赤字は2カ月ぶり。QUICKが事前にまとめた民間予測の中央値(3250億円の赤字)よりも赤字額は少なかった。春節(旧正月)の影響で中国での生産活動が鈍り、3月に中華圏からの輸入が減った特殊要因が一巡。ただ、原油安を受けて輸入額の減少傾向が続いており、前年同月に比べて赤字幅は9割以上縮小した。
輸出額は8.0%増の6兆5515億円と、8カ月連続でプラスとなった。米国や欧州連合(EU)向けの自動車や、アジア向けの電子部品などが伸びた。地域別では米国が21.4%、EUは0.8%増えた。中国を含むアジア向けは6.0%増で、輸出額は4月として最高を記録した。輸出全体の数量指数は前年同月から1.8%増え、2カ月連続でプラスとなった。
輸入額は4.2%減の6兆6049億円と、前年実績を4カ月連続で下回った。原油価格の下落で、原粗油の輸入額が34.6%減った影響が大きい。原粗油のマイナスは9カ月連続となった。半面、中国や韓国からのスマートフォン(スマホ)などの輸入が増加。アジアからの輸入額は2.0%増、うち中国は2.5%増えた。ともに4月としては過去最高だった。
為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=119円89銭と、前年同月より17%の円安だった。

かなり長いものの、適切に取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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今後の貿易収支の動向についてはなかなか不確定な要素が多いんですが、いくつか輸出入の先行きを決める要因を上げておくと以下の通りです。まず、輸出については、世界経済の動向です。米国経済については今冬の異常気象はもはや終了し、西海岸の港湾労使紛争も決着を見たようですし、今後は量的緩和政策やゼロ金利政策のテイパリングの影響を見極める必要がありそうです。欧州については、欧州中央銀行(ECB)による金融緩和の効果がこれから現れると考えられますが、ギリシア債務危機の影響もあって、先行きはいまだに透明感を欠く展開になる可能性が高いと私は考えています。アジアについても依然として中国経済の低迷が続いています。私は米国経済の回復とともに一定のラグを伴いつつ中国をはじめとするアジア経済は対米輸出をテコに回復が進むものと予想していますが、連邦準備制度理事会(FED)によるテイパリングの影響など、見極め難い要素も残されていることは確かです。資源国については原油価格の下止りが見られる中、緩やかながら回復を見せるんではないかと期待しています。他方、我が国の輸入については1-3月期のGDP速報で見られた通り、内需主導の景気回復が進んでおり、需要要因から輸入が増加する方向にあることは確かですし、さらに、国際商品市況における石油価格がさすがに今年1月ころを底にしてそろそろ下げ止まりつつあり、輸入額を引き下げる効果は縮小するものと考えるべきです。従って、輸入を増加させる国内景気の需要効果と石油価格の上昇の効果で輸入額は数量・価格要因とも増加する方向にあると考えられます。総合的に輸出入を考えると、どちらのサイドからも増加が予想されます。従って、しばらくは、貿易収支はゼロ近傍ないしやや赤字で膠着した推移を見せるんではないかと私は見込んでいます。逆にいえば、かつてのような貿易黒字を積み上げる姿からはほど遠いということになります。ただ、経常収支ほど典型的ではありませんが、対外収支は国内の貯蓄投資バランスの裏側で決まる側面もあり、もちろん、国内の貯蓄投資バランスだけでなく対外バランスも含めた総合的な結果ですが、少なくとも貿易赤字が日本経済に悪い効果を持つわけではないことは理解が浸透しつつあるような印象を私は持っています。

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上のグラフはいつもの輸出の推移をプロットしています。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量汁宇都価格指数で寄与度分解しており、下のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同期比を並べてプロットしています。ただし、OECD先行指数は1か月のリードを取っています。輸出入の動向については前のパラで先行き見通しを書きましたので省略しますが、欧州経済の動向などから依然として先進国経済の回復の足取りが重いことが読み取れます。

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2015年5月23日 (土)

延長10回福留選手の決勝打で横浜を下して能見投手が3勝目!!

  HE
阪  神1000000012 470
D e N A0010000100 262

同点で9回を投げ切って、10回表の福留選手の2点決勝打で能見投手が3勝目を上げた試合でした。今季好調の横浜に本拠地で久し振りに土をつけました。鳥谷遊撃手とマートン外野手の調子が少しずつ上向いているように見えて頼もしく感じます。投手陣では能見投手に勝ち星がつきましたが、クローザーの呉投手は10回ウラに出て来ませんでした。何かアクシデントがあったんでしょうか。でも、代役の福原投手が3人でピシャリと抑えてくれました。
ミスの多い大雑把な試合で締りのない印象でした。なお、横浜打線の中では、筒香選手には勝負しない方がいいような気もします。

明日からのDeNA戦も、
がんばれタイガース!

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今週の読書はややショボく…

今週の読書は図書館の予約の巡りが悪く、やや以前に発行された小説なども含めて以下の通りでした。どうでもいいことながら、来週もどうもショボそうです。

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まず、アンドレアス・ワグナー『進化の謎を数学で解く』(文藝春秋) です。著者はスイスにあるチューリッヒ大学の進化生物学教授であり、本書は生物進化をテーマとしていて、ハッキリ言って、かなり難しい内容です。「進化」evolution という言葉をあまり用いずに、むしろ、「新機軸」inovation を使っています。これは趣味かもしれません。生物学に限らず、物理学や化学などの自然科学はもとより、経済学などの社会科学においても、コンピュータの進歩とともにモデルの構築とシミュレーションによる分析に大きくシフトしつつありますが、本書も進化生物学における数学の活用、コンピュータによるシミュレーション分析などを正面から取り上げています。経済学もそうですが、基本は微分方程式を解くことに対して、解析的に式のまま解けることは実務上ほとんどないわけですから、むしろ、再帰的にコンピュータによるシミュレーションで微分方程式を解くことになります。といった方法論は私でも理解できたのですが、進化生物学の中身については理解が及びませんでした。生物の始まりについて、自己複製子ではなく代謝(metabolism)として始まった、と言われても私のような専門外の人間には何が何だか分かりません。その上に、共通の文化的なバックグラウンドが乏しいせいか、比喩がこれまた理解できません。図書館のたとえはまだしも、国王と家臣団の例なんぞは私にはまったく理解できませんでした。よく分かったのは、進化生物学者の服装は通常のドレスコードを満たすことが少なそうだということぐらいでした。ある程度覚悟して読み始める必要があるのかもしれません。

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次に、夏川草介『神様のカルテ 0』(小学館) です。この著者のシリーズの第1巻である『神様のカルテ』の始まる前のお話が5編の短編として収録されています。医師国家試験直前の栗原一止とその寮の仲間たちの交流、本庄病院の内科部長・板垣医師と収益性重視の姿勢を貫く事務長・金山弁二の不思議な交流、研修医として本庄病院で働くことになった栗原一止の医師としての働き、山岳写真家である一止の妻・片山榛名の結婚前の山でのエピソードなどが収録されています。このシリーズのタイトルとなっている「神様のカルテ」というワーディングは本庄病院の板垣先生がアカシック・レコードを指す言葉として使い始めたことを初めて知りました。このシリーズが好きな読者は読んでおくべき本のような気がします。第1話の『神様のカルテ』と『2』は映画化されたと記憶していますが、『3』やこの作品『0』も映画化されたりするんでしょうか?

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次に、鈴木光司『タイド』(角川書店) と『樹海』(文藝春秋) です。『リング』のシリーズで知られている著者のホラー小説2冊です。『タイド』は明らかに『リング』シリーズの最新刊であり、主人公はこの作品の世界では柏田誠二と名乗っていますが、前のシリーズでは高山竜司として32年、二見馨として20年、この作品で柏田誠二として4年を過ごしている人物です。この作品では予備校の数学教師をしています。嗜眠性脳炎を発症するパーキンソン病で体が石化する奇妙な症状を呈する予備校の教え子を救うため、貞子の弟を探すストーリー展開となっています。そして、柏田というか、高山は驚愕の事実を知ってしまいます。なお、やや不思議な気もするんですが、『タイド』の登場人物の中で『リング』を熟読している人もいたりします。本書は『リング』シリーズに属するホラーですが、知らなければSFだと思う人がいるかもしれません。それから、次の『樹海』はタイトル通り、富士山の樹海にまつわる短編集で、いくつかリンクしている短編もありますが、収録されている短編すべてがつながっている連作短編集ではありません。この作者のホームグラウンドであるホラー小説の雰囲気を強く持っている作品もあれば、そうでなく、淡々とした人と人の奇想天外なつながりを扱っただけの作品もあります。最後に、この作者の『リング』からのシリーズ、というか、貞子のシリーズのファンであれば『タイド』は読んでおくべきだという気がしますが、『樹海』は必ずしもオススメしません。

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次に、島田荘司『星籠の海』上下 (講談社) です。この作品は私が見逃していた島田荘司の御手洗潔シリーズの最新刊で2013年10月に出版されています。私は確認していませんが発売時には帯に「国内最終章」とあったそうです。ということは、残されたのは海外編だけなのでしょう。また、世に出てから私は1年半も遅れて読みましたが、どうも、東映で映画化されるらしいです。でも、島田作品としてはややレベルに問題ありかもしれません。まず、1993年の『ロシア幽霊軍艦事件』の直後の夏ですから、1993-94年ころの時代設定のハズなんですが、やたらと携帯電話が活躍します。確かに、バブル経済の時期に巨大な携帯電話が登場したのは記憶していますが、この作品で活躍するようには一般には普及していなかったように思います。もっとも、私は1992-93年ころには日本におらず、南米チリの大使館勤務でしたので、日本におけるそのころの携帯電話事情については自信ありません。それから、いわゆる倒叙型のミステリ記述になっており、御手洗潔が展開する奇想天外な推理の妙味がすっかり影を潜めています。読者は御手洗の謎解きを聞くまでもなく、ストーリー展開の中で何が起こったかを把握してしまっているわけです。御手洗潔シリーズには倒叙型のミステリは不適当だという気がしました。しかも、本書は『占星術殺人事件』や『ロシア幽霊軍艦事件』などのように遠い昔の出来事の遠隔推理ではなく、御手洗潔がリアルタイムで事件に臨んだ密接推理ですから、いっそうその感が強いです。そしてとどめとして、最後の解決に際して禁じ手の超法規的対応がなされています。こんな奥の手が使えるんであれば、ほとんどの事件は解決できてしまいそうな気がしないでもありません。ホームズがワトソンを陪審員に見立てて「無罪」評決を下した作品もありましたが、少なくとも、私の目から見て順法精神がひときわ強そうな東野圭吾作品ではあり得ない結末だと考えられます。ということで、映画化されても私は見ないような気がします。でも、宣伝などでどこまで話題になるのかにも左右されそうです。いずれにせよ、島田荘司も年齢とともに衰えたのかもしれません。

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最後に、おおたとしまさ『名門校とは何か?』(朝日新書) です。本書で「名門校」は大学ではなく、高校を対象としています。また、単に名門校の紹介に終わっているだけでなく、「教育とは何か」、「学校とはどうあるべきか」といった本質的な問いにも答えようと試みている姿勢が伺えますが、少なくとも紙幅のボリュームの大きな部分を占めているのは名門校に対する提灯持ちだったりします。でも、まったくの自慢話ながら、私と上の倅が卒業した高校、さらに、下の倅が通っている高校の計3校を少なくともを取り上げていますので、提灯持ちとは言いながら、実は大いによしとしておきたいと思います。ほとんどの名門校について、リベラルアーツ=一般教養の重視、自由闊達な校風、などが上げられていて、本書では「自由」、「ノブレス・オブリージュ」、「反骨精神」の3つを我が国名門校の特徴として上げています。それはそれで金太郎あめのように極めて画一的な日本の「名門校」の印象があり、逆に、自由度少なく服装などの生徒への生活指導が厳しい学校の方が新鮮に見えたりします。特に、私の母校の場合、制服のない高校でしたし、校則も「勉学にいそしみやすいxx」などが並んでいて、本書の中でも特にいい加減な学校と見なされているような気がします。私のように出身の母校が「名門校」のひとつとして取り上げられていて、「素直にとてもうれしい」という単純な人間向きの本かもしれません。もしそうならば、目次を確認の上で読み進むのがいいような気がします。ただ最後に、名門校とはいっても、我が国の名門高校と英国のイートン校やハロー校などの超名門パブリック・スクールとを同列ではないとしても比較したり、さらに、我が国の名門高校の生徒に「ノブレス・オブリージュ」を求めたりするのは少しムリがあるような気がするのは私だけでしょうか?

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2015年5月22日 (金)

将棋名人戦第4局は羽生名人が勝って名人位防衛に王手!

羽生名人に行方八段が挑戦している第73期将棋名人戦七番勝負がとっくに始まっています。でも、今年はほとんどフォローできていません。昨夜、静岡市の浮月楼で指し継がれていた第4局が終局し、羽生名人が行方八段を下して、名人位防衛に王手となっています。なお、第5局は5月28-29日に福岡市中央区のアゴーラ福岡 山の上ホテル&スパにて開催予定です。
下の画像は朝日新聞のサイトから引用した終了図です。

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新しい研究成果のペーパーが研究所のサイトにアップされる!

帰宅が遅くなりましたし、コソッと明らかにしておくにとどめたいと思いますが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の個票データを用いてミンサー型の賃金関数を推計したディスカッションペーパーを書き上げて、然るべく審査を経て研究所のサイトにアップされました。リンクは以下の通りです。何ら、ご参考まで。とても久し振りの研究成果だという気がします。こういう研究成果が出ると、私も研究職なんだという自覚が高まります。

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2015年5月21日 (木)

ドラ1ルーキー横山投手が7回を1点に抑え鳥谷選手の決勝打でジャイアンツに連勝!!

  HE
読  売000001000 181
阪  神00000002x 231

ドラ1ルーキー横山投手の力投に応え、8回にジャイアンツのリリーフ陣を攻めて逆転の連勝でした。横山投手は7回を1失点ですから文句なしの合格点といえます。打線はわずかヒット3本でマイコラス投手を打ちあぐねましたが、8回の鳥谷遊撃手の逆転打で2点目をもぎ取りました。この逆転の場面、私は上の倅とともにテレビ観戦していたんですが、それまで3打席3三振の鳥谷選手の打席でしたので、ダブルスチールでも考えたらと言ってしまいましたが、誠に失礼な失言でした。糸をひくようなライナーの逆転打を見せつけられて、大いに反省しています。今日も昨日に続いて有意義なテレビ観戦でした。

明日からのDeNA戦も、
がんばれタイガース!

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大卒就職率は人手不足により上昇!

やや旧聞に属する話題ですが、一昨日5月19日に厚生労働省と文部科学省から平成26年度「大学等卒業者の就職状況調査」の結果が公表されています。4月1日現在の大学卒業者の就職率は昨年から+2.3%ポイント上昇し、96.7%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

大卒就職率96.7%、リーマン前に迫る高水準 15年春
今春卒業した大学生の就職率(4月1日時点)は96.7%となり、ピークだったリーマン・ショック前の2008年(96.9%)に迫る高水準となったことが19日、文部科学省と厚生労働省の調査で分かった。全体の就職希望率は72.7%で、1996年の調査開始以来、最高を記録した。文科省は「景気回復による企業の求人増が全国的に広がっている」と分析している。
就職率は就職希望者のうち、実際に仕事に就いた人の割合。全国の国公私立大62校を抽出し、就職状況を調べた。
今春の就職率96.7%は、前年同期を2.3ポイント上回り、過去最低だった11年(91.0%)から4年連続で上昇。女子が96.9%で、96.5%の男子を3年連続で上回った。文系は96.5%、理系は97.2%だった。
就職希望者は41万700人で、大卒全体に占める就職希望率は72.7%と前年を1.2ポイント上回った。採用環境の改善を背景に、進学希望だった学生の一部も就職を選んだとみられる。卒業時に就職できなかった学生は推計1万3600人で、前年から8600人減った。
19日には高校生の就職率も発表され、前年同期比0.9ポイント増の97.5%となり、1992年以来、23年ぶりの高水準となった。都道府県別で見ると、県外に出ることなく地元で就職した高校生の割合が例年より高く、同省の担当者は「製造業やサービス業の求人が地方でも増え、やむなく都市部に出る高校生が減った」としている。

次に、この発表リポートからデータを取って、毎年4月時点での大卒者の就職率をグラフにすると以下の通りです。

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引用した記事にもある通り、大学卒業生の就職率はリーマン・ショック直前の2008年以来の高い水準を示しています。この情報は、5月19日付けの夕刊各紙の1面で報じられて注目していたんですが、1次QEなどがあって、ついつい、このブログで取り上げるのが遅くなりました。この先、2020年の東京オリンピックに向かって公共事業などが活発化すれば、さらに人手不足に拍車がかかる可能性がありますので、企業サイドでもきちんと賃金をはじめとする待遇面で対応することが必要であろうという気がします。なお、引用した日経新聞のサイトの他にも以下のメディアのサイトで報じられています。ご参考まで。

それから、誠についでながら、雇用や就職と関連して、いわゆる「バイトテロ」について私の見方を書き留めておきたいと思います。すなわち、飲食店や小売店などにアルバイトなどで雇用されている従業員が、店の設備や商品、特に食品で悪ふざけ、あるいは、悪ふざけの域を超えた犯罪行為に近いものまで含めて、そういった様子を写真撮影してSNSなどに流す行為を指すんではないかと思いますが、日本の労働者の質の低下を象徴的に表している可能性があると私は受け止めています。ただし、それには然るべき背景があります。特に学生アルバイトなどは、従来から我が国の雇用者の質が高く、賃金以上の生産性を示して企業収益の向上に貢献してきた面があると私は考えているんですが、バブル経済の崩壊からデフレまでの20年不況の中で、雇用者の労働の質が賃金並みまで低下してしまった可能性があるんではないでしょうか。労働者の生産性に見合った賃金が支払われずに、賃金に見合って労働者の質が低下した可能性があるわけです。あくまで可能性ですが、この先の人手不足経済を見通すと、従来のように低賃金で良質な労働力が確保できていた時代と違って、今後、賃金を含めて良好な待遇を提示することによる良質な労働力の確保は企業経営の要諦となる可能性すらあるんではないかと私は感じています。まあ、実証のできるテーマではなく、私が直観的に感じているだけなんですが、少なくとも、良質で生産性の高い労働に対して高賃金や好待遇で処遇することは余りに当り前ではないかという気もします。以上、ついでの議論でした。

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2015年5月20日 (水)

4番の1点を藤浪投手のプロ初完封で守ってジャイアンツに勝利!!

  HE
読  売000000000 021
阪  神00000100x 170

藤浪投手のプロ初完封で4番ゴメス選手の上げた1点の最小得点を守ってジャイアンツにリベンジした試合した。ホームから外野に打者にとってのフォローの強い風の吹く中、両先発投手とも見事な投手戦を繰り広げた結果、藤浪投手はわずか2安打でプロ初完封でした。打っては3番に入ったマートン外野手の復調が目立ち、得点は4番ゴメス選手の打点でした。打つ方はまだまだ本調子とは思えず、特に鳥谷遊撃手の打撃に物足りないものが残りますが、少ない得点を守り抜くのが阪神の野球なのかもしれません。今日は7時の帰宅とともに有意義なテレビ観戦でした。

明日もドラ1ルーキー横山投手を守り立てて、
がんばれタイガース!

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1-3月期1次QE前期比年率+2.4%成長は物足りないか?

本日、内閣府から今年1-3月期のGDP統計速報、いわゆる1次QEが公表されています。季節調整済み系列の前期比成長率が+0.6%、年率で+2.4%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1-3月期GDP、年率2.4%増 設備投資プラスに
内閣府が20日発表した2015年1-3月期の国内総生産(GD)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算では2.4%増だった。プラスは2四半期連続。14年10-12月期(年率換算で1.1%増)から伸び率が拡大した。消費増税後に落ち込んだ個人消費の持ち直しが続いたほか、企業収益の改善などで設備投資が上向いた。住宅投資のプラス転換も寄与した。
QUICKが19日時点で集計した民間予測の中央値は前期比0.4%増、年率で1.5%増だった。
生活実感に近い名目GDP成長率は前期比1.9%増、年率では7.7%増だった。名目でも2四半期連続のプラス。年率換算の伸び率は11年7-9月期以来、14四半期ぶりの高水準となった。
実質GDPの内訳は、内需が0.8%分の押し上げに寄与する一方、外需は0.2%分のマイナス寄与だった。項目別にみると、個人消費が0.4%増と、3四半期連続でプラスだった。伸び率は前期(0.4%増)と同じだった。設備投資は0.4%増と、4四半期ぶりにプラスとなった。円安による企業収益の改善を受け、設備投資意欲が上向いた。住宅投資は1.8%増と4四半期ぶりにプラスに転じた。一方、公共投資は1.4%減。民間在庫の寄与度は0.5%のプラスだった。
輸出は2.4%増、輸入は2.9%増となった。輸出は米国向けを中心に堅調だったほか、GDP統計で輸出に含まれる訪日外国人の活発な商品購入が押し上げに寄与した。半面、国内需要の持ち直しに伴い輸入量も増えた。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べプラス3.4%だった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは1.4%上昇した。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、項目にアスタリスクを付して、数字がカッコに入っている民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。もちろん、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンク先からお願いします。

需要項目2014/1-32014/4-62014/7-92014/10-122015/1-3
国内総生産GDP+1.2▲1.8▲0.5+0.3+0.6
民間消費+2.1▲5.1+0.3+0.4+0.4
民間住宅+2.0▲10.8▲6.4▲0/6+1.8
民間設備+5.9▲5.2▲0.1▲0.0+0.4
民間在庫 *(▲0.5)(+1.3)(▲0.7)(▲0.2)(+0.5)
公的需要▲0.4+0.5+0.5+0.2▲0.2
内需寄与度 *(+1.5)(▲2.8)(▲0.6)(+0.0)(+0.8)
外需寄与度 *(▲0.3)(+1.1)(+0.1)(+0.3)(▲0.2)
輸出+6.1▲0.0+1.6+3.2+2.4
輸入+6.6▲5.2+1.1+1.4+2.9
国内総所得 (GDI)+0.9▲1.5▲0.8+0.4+1.8
国民総所得 (GNI)+0.7▲1.3▲0.4+1.5+0.9
名目GDP+1.5▲0.0▲0.6+0.7+1.9
雇用者報酬 (実質)+0.0▲1.6+0.5+0.0+0.6
GDPデフレータ+0.1+2.2+2.1+2.4+3.4
内需デフレータ+0.8+2.5+2.3+2.1+1.4

上のテーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの前期比成長率に対して積上げ棒グラフが需要項目別の寄与を示しており、左軸の単位はパーセントです。グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された2015年1-3月期の最新データでは、前期比成長率がプラスを示し、グレーの民間在庫と赤の民間消費と水色の設備投資がそれぞれ小幅のプラス寄与を示している一方で、黒の外需がマイナス寄与に転じたのが見て取れます。

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引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは前期比年率で+1.5%成長でしたし、私が受け取ったいくつかのニューズレターなどを見る限り、これに比べれば、やや高めの成長率を示し着実な景気の足取りが実感されたものの、昨年4月からの消費増税ショックからの回復には物足りないと受け止められているような気がします。特に、物足りない感を増幅しているのが在庫のプラス寄与が大きい点です。上のテーブルにある通り、前期比成長率+0.6%のうち内需寄与度が+0.8%あり、在庫寄与度が何と+0.5%を占めます。一般論として、売残りの後ろ向きの在庫積上りはネガティブに、売行き好調に対応した前向きの在庫積増しはポジティブなんでしょうが、消費の伸びが耐久消費財などを中心にやや物足りないだけに、ネガティブな在庫積上りの印象もぬぐえません。また、昨年4-6月期の消費増税ショックによる大きなマイナス成長や7-9月期の2期連続でのマイナス成長を受けての数字ですので、まだ物足りない感が残るのも止むを得ないんですが、消費増税ショックは当該四半期だけでなく、物価上昇に起因する実質所得の目減りを通じて、その後も消費に対する下押し圧力を残しますので、私はこんなもんではないかという考えも成り立つと思っています。昨夜のエントリーと同じ感想です。

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最後に、上のグラフはデフレータ上昇率(前年同期比)の推移をプロットしています。本日のGDP統計発表の中でデフレータにも私は注目しています。すなわち、見れば分かると思いますが、国際商品市況における石油価格の下落から我が国でも消費者物価や企業向け国内物価の上昇率が大きく鈍化している中で、GDP統計においても、消費デフレータや国内需要デフレータは上昇率を鈍化させている一方で、テクニカルな観点ながら、GDP統計においては輸入が控除項目となりますので、GDPデフレータは輸入デフレータの下落に伴って上昇率を高める結果を示しています。日銀のインフレ目標はあくまで消費者物価上昇率なんですが、どの物価を考えるかによってはいろいろと違いがありそうな気がします。でも、GDPデフレータも上のテーブルでは伝統的に季節調整していない原系列の前年同期比上昇率をお示ししていますので、この1-3月期に上昇率が一巡するのは消費者物価などと同じです。

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2015年5月19日 (火)

なすすべなく巨人にボロ負け!!

  HE
読  売023102000 890
阪  神000000000 042

いいところなく巨人にボロ負けでした。打っては巨人の菅野投手に4安打完封され、投げては8失点、守っても名手鳥谷遊撃手の失策もあって2失策と、まったくなすすべなく完敗でした。同じメンバーで打順を変更するだけでなく、人の入替えも含めたラインナップ変更はダメなんでしょうか。私もシロートながら気になってしまいます。
私が仕事から帰宅して夕食を食べ始めた時点ですでに6-0でしたから、テレビ中継を見る意欲もなく、読書しながらのテレビ観戦でした。時間をムダにはしなかった気がします。

明日は、
がんばれタイガース!

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明日発表の1-3月期1次QE予想やいかに?

明日5月20日に1-3月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。昨年2014年4月の消費税率引上げ後、4-6月期、7-9月期と2四半期連続のマイナス成長を記録した後、10-12月期にはプラス成長が確認されたところで、今年1-3月期の成長率にも注目が集まっています。5月の連休くらいまでに必要な経済指標がほぼ明らかにされ、シンクタンクや金融機関などから1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、先行きの今年4-6月期以降を重視して拾っています。もっとも、明示的に取り上げている機関は決して多くなく、アッサリした発表のリポートも少なくありません。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研+0.3%
(+1.4%)
4-6月期を展望すると、耐久消費財を中心とした在庫調整圧力が重石となるものの、①円安などを背景に堅調な企業収益をはじめとする良好な投資環境、②企業の収益改善や人手不足を背景とした春闘での賃上げの広がり、③経済対策の実施に伴う内需の下支え、などにより、わが国景気は堅調に推移する見込み。
大和総研+0.4%
(+1.4%)
先行きの日本経済は基調として緩やかな拡大が続く公算である。個人消費は緩やかながら拡大基調を維持すると見込んでいる。エネルギー関連価格の下落を通じた実質所得の押し上げ効果が続くことに加え、ベースアップ等による名目賃金の上昇が支えになるとみている。
みずほ総研+0.4%
(+1.6%)
2015年4-6月期は、昨年末以来の消費者マインドの改善を受けて、個人消費が緩やかに持ち直すと予想される。設備投資も回復の動きが続くだろう。他方、1-3月期に増加した在庫を取り崩すため、在庫投資はマイナス寄与に転じると見込まれる。公共投資も、2014年度当初予算分のはく落などから減少が続く見込みである。以上のように、2015年4-6月期は個人消費や設備投資の持ち直しが見込まれるものの、在庫削減の動きも顕在化することなどから、緩やかな回復にとどまると予想している。
ニッセイ基礎研+0.5%
(+2.1%)
実質GDPは2四半期続けて潜在成長率を上回る伸びとなった模様だが、2四半期連続マイナス成長の後であり実態として高成長を続けているわけではない。個人消費の水準は駆け込み需要が本格化する前(2013年10-12月期)を▲2%近く下回っており、その水準に回復するのは2016年までずれ込みそうだ。
第一生命経済研+0.4%
(+1.6%)
全体としてみれば、景気回復の持続が確認できたことは前向きに捉えることができるものの、原油安効果が期待されていた割には回復力が鈍い印象だ。特に消費のもたつきが気にかかる。原油安効果の顕在化による景気加速シナリオの実現は、4-6月期以降に持ち越された形だ。
伊藤忠経済研+0.9%
(+3.8%)
成長ペースが速まったとはいえ、消費増税による2014年4-6月期の落ち込み(前期比年率▲6.4%)に比べれば極めて緩慢なままであり、2014年10-12月期時点でGDP比▲2.3%であった需給ギャップが1-3月期においても▲1.5%程度へ縮小するに過ぎない。当社は、今後の成長ペースを前期比年率+1%台半ばから後半程度とみているが、その場合、需給ギャップが解消するのは2016年7-9月期頃である。2017年4月に予定される次回の消費増税を乗り越えてデフレ脱却に向けた動きを維持できるかどうか、未だ予断を許さない状況が続いていると言えよう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+0.5%
(+1.9%)
1-3月期は、長らく低迷が続いた設備投資が4四半期ぶりに前期比プラスに転じたとみられる。設備投資の増加率は1/0%と、個人消費(0.1%)や住宅投資(0.3%)を上回る見込み。民間在庫増(在庫投資)も前期比0.3%ポイントのプラス寄与となった模様で、企業部門が1-3月期の成長をけん引したとみられる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.3%
(+1.1%)
個人消費は、反動減の一巡や実質賃金の減少幅縮小を背景に前期比でプラスが続くが、伸びは小幅にとどまっている。設備投資は、企業業績が改善していることを受けて4四半期ぶりに増加に転じたと予想されるがプラス幅は小さい。公共投資は2013年度の補正予算の効果一巡などから前期比マイナスに転じたと考えられる。一方、輸出、輸入とも増加したが、輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったため、外需寄与度はマイナスとなったようである。
三菱総研+0.9%
(+3.8%)
2015年1-3月期の実質GDPは、季節調整済前期比+0.9%(年率+3.8%)と2四半期連続のプラス成長を予想する。内需が持ち直しの動きを続ける中、景気は緩やかに回復している。

ということで、私も前期比年率で+1%台後半から+2%強くらいの成長率を見込んでいるんですが、いくつかのリポートを拝見する限り、需給ギャップの解消やデフレ脱却のためには、このペースの成長率では物足りずに、さらなる景気加速が必要とされる、という見方もかなり広範に見られます。私自身はさらなる成長の加速が必要とまでは考えておらず、こんなもんだろうという気もします。
下のグラフはニッセイ基礎研のリポートから引用しています。2014年10-12月期にはプラス寄与だった外需が2015年1-3月期にはマイナスに転じているのが見て取れます。また、設備投資のプラス寄与が大きくなっています。仕上がりの成長率は10-12月期から1-3月期にかけて加速しているわけではありません。大雑把に私の実感と一致している気がします。

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2015年5月18日 (月)

機械受注は先行き弱含むのか?

本日、内閣府から3月の機械受注が公表されています。ヘッドラインとなる電力と船舶を除く民需で定義されるコア機械受注は季節調整済みの前月比で+2.9%増の8694億円となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、3月2.9%増 4-6月予想7.4%減
内閣府が18日発表した3月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比2.9%増の8694億円だった。プラスは2カ月ぶり。QUICKが事前にまとめた民間予測の中央値(1.8%増)を上回った。内閣府は機械受注の判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」とし、4カ月連続で同じ表現にした。
主な機械メーカー280社が製造業から受注した金額は0.3%増の3638億円と、3カ月ぶりにプラスとなった。業種別では、「パルプ・紙・紙加工品」や「化学工業」からボイラーやタービン、「造船業」から内燃機関などの受注が増えた。船舶・電力を除く非製造業から受注した金額は4.7%増の4978億円だった。前月実績を上回るのは2カ月ぶり。
併せて発表した1-3月期の船舶・電力を除いた民需の受注額は前期比6.3%増の2兆5713億円だった。プラスは3四半期連続。内閣府が2月に公表した1-3月期の受注額見通し(1.5%増)を上回った。
一方、4-6月期は7.4%減の見通しとした。製造業は9.4%減、非製造業は4.8%減を予想している。製造業で原動機や航空機、非製造業では電子通信機械や鉄道車両などの受注減を見込んでいる。
2014年度の受注額(船舶・電力を除く民需)は前年度比0.8%増の9兆7805億円だった。増加は2年連続。非製造業は3.3%減ったが、製造業(7.0%増)の伸びで補った。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は、続く企業物価も含めて同様に、景気後退期を示しています。

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日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+2.0%増でしたから、3月の実績はこれを上回る伸びを示したことになります。しかし、引用した記事にもある通り、4-6月の受注見通しがコア機械受注で▲7.4%減の2兆3,810億円、製造業が▲9.4%減の9,886億円、非製造業(除船舶・電力)も▲4.8%減との結果が同時に示されています。すなわち、足元から目先にかけて、順調に機械受注ないし設備投資が回復を示す姿にはなっていないわけで、4-6月期には減速を示す見通しとなっていて、この大きな要因は外需というか、輸出ではないかと私は受け止めています。すなわち、米国経済が冬季の異常気象や西海岸港湾の労使紛争の影響などからややスローダウンした印象があり、3-4月の雇用統計もそれを裏付けています。上のグラフの下のパネルでも、コア機械受注の外数ですが、外需の伸びは鈍化しているように見えます。この一時的な米国経済の減速がどこまで続くかに、我が国の設備投資ないし機械受注の先行きがいくぶんなりとも依存している可能性を指摘しておきたいと思います。逆に、米国経済が踊り場を脱して輸出が伸びを高めれば、我が国の設備投資が本格的な増加を示し始めるのかもしれません。

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次に、上のグラフは四半期データが利用可能となりましたので、機械受注達成率の推移を示しています。エコノミストの経験則として、景気転換ラインの90%を上回っていて、最近時点では少し上昇しているように見えます。

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2015年5月17日 (日)

序盤のチャンスをことごとく潰して中日にボロ負け!!

  HE
阪  神000000001 180
中  日00033000x 690

いいところなく中日に連敗でした。序盤のチャンスは併殺も含めてことごとく潰して、相変わらず決定力のなさを見せつけた上に、投手陣もことごとくフォアボールから崩れました。点差通りの大敗です。私のようについついテレビを見てしまった阪神ファンには、観戦は単なる時間のムダだったかもしれません。

甲子園での巨人戦は、
がんばれタイガース!

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映画「百日紅」を見に行く!

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正確には昨日の遅くなんですが、映画「百日紅」を見に行きました。原作は杉浦日向子、原恵一監督作品です。江戸時代末期の19世紀初頭の江戸を舞台に、絵師の葛飾北斎とその娘お栄を主人公にした物語です。先週の封切り時に、新聞を何面も使った広告が出ていたので期待していたんですが、やや物足りなかった気がします。ストーリーもそうですし、アニメも荒かったように感じました。好きな人はいいんでしょうが、万人にはオススメしません。

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2015年5月16日 (土)

今週の読書は社会学の学術書ほか

今週の読書も経済書はなしで、社会学の専門書、というか、学術書と小説と新書だけでした。以下の通りです。

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まず、ジョン・アーリ『モビリティーズ』(作品社) です。著者であるこの社会学者は『観光のまなざし』で有名になったような気がするんですが、私は同じ系列の『場所を消費する』を読んだ記憶があるものの、ジャカルタから帰国した直後の10年以上も前のことですので、本の内容はすっかり忘れました。そのころの観光の社会学から、本書ではその発展形だと思うんですが、移動の社会学を展開しています。本書でも明らかにされている通り、移動手段の高速化や多様化によって、移動時間が短くなったという意味で地球が狭くなった一方で、従来では不可能だった地点まで到達できるという意味で地球が広くなりました。本書では私の問題意識と同じで、パーソナルな自動車や自転車についてライン系の移動手段と規定し、いわゆる公共交通機関としてネットワーク系の鉄道や飛行機を移動手段と考えています。また、移動に代わるテレビ会議の手段などについても論じており、代替できる部分とできない部分を把握すべく努めています。また、ダンカン・ワッツ流の「スモール・ワールド」における6次のつながりと移動の関係についても議論しており、決して突飛ではないものの、かといってありきたりでもなく、とても興味深い結論に達しています。最後にご注意ですが、本書はあくまで学術書です。一般の読者を対象にしたいわゆる教養書ではなく、大学や大学院の専門教育の場でテキストとして用いるにふさわしい本ですので、それなりの覚悟と準備を持って読み始めることをオススメします。

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次に、宮部みゆき『過ぎ去りし王国の城』(角川書店) です。この作者の作品に時折あるSF的なファンタジーです。『蒲生亭事件』のようなモロのSFだけの作品ではなく、同時に『ブレイブ・ストーリー』のようなファンタジー色の濃い作品でもなく、ちょうどその中間のような両方の要素を兼ね備えています。しかし、主人公が卒業直前の中学3年生の男女ですから、どちらかといえばファンタジー色が濃いと考えるべきかもしれません。中世ヨーロッパ古城のデッサン画にアバターを描きこむことで入れることを知って、その古城にいる少女を助けに行き、それまでの現実世界とは異なるパラレルワールドを実現してしまう物語です。最後の終わり方に温かいものを感じます。私はこの作者の作品のファンですから、同じファンの方は読んでおくべき作品と考えています。今週の読書の中では唯一買い求めた本です。

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次に、桐野夏生『夜また夜の深い夜』(幻冬舎) です。ハタチ少し前の女性を主人公にする小説です。舞台はほぼイタリアのナポリです。主人公の女性がテロリストである母親を持ち、そのために日本に帰国できない同世代の女性に手紙を出すという形式となっている第1部、それに、手紙とともに通常の語り口で展開される第2部とに分かれています。最後の方で明かされる理由から、日本に帰国できず海外を転々と流浪してナポリにたどり着いた親子の物語で、主人公の母親は時折1か月くらい家を空けて整形手術に行き、少しずつ他人の顔になっていきます。ナポリに来てマンガ喫茶を開く日本人やカメラマンの中年日本人男性が登場し、主人公がいろいろと日本に関する情報を得るとともに、主人公の女性と同じくらいの世代の2人の難民、アフリカからの難民と東欧からの難民の2人一緒にナポリの裏社会で生き延びようとする場面など、最後の驚愕の事実、この主人公母娘が日本に帰れない理由が明らかにされます。

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最後に、松谷明彦『東京劣化』(PHP新書) です。日本の国とその首都である東京の都市としての劣化を論じています。特に、高齢化の観点から、現時点で若年層ないし中年層がそれなりに東京に集まった結果として、現時点では地方の方で高齢化が進んでいるものの、この先30-35年くらいの期間、東京において猛烈なスピードで高齢化が進むことを論じています。そして、財政からの対応についても論じており、増税ではなく歳出削減で対応すべき理由を上げ、さらに、少子化対策は実行的ではないと結論しています。かなりの部分に私は同意しますが、移民についてはまったく取り上げられていません。その意味で少し物足りない印象があります。海を挟んだ隣国に人口大国が控えて、場合によっては、100万人どころか億単位の移民が可能な国が尖閣諸島に迫っているんですから、私は移民による人口増には明確な疑問を持っています。この本の著者はどうなんでしょうか?

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2015年5月15日 (金)

サンティアゴ投手の初登板初先発初勝利を中日戦の逆転勝ちで飾る!!

  HE
阪  神000000020 271
中  日000010000 190

まったく知らなかったサンティアゴ投手の初登板初先発初勝利でした。ナゴヤドームの中日戦を逆転で先勝しロードに出てから3連勝です。マートン外野手も久々の打点で、今夜の逆転打から調子の波に乗って行きたいところです。

明日は能見投手を押し立てて、
がんばれタイガース!

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消費者態度指数は5か月ぶりに低下し、企業物価は消費増税から一巡してマイナスに転じる!

本日、内閣府から消費者態度指数が、また、日銀から企業物価指数 (PPI) が、それぞれ発表されています。いずれも4月の統計です。消費者態度指数は前月から▲0.2ポイント低下して41.5を記録し、企業物価のうちヘッドラインの国内物価上昇率は昨年4月からの消費増税の物価押上げ効果がほぼ剥落したため、前年同月比で▲2.1%の下落と大きなマイナスに転じました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の消費者態度指数、5カ月ぶり低下 0.2ポイント低下の41.5
内閣府が15日発表した4月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.2ポイント低下の41.5だった。5カ月ぶりに前月を下回った。
低下幅が小さかったことを考慮し、内閣府は消費者心理の基調判断を「持ち直している」に据え置いた。
指数を構成する意識指標である「暮らし向き」、「収入の増え方」、「耐久消費財の買い時判断」の3項目が前月から低下した。4月以降の食料品などの値上げが影響した可能性がある。「雇用環境」は5カ月連続で上昇した。
1年後の物価見通しについては「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月比1.4ポイント増の89.2だった。
調査は全国8400世帯が対象。調査基準日は4月15日で、有効回答数は5564世帯(回答率は66.2%)だった。
4月の企業物価指数、増税除き2.2%下落 6カ月連続で前年割れ
日銀が15日発表した4月の国内企業物価指数(2010年=100)は103.6で、前年同月比2.1%下落した。一部公共料金などに残る消費税率引き上げの影響を除くと2.2%下落となり、6カ月連続で前年同月を下回った。下げ幅は3月(2.1%下落)から拡大した。
前月比では0.1%上昇した。前月比の上昇要因を品目別に見ると、電気料金の値上げを背景に「電力料金・都市ガス・水道」が小幅上昇。建設資材の需要増で「金属製品」も小幅上昇した。
4月は原油価格が急上昇したが、物価への波及には時差があり、4月の企業物価への影響はほとんど見られなかった。メーカーによる値上げが相次いでいる食料品を含む「食料品・飲料・たばこ・飼料」は横ばいだった。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、消費税の影響を除くベースで前年同月比で上昇したのは330品目、下落は356品目となり、4カ月連続で上昇品目が下落品目を上回った。下落品目と上昇品目の差は26品目で、3月の43品目から縮小した。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、新旧の系列の消費者態度指数のグラフは以下の通りです。いつもの通り、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。

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消費者態度指数は5か月振りの低下ながら、ほぼ横ばい圏内に近い動きと受け止めています。しかも、引用した記事にもある通り、4項目のコンポーネントのうち、低下を示した「耐久消費財の買い時判断」は前月から▲0.9ポイントと大きな低下だったんですが、逆に、「収入の増え方」は▲0.1ポイントの低下にとどまり、一方、「雇用環境」は+0.8ポイントの上昇を示していますから、先行きは決して悪くないような気もします。でも、供給サイドのマインド指標である景気ウォッチャーは上昇して企業からは期待感が広がっているにもかかわらず、需要サイドの消費者態度指数は低下を示して家計の財布の紐はまだまだ緩まない、ということなのかもしれません。

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続いて、企業物価上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の、下のパネルは需要段階別の、それぞれの上昇率をプロットしています。いずれも前年同月比上昇率ですが、昨年4月の消費税率引上げに伴う物価の押上げ効果が剥落し、ヘッドラインの国内物価が▲2.1%を記録するなど、一気に上昇率が低下しマイナスに落ち込んでいたりするのが読み取れます。基本的には国際商品市況における石油価格の下落に加えて、4月からは昨年の消費増税の影響の剥落のインパクトが大きいと受け止めています。なお、寄与度でプラス寄与している項目は、電力・都市ガス・水道が+0.05%、金属製品と農水産物がともに+0.03%などとなっています。引用した記事にもある通り、4月は石油価格が上昇しましたが、その影響は今後に持ち越しているようです。4月末の「展望リポート」の中間見直しあたりで、追加緩和があり得ると私は考えていたんですが、今後の金融政策動向もウォッチしたいと思います。

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2015年5月14日 (木)

今年の新入社員はワーク・ライフ・バランスのゆとり重視派か?

そろそろ5月も半ばとなり、その昔の「5月病」なんて言葉は現在では死語になったのかもしれませんが、4月に入った新入社員に関する意識調査結果などが出回り始めています。このブログでも三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「新入社員意識調査アンケート結果」を毎年定点観測していますが、今年は5月1日に発表されています。まず、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのサイトから【アンケート調査結果概要】のポイントだけを5点引用すると以下の通りです。

【アンケート調査結果概要】
  • 理想の上司は「寛容型」。会社に望むのは人間関係の良さ。
  • 売り手市場でも就職活動は依然として「大変」。8割近くが"ブラック企業"ではないか気に掛けた。
  • 30歳時点での予想年収は平均424万円。最高時点では平均602万円にまで上がると予想。
  • 今の日本は「曇り」。最も問題のある格差は「貧富の格差」。将来の年金には期待薄。
  • 将来の地方移住には比較的前向き。

この調査では昨年もワーク・ライフ・バランスについて考えさせられる結果が出ていたんですが、人手不足から徐々に売り手市場になりつつある今年は、一段とゆとり重視の結果が明らかにされているようです。ということで、pdfの全文リポートから図表を引用しつつ、今年の調査結果を簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから p.3/27 図表3.就職活動の際、"ブラック企業"を気にしたか を引用しています。最初の【アンケート調査結果概要】にもある通り、人手不足が少しずつ顕在化しつつあり、就職活動は「大変」から「楽」にシフトしつつあるんですが、他方で、「ブラック企業」への警戒感が就活生の中で広がっています。「気にした」と「少しは気にした」を合わせると80%ほどに上ります。高校では就職課などが仲介・斡旋し、もともとよく知る企業に就職するケースも多い一方で、大学や大学院卒の学生は、それまでほとんどつながりのなかった企業への応募が中心となることから、どうしても警戒感が高くなっているのではないかとリポートでは分析しています。

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次に、上のグラフはリポートから p.4/27 図表6.会社に望むこと: 私生活に干渉されない を引用しています。最近10年余りの推移です。実は、この調査では、会社に最も望むこと上位3つを順位付けして回答して、1位に3点、2位に2点、3位に1点としてポイント化した結果、「人間関係がよい」が最も高く、次いで「自分の能力の発揮・向上ができる」となっており、「私生活に干渉されない」は7位に過ぎないんですが、リーマン・ショック後の就活が厳しかった時期にはそれほどでもなかったものの、最近時点ではワーク・ライフ・バランスを重視する傾向もあって、徐々にポイントを増加させているのが見て取れます。

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次に、上のグラフはリポートから p.5/27 図表7.仕事・職場生活に関する不安 を引用しています。逆の視点といえます。会社に望むことの反対で、「上司・先輩・同僚との人間関係」と「仕事が自分に合っているか、うまくできるか」が同率で首位となっています。男女別ではいずれも女子にこの不安の比率が高いようです。

その他、【アンケート調査結果概要】に上げられている他にも、就労意欲や出世意欲や30歳時の予想年収などの興味ある意識調査結果もなくはないんですが、帰宅が遅くなった勝手な都合で割愛します。また、「海外勤務の希望」については、この調査では設問自体がありません。ワーク・ライフ・バランスにも影響しそうな気がしますが、もはや話題性がなくなったのかもしれません。

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2015年5月13日 (水)

打撃戦を制してヤクルトに先勝し連敗脱出!!

  HE
阪  神002003020 7120
ヤクルト001000301 5100

広島に3タテされた後、昨日の台風休みがよかったのか、マーチン外野手が少し打ち出したこともあって、打撃戦を制してヤクルトに先勝した試合でした。まだまだ夜明けは遠そうですが、少し調子を上げて欲しいものです。そうでないと、タイガースお得意のお家騒動が持ち上がり、阪神ファンの間ですら激しい批判合戦が起きかねません。ファンの間での批判合戦を見るにつけ、タイガースの調子の悪さを実感してしまいます。

明日も、
がんばれタイガース!

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景気ウオッチャー調査と経常収支の統計から何が読み取れるか?

本日、内閣府から4月の景気ウォッチャーが、また、財務省から3月の経常収支が、それぞれ公表されています。ヘッドラインとなる景気ウォッチャー現状判断DIは前月から+1.4ポイント上昇して53.6を記録し、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+2兆7953億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月街角景気、現状判断指数が5カ月連続改善 基調判断は維持
内閣府が13日発表した4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比1.4ポイント上昇の53.6となった。改善は5カ月連続。好況の判断の目安となる50を3カ月連続で上回り、消費増税前の14年3月(57.9)以来の高水準となった。内閣府は「景気に前向きな見方が増える半面、物価上昇などを背景に消費の慎重さへの指摘も根強い」と指摘。街角景気の基調判断は、3月と同じ「緩やかな回復基調が続いている」に据え置いた。
現状判断指数は家計動向が前月比2.3ポイント上昇の53.2と、3カ月連続で改善した。企業動向は0.1ポイント上昇の52.8で、改善は5カ月連続。家計関連では「相場が上昇している野菜も、販売量はあまり落ちていない。品質の良い生鮮食品を中心に、客の買い物動向は底堅く推移している」(近畿・スーパー)といった声のほか、企業関連では「閑散期だが仕事が切れていない。堅調である」(北関東・建設業)といった見方があった。雇用関連は1.3ポイント低下の58.1と、5カ月ぶりに前月を下回った。
家計関連で「軽自動車税増税、商品力不足による客の購買意欲低下が、販売意欲の低下につながっている」(北関東・乗用車販売店)、企業関連では「新学期商戦において、販売数量が予想より落ち込んでいる」(中国地方・繊維工業)などと景気を不安視する声も聞かれた。
2-3カ月後の景気を占う先行き判断指数は、前月比0.8ポイント上昇の54.2と、5カ月連続で改善した。4カ月連続で50以上となり、13年12月(54.7)以来の水準を回復した。先行きの基調判断は「物価上昇への懸念などがみられるものの、賃上げへの期待や外国人観光需要への期待などがみられる」とする3月の表現を変えなかった。景況感の先行きを巡り「正社員求人数は前年同月比で増加しており、この傾向は今後も続く」(九州・職業安定所)などの声が出ていた。
調査は景気に敏感な小売業など2050人を対象とし、有効回答率は90.5%だった。3カ月前と比べた現状や2-3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。
経常黒字、4年ぶり増加 14年度7兆8100億円
財務省が13日発表した2014年度の国際収支状況(速報)によると海外とのモノやサービスの取引や投資の状況を示す経常収支は7兆8100億円の黒字だった。経常黒字額は、貿易赤字が膨らんだ13年度の1兆4715億円から回復した。増加は4年ぶり。円安を背景に訪日する外国人が増え、旅行収支が改善した。外国債の利払いや外国株式の配当などの投資収益も増加した。
貿易収支は6兆5708億円の赤字(前年度は11兆187億円の赤字)だった。原油価格の下落で原燃料の輸入額が減少。円安で円換算の輸出額が増えたことで収支が改善した。外債の利払いや外国株の配当が増え、第1次所得収支は19兆1369億円の黒字(同17兆3820億円の黒字)だった。
同時に発表した3月の経常収支は2兆7953億円の黒字(前年同月は1306億円の黒字)だった。黒字は9カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は2兆655億円の黒字だった。貿易収支は6714億円の黒字、第1次所得収支は2兆3265億円の黒字だった。

2つの記事を並べていますので、どうしてもやや長くなったものの、いずれも、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気ウォッチャーのグラフは以下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

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改めて、上のグラフにプロットした景気ウォッチャーのヘッドラインとなる現状判断DIは前月から+1.4ポイント上昇の53.6、先行き判断DIも+0.8ポイント上昇の54.2を記録しています。現状判断DIでは企業動向関連が前月から+0.1ポイントの上昇と極めて小幅にとどまった一方で、家計動向関連では+2.3ポイントの上昇を示し、特に小売り関連では大きく上昇しています。消費増税後の駆込み需要の反動減を経験した昨年4月との対比で上昇した可能性があると受け止めています。他方で、4月の先行き判断DIでは家計動向関連よりも企業動向関連の方がわずかながら上昇幅が大きくなっています。国内要因としては賃上げへの期待、また、海外からの外国人観光需要への期待が理由として上げられています。いずれにせよ、現状判断DI、先行き判断DIとも50を上回る水準で推移していることから、景気ウォッチャーが示す供給サイドのマインドは堅調であると考えるべきです。この先、6-7月の夏季ボーナスの時期を迎えて、ボーナス増加の実感が加われば、すでに50を超えた水準ながら、マインドがさらに上昇する可能性すらあります。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。季節調整済みの系列をプロットしていますので、引用した記事と少し印象が異なるかもしれません。引用した記事にもある通り、3月の経常収支は日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスである2兆円強からかなり上振れし、大きな黒字となりました。基本的には、国際商品市況における石油価格の下落に起因していますが、春節要因で貿易収支が大きく振れやすいのも見逃せません。すなわち、上の季節調整済みの系列のグラフで示されているように、1月の貿易黒字の後、2月は春節で貿易赤字を記録し、3月は再び貿易黒字となっています。貿易収支の先行きについては国際商品市況の動向にもよりますが、LNG価格が石油に遅行しますので、目先でもう少し貿易黒字が拡大する余地がありそうな気がします。ただし、どこまで経常黒字が拡大を続けるかは現時点では不明です。
また、2014年度の計数が出たことに関して、財務省発表資料から2点だけ着目すれば、月曜日のエントリーでも取り上げた観光に関して、サービス収支のうちの旅行収支が+2099億円の黒字と1959年度以来55年振りの黒字を記録するとともに、知的財産権等使用料が統計を取り始めた1996年度以降で最大の黒字を上げています。オーバーオールの経常収支は基本的に国内の貯蓄投資バランスの裏側で発生すると私は考えていますし、この2点ともに円安がそれなりに寄与していることは忘れるべきではありませんが、もしも、各収支項目が競争力に基づいて自律的に決定されると考えるのであれば、こういった収支項目を世界経済からの稼ぎ手と見るエコノミストがいるのかもしれません。

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2015年5月12日 (火)

下降を続ける景気動向指数は景気の転換を示しているのか?

本日、内閣府から3月の景気動向指数が公表されています。ヘッドラインとなる一致指数は前月から▲1.2ポイント下降して109.5を示した一方で、先行指数は逆に+0.8ポイント上昇して105.5を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月景気一致指数、2カ月連続悪化 基調判断据え置き
内閣府が12日発表した3月の景気動向指数(速報値、2010年=100)は、景気の現状を示す一致指数が109.5と、前月に比べ1.2ポイント下がった。悪化は2カ月連続だが、低下幅は2月(2.6ポイント)と比べ縮小。内閣府は、一致指数の基調判断を「改善を示している」に据え置いた。
一致指数を構成する11指標のうち、商業販売統計など8指標が指数の下振れにつながった。商業販売統計(小売業・卸売業)は、前年同月に消費増税前の駆け込み需要が膨らんだ反動でマイナス影響が大きかった。スマートフォン(スマホ)向け電子部品などを含む鉱工業生産財出荷指数や、有効求人倍率といった指標も前月比で悪化し、一致指数の低下要因となった。半面、耐久消費財出荷指数は改善し、指数を下支えした。
数カ月先の景気を示す先行指数は0.8ポイント上昇の105.5と、3カ月ぶりにプラスに転じた。消費者態度指数の改善や東証株価指数の上昇などが寄与した。景気に数カ月遅れる遅行指標は1.2ポイント低下の120.3だった。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDI(最高は100)は一致指数が40.0、先行指数が55.6だった。

いつもながら、簡潔によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「改善」に据え置いていますが、景気動向指数の基調判断はほぼ機械的に決定され、「改善」は3か月以上連続して3か月後方移動平均が上昇した場合であり、「改善」の次に来るのではないかと予想される「足踏み」は3か月後方移動平均の符号が変化し、1ないし3か月の累積で1標準偏差以上の逆方向への振れがあった場合、とされています。3月の景気動向指数の一致指数は3か月後方移動平均の符号が逆転してマイナスとなりましたが、基調判断に変化ないということは、まだ1標準偏差分の逆方向への振れが実現していないということなんだろうと思います。3月統計で観察された3か月後方移動平均の符号の変化が、景気局面の転換に起因するのか、それとも、昨年4月からの消費増税直前の駆込み需要によるイレギュラーな要因に起因するのか、今後の動向が気がかりなところです。ただし、グラフは示しませんが、私がチェックしているうちのDI累積指数はCI一致指数の広報3か月移動平均と同じで、2月までプラスを示していて3月統計からマイナスに転じています。私自身は本格的な景気局面の転換とは考えておらず、消費増税直前の駆込み需要によるイレギュラー要因と受け止めていますが、いずれにせよ、3月の景気動向指数からだけでは判断しがたいところです。
なお、私が景気局面の転換ではなく消費増税前の駆込み需要のイレギュラー要因と考えている根拠は、商業販売額(小売業)と商業販売額(卸売業)のいずれも前年同月で取っているCI一致指数のコンポーネントがマイナス寄与の2大要因となっている一方で、耐久消費財出荷がもっとも大きいプラス要因を示しているからです。今年3月の景気動向は消費増税直前の駆込み需要のあった昨年3月と比較すれば下振れしているものの、今年2月の直前月と比較すれば上向きなわけで、景気動向としては後者の傾向を取るべきですし、さらに、来月発表予定の4月統計では昨年の消費増税直後の4月と前年同月で比較すると大きなプラスを示す指標も少なくないと予想しています。3月のCI一致指数が前月から下降したのは事実ですが、CI先行指数が上昇している事実も見逃すべきではないと私は考えています。

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2015年5月11日 (月)

先週発表されたリポートからボーナスと観光・旅行の2題について

ゴールデンウィークも完全に明けて、今日からは本格的に通常勤務というオフィスも少なくないと思いますが、このブログで取り上げている主要な経済指標はまだ出が悪く、明日に内閣府から景気動向指数が発表される予定となっているものの、今日はまだそれほどでもないといった状態です。仕方ないので、旧聞に属する話題かもしれませんが、オリジナルの資料からいくつか図表を引用して簡単に済ませておきたいと思います。

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まず、上のグラフは労務行政研究所の取りまとめによる「東証第1部上場企業の2015年夏季賞与・一時金 (ボーナス) の妥結水準調査」から 図表3 夏季賞与・一時金妥結額の推移(単純平均) を引用しています。東証第1部上場企業122社を対象に、今年の賃上げと同時期に交渉・決定した夏季賞与・一時金の妥結水準を4月15日時点で調査し、それを集計した結果となっています。夏季ボーナス73万4434円で前年同期比3.0%増と2年連続のプラスを示しています。東証1部上場122社という極めて偏った少数のサンプルですので、金額はかなり平均よりも高いと考えざるを得ないんですが、伸び率はより平均に近い可能性があると受け止めています。4月14日付けのエントリーでもシンクタンクによるボーナス予想を取り上げましたが、今年の夏のボーナスは期待できそうです。

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次に、いわゆるダボス会議を主催する国際経済フォーラムが旅行・観光の競争力ランキングについて取りまとめた Travel and Tourism Competitiveness Report 2015 から、上のグラフは p.5 Table 1: The Travel & Tourism Competitiveness Index 2015 Ranking を25位まで引用しています。フルランキングは141位まであります。西欧や北米の国に交じってアジア太平洋からも何か国かランクインしており、我が日本はオーストラリアに次いでアジア太平洋では2位、世界全体の中でも9位にランクインしています。昨年は14位だったそうです。

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最後に、同じ Travel and Tourism Competitiveness Report 2015 のリポートから、上のグラフは p.192 にある国別プロファイルのうちの日本のレーダーチャートを引用しています。黒い線で示されたアジア太平洋諸国の平均に対して、我が国は Price Competitiveness のスコアがひどく下回っていますが、Cultural Resources and Business Travel をはじめ、ICT Readiness や Ground and Port Infrastructure や Health and Hygiene などのスコアが高いことが見て取れます。

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2015年5月10日 (日)

いいところなく一方的に広島に3タテされて最下位をがっちりキープ!!

  HE
広  島010022200 7110
阪  神001000010 270

連日のボロ負けで広島に3タテされて、最下位をがっちりキープした試合でした。打線では調子の上がらないマートン外野手を完全休養させ、リリーフ陣では榎田投手と渡辺投手を引き上げましたが、何の結果も出せずに終わりました。夜明けは遠そうです。

何とか次のヤクルト戦は、
がんばれタイガース!

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先週の読書は専門書と小説

今週の読書は進化論的な観点も含む生物学の専門書と小説だけで、以下の通りです。

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まず、エリザベス・コルバート『6度目の大絶滅』(NHK出版) です。著者はサイエンス系のジャーナリストで、いくつか著書もありますからサイエンス・ライターともいえそうです。タイトルから明らかな通り、生物学、特に生物多様性に関する専門書といえます。地球ではこれまで5度の大量絶滅が起きていて、それらの原因は隕石衝突、火山活動、氷河期到来など、いずれも突然の大規模な自然災害で多くの種が消滅したといわれていますが、現在でも、サンゴ類の1/3、淡水産貝類の1/3、サメやエイの1/3、哺乳類の1/4、爬虫類の1/5、鳥類の1/6、植物の1/2がこの世から姿を消そうとしているとされており、本書ではこれらの原因が我が人類である可能性が示唆されています。例えば、本書冒頭ではカエルがツボカビ病により激減している原因のひとつが妊娠検査薬にある可能性を示唆していますし、それ以外にも有史以前から人類が動植物を絶滅させてきた例には枚挙にいとまがありません。本書は、ニューヨーク・タイムズが選ぶ昨年の The 10 Best Books of 2014 に選ばれた話題の書なんですが、従来から私が生物多様性に関して持っている疑問には答えてくれてはいません。すなわち、生物多様性の最適性に関する疑問です。パングロシアンに現時点での生物多様性がベストであり、絶滅は言うに及ばず新種の誕生も好ましくない、という意見、特に後者の新種の誕生を回避すべきという意見に賛成の生物学者は少ないと私は考えているんですが、では、どこまでも生物多様化が進めばそれでいいのかというと、そうでもない気がします。絶滅と新種誕生に対する非対称な受止めも疑問ですが、生物多様性に対する一次微分が正というのは同意するとしても、2次微分まで正なのかどうかに疑問を持っているわけです。取りあえず、目先の課題は絶滅の回避と生物多様性の維持であることは同意するものの、もう少し視野を広げた生物多様性に関する議論も必要そうな気がします。

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次に、真保裕一『レオナルドの扉』(角川書店) です。私はこの作者の作品は外交官・黒田康作のシリーズしか読んだことがないんですが、上の倅といっしょに、このシリーズの『アンダルシア』の映画も見に行った記憶があります。ということで、この作品に戻ると19世紀初頭のナポレオン全盛期のフランスに支配されるイタリアを舞台に、現在の日本でいえば高校生くらいの男女3人の青春冒険物語です。レオナルド・ダ・ヴィンチが遺した秘密のノートをめぐって、フランスの大陸軍、レオナルド・ダ・ヴィンチの末裔、さらに、法王庁をバックにするミケランジェロの末裔が3つどもえになって争奪戦を繰り広げます。とても楽しめるんですが、とても大きなストーリーを展開したにしては、最後の結末が少しショボい気がします。3つどもえのうち2つが手を組んでもっとも強大な敵に当たるんですが、このあたりはやや描写に細かな配慮がないように受け止めています。日本人作者の作品ですから、宗教的な対立が全く無視されているのは理解します。ただし、ナポレオンや皇帝を「閣下」と呼称しているのは理解できません。普通は「陛下」ではないかと思うんですが、何か説明が抜けているのか、私が読み飛ばしてしまったのかもしれません。最後に、ひょっとしたら、数年後にジブリのアニメ映画の原作として取り上げられる可能性はゼロではないと思います。

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最後に、御手洗潔シリーズで新たに新潮文庫に収録された島田荘司『ロシア幽霊軍艦事件』と『御手洗潔と進々堂珈琲』(新潮文庫) です。『ロシア幽霊軍艦事件』は御手洗潔シリーズの典型的なミステリで、いわゆる遠隔推理モノです。ロマノフ王朝滅亡時のアナスタシア王女の恋物語と言えます。『御手洗潔と進々堂珈琲』は予備校生のサトルとの交友を通じて御手洗が京大生時代に語った4編の短篇ないし中編を収めています。私は不遜にも島田荘司の御手洗潔シリーズと吉敷竹史シリーズはすべて読んだつもりだったんですが、御手洗シリーズの最新作で『星籠の海』上下(講談社)というのが一昨年2013年に出版されているのは知りませんでした。誠に不覚です。そのうちに、図書館で借りて読みたいと思います。

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2015年5月 9日 (土)

連日のボロ負けで広島に連敗し最下位に沈む!!

  HE
広  島001020214 10160
阪  神000000000 060

連日のボロ負けで広島に連敗し、とうとう最下位に転落でした。持ちこたえていた投手陣、特に敗戦処理のリリーフ陣が崩壊し、先発投手が失点すると確度高く負けるようになった気がします。打線が得点力ないのは変わりなく、打線も投手陣も守備もすべてがほぼ最低ラインにあるのかもしれません。

明日は、
がんばれタイガース!

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米国雇用統計は再び改善に向かうか?

日本時間の昨夜、米国労働省から4月の米国雇用統計が公表されています。冬季の異常気象や西海岸港湾の労使紛争の影響などから、1-3月期の米国経済はややスローダウンした印象を受けていますが、4月の雇用統計は再び改善を示し、非農業部門雇用者数の増加は+223千人に上り、失業率も5.4%と前月から改善を示しています。まず、New York Times のサイトから記事を最初の7パラだけ引用すると以下の通りです。

U.S. Economy Added 223,000 Jobs in April; Unemployment Rate at 5.4%
The American job market rebounded in April, the government said on Friday, helping to ease worries that the economy was on the brink of another extended slowdown after a bleak winter in which the overall economy stalled. But the growth in jobs failed to translate, once again, into any significant improvement in pay.
Employers added 223,000 positions last month, the Labor Department reported, and the unemployment rate decreased to 5.4 percent, a turnaround from the disappointing performance in March, initially reported as a modest 126,000 gain and then revised down on Friday to 85,000.
"We expected a rebound following the numbers in March and we got it, but not much more," said Guy Berger, United States economist at RBS. "Wage growth is still the missing piece."
Indeed, before Friday's report, some economists were estimating that average hourly earnings might rise 0.2 percent or more in April, signaling an upswing from the slow pace of wage gains since the end of the recession.
But average hourly earnings rose only 0.1 percent in April, producing a 2.2 percent annual gain. That modest showing suggests that any meaningful wage gains for most workers are still delayed, despite the steadily falling unemployment rate.
The absence of wage pressure suggests that the Federal Reserve will not be in a rush to take its long-awaited first step in raising short-term interest rates, which have been near zero since late 2008.
Many experts once expected the Fed to move in June, but the consensus has recently shifted to September or beyond as the probable beginning of any gradual tightening effort by the central bank.

やや長いものの、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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繰返しになりますが、今冬の米国経済は異常気象や西海岸港湾の労使紛争の影響などから、ややスローダウンした印象を私は持っており、その統計的なエビデンスが3月の雇用統計に現れていると考えています。すなわち、非農業部門雇用者数の前月差の伸びで見て、昨年11月には+423千人、12月には+329千人を記録していたのが、今年に入って1月には+201千人、2月+266千人の後、3月にはとうとう+85千人まで減速しましたが、4月にはやや盛り返して+223千人の増加となりました。失業率も2月3月の5.5%の後、4月はさらに▲0.1%ポイント低下して5.4%を記録しています。産業別に見て、建設業や自動車・部品産業の雇用者が3月の前月差マイナスから4月にはプラスに戻っていますので、雇用調整が製造業などを中心に峠を超えたと受け止められているようです。ただし、小売業や卸売業はまだ完全復調まで届かない印象です。物価だけでなく雇用の最大化もデュアル・マンデートとして政策目標とする連邦準備制度理事会(FED)が失業率低下の目安としている+200千人の雇用増のラインを4月の雇用統計は再び越えて、テイパリングないし利上げに向かうFEDをサポートしているように見えます。

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また、日本やユーロ圏欧州の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、ほぼ底ばい状態が続いている印象です。サブプライム・バブル崩壊前の+3%超の水準には復帰しそうもないですが、まずまず、コンスタントに+2%のライン周辺で安定していると受け止めており、少なくとも、底割れしてかつての日本や現在の欧州ユーロ圏諸国のようにゼロやマイナスをつけてデフレに陥る可能性は小さそうに見えます。

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2015年5月 8日 (金)

先発藤浪投手が早々に打ち込まれて広島にボロ負け!!

  HE
広  島005200001 860
阪  神001001100 341

先発藤浪投手が早々に打ち込まれて広島にボロ負けでした。3回に5失点、4回にも2失点で、中盤までに7点差ですから、これだけのハンディを取り返そうとすれば、今の阪神打線では30イニングくらいを必要としそうな気がします。試合半ばで勝負を諦め、9回表に8点目を失ってダメを押されて、私はお風呂に逃げ込んでしまいました。一昨日の試合はまぐれだったんだろうと思います。ですから、和田監督も新井良太選手を先発起用しませんでした。和田監督自身がまぐれと信じているのだろうと私は受け止めています。

明日は、
がんばれタイガース!

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今年の花粉症を振り返る!

やや旧聞に属する話題ですが、5月1日にウェザーニューズから「第2回花粉症調査」の結果が公表されています。俗に、花粉症は建国記念日からゴールデンウィークまで、と言われますが、私の場合は今年はゴールデンウィーク後半の5月3-4日ころに激しい鼻水の噴出を経験してしまいました。というわけで、週末前の軽い話題として、ウェザーニューズのサイトからいくつか図表を引用しつつ、今年の花粉症を振り返っておきたいと思います。

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まず、花粉症の症状が1番つらい部位に関する回答は上のグラフの通りで、見れば分かるんですが、「目」は31%、「鼻」は58%、「口・のど」は8%となっています。私も圧倒的に鼻です。目も少し気にかからないでもないんですが、市販の目薬で対応している一方で、花粉症のアレルギーがひどい折には鼻水が止まらなくなってしまいます。鼻水には処方薬で対応するしかありません。

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次に、花粉症がつらい時間帯に関する回答は上のグラフの通りで、これはツインピークを成しており、朝の起きがけの時間帯と午後の昼下がりとなっています。ツインピークのうちでも、朝の起きがけの7時ころがもっとも回答が多くなっています。私はどちらかというと午後に症状が重くなりがちな気がします。でも、ホントにツライ時は、横になって寝ている間を除いて1日じゅうツライです。なぜか、私の場合は横になると鼻水は止まります。

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次に、今年の花粉症の症状の重さに関する回答は上のグラフの通りで、これも見れば分かるんですが、「かなりつらかった」が9%、「つらかった」が23%、「ややつらかった」が35%、「我慢できた」が33%となっています。何と比べるかにもよりますが、私は今年は去年に比べてとてもつらかった気がします。グラフは引用しませんが、四国や九州など西日本ほど「我慢できた」割合が多く、反対に北日本から東日本ほど「かなりつらかった」と「つらかった」の割合が多い結果となっています。

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最後に、メインの花粉症対策に関する回答は上のグラフの通りで、いつも不思議に思うんですが、病院に行って処方箋薬を処方してもらう私には、病院にも行く必要のない程度の花粉症の軽さはうらやましい限りです。数年前に、ホントにひどかった時、とても太い注射をお尻に打たれた経験も私にはあったりします。

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2015年5月 7日 (木)

日銀レビュー「『量的・質的金融緩和』: 2年間の効果の検証」やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、いくつかのメディアにも取り上げられたところで、日銀企画局から日銀レビューとして、「『量的・質的金融緩和』: 2年間の効果の検証」と題するリポートが公表されています。取り上げられたといっても、国内メディアはやや関心が薄く、私は日経新聞のサイトで見かけたくらいなんですが、ブルームバーグロイターでは当然に注目していたような気がします。今夜のエントリーでは日銀のサイトにアップされているpdfのリポートから図表を引用しつつ簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、上の概念図はリポートから【図表1】「量的・質的金融緩和」のメカニズム を引用しています。いわゆる異次元緩和により期待物価上昇率が上昇し、実質金利が低下し、それによって需給ギャップの改善などの実体経済への影響が生じる、という関係です。
その上で、実質金利の低下幅をいくつかの方法により推計しています。ESPフォーキャストに参加しているエコノミストやQUICK調査に見られる市場参加者による長期の予想物価上昇率から算出される観察アプローチ、消費者物価と需給ギャップの関係をトレンド・インフレ率の変化とフィリップス曲線の傾きの変化に分解するトレンドインフレ率アプローチ、10年物長期金利を被説明変数とする回帰分析を用いて推計する回帰分析アプローチ、イールドカーブ全体の情報から「均衡実質イールドカーブ」を推計する均衡金利アプローチ、の4手法を用いて、実質金利の低下幅は▲1%ポイント近い▲0.8%ポイントから▲0.9%ポイントと結論しています。

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そして、上の表はリポートから【図表6】 波及効果の試算 を引用しています。表の下の注にある通り、日銀のマクロ計量モデル(Q-JEM)を用いて実際の経済への影響をシミュレーションしています。試算は2種類示されていますが、まあ、【試算2】の方が実績に近いと見なしたいという明らかな意向が汲み取れる気がするのは私だけではないと思います。
なお、Q-JEMモデルについては、2011年バージョンの詳細が "Quarterly Japanese Economic Model (Q-JEM): 2011年バージョン" として公表されているんですが、どこまで更新されているのかは私は知りません。私は大昔の一時期ながら役所の計量モデルを管理していたことがあるので、計量モデルから得られる結果がどういうものかはある程度理解しているつもりですが、メディアや一般のビジネスマンには魔法のブラックボックスから得られる「ご神託」のように見えがちであることも理解しているつもりです。
結論としては、「各種の金融経済指標は、『量的・質的金融緩和』で想定されたメカニズムに沿った形で、変化してきたことが確認できた。」と日銀は胸を張っている一方で、「2%の『物価安定の目標』を安定的に実現するためには、さらなる予想物価上昇率の上昇が必要である。」とも付け加えています。

手法も結論も穏当な内容ではないかと私は受け止めていますが、ひとつだけ気がかりなのは、マクロ計量モデル(Q-JEM)を管理運営している調査統計局や研究機関である金融研究所ではなく、政策の企画立案部局である企画局がリポートを取りまとめていることです。どうしてなのか、極めて週刊誌的な興味があります。

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2015年5月 6日 (水)

最終回ツーアウト走者なしから逆転サヨナラで中日に連勝!!

  HE
中  日001001000 260
阪  神000000012x 371

相変わらず、打線がサッパリ打てずに敗色濃厚な中、新井良太選手のホームランとサヨナラ打で中日に連勝でした。先発岩崎投手は6回2失点でしたから、まずまず合格点と言えますし、ベテランのリリーフ陣2人も完璧に抑えました。投手陣はOKです。問題は打線です。最終回ツーアウト走者なしから逆転サヨナラですから劇的な勝利なんですが、今日は中日の継投ミスに助けられただけという気もします。何とかならんもんでしょうか?

明後日からの広島戦も、
がんばれタイガース!

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2015年5月 5日 (火)

先発岩田投手の投打の活躍でようやく5月の初勝利!!

  HE
中  日100000100 290
阪  神10000300x 491

中盤まで投手戦っぽい雰囲気だったんですが、6回に先発岩田投手の3点スリーベースでようやく5月の初勝利でした。打線は相変わらず得点力なく、岩田選手のラッキーパンチのスリーベースがなければ、今日も負けて4連敗だったかもしれません。明日からも打線の奮起を期待します。

明日も、
がんばれタイガース!

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ゴールデンウィークにシュンペーター『経済発展の理論』を読む!

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シュンペーター『経済発展の理論』上下 (岩波文庫) を読み終えました。未読の古典でしたので、まあいいかと思うんですが、やっぱりゴールデンウィークに読む本としては分量的に不足していたような気もします。いわゆる「革新」について、体型の均衡点を動かすものであって、しかも、微分的な連続性を持った均衡点の移動ではない、と論じており、私の歴史観ととてもよく合致しています。何度か、このブログにも書きましたが、私の歴史観は基本的にヘーゲルの弁証法的であり、微分方程式に沿って進歩を示しているものの、確率論的なジャンプがある、というものです。すべてが微分方程式に沿って進んでいれば、初期値さえ決まればアカシック・レコードのように、未来は決定されてしまいますが、決して決定論的ではなく、確率論的に非連続なジャンプがあり得るわけで、その非連続なジャンプこそが弁証法的な「量的変化が質的変化に転化する」という歴史観です。とてもマルクス主義的な歴史観だと自分では思っています。
分量的に「日和った」と4月27日のブログに書きましたが、実はここ数年、まとまったお休みにはブローデルの『地中海』を読みたいと考えているんですが、全5巻のボリュームですから手が出ずにいます。また、今年は上の倅が社会学を勉強するといって大学に進学しましたので、ジョン・アーリでも読もうかと考えたこともあり、既読は『場所を消費する』くらいだったので、著名な『観光のまなざし』とか、『社会を越える社会学』とか、『グローバルな複雑性』なども考えないでもなかったんですが、つい最近になって『モビリティーズ』が邦訳出版されたと知り、ゴールデンウィーク中には入手が間に合わないと諦めてしまいました。

まあ、来年のゴールデンウィークとか、次の年末年始休みとか、いろいろと考えたいと思います。まとまったお休みにしては、ややしょぼい読書感想文でした。

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2015年5月 4日 (月)

序盤から一方的な試合展開でいいところなく中日にボロ負けし泥沼の3連敗!!

  HE
中  日102300102 9161
阪  神000001001 240

序盤から一方的な試合展開でいいところなく中日にボロ負けして泥沼の3連敗でした。打線は打てずに4安打で、投手陣は出て来る投手が軒並み失点した印象です。ユニフォームを変えても、甲子園に戻っても、まったく試合振りは昨日から変わりありませんでした。最終回の得点は明日につながるか、単なるあだ花か?

明日は、
がんばれタイガース!

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2015年5月 3日 (日)

終盤に試合が壊れて巨人に連敗!!

  HE
阪  神011010000 360
読  売00210223x 10172

終盤に試合が壊れて巨人に連敗でした。藤浪投手と能見投手で巨人に連敗ですから、ベンチワークも含めて現時点での実力差なのかもしれません。それにしても、代打と敗戦処理の控えの選手の層の薄さが際立った試合でした。

明日は甲子園に戻って、
がんばれタイガース!

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先週の読書は経済書ばっかりで伊藤隆敏『日本財政「最後の選択」』ほか

先週の読書は伊藤隆敏『日本財政「最後の選択」』ほか、経済書が多くて以下の4冊です。この先、読書に関してはゴールデンウィーク体制に入りそうな気がします。

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まず、伊藤隆敏『日本財政「最後の選択」』(日本経済新聞出版社)です。本書のタイトルや第1章の表題「このままでは日本は破産する!」などから伺える通り、我が国の財政についてカタストロフィックな議論を展開しています。私もリフレ派のエコノミストの中では財政のサステイナビリティに対して大きな疑問を有している方ですから、問題意識は本書の著者である伊藤教授と大いに共通しているんですが、本書では財政のサステイナビリティ回復のための手法として、もっぱら増税を念頭に置いており、その点がかなり違うと受け止めています。本書第5章では簡単なシミュレーション結果が示されており、財政のサステイナビリティ維持のために最低でも15%、出来れば20%の消費税率が推奨されています。私は本書の論調に対して一方的に反対するものではありませんが、高齢者に大きく偏った社会保障支出への切込みが甘いままで増税しても、結局、高齢者向け支出が大きく膨らんでしまう可能性が高く、非常に困難な政治的課題である増税を決定したところで、穴の開いたバケツのようなものとなる可能性を危惧しています。

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次に、スティーブン・ローチ『アメリカと中国 もたれ合う大国』(日本経済新聞出版社) です。本書のタイトルからは地政学的ないし安全保障にかかわるテーマ設定かと思わないでもないんですが、著者がモルガン・スタンレーの著名なエコノミストですから、中身は経済がほとんどを占めます。要するに、ひと昔前に流行った議論ですが、中国の過剰貯蓄が米国の過剰消費をサポートしているというもので、特に新味はないんですが、この両国のもたれ合いが決してサステイナブルではなく、中長期に持続不可能であると指摘している点です。米国経済の舵取り役は米国連邦準備制度理事会(FED)の議長であり、中国経済は政府の首相である、というのは当たり前のような気もしますが、グリーンスパン-朱鎔基、その後のバーナンキ-李克強のパーソナリティも含んだ議論展開は、それなりに斬新な雰囲気があります。だからどうしたという政策的な議論がないのはご愛嬌かもしれません。

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次に、キャス・サンスティーン『恐怖の法則』(勁草書房) です。実現する確率がかなり小さいにもかかわらず、ダメージが非常に大きいため、これらの積である期待値が無視できないイベントとして「恐怖」を考え、実際の現象としては、炭疽菌などの病原菌、有毒化学物質、テロリズムなどについて議論を展開しています。そして、非常に難解なんですが、結論は予防措置は否定しないものの、予防原則は否定し、私には矛盾した用語に見受けられる「リバタリアン・パターナリズム」による解決がベストであると示唆しています。著者はシカゴ大学からハーバード大学に移った法学者であり、特に明示的な説明はなかったものの、バックグラウンドとしてシカゴ学派のナイト流のリスクと不確実性に関する峻別を理解しておく必要はありそうです。その上で、これも明示的な提示はないものの、低い確率と高いダメージをかけ合せた積で表現される「恐怖」の期待値への対応を考察しています。ランド研究所流の「フェイル・セーフ」と本書で否定されている「予防原則」がどういった関係にあるのか、同じ概念なのか、少し違うのか、まったく違うのか、については私は読み解くことは出来ませんでした。また、「リバタリアン・パターナリズム」も、セイラー教授の論文や本なども含めて、今までに何度か聞いたことがあるものの、明らかに矛盾する概念であり、私は結論として支持できないと感じざるを得ませんでした。まるで、積極的にバットを振って打ちに行けと言いつつ、フォアボールを選べと言われているような感じです。

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最後に、若田部昌澄『ネオアベノミクスの論点』(PHP新書) です。著者は早大教授であり代表的なリフレ派のエコノミストといえます。本書では昨年の総選挙後に再起動(リブート)される経済政策について「ネオアベノミクス」と捉え、その論点や課題を論じています。そのネオアベノミクスで重要なポイントをいくつか取り上げていますが、そのひとつが「オープン・レジーム」という概念です。反対が「クローズド・レジーム」であることは容易に想像できます。本書が出版されているPHP社の「PHP Online 衆知」のサイトで著者自身がオープン・レジームとクローズド・レジームの特徴として、「オープン・レジームはルール・枠組みを重視し、そのもとで新規参入を促進しようとする。政府がおカネを使うよりは民間がおカネを使うことを重視する。再分配についても、ルールを定めて裁量が働かないようにする。他方のクローズド・レジームは、政府の裁量・計画を重視し、特定産業の利害を重視する。」と述べています。アセモグル/ロビンソンの『国家はなぜ衰退するのか』では、inclusive と exclusive だったんですが、これに類似の概念で、明快な定義は現時点では難しそうな気もします。なお、どうでもいいことながら、国際通貨基金(IMF)のエコノミストによりアベノミクスを論じた本が、もちろん英語ですが、最近出版されました。 Can Abenomics Succeed?: Overcoming the Legacy of Japan's Lost Decades というタイトルです。IMF directのブログでも取り上げられています。邦訳が出版されるまで少し時間がかかるでしょうが、何らご参考まで。

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2015年5月 2日 (土)

藤浪投手8回完投2ケタ三振の力投も報われず巨人に競り負け5連勝ならず!!

  HE
阪  神000000000 070
読  売00000010x 150

先発藤浪投手の力投報われず巨人に競り負けました。藤浪投手は8回を完投し10奪三振1失点だったんですが、阪神打線が音なしに終わって得点できず敗戦投手となってしまいました。こういったロースコアで競り合う展開になると、どうしても代打陣を含めた打者の層の薄さのために勝ち切れない試合が多いような気がします。

明日は能見投手を押し立てリベンジ目指して、
がんばれタイガース!

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下の倅の高校の文化祭に行く!

5月1-3日の予定で、下の倅が通う高校の文化祭が開催されています。もともと、自由な校風の下でやんちゃな子が通う学校で、自由で派手めな文化祭として有名だと聞き及んでいます。実は、私は昨日のうちに休暇を取って午前中から行って来ました。我が家の倅のクラブは見かけなかったんですが、インフォメーションで聞くと、私のお目当てのひとつである書道部も何やら展示をしていませんでした。
下の写真は文化祭のヒトコマです。上から順に、「白熱教室」と銘打った、たぶん、ディベートの1日目のテーマ一覧、生物部で展示されていたヤマメなどの入った水槽、物理部はロボットだらけで部員が熱心に説明してくれるんですが、私には理解できない部分もあったりしました。最後はプロ野球展の展示で1985年に我がタイガースがリーグ優勝、そして日本シリーズを制した折に発行された雑誌類の特別号のコレクションです。30年を経て、私もこれくらいのコレクションはまだまだちゃんと保存していたりします。

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2015年5月 1日 (金)

雇用統計と消費者物価から我が国経済の現状を考える!

本日、総務省統計局の失業率、厚生労働省の有効求人倍率毎月勤労統計などの雇用統計が、また、総務省統計局から消費者物価指数(CPI)が、それぞれ公表されています。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

有効求人倍率、3月横ばいの1.15倍 失業率改善3.4%
厚生労働省が1日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.15倍と前月から横ばいだった。23年ぶりの高水準を維持した。企業の求人は増える一方、新たに仕事を探す人が減っているためだ。総務省が同日発表した完全失業率は3.4%と0.1ポイント下がった。
有効求人倍率は全国のハローワークで職を探す人1人に対して、企業から何件の求人があるかを示す。倍率が高いほど、求職者は仕事を見つけやすく、企業は採用が難しくなる。
3月に受け付けた新規求人数(原数値)は前年同月に比べ4.7%増の87万5144人。主要11業種のうち、9業種で増えた。宿泊業・飲食サービス業が18.8%増で、伸び率が最も高かった。教育・学習支援業(12.3%増)や医療・福祉(10.7%増)も増加が目立った。
完全失業率は働ける人のうち、未就職の状態で仕事を探している完全失業者の割合を示す。3月は15-24歳の若年労働者の就業が進み、失業率が低下した。
2014年度平均の失業率は3.5%で前年度に比べ0.4ポイント下がった。有効求人倍率は1.11倍で0.14ポイント上昇した。
賃金も増えている。厚生労働省が1日まとめた3月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、額面の賃金を示す現金給与総額は27万4924円と前年同月より0.1%増えた。プラスは4カ月連続。賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)の広がりで、基本給を示す所定内給与が0.3%増えた。
賃金の伸びから物価の増減を差し引いた購買力を示す実質賃金は2.6%減と、23カ月連続でマイナスになった。昨年4月の消費増税による物価の上昇が響いている。影響が一巡する今年4月以降にプラスに転じる可能性がある。
消費者物価、増税分除き0.2%上昇 3月2.2%
総務省が1日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は値動きの激しい生鮮食品を除いたコアCPIが103と、前年同月比で2.2%上昇した。14年4月の消費増税の影響を除くと0.2%上昇だった。日銀が掲げる消費増税分を除いて2年で2%という物価安定目標との差は大きいままだ。
コアCPIは13年6月以降、22カ月連続で前年同月を上回っている。しかし、消費増税後は伸びが鈍っている。増税分を除く上昇率は、14年4月の1.5%をピークに縮小傾向で、2月は横ばいだった。
3月に0.2%上昇したのは、原油などエネルギーの下落幅が2月より縮小した影響が大きい。エネルギーは2月に前年同月に比べ2.1%下落したが、3月は1.0%下落だった。
3月のコアCPIを前月比でみると、ガソリンが4.4%、灯油が2.7%上がるなどエネルギーが1.7%上昇した。春休みで外国パック旅行も8.5%上昇した。
14年度全体は103.2と前年度比2.8%の上昇だった。バブル期の1990年度以来の大きさとなった。消費増税の影響を除くと、0.8%の上昇にとどまる。
3月の生鮮食品を含む総合指数は前年同月比2.3%上昇の103.3、食料とエネルギーを除いた総合指数は2.1%上昇の100.7だった。
総務省は先行きの物価について、「外食などで価格上昇の動きはあるが、当面は横ばい圏で推移する」とみている。日銀は30日の金融政策決定会合で、2%の達成時期を後ずれさせ、「16年度前半ごろ」とした。30日の記者会見で黒田東彦総裁は、「15年度後半にかけて物価が再び上昇していく」と述べた。
今後の物価の先行指標となる東京都区部の4月中旬速報値は102.1で、前年同月比0.4%の上昇だった。消費増税分の影響を除くと、0.2%の上昇になる。

次に、雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数、所定外労働時間指数、と、ここまではすべて季節調整済みの系列であり、影をつけた景気後退期とともにそのままの統計値をプロットしていますが、最後のパネルの給与のグラフだけは、影をつけた景気後退期は同じながら、季節調整していない原系列の現金給与総額指数と所定内給与指数のそれぞれの前年同月比を取っています。

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まず、雇用は引き続き堅調に推移していると私は受け止めています。上のグラフの中でも、新規求人数が急落しているのが目立ちますが、2月には新規求人数・新規求人倍率とも落ちた一方で、3月には新規求人倍率は回復しています。しかし、新規求人数はまだ落ち続けています。大学生の就活のスタートが変更された影響なのか、それとも、人手不足の影響が集中的に新規求人数に現れているのか、現時点では不明です。新規求人は雇用の先行指標だけに気にかかりますが、何とも評価できません。それ以外の指標については、失業率は低下傾向を維持しており、有効求人倍率は上昇を続け、所定外労働時間も生産と歩調を合わせて、まずまずの水準で推移しており、賃金もじわじわと上昇してマイナス領域からプラスに転換しつつある段階かと見えます。引用した記事にもある通り、4月の統計から消費増税による物価上昇ショックが剥落しますので、賃金は前年比でプラスを記録する可能性が極めて高いと考えるべきです。名目賃金だけでなく、4月には実質賃金もプラスに転ずる可能性があると私は予想しています。

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次に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って全国の生鮮食品を除くコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。東京都区部の統計だけが4月中旬値です。いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とは微妙に異なっている可能性があります。ということで、3月のコアCPI上昇率+2.6%のうち、「金融経済月報」2014年3月号に掲載された「消費税率引き上げ(5%→8%)が消費者物価に与える影響」に従えば、フル転嫁で全国コアCPI上昇率には+2.0%ポイントの押上げ効果があると試算されていますので、消費増税の影響を除く実力としては引用した記事にもある通り+0.2%ということになります。この消費増税の物価への影響が剥落するとどうなるかが示されたのがグレーの折れ線グラフの東京都区部のコアCPI上昇率です。今年に入って、1-3月は各月とも前年同月比+2.2%を示していましたが、4月は一気に上昇幅が縮小して+0.4%の上昇にとどまりました。消費税の影響が剥落した4月の全国コアCPI上昇率はゼロ近傍と私は予想しています。日銀のインフレ目標到達は時間がかかるかもしれません。

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