ゴールデンウィークにシュンペーター『経済発展の理論』を読む!
シュンペーター『経済発展の理論』上下 (岩波文庫) を読み終えました。未読の古典でしたので、まあいいかと思うんですが、やっぱりゴールデンウィークに読む本としては分量的に不足していたような気もします。いわゆる「革新」について、体型の均衡点を動かすものであって、しかも、微分的な連続性を持った均衡点の移動ではない、と論じており、私の歴史観ととてもよく合致しています。何度か、このブログにも書きましたが、私の歴史観は基本的にヘーゲルの弁証法的であり、微分方程式に沿って進歩を示しているものの、確率論的なジャンプがある、というものです。すべてが微分方程式に沿って進んでいれば、初期値さえ決まればアカシック・レコードのように、未来は決定されてしまいますが、決して決定論的ではなく、確率論的に非連続なジャンプがあり得るわけで、その非連続なジャンプこそが弁証法的な「量的変化が質的変化に転化する」という歴史観です。とてもマルクス主義的な歴史観だと自分では思っています。
分量的に「日和った」と4月27日のブログに書きましたが、実はここ数年、まとまったお休みにはブローデルの『地中海』を読みたいと考えているんですが、全5巻のボリュームですから手が出ずにいます。また、今年は上の倅が社会学を勉強するといって大学に進学しましたので、ジョン・アーリでも読もうかと考えたこともあり、既読は『場所を消費する』くらいだったので、著名な『観光のまなざし』とか、『社会を越える社会学』とか、『グローバルな複雑性』なども考えないでもなかったんですが、つい最近になって『モビリティーズ』が邦訳出版されたと知り、ゴールデンウィーク中には入手が間に合わないと諦めてしまいました。
まあ、来年のゴールデンウィークとか、次の年末年始休みとか、いろいろと考えたいと思います。まとまったお休みにしては、ややしょぼい読書感想文でした。
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