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2015年5月26日 (火)

企業向けサービス物価上昇率は消費増税の影響が一巡してもプラスを維持!

本日、日銀から4月の企業向けサービス価格指数(SPPI)が公表されています。ヘッドライン指数の前年同月比上昇率は+0.7%、国際運輸を除くコアSPPIの上昇率で見ても同じく+0.7%を記録しています。4月で消費増税の物価押上げ効果がほぼ一巡してSPPI上昇率は大きく鈍化したものの、企業物価(PPI)と違って原油価格低下の影響が小さく、プラスを維持しています。まず、日経新聞サイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の企業向けサービス価格、前年比0.7%上昇 派遣やトラック上昇
日銀が26日発表した4月の企業向けサービス価格指数(2010年度平均=100)は102.8と、前年同月に比べ0.7%上昇した。4月も一部残る消費増税の影響を除くと0.5%上昇。増税抜きベースで比較すると、3月から伸び率は0.1ポイント拡大した。宿泊サービスの上昇が続いていることや、4月の価格改定で派遣やトラック輸送などの単価が上昇したことが寄与した。
増税の影響を除き前年同月を上回るのは22カ月連続。上昇品目は73、下落は38だった。上昇品目と下落品目の差は35で、3月の26から拡大した。
品目別に見ると、外国人観光客の増加などを背景に宿泊サービスが3月から上昇幅を拡大。自動車産業などが好調で、労働者派遣サービスも伸び率を高めた。トラックなどの道路貨物輸送も人手不足を反映し上昇した。
ただ、昨年4月に有料道路を値上げした影響が一巡したことで、全体の伸び率は小幅な拡大にとどまった。日銀は「エネルギー価格低下の影響もあり、5月にさらに伸び率を高めるかどうかは見通せない」(調査統計局)としている。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。今回の発表では2014年度の数値が一部改訂された。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルはサービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしています。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

3月はヘッドラインSPPI、コアともに前年同月比上昇率が+3.1%を記録し、消費増税の影響が一巡した4月にはヘッドライン・コアとも+0.7%に大きく上昇率が縮小しています。ただし、ヘッドラインの消費税の影響を除くベースでの前年比上昇率はむしろ加速しており、3月の+0.4%から4月には+0.5%に上昇幅を拡大しています。なお、一巡したとはいえ、4月はまだ消費増税の影響が残っていたりします。もちろん、それを差し引いてもSPPI上昇率はプラスを維持しています。PPI上昇率がマイナスに転じたのとは違っており、上のグラフに見る通りです。
ヘッドラインSPPI上昇率で見て、3月の+3.1%から4月の+0.7%まで▲2.4%ポイント低下したうち、寄与度で▲0.1%を超えている項目を並べると、ソフトウェア開発▲0.22%、道路貨物輸送▲0.18%、リース▲0.15%、有料道路▲0.13%、法務・会計サービス▲0.12%、機械修理▲0.12%、金融手数料▲0.11%などが上げられています。まあ、ほとんど軒並みウェイトの高そうなサービスが大きなマイナス寄与を示しているので、下落幅が大きいというよりはウェイトの問題で寄与度が大きくなっているような気もします。また、季節変動との関係が明らかではありませんが、消費増税の影響は関係ないと見られる3月から4月にかけての前月比では、新聞広告とテレビ広告の広告、情報処理・提供サービスなどの情報通信の伸びが高くなっています。

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