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2015年5月29日 (金)

いっせいに発表された政府経済指標の統計から何が読み取れるか?

今日は月末最後の営業日でしかも閣議日ですので、いろいろな政府経済指標がいっせいに公表されています。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数が、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、また、総務省統計局から消費者物価が、それぞれ発表されています。いずれも4月の統計です。生産は季節調整済みの前月比で+1.0%の増産となり、生産の派生需要である労働では、失業率が前月から▲0.1%ポイント低下して3.3%となり、有効求人倍率も0.02ポイント上昇して1.17を記録するなど、総じて改善を示しています。消費者物価は昨年の消費増税の影響が一巡して生鮮食品を除く全国コアCPI上昇率は+0.3%と上昇率が大幅に鈍化しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の鉱工業生産指数、前月比1.0%上昇 3カ月ぶり上昇
経済産業省が29日発表した4月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比1.0%上昇の99.1だった。上昇は3カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.8%上昇で、市場予想を上回った。生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
生産指数は15業種のうち9業種が前月比で上昇し、低下は6業種だった。電子部品・デバイス工業がスマートフォン向け部品の輸出の伸びにより5.2%上昇した。電気機械工業が6.4%上昇したことも寄与した。国内でエアコンなど白物家電の販売が好調だったことが生産増につながったようだ。
一方、軽乗用車などで在庫が高水準にある輸送機械工業は0.7%低下した。情報通信機械工業も6.6%低下した。
出荷指数は前月比0.4%上昇の97.7と、3カ月ぶりのプラスとなった。在庫指数は横ばいの113.4だった。在庫率指数は1.4%低下の112.8となり、3カ月ぶりに低下した。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、5月は前月比0.5%上昇、6月は0.5%の低下を見込む。輸送機械工業での在庫増などを受け、経産省では今後の基調について「横ばいになっていく可能性もある」としている。
4月失業率3.3%、18年ぶり低水準 個人消費なお低迷
景気の緩やかな回復を映し、雇用や企業の生産活動の改善が続いている。4月の完全失業率は3.3%と前月に比べ0.1ポイント低下。1997年4月以来、18年ぶりの低水準となった。企業の採用が活発になり離職者が減った。IT(情報技術)関連などの生産が増え、鉱工業生産指数は前月比1%増となった。ただ、家計の消費支出はマイナスで、個人消費の本格回復には至っていない。
総務省が29日発表した4月の失業率は、3カ月連続で改善した。未就職の状態で仕事を探している完全失業者数は234万人で、前年同月に比べ20万人減った。このうち、勤め先や事業の都合による離職が41万人と6万人減った。
正社員と非正規社員の両方が増え、雇用の質も改善している。正規社員は6万人増の3294万人、非正規社員は30万人増の1939万人だった。15歳から64歳の就業率は72.9%で0.5ポイント上昇した。
失業率はリーマン・ショック後の2009年7月に5.5%に上昇したが、景気の持ち直しを受けて低下傾向が続いている。現行の賃金水準で働きたい人がすべて雇用されている「完全雇用」に一段と近づいたとの見方もある。
雇用指標では、同日厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.17倍と前月から0.02ポイント上昇した。23年1カ月ぶりの高水準だ。教育・学習支援業や医療・福祉で求人が増えた。有効求人倍率が高いほど、求職者は仕事を見つけやすく、企業は採用が難しい。幅広い業種で、人手不足が続き、賃金も上昇する要因となっている。
雇用改善の背景には企業の生産活動の持ち直しがある。経済産業省が同日発表した4月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整値)速報値は前月比1.0%増の99.1となった。前月を上回るのは3カ月ぶり。経産省は「緩やかな持ち直しの動き」との基調判断を据え置いた。中国などアジアで組み立てるスマートフォンの新機種生産を見込み、電子部品・デバイスが5.2%増えた。電気機械は国内向けのエアコンを中心に6.4%増加した。
一方、個人消費は低迷から脱し切れていない。総務省が同日発表した4月の家計調査によると、2人以上世帯の1世帯当たり消費支出は30万480円と、物価の動きを除いた実質で前年同月比1.3%減った。減少は13カ月連続となる。
住宅リフォームなどの支出が減り「住居」が実質で20.6%減り、全体を大きく押し下げた。総務省は、「増税前の駆け込み需要で膨らんだリフォーム費の支払いが4月にずれ込んだことが影響した」と説明した。
季節要因をならした4月の実質消費支出を3月比でみても5.5%減だった。マイナス幅は縮小傾向にあるが、消費には弱さがある。
全国コアCPI、4月は0.3%上昇 増税分除き実質横ばい
総務省が29日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010=100)は、生鮮食品を除く総合が103.3と前年同月比0.3%上昇した。プラスは23カ月連続。QUICKが事前にまとめた市場予想の中央値(0.2%上昇)を上回った。3月は2.2%上昇だった。
昨年4月は電気代など公共料金の旧税率を適用する経過措置が続いたため、今回も消費増税の影響が一部(0.3%)残った。この要因を除く実質では前年同月比で2カ月ぶりに横ばいとなった。3月(消費増税の影響を除き実質0.2%上昇)に比べ伸びが鈍った。原油安に伴い、ガソリンなどのエネルギー価格が下がった。耐久消費財や外国パック旅行も値下がりした。半面、生鮮食品を除く食料の価格は上昇した。品目別では上昇が321、下落が161、横ばいは42だった。
食料・エネルギーを除く「コアコア」のCPIは101.0と0.4%上昇。経過措置の影響(0.2%)を除く実質では0.2%のプラスで、3月(消費税除き0.4%上昇)から伸びが鈍った。生鮮食品を含む総合は103.7と0.6%上昇した。
先行指標となる5月の東京都区部のCPI(中旬速報値、2010=100)は、生鮮食品を除く総合が102.2となり、0.2%上昇した。伸び率は実質で4月(経過措置の影響除き0.2%上昇)と同じだった。一方、コアコアCPIは0.1%上昇で小幅な上昇に転じた。4月は実質0.1%下落だった。生鮮食品を含む総合は0.5%のプラスだった。

いずれも網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。しかし、これだけの記事を並べるとそれなりのボリュームになります。これだけでお腹いっぱいかもしれません。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。景気後退期のシャドーについては雇用統計も同様です。

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生産については、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスが前月比+0.8%増の増産でしたから、ほぼジャストミートしたと私は受け止めています。ただし、3月の減産が▲0.8%でしたから、4月の増産が+1.0%といっても、ならして見ればほぼ横ばいとの印象で、さらに、同時に発表された製造工業生産予測調査によれば、前月比で見て5月は+0.5%の増産の後、6月は逆に▲0.5%の減産と、先行きについても一進一退の動きが予測されています。どうも、生産については横ばいの動きが続く踊り場的な段階に入ったような気がします。この大きな要因のひとつは海外需要であり、我が国から見た輸出です。米国の冬季の異常気象や西海岸の港湾労働紛争などは一段落したものの、ギリシアの債務状況などに起因する欧州の景気動向がまだ不透明感を払拭するに至りませんし、何よりも、中国経済の減速が我が国輸出にブレーキをかけています。上のグラフの下のパネルに見える耐久消費財の出荷動向も昨年の消費増税以降はパッとせず、内需、特に消費動向もまだ本格回復にはほど遠いと考えられます。ただし、足元から申越し先の今年度後半くらいを見通せば、米国経済の復調やボーナスをはじめとする賃上げに支えられた所得増などから、国内の消費が回復を見せる可能性も期待できると私は考えています。

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その消費を支える雇用については、上のグラフの通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。一見したところ、失業率の低下や有効求人倍率の上昇など、雇用情勢が改善に向かっているように見えますが、少なくとも失業率の低下については非労働力人口の増加、というか、一部の労働力人口の労働市場からの退出に起因するややネガティブな結果であり、雇用の増加によるポジティブなものではないと考えるべきです。すなわち、3月から4月にかけて、すべて季節調整済みの系列で見て、労働力人口は▲34万人減であり、就業者▲28万人減のうち雇用者が▲23万人も減少している一方で、非労働力人口は+35万人を記録しており、定年退職を含めた大量の労働市場からの退出により、見かけ上の失業率が低下しているように私は受け止めています。ただ、有効求人倍率は引き続き上昇していますので、人手不足はまだまだ続くんではないかと予想しています。

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消費者物価(CPI)については生鮮食品を除くコアCPIの上昇率が、昨年の消費増税の影響が剥落して大きく鈍化しています。引用した記事にもある通り、消費税の影響を除くベースでコアCPI上昇率はほぼゼロまで上昇幅を低下させています。約2年前に日銀の総裁と副総裁が交代して、2年後のインフレ目標を2%に設定したインフレーション・ターゲティングの政策にレジーム・チェンジしましたが、2年を経過してコアCPI上昇率はゼロに逆戻りしてしまいました。基本的に、国際商品市況における石油価格の下落という要因が大きいと私は受け止めており、確かに、岩田副総裁は就任時に目標が達成できなかった際の辞任を示唆しましたが、この状況下で2年でインフレ目標に達しなかった日銀幹部の責任を追及するのは酷だと考えています。ただし、追加的な金融緩和の余地が残されているかどうかは議論されて然るべきだと考えます。なお、あくまで頭の体操というか、仮想的な思考実験ですが、依然の日銀のような対応を続けていれば、物価上昇率はさらに低くなってしまっており、原油価格低下が原因であるので旧日銀理論により追加の金融緩和はまったく考慮すらしない、という結論だったような気もしないでもありません。

最後に、引用した雇用統計の記事に家計調査の結果が触れられています。昨日の商業販売統計の際にも私の見方は示しましたが、消費は回復しつつあるものの、本格回復からはほど遠い印象が確認されたと受け止めています。

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