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2015年7月31日 (金)

本日発表の雇用統計と消費者物価をどう見るか?

今日は月末最終日の閣議日で、いくつか政府統計が公表されています。すなわち、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、また、総務省統計局から消費者物価指数 (CPI)が、それぞれ公表されています。いずれも、6月の統計です。失業率は前月から+0.1%ポイント上昇して3.4%となった一方で、有効求人倍率は前月と同じ1.19倍を記録しました。雇用統計はいずれも季節調整済みの系列です。また、消費者物価上昇率は生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比上昇率で見て、前月と同じ+0.1%となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

完全失業率、6月は前月比0.1ポイント上昇の3.4%
総務省が31日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は3.4%で、前月比0.1ポイント上昇した。QUICKがまとめた民間予測の中央値(3.3%)を上回った。女性を中心に新たに求職する人が増えた。大半は就職に結びついたが、一部が求職中にとどまり、失業率がわずかに押し上げられた。
失業率が依然として3%台前半の低水準にあることや、就業者数は大幅な増加になったことから、総務省は雇用情勢について「引き続き改善傾向で推移している」とみている。
15-64歳の就業率(原数値)は73.5%だった。就業者数(季節調整値)は前月比34万人増の6391万人と、大幅に増えた。女性の就業者数は25万人増の2772万人と、1953年以降で最多となった。完全失業率を男女別にみると、男性が横ばいの3.6%、女性は0.1ポイント上昇の3.1%だった。
季節調整後の完全失業者数は222万人で前月比で4万人増加した。うち勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は2万人減の64万人と、2002年以降で過去最少になった。「自発的な離職」は4万人減、「新たに求職」している人は11万人増だった。離職者数は減少した一方、新たに仕事を探す人が増えたことで、完全失業者が増えた。仕事を探していない「非労働力人口」は4462万人と35万人減った。
消費者物価、6月は全国0.1%上昇 25カ月連続
総務省が31日発表した6月の全国消費者物価指数(CPI、2010=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除いたコアCPIが103.4と、前年同月比0.1%上昇した。上昇は25カ月連続。伸び率は5月の0.1%と同じだった。QUICKが事前にまとめた市場予想の中央値(横ばい)は上回った。一方、同時に発表された7月の東京都区部のコアCPIは13年4月以来、2年3カ月ぶりのマイナスに転じた。
6月の全国コアCPIは、円安などで値上げが相次ぐ食料(生鮮食品除く)の価格に加え、耐久財や宿泊料などが値上がりした。外食ではハンバーガーなどの値段が上昇したという。半面、原油安の影響で電気代や都市ガス代、ガソリンなどエネルギー価格は軒並み下がった。品目別では上昇が329、下落が149、横ばいは46だった。食料・エネルギーを除く「コアコア」のCPIは0.6%上昇し、5月(0.4%)から伸び率が拡大した。生鮮食品を含む総合指数は103.8と0.4%上昇した。
先行指標となる7月の東京都区部CPI(中旬速報値、2010=100)は、生鮮食品を除く総合が101.9と0.1%下落した。原油安に伴う電気代や都市ガス代などの値下げが影響し、エネルギー価格が下がった。総務省は「東京電力の電力料金の値下げが大きく影響した」と指摘。7月の全国CPIでは、電気料金引き下げの影響は、都区部より限定的との見方を示した。7月都区部のコアコアCPIは0.3%上昇し、6月(0.2%)から強含んだ。耐久財や宿泊料などが値上がりした。

いずれも網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。しかし、2つの統計の記事を並べるとそれなりのボリュームになります。これだけでお腹いっぱいかもしれません。続いて、雇用については、以下のグラフの通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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失業率が+0.1%ポイント悪化し、有効求人倍率が前月と同じで、新規求人数は前月から減少したわけですから、雇用統計は足踏みないし悪化しているように見えるんですが、実は、統計で出ているほどには悪化しておらず、特に失業率は景気回復に伴う労働市場への参入の増加の結果であろうと私は考えています。すなわち、いずれも季節調整済みの系列で5月から6月への動きを見ると、雇用者数が+24万人増、就業者数が+34万人増と着実に増加しているにもかかわらず、労働市場への参入が39万人あり、差引きで失業者が+4万人増加しています。景気回復や雇用の増加に従って、新規参入または再参入の労働者が労働市場での職探しに加わり、当然ながら、その一部が失業者となったために失業率が上昇したわけですから、先月段階で、私は労働供給側から見てほぼ完全雇用に達したと見込んでいましたが、まだ労働供給サイドにやや余裕があって労働供給が増加した結果ですので、むしろ、ポジティブに受け止めるべきかもしれません。有効求人倍率も労働供給サイドの求職側からの追加供給は多くは望めませんが、景気の踊り場なので求人側の労働需要サイドの動きが鈍った結果として横ばいになっているんではないかと、私は考えています。すなわち、部分的ながら4-6月期の景気の踊り場的な停滞の影響が出てていると考えるべきです。先行きは生産が回復に向かう中で、労働供給サイドの制約をいかに緩和するか、すなわち、雇用のミスマッチの解消や現時点で非労働力化している人々に魅力的な雇用条件を提示できるか、などが課題になる可能性が高いと私は予想しています。

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次に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。東京都区部の統計だけが7月中旬値です。いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミューに異なっている可能性があります。ということで、引用した記事にもある通り、全国ベースで6月のコアCPI上昇率はとうとう+0.1%まで縮小し、7月の東京都区部のコアCPI上昇率はマイナスに突入しました。既に電力・都市ガス大手は燃料費調整制度に基づいて8月までの大幅値下げを発表しており、秋口くらいまでCPI上昇率はゼロ近傍からマイナスを記録する可能性が高いと私は受け止めています。2年で+2%の物価上昇を目指した日銀のインフレーション・ターゲティングと大きくかい離しているわけです。したがって、私はいずれかのタイミングで日銀が追加緩和に踏み切るものと考えていますが、原油価格次第の物価だと日銀が判断すれば、追加緩和は見送る可能性も十分あり、今後の金融政策に注目です。

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